大串博志の発言 (予算委員会公聴会)
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○大串委員 ありがとうございます。
今おっしゃいましたように、確かに、フリーター、非正規雇用者、若年層の中での格差、そしてその中で適切な職業訓練やスキルの獲得がなかなかなされないということにおいて、現実に今非常に大変な思いをしていらっしゃる方々、そして将来の格差の拡大に非常に心配をされている方々、それが非常に多いんだと思います。今おっしゃったように、その中で政府が重要な役割を果たしていく、特に雇用教育の面や、それ以外の一般的な教育の面でも果たしていく役割があるんだという点については、そのとおりだと思いますので、その点についてはまた後ほど少し話をさせていただくことにします。
もう一つ逢見公述人にお尋ねできればと思うんですけれども、先ほどのお話の中で、格差拡大の背景の一つとして、企業の行動の変化があるんだというお話をいただきました。アメリカ流の短期利益追求主義に走り過ぎたがゆえに、例えば、人を育て、人を活用していくというような視点をもってして企業経営をしなくなったのではないか。あるいは、雇用ポートフォリオというふうな言葉をお使いになりましたけれども、雇用の部分に異常に無理を強いて企業の利益を上げていこうとしているところがあるんじゃないかというふうなお話がありました。
一方、日本経済の現状、先ほど植野公述人からもお話がありましたけれども、戦後の日本の経済の成長過程を見ておりますと、オイルショック前後、それからバブル経済と言ってもいいでしょうか、バブル経済が終わるころまでのところ、ある程度のコンセンサスはあるんだと思いますけれども、潜在的な経済成長率が非常に高かった時代というのがあったんだと思います。
そういう中での企業経営というのが一つあって、そしてバブルが崩壊して以降、いわゆる人口もそう伸びなくなる社会に入ってきて、かつ、もう一つ、経済成長の一つの淵源たる資本の深化みたいなものも、戦後の時代が終わるとともに、その部分で伸びていくというのもなかなかなくなってきて、あとは技術進化でどう伸びていくか、そういう世界になっていく、潜在成長率が非常に低くなった時代に入ってきているんじゃないかというふうに思われます。
そういう中での企業経営というのは大変難しくなってきているんだろうというふうに思うわけです。非常に効率的に、人材も含めて資源を使っていかなければならないというふうな企業経営が求められてくる。そういう中で、企業の中のいろいろなインセンティブシステムをきちっと働かせて、収益をどう上げているかということをきっちり管理していかなければならなくなるような時代におのずと入ってきているのではないか。しかもそれは、全体の経済の活力を維持するためにはそういう面も、企業の中で一生懸命頑張ってもらうという点も、やはりどうしても経済の構造の変化とともに起こってきているんじゃないかというふうに思うわけです。
一方で、先ほどお話のありましたように、過度にそれが一部のところにツケが回るようなことがあってはいけない。先ほど、雇用形態ごとに非常に待遇が違うんだという点の指摘がございました。一方が非正規で一方が正規だったら、同じような仕事をしていても取り扱いが全く違うんだ、そこで非常に不平等を感じていらっしゃる方々が日本の中では非常に多いんだというふうな御説明もありました。
そういうふうに、企業の中でも効率を求め、収益を上げていくという動きが必然的になってきている時代にはあると思うんです。それはある程度、日本の中でも起こっていかざるを得ない。それと、先ほど申されたような企業の雇用慣行等も含めて、どこか弱いところに非合理的な力をかけて、圧力をかけて、どこかに苦しみのしわを寄せるようなことがあってはならないんじゃないかというふうに思われるんですけれども、そこをどういうふうに企業経営として調和させていくのかというところが、非常に悩ましいところがあると思うんです。その辺については御所見はございますでしょうか。