高野博師の発言 (外交防衛委員会)
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○高野博師君 イラクの現状はやっぱり三つぐらいにとらえることができるんではないかと思うんですね、三つ。
一つは、やっぱりイラク人同士の戦い、対立、武力衝突、これが非常に拡大していると。それからもう一つは、これはもうシーア派の勢力が台頭しているということもあって、イスラム勢力、これが大きくなりつつある。もう一つは、イランの影響といいますか、イランとイラクの接近という、あるいはイランの介入というか、これが今のイラクの現状ではないかと思うんですね。したがって、これほど社会が分断してしまった、しかもだれ一人として安全を感じることができないような状況になっている。これはいずれもアメリカが当初予想していなかった事態だろうと思います。
ということになると、イラクの戦争を含めて、このイラクという問題は一体何だったのかと。その民主化とは何なのかと。アメリカはもう二千三百人以上のアメリカ兵の死者を出していると、膨大な戦費を使っている、多国籍軍あるいは有志連合も参加して。これは、しかもイラク国民も、何十万か何万か知りませんが、正確には知りませんが、相当の犠牲者を毎日出している。しかし、今一番得しているのはだれかというと、ある意味でイランになっているんではないか、そういう見方もあるんですね。これはまた、アメリカが最も望んでいなかった事態ではないかということで。
しかし、今アメリカが、米軍がイラクから撤退すればイラクはもう破局的な状況になるんではないかという意味では、アメリカは引くことはできない。テロリストも相当ばっこするでしょうし、非常に中東全体が不安定になるという意味では撤退は難しい。しかし今、民主的な手続、民主的な選挙によって今のような状況が生まれているわけですから。正にこれは、もう前から言われたようにパンドラの箱を開けたとも言われてるわけですが、これはアメリカの相当の誤算が、あるいは甘さが、おごりがあったのかなという気もいたしますが。
そういう状況の中で、米軍は今十三万何千行っていると、アーカンソー州の州兵まで今駆り出して行っているというような状況の中で、日本というのはこういう状況の中で自衛隊が撤退ということができるのかどうか。
その前に、これは防衛庁長官に、自衛隊の派遣というのをどう評価されているのか、簡潔にお答え願いたいと思います。