鈴木達治郎の発言 (外交防衛委員会)
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○参考人(鈴木達治郎君) ありがとうございます。
私のポイントは、今の御質問に対して三点あります。まず第一にアジア版ユーラトムの可能性とその意義について、二番目が最近の、今の多国間アプローチに対する考え方、三番目にその中での日本の役割ということであります。
まず第一に、アジア版ユーラトムなんですが、いわゆるアジアトムと言われている構想は、十年以上前からいろいろ検討されてきたんですけれども、残念ながら実現しておりません。これは、ユーラトムと違って、アジア各国のいろんな開発段階の差とか思惑の違いとかいうのがありまして、現実には実現していないんですが、ただ、議論の中で共通のニーズが出てきております。使用済燃料廃棄物関係の貯蔵や処分、あるいは研究開発の必要性、それから原子力の安全性に対する協力と、こういったことを議論することによって、アジア各国の中での信頼性醸成が高まるということがありまして、このような議論は引き続き続けていくのがいいんではないかというのが私の意見であります。
二番目に、最近の多国間構想、今お話がありましたですけれども、ポイントになるのは、やはり兵器、核兵器に転用可能な核物質、高濃縮ウランとプルトニウムの管理、それから在庫量の削減、それからそれにつながる濃縮再処理技術あるいは施設の規制の強化と、この二つになるかと思います。
マルチラテラル・アプローチはIAEAのエルバラダイ事務総長の個人的な提案ではありますが、専門家の報告書が出ておりまして、この中でいろいろなオプションが検討されております。
それから、アメリカの先ほどの御紹介ありましたGNEPですが、これはアメリカ独自の提案ではありますけれども、やはり濃縮再処理施設の規制を強めていくということであります。
一方で、この核物質の管理、それから使用済燃料の管理、こういったことについてこれからは、基本的には共通するものとして、IAEAの提案とアメリカのいろんなほかの提案と共通するところは、国際的に管理していこうということであります。これは、確かに先ほどの外務大臣の御説明ありましたように、日本がこれまで進めてきた日本の核燃料サイクルに制限を与えるということはいけないんですけれども、これからは一国だけで核燃料サイクルを進めていくというのではなくて、多国間で核燃料サイクルを進めていこうという方向に行くんではないか。そういった中で、日本は非核保有国で唯一の核燃料サイクルを持つ国として責任があると私は思います。
これまでやってきた、日本が実行してきた核不拡散に関する徹底した遵守の精神及び透明性向上策、それから保障措置の関連や計量管理の技術開発、こういった面で日本は世界のリーダーであるというふうに私は感じておりますので、こういった点を更に世界に進めていく役割を日本は持っているんではないか、そういう点からマルチラテラル・アプローチやアメリカの構想について積極的に貢献していくことができるんではないかというふうに思っております。
以上でございます。