外交防衛委員会

2006-04-18 参議院 全122発言

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会議録情報#0
平成十八年四月十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     谷合 正明君     遠山 清彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         舛添 要一君
    理 事
                浅野 勝人君
                山本 一太君
                榛葉賀津也君
                柳田  稔君
                高野 博師君
    委 員
                愛知 治郎君
                岡田 直樹君
                金田 勝年君
                川口 順子君
                小泉 昭男君
                櫻井  新君
                福島啓史郎君
                浅尾慶一郎君
                犬塚 直史君
                今泉  昭君
                佐藤 道夫君
                白  眞勲君
                遠山 清彦君
                緒方 靖夫君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     麻生 太郎君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  額賀福志郎君
   副大臣
       防衛庁副長官   木村 太郎君
       外務副大臣    金田 勝年君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        愛知 治郎君
       外務大臣政務官  遠山 清彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        泊  秀行君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      塩沢 文朗君
       内閣府原子力委
       員会委員長    近藤 駿介君
       消防庁国民保護
       ・防災部長    小林 恭一君
       外務大臣官房審
       議官       長嶺 安政君
       外務大臣官房参
       事官       梅田 邦夫君
       外務大臣官房参
       事官       伊藤 秀樹君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   中根  猛君
       外務省経済協力
       局長       佐藤 重和君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局次長      下村 和生君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       小野  晃君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      安達 健祐君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院次長    寺坂 信昭君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院審議官   薦田 康久君
   参考人
       東京大学公共政
       策大学院客員教
       授        鈴木達治郎君
       原子力発電環境
       整備機構専務理
       事        竹内 舜哉君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○原子力の平和的利用に関する協力のための日本
 国政府と欧州原子力共同体との間の協定の締結
 について承認を求めるの件(内閣提出)
    ─────────────
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舛添要一#1
○委員長(舛添要一君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、谷合正明君が委員を辞任され、その補欠として遠山清彦君が選任されました。
    ─────────────
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舛添要一#2
○委員長(舛添要一君) 政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、政府参考人として、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官塩沢文朗君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することとし、また、参考人として東京大学公共政策大学院客員教授鈴木達治郎君及び原子力発電環境整備機構専務理事竹内舜哉君の出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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舛添要一#3
○委員長(舛添要一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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舛添要一#4
○委員長(舛添要一君) 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 本件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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浅野勝人#5
○浅野勝人君 我が国の原子力政策は核燃料サイクルを基本にしていますから、原子力発電で生じた使用済核燃料の再処理が不可欠となります。プルサーマル発電は再処理の過程で発生するプルトニウムとウラン238を加工して燃料にしますから、これまでの再処理にプラス加工が必要になります。
 この協定はそのためのものと理解していますが、ユーラトム二十五か国のうち、どこの国にどんなスケジュールで協力願いをするつもりですか。
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舛添要一#6
○委員長(舛添要一君) 金田外務副大臣、着席のまま御発言ください。
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金田勝年#7
○副大臣(金田勝年君) 答弁申し上げます。
 現在、ユーラトム加盟国のうち、イギリス、フランス及びベルギーにおきましてプルサーマルに用いるMOX燃料加工を商業的に行っている施設が稼働していると承知しております。MOX燃料加工の具体的スケジュールにつきましては、これらの施設を運営する企業と日本企業との間での契約により決められるものでありまして、政府としてはその計画に関与するものではありません。
 しかしながら、本件協定が締結されてユーラトムとの間で長期的かつ安定的な予見性を持つ法的枠組みが確立されることによりまして、日本企業にとってもユーラトム加盟諸国とのMOX燃料加工を含む原子力関連取引を進める上で安定的な基盤ができることとなると、このように考えております。
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浅野勝人#8
○浅野勝人君 普通、プルトニウムは八キログラムで核爆弾が一個できると言われています。日本がイギリスとフランスに委託したこれまでの再処理によって、単純に計算しますと三十七トン、プルトニウムがヨーロッパで保管されている勘定になります。半端な数字じゃありません。しかもこれからどんどん増えていきます。テロ集団に盗まれたり軍事転用されたら大変なことになります。核セキュリティーには十分な対応が求められます。
 協定では、IAEAの査察や移動の禁止、核防護など、一応制度上の担保が定められていますが、運用に当たっては相手国やIAEAと相当細やかな協調体制が必要と思われますが、どのようにお考えでしょう。
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金田勝年#9
○副大臣(金田勝年君) 正に委員御指摘のとおりであります。これにつきましては、核物質等のテロリストへの流出あるいは軍事転用の防止といった重要性、これにかんがみまして、平和的利用の確保、IAEA及びユーラトムによるその保障措置、それから再移転の規制並びに核物質防護につきましてこの協定におきましても規定しているわけであります。
 また、実際の運用におきまして適切に対処するために、この協定におきまして、協定に基づいて移転された核物質等の安全かつ効果的な管理に関します情報の交換、それから在庫目録の交換、そして協定の効果的な運用のための手続の作成といった点を定めますとともに、これは第十五条になりますが、これにおきまして本協定の下でのその協力を促進するための協議をすることも規定をしているわけであります。こうした対応を行いますことによりまして関係国との協調が確保されると、このように考えているわけであります。
 また、透明性を確保するという観点からは、我が国が保有しておりますプルトニウムにつきましては、海外に所在するものも含めましてその保有量をIAEAに報告をいたし、かつこれを公表をしている次第であります。
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浅野勝人#10
○浅野勝人君 金田副大臣は先週、中国を公式訪問されました。外務大臣の特命を帯びてこの時期に行く必要があった理由と目的をお聞かせください。
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金田勝年#11
○副大臣(金田勝年君) 日中関係というのは我が国にとりまして最も重要な二国関係の一つであると、このように考えております。そして一方で、日中間につきましては経済あるいは人的往来といった面につきまして強固な基礎が存在していると、このように考えております。
 しかしながら、先生がただいま御指摘されましたように、この日中関係というのはやはり相互理解といいますか、両国国民の相互理解はいまだ十分とは言い難いという面があろうかと思います。お互いの心が離れつつあるといったような指摘も出ておる状況の中で、やはり中長期的な視点に立ちまして、観点に立ちまして、両国の国民、特に次世代を担います青年の直接的な交流を推進していく、そして相手をしっかりと等身大に理解するということが必要ではないかというふうに考えるわけであります。
 このような認識に立ちまして、その必要性に加えて、先般の国会を通過いたしました平成十八年度予算におきましても、外務省といたしましては、対前年比約六〇%増、合計三十一億円になりますが、対中国のパブリックディプロマシー予算を確保をいたしたわけであります。また、平成十七年度の補正予算におきましては、国際交流基金並びに日中友好会館に対しまして総額二十五億円を出資、拠出いたしております。そして、日中二十一世紀交流基金、計百億円になるんですけれども、この基金を立ち上げた次第であります。
 こうしたことを受けまして、私は、今般訪中いたしまして外交部、文化部、教育部そして共産主義青年団等の中国側の責任者と積極的な意見交換を実施してきた次第であります。
 具体的に申し上げますが、一つには、日中二十一世紀交流基金の立ち上げによります日中双方の高校生を中心とした交流事業の実施、そして二つ目には、本年秋に中国側が予定しております日本における中国文化事業の取り進め方につきまして、そして三つ目には、日中国交正常化三十五周年であります明年を日中文化スポーツ交流年といたしまして、特に中国における日本文化年事業を実施していくということ、これは明年ですね、そして四つ目には、中国教育テレビ局に対しまして「プロジェクトX」を始めといたします番組ソフトを提供いたしまして対日理解を促進することにしてもらいたいということ、そして五つ目には、中国における日本語教育に係ります協力の在り方につきまして幅広く建設的な議論を行ったという点であります。
 以上、具体的に申し上げましたが、今回の訪中を通じまして我が国の文化交流そして人的交流への取組につきまして強い意欲を中国側に理解してもらい、両国国民の交流促進をすることの重要性を双方で確認するということができたという点につきましては、今後の日中関係の上で大きな意義があったのではないかと、このように考える次第であります。
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浅野勝人#12
○浅野勝人君 李肇星外務大臣と会談したと伝えられていますが、間違いありませんか。
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金田勝年#13
○副大臣(金田勝年君) はい、御指摘のとおりでありまして、李肇星外交部長と会談をすることをいたしました。それに先んじまして教育部副部長、文化部副部長との意見交換もしたわけでありまして、先ほど申し上げました文化交流、青少年交流の各ポイントをしっかりと説明もいたし、そして協議もしたということがあるわけであります。
 そして、その後、外交部の李肇星外交部長とも会談をいたしました。国民交流の増進は極めて肝要であると、李部長からもこれに対して、中国側も重視しているということで、教育部、文化部との意見交換により達成されました内容について外交部としても支持、協力をしたいという発言があったわけであります。また、李部長の方から、胡錦濤国家主席は日中友好七団体との会談の際に中国政府の当面の対日関係についての考え方を述べたいということで、その内容について改めて言及がありました。さらに、李部長の方からは、中国政府は日本との関係を大変重視しているということで、子々孫々の協力を進めたい、日中両国は共通利益を有しており、悠久の歴史がある、明年の日中国交正常化三十五周年をともに祝いたいという点の発言がありました。
 この中で、私の方からは、胡錦濤主席の発言に重ねて言及がありました点につきましては、基本的に私の方から次のように述べております。日中関係改善への基本的な意欲を示したものと胡錦濤主席の発言は理解したいが、日中関係の現状を見れば、いずれか一方の責任に帰されるものではないというふうに考えると。一つの問題が日中関係全体の発展を阻むには日中関係は余りにも重要である、このようなときこそ対話を通じて双方の知恵で問題を克服していくことが必要であるという旨を私どもの方からは、私からは述べております。
 以上であります。
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浅野勝人#14
○浅野勝人君 北朝鮮にちょっと触れておきたいと思いますけれども、北朝鮮の財政制度は二重構造になっています。財務省が二つある。一つは国家の財政を担当するまともな役所ですが、もう一つは金正日個人の懐へ入る資金を管理する役所です。平壌で三十九号と呼ばれる建物がその役所です。金正日は言わば第二財務省の資金を思いのままに朝鮮労働党や軍の幹部に配って忠誠心をつないでいます。
 バンコ・デルタ・アジア銀行が北朝鮮の麻薬や偽造した米ドル札のマネーロンダリングに関与したのがばれてアメリカの金融機関が取引を停止し、マカオ政庁も口座を凍結したことは既に公表されています。同じような疑惑がアジア地域の大手の銀行にもささやかれているという情報がこのところしきりです。アメリカによる金融の締め付けは北朝鮮を追い詰めており、六か国協議の行方とも絡んで米中北三国が微妙な綱引きをする主要な、主な争点になっているという見方が専らです。これらの資金が第二財務省の財源になっているわけですから、もし大手の銀行で北朝鮮系の口座が凍結されるといった新たな事態が発生したら、北朝鮮にとってはバンコ・デルタ・アジアとは比べ物にならない打撃になるものと見られます。
 これらの事柄は人ごとではありません。かつては日本からの献金がかなりのウエートを占めていたという経緯がありますから、外為管理と日本に立ち寄る北朝鮮船舶の監視を一層強めて、北への不明瞭な送金をゼロにする必要があります。
 外務省にはかなりの情報が集まっていると思われますが、ここで本当のことをしゃべるわけにもいかないでしょうから、副大臣、差し障りのない感想をお聞かせください。
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金田勝年#15
○副大臣(金田勝年君) ただいまの浅野先生からの御高説賜りましたし、これに対しましては外務省としても参考にさせていただきたいと、このように考えております。
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浅野勝人#16
○浅野勝人君 いや、それ以上の答弁はありません。
 気分の良くなったところで終わります。
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犬塚直史#17
○犬塚直史君 民主党・新緑風会の犬塚直史です。
 まずは、お手元の資料をごらんになってください。これ、最新版、平成十八年三月に出された原子力白書からそのまま取ってきた資料であります。
 ごらんになるとよく分かるんですけれども、核燃料の物質移動量、平成十六年度だけを見ても、とても日本の国内だけで考えが収まるような話ではないと。天然ウランの輸入に始まってその廃棄物の処理に至るまで、この件に関しては、もうあらゆる国とのかかわりが出てくるということはもう一目瞭然であります。
 特に、先ほどお話もありましたこの左側の丸の上の「実用発電炉」、いわゆる軽水炉と言われている原子力発電所から出てくる使用済みの燃料、これは二〇一〇年には一千四百トン毎年毎年出てくると言われているんですが、これが今、現在のところ、英仏を中心に委託をして再処理をしていると。先ほどお話がありましたが、プルトニウムも現状のところ、この真ん中の「再処理施設」というところなんですけど、海外にあるものが三十七トン、そして、ここから先が更に問題の例の高レベル核廃棄物、これをどのように処分をしていくかということが今正に最も注目されるところだと思うんですけれども。
 まず、外務大臣に伺いたいんですけれども、まず今回の協定、日本国とユーラトムとの間の協定ということになっております。相手側はヨーロッパのユーとアトムのトムを合わせたユーラトムと、我が国は一国であると。相手方は二十五か国が既に原子力の安全保障、原子力の安全、平和利用についてのある程度の基盤が持っていると、我が国は一国としてこことやっていかなければいけないというような状況にあって、先日、IAEAのエルバラダイ氏が提案をされた核燃料サイクルのマルチラテラル・アプローチ、いわゆるMNAと言われている、全世界規模でこの件をどういうふうにやっていこうかという、そういう提案なんですけれども、このMNAに対して我が外務省がいまいち積極的な姿勢というか対応をしていないんですが、その辺の外務大臣のまずは御見解を伺います。
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麻生太郎#18
○国務大臣(麻生太郎君) 日本としては、核不拡散体制のいわゆる維持強化というのは、これはもう当然喫緊の課題であるのは当たり前の話なんで、そう思っておりますが、こうした議論に向けてこれ積極的に参加をしてきたことも事実ですし、いろんな意味で国際協調も進めております。
 エルバラダイ事務局長が提唱いたしました通称MNAと言われております核燃料サイクルへのマルチラテラル・アプローチというものにつきましては、これ、御存じのように、IAEAにおいては公の議論はいまだなされたことはありません。
 そこで、日本としては、この構想が国際的な核不拡散体制というものをいわゆる強化するのに本当に貢献するのかという点が一点。また、いわゆる核不拡散条約、通称NPTと言われる条約がありますが、これの義務を誠実に履行して、かつ高い透明性というものを維持して、そして国際社会の信頼も得ているという、原子力の平和利用を行っている国、例えば日本のようなところですが、こういった国の原子力活動、平和利用に関する原子力活動というものを不必要に制限するということはないのかという点については、これは十分な議論がなされないと、少なくとも日本としてはその議論がなされた上でないとイエスともノーともなかなか言いにくいということなんだと思っております。
 それで、いわゆるアメリカが提唱しておりますのはもう一つあろうと思いますが、国際原子力エネルギーパートナーシップでしたっけ、この点につきましても、これはアメリカが原子力というものの発電、特に主に発電なんですが、発電を世界的に発展拡大するということを許容すると。これによってガソリンの消費量が減るとか、石油のSOx、NOx、CO2が減るとか、いろんな目的はいろいろあるとは思いますけれども、少なくともこういったものを許容しつつ、かつNPTの体制の礎というものを、不拡散というものの体制を維持するというようなことに対して、いろいろやっていくんだということを言っていることに関しましても同じような目的なんだとは思いますんで、それは、私ども、基本的には、構想が具体化していくに当たりまして、私どもとしてもその面につきましても議論に積極的に参加していきたいとは思っておりますが、結果として、まともに透明性を持って平和利用している国々にとってそれが逆な制限になるというのでは本末転倒になるのではないかというところが一番危惧をされている点で、この点につきましては更なる議論が深まることを期待しているというのが外務省というか日本の立場と御理解いただければと存じます。
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犬塚直史#19
○犬塚直史君 今のお話で、NPT体制には日本が引き続き大きな貢献をしていくと、そうしたことをやりつつ、その多国間の信頼できる枠組みづくりに向けては日本も議論に参加をし、貢献していくんだというような趣旨だと理解いたしました。
 この件について、実は、原子力委員会のワーキンググループの中で議論が行われておりまして、その中で、今日は、実は参考人でこちらに来ていただいたんですが、東京大学の鈴木達治郎先生に来ていただいたんですが、特にこの先生、お願いしましたのは、この議論の中で、アジア版のユーラトム、アジアでもこういう多国間の枠組みをつくるべきではないかというような議論に積極的に原子力委員会で発言をされておられましたので、今日、その辺のところを、少しマルチラテラルな枠組みでこの方向性、どういうふうに持っていくかと、どんな日本の貢献があるかということについて簡潔に御意見いただきたいと思います。
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鈴木達治郎#20
○参考人(鈴木達治郎君) ありがとうございます。
 私のポイントは、今の御質問に対して三点あります。まず第一にアジア版ユーラトムの可能性とその意義について、二番目が最近の、今の多国間アプローチに対する考え方、三番目にその中での日本の役割ということであります。
 まず第一に、アジア版ユーラトムなんですが、いわゆるアジアトムと言われている構想は、十年以上前からいろいろ検討されてきたんですけれども、残念ながら実現しておりません。これは、ユーラトムと違って、アジア各国のいろんな開発段階の差とか思惑の違いとかいうのがありまして、現実には実現していないんですが、ただ、議論の中で共通のニーズが出てきております。使用済燃料廃棄物関係の貯蔵や処分、あるいは研究開発の必要性、それから原子力の安全性に対する協力と、こういったことを議論することによって、アジア各国の中での信頼性醸成が高まるということがありまして、このような議論は引き続き続けていくのがいいんではないかというのが私の意見であります。
 二番目に、最近の多国間構想、今お話がありましたですけれども、ポイントになるのは、やはり兵器、核兵器に転用可能な核物質、高濃縮ウランとプルトニウムの管理、それから在庫量の削減、それからそれにつながる濃縮再処理技術あるいは施設の規制の強化と、この二つになるかと思います。
 マルチラテラル・アプローチはIAEAのエルバラダイ事務総長の個人的な提案ではありますが、専門家の報告書が出ておりまして、この中でいろいろなオプションが検討されております。
 それから、アメリカの先ほどの御紹介ありましたGNEPですが、これはアメリカ独自の提案ではありますけれども、やはり濃縮再処理施設の規制を強めていくということであります。
 一方で、この核物質の管理、それから使用済燃料の管理、こういったことについてこれからは、基本的には共通するものとして、IAEAの提案とアメリカのいろんなほかの提案と共通するところは、国際的に管理していこうということであります。これは、確かに先ほどの外務大臣の御説明ありましたように、日本がこれまで進めてきた日本の核燃料サイクルに制限を与えるということはいけないんですけれども、これからは一国だけで核燃料サイクルを進めていくというのではなくて、多国間で核燃料サイクルを進めていこうという方向に行くんではないか。そういった中で、日本は非核保有国で唯一の核燃料サイクルを持つ国として責任があると私は思います。
 これまでやってきた、日本が実行してきた核不拡散に関する徹底した遵守の精神及び透明性向上策、それから保障措置の関連や計量管理の技術開発、こういった面で日本は世界のリーダーであるというふうに私は感じておりますので、こういった点を更に世界に進めていく役割を日本は持っているんではないか、そういう点からマルチラテラル・アプローチやアメリカの構想について積極的に貢献していくことができるんではないかというふうに思っております。
 以上でございます。
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犬塚直史#21
○犬塚直史君 ありがとうございました。
 原子力委員会の理事はもうお辞めになっているんで個人的な意見として伺ったんですが、やはり多国間でやっていくに当たって一番今大きなネックになっているのは、やはり高レベル核廃棄物をどういう形でこれ処分していくかということだと思うんですね。
 この件に関して、もう一度、今日は竹内専務理事、原子力発電環境整備機構の竹内専務理事に来ていただいていますんで、その辺のことも含めて今日お話を伺いたいと思っているんですが、その前に、原子力委員会の方から、この高レベル核廃棄物について、人間が数十万年これ監視しなきゃいけないというものを一体どのようにやっていくかという、その原理原則のところをまず伺いたいと思います。
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近藤駿介#22
○政府参考人(近藤駿介君) お答えいたします。
 高レベル放射性廃棄物につきましては、地上で三十年ないし五十年間冷却した後、地層処分、すなわち地下三百メートルより深い地層中に処分することが我が国を含む各国が共通して実現しようとしている処分方策です。
 で、地下深部では地下水の動きが極めて緩慢、そして酸素が少ないということで、金属鉱床や化石などが非常に長期にわたって安定に存在し続けております。で、地層処分というのはこの深部地下が有するこのような物質を閉じこめて動きにくくする、こうした機能を活用する方策であります。
 で、火山活動とか地震、断層活動などが活発な日本でそんなところがあるかということがあるんですけれども、これも地層に残された様々な履歴をたどることでもって今後十万年程度の期間にわたってこうした天然現象が重大な影響を及ぼさないような地質学的に安定な地域を選ぶことは可能であると分かってきております。
 また、長い期間のうちには、土地が隆起するとか沈降するとか侵食されるとか気候変動があるとか、そういうこともまたこの地下の様子を変えるかということでございますが、これにつきましては、その規模を予測することによりましてこれらの変動が処分場の性能に余り悪影響を与えない、そういう十分深いところにこの処分場を設置することによって影響を軽減できるというふうに考えられております。
 また、高レベル放射性廃棄物自体も、地下水にさらされても放射性物質が溶け出しにくいガラス固化体にしておりますし、その周りに鉛のオーバーパック、そして粘土、そういった緩衝材というものを、これまあ総称して人工バリアと呼んでおりますが、こういうものを設けて地下水との接触を断つと。そしてさらに、万が一、地下水が汚染されたとしましても、地層の深さで放射性物質が人間界に現れる前の時間を十分長くする、こういう人工バリアと天然バリアの組合わせ、これ多重バリアと言っていますけども、こうした方法によって、監視活動が終わった後でも十分人間界におけるそのリスクというものが小さくなるような処分が可能ということを考えておりまして、これが高レベル放射性廃棄物の処分の世界共通の考え方でございます。
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犬塚直史#23
○犬塚直史君 数十万年とか場合によっては百万年とかいうレベルの話をしているわけですから、当然のことながら今の人類が持っている科学的知見ではいかんともし難いというこの時間の超長期スパンの中でできる限りのことをやるということだと思うんですけども、そのできる限りのことをやるというその立場に対して、去年五月ですか、国連で発表された米国、憂慮する科学者集団、これ通告してあるんですけど、六ケ所村の再処理監視に対して非常に幾つか憂慮する点を指摘をしているんですが、この点に関して、まずどんな点を指摘されたのか、それに対してどういうふうに答えることができるのか、御説明ください。
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近藤駿介#24
○政府参考人(近藤駿介君) 憂慮する科学者同盟の関係者は、六ケ所再処理工場の試験操業が開始されますと我が国が所有するプルトニウム量が増加して、NPT体制の強化に貢献するという我が国の公約に懸念を生じせしめるということを言っております。
 しかしながら、我が国は核兵器不拡散条約、NPTを遵守し、我が国の原子力研究開発活動を国際原子力機関、IAEAの保障措置の下に置いてきております。また、六ケ所再処理工場につきましては、国際的な枠組みによって大型の再処理施設に適用するべき保障措置手法の検討を行いまして、その成果、合意に基づきましてIAEAによる保障措置の適用を受けております。
 その上で、核拡散にかかわる懸念を国内外に生じせしめないためには、原子力の活動を平和利用に限定するという公約の遵守に真摯に取り組んでいることについての国内外の理解を得ることが重要との観点から、原子力委員会は、利用目的のないプルトニウムを持たないとの原則を示して、我が国のプルトニウムの管理状況を文科省、経済産業省から報告を受けて、毎年これを公表してきております。
 さらに、六ケ所工場の操業に当たりましては、これによりまして国内にプルトニウムを所有することになる電気事業者がプルトニウムを分離する前にその利用計画を明らかにすることが、より一層の透明性の向上に資するとの考え方を我々は示したところでございまして、それに対して電気事業者等は、これを踏まえて本年一月にプルトニウム利用計画を公表したところでございます。
 こうした活動を併せ考えれば、六ケ所再処理工場の試験運転の開始がNPT体制の強化に貢献するという我が国の公約に懸念を生じせしめるという指摘は当たらないと考えています。
 また、憂慮する科学者同盟の関係者は、六ケ所工場が核兵器保有国以外の国が初めて行う商業規模の再処理工場であるため、その試験運転の開始が、北朝鮮やイランといった国の核開発活動の中止を求めている国際社会の努力に水を差すのではないかとしております。しかし、国際社会がこれらの国に求めているのはNPT条約の遵守であるということを考えれば、この非難もまた当たらないというふうに考えております。
 原子力委員会といたしましては、昨年閣議決定いただいた原子力政策大綱を踏まえて、今後とも、外交的努力を含む様々な活動を通じて、こうして培われてまいりました我が国の原子力の平和利用政策にかかわる国際理解、国際社会の理解と信頼の維持向上に努めてまいる所存でございます。
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犬塚直史#25
○犬塚直史君 そうした御説明が、本当に有権者にしっかりと胸にすとんと落ちる理解をしてもらえるかどうかというところが最大のかぎだと思うんですけれども。
 日本の外務省の関係の人たちが非常に努力をされて、例えばNPTの会議においては、二十一世紀のための二十一の措置ですとか、非常に評価が高い努力を今までしてこられたと。しかし一方では、国内では、非常にこの核の平和利用に対する、何というんでしょうか、疑念というんでしょうか、あるいは地域によっては非常に大きな対立にまでなっていると。実は私の地元がそうなんですけれども。
 ここで、一つ新聞記事があるんですけれども、二〇〇五年七月十四日の毎日新聞によりますと、長崎県の新上五島町、これ長崎市から西に海上を百キロほど行った五島列島の一番北の島なんですけれども、では、高レベル核廃棄物最終処分場に応募するだけで年間二億一千万円、概要調査地区に選ばれれば計七十億円の交付金があり、処分場が立地した場合は年二百億円を超える交付金や固定資産税が見込まれるという報道があるんですけれども、まず、これは事実でしょうか。経済産業省、お願いします。
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安達健祐#26
○政府参考人(安達健祐君) お答え申し上げます。
 高レベル放射性廃棄物の最終処分事業の着実な推進は原子力発電を利用していく上で極めて重要と考えてございます。本事業につきましては、現在、処分候補地の選定を進めていくことが課題となってございまして、今後、段階的に文献調査、概要調査、精密調査を経て最終処分施設建設地を選定することになってございます。
 最終処分事業を進めるに当たりましては、このような調査を行う地域において、関係住民との共生関係を築き、あわせて地域の自立的な発展、関係住民の生活水準の向上や地域の活性化を図ることが極めて重要と考えてございます。このため、国は、調査を行う地域の振興に資するため、初期段階から電源三法交付金制度に基づく電源立地地域対策交付金の交付を行うこととしてございます。
 具体的には、委員御指摘のように、その交付金は、文献調査段階では年間二億一千万円を、概要調査段階では総額七十億円、各年二十億円を上限として所在市町村等に交付することとなってございます。また、精密調査段階以降の交付金については今後制度化を進めることとしておりまして、現時点においては報道にあるような交付金は決定してございません。
 一方、固定資産税についても、将来実際に運用される施設の状況によるものとなってございます。
 今のところ応募に至った地域はございませんが、関心を有する複数の地域から様々な問い合わせが寄せられてきてございます。国としては、原子力発電環境整備機構、電力会社等とともに最終処分地に係る情報提供に努め、処分事業について御理解をいただき、一つでも多くの自治体に応募をいただけるよう最大限の努力を積み重ねてまいりたいと考えてございます。
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犬塚直史#27
○犬塚直史君 今、応募するだけで年間二億一千万円、概要調査に選ばれれば合計七十億円と、そこまではそのとおりのようですが、処分場が立地した場合は年二百億円を超える交付金や固定資産税が見込まれるという報道、これについては事実ではないような今御答弁ですけれども、その辺はいかがでしょうか。
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安達健祐#28
○政府参考人(安達健祐君) 今御説明したように、精密調査段階以降の交付金についてはまだ制度化がされてございませんので、現時点において報道にあるような交付金は決定してございません。
 また、固定資産税についても、将来実際に建設される施設の状況によりますので、具体的な額については今申し上げることはできないと考えてございます。
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犬塚直史#29
○犬塚直史君 これは、地元の人たちがどういうふうに取るかという大きな問題なんですね。新聞報道が年二百億円を超える交付金や固定資産税が毎年毎年見込まれると書いてしまえば、これは、地元の人たちはもうやっぱりそういう認識になるわけなんですけどね。
 これ、資料を見ますと、建設期間を通じて三百億円、あるいは雇用だけでも年二千百名ですか、そういう、パンフレットの中に記載があるんですが、その辺をもう少し詳しく教えてもらえますか。
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