高野博師の発言 (外交防衛委員会)

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○高野博師君 中国は外貨準備高も日本を抜いて世界一だと、それから中国自身が途上国に対して相当な援助をやっているというような事実にかんがみれば、もう既に日本が無償援助をやるということではないんではないか。円借款については二〇〇八年までという方針がありますんでそれはいいと思うんですが、もう無償援助については供与打切りということがあっても全く問題がないんだろうと。環境問題とか感染症とか日本が影響を受けるという点はありますが、それは別な形での技術協力なりをできるんではないかというふうに思います。ここは特に追及するわけでありませんので、いずれにしても日本が持っているきちんとした基準に沿った援助をしてもらいたいなというふうに思います。
 時間がありませんので、もう一つだけ。
 イランの核開発について、国連の安保理でいろんな審議をされると思いますが、イランとは今度局長級の協議をするということで、日本側としてはイランの濃縮活動停止を求めると。それがなければアザデガン油田の共同開発も影響を受けるだろうというような立場で協議をされると言われておりますが、イランの核開発は駄目だと、しかしインドはよしという。これは平和利用だということでのアメリカの対応。しかし、アメリカ国内にもイランに対してもやっぱり武力攻撃をするんではないかというような観測が相当あると、こういう報道もされておりまして、ブッシュ大統領は武力行使は最後の手段だと、こう言っておりますが、イラクの場合もこれも同じようなことを言っていたと思います。
 そこで、本当のところのねらいは何だと。そこはもう推測の域を出ないんでありますが、アフガニスタン、イラク、イランと、この三つの国の地政学上の重要性というのを考えたときに、単なる核開発だけではなくていろんな背景があるのかなというふうに思います。
 アフガンの場合はテロ対策、九・一一以降のテロ対策という名目でタリバン政権を倒したと。しかし、実際に成果が上がっているのかといいますと、アルカーイダ、オサマ・ビンラディンも健在だと。それからテロリストの逮捕もよく分からない、それからアフガン自身の麻薬の生産もこれも増大していると、軍閥が割拠していると。
 これはちょっと話が違いますが、パキスタン側はテロの最前線に立ってやっている、戦っていると。しかし、その背景には、テロとの戦いで経済援助がもらえる、したがって余り本気でやらない方が経済的にはいいんだと、そういう観測もされているような事情もありますが、もう一方のイラク、これもサダム・フセインが大量破壊兵器を持っているからということで攻撃をしたと、しかし、後でこれは間違いだったということ。しかし、現実は、民主化のプロセスにありますが、内戦に近い状況にある、テロもやまない、本格政権もまだできていない。こういう中で、イランに対してもしそういうふうにアメリカが対応すれば戦線が拡大するわけです。本当にそういうことができるのかと。まあ難しいだろうとは思いますが、やりかねないところがある。
 そこで、アメリカは民主化を中東も含めて世界に拡大すると言っている。しかし一方で、反米政権は武力をもってでも倒す、テロ支援国家もこれも倒していこうと。こういうことの中で、アフガン、イラク、イランというのは地政学上非常に重要な意味を持っている。石油資源も、アフガンの場合は近くにカスピ海沿岸の石油埋蔵量がある、パイプラインを引けばこれは相当有利に働くと。本当のねらいは、これはアメリカでも言われておりますが、今後十年、数十年の中東の支配と石油の確保だというようなことも言われております。
 まあそうは思いたくありませんし、そこは大臣が明言できるとは思いませんが、これだけ膨大な犠牲を払っても、危険を冒してもこのイランの問題について対応していくということは、これは別のねらいがあるのかなと思わざるを得ないわけです。そこはどういうふうに見ておられるか、発言できる範囲内で結構ですから、大臣の所感をお伺いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 高野博師

speaker_id: 15245

日付: 2006-04-18

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会