小泉純一郎の発言 (決算委員会)
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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、就任以来、改革なくして成長なしというこの一貫した方針の下に様々な改革を皆さん方の協力によって進めてまいりました。それは、やはり経済を活性化して国民生活を豊かにするというためにはどういう政策が必要かということを考えますと、現在、日本の政府の役割というのは重要でありますけれども、今後、民間の創意工夫を発揮して自由な国民の持てる能力を顕在化させるためには、民間なり個人なり地域なりにその能力を発揮しやすいような環境を整備することが大事ではないかということから、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にという方針でもろもろの改革に取り組んできたわけであります。
その一つの例が道路公団民営化であり、郵政公社の民営化でもありますが、これは本当に役所じゃなきゃできないのかと、公務員でなければこの仕事はできないのかという率直な疑問からであります。
今まで、大事な仕事、これは政府がやるんだと。公共的な仕事は役所がやるんだ、公務員がやるんだ。いわゆる、役人が大事な仕事をやって、それ以外は民間がやっていいという、いわゆる官尊民卑の考え方が強かった。しかし、これからは、大事な仕事、公共的な仕事でも民間企業なり民間がやれるんだったらばやってもらおうじゃないかと。むしろ、官業は民間の補完、政府の役割は限定しようじゃないかと。
民間の創意を発揮するためには、民間人に様々な分野に、あれをやれこれをしてはいけないという、政府が手足を縛るんじゃなくて、自由な発想の下に公共的な仕事でもやってもらおうということから、政府の役割を見直していかなきゃいけないということで、民間にできることは民間にと。今では民間人も公共的な仕事をたくさんしているわけであります。何も役所なり公務員だけが公共的な仕事をしているんじゃないと。民間企業だって、民間人だって公のために役に立つ仕事をたくさんしている。
そういうことから、私は、民間にできることは民間にということで、ようやく、私の就任時には失業率も五・五%ぐらいで、この小泉内閣の不良債権処理を進めると二けたになるんじゃないかという心配もありました。こういう不況のときには、改革を先に進めるんじゃなくて、まず成長政策を考えろと。公共事業を減らして何で景気が回復するんだと、減税しないで何で景気回復するんだと、様々な批判を浴びて、要約すると、改革なくして成長なしじゃなくて、まず成長を考えてその後改革を考えるべきだ、ということは、公共事業をもっと増やして補正予算を組んで減税をしろと、それから、景気が良くなってから改革を進めるべきだという、この論争が盛んに行われました。
しかし、小泉内閣成立以来、暫定予算は組んでおりません。今回衆議院で予算が通過して、一度も暫定予算を組まずに予算が衆参通るようになりました。そして、公共事業も減らす、減税もしないという中で、景気は着実に回復の足取りを強めております。言わば、改革なくして成長なしと、これはやはり正しかったんだなという大方の理解を得るようになりました。
失業率も改善しておりますが、最近では、むしろ企業が採用したくても人が集まらないという状況に一部でなってきた。まだまだこれは地域のばらつきがあります。企業でばらつきがあります。一定の企業においては人手が足りないといいながら、ある地域、ある企業においてはむしろまだ人員を削減しなきゃならないところもありますけれども、有効求人倍率も全体では一に回復しました。愛知や群馬では一を上回って、地方におきましても、東京だけでなくて、企業が採用したいというんだけれども人が集まらない状況にもなってきております。
そして経済成長率もだんだん上がってまいりましたし、物価も何とかゼロ%以上になるようにデフレ脱却に努めていかなきゃならないという方針を立てておりましたけれども、だんだんだんだん物価もゼロ%を超えるような状況になっておりまして、最近では、そろそろデフレ脱却の兆しが見えてきたのではないかなという、そういう状況にもなっております。
また、企業も個人も地方も、やればできるんだという意欲も見えてまいりました。駄目だ駄目だと、何やっても景気は回復しないと私が就任したころは言われましたけれども、最近では、やればできるじゃないかというような意欲も出てまいりました。
今後とも、国民の意欲、創意工夫を発揮できるような環境を整備することが政府としては大事だと。むしろそのような、政府があれをしなさいこれをしなさい、こういう商品を出しなさい、こういう事業をやりなさいと言うんじゃなくて、民間自身が、こういう商品を出したらば、こういう事業をやったらば国民が喜ぶのじゃないか、消費者がこういう商品を必要としているんじゃないかということを積極的に考えるようになった。そういう環境をつくり出すのが私は政治として極めて大事な役割だと思いまして、これからも、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に、この方針を徹底して、政府としてもそういう民間の意欲なり地方の意欲を引き出すような政策を展開して、日本としても多くの国民が意欲を持って働くことができるような環境を整備していきたいと。
そしてまた、国際社会におきましても、一部では日本は国際社会から孤立しているんじゃないかという議論がありますけれども、実はそうじゃないと。最近、BBCなりアメリカの大学での調査においても、日本は世界にいい影響を与えているかという調査の中では、世界でEUに次いでベストツー。日本の存在というものを高く評価している。これは、今までの日本の戦後六十年の歩みを国際社会は正しく評価していただいているんだという表れだと思います。
ODA始め、日本が平和国家として自由と民主主義を守りながら今日の豊かな社会を築いてきたことに日本国民自身自信を持って、また、政権政党としてこれからもこのような歩みを続けるという自覚を持って努力をしていかなきゃならないと思っております。