大塚耕平の発言 (国際問題に関する調査会)

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○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。
 今日は、調査会にたくさんの諸先輩がいらっしゃいますが、野党の筆頭理事の立場上、冒頭に問題提起的な発言をさしていただくことをお許しいただきたいと思います。
 今、自民党の田村委員からも大変参考になる意見を聞かしていただきましたが、私は、この後の委員の皆様方の御議論のベースになるような基本的な考え方を述べさしていただきたいと思います。
 そもそも外交というものには所与の条件といいますか、完全にフリーハンドでは外交を行えないことから、一定の制約があるというふうに私は思っております。日本の外交においては二つの制約があるのではないでしょうか。
 第一は、現在の国際情勢等々を考えますと、アメリカとの関係を重視せざるを得ない、これは時代の要請からして避けて通れない所与の条件であるというふうに思っております。その一方、第二に、地理的、地勢的な制約から、日本はアジアに位置するわけでありますので、アジアも重視しなければならない、ないしはアジアの諸国とうまくやっていかなくてはならない、これも避けては通れない所与の条件ではないかというふうに思っております。
 そういう制約の中で、どのように長期的、戦略的に一国の外交を行っていくのか、このことが日本の国益にとって最も重要なことでありまして、しからば、次には国益とは何だということも考えなくてはならないと思っております。
 国益ということは、これは日本の国が繁栄し、国民の生命と財産の安全を守るということを考えますと、同時に、日本の今申し上げました様々な所与の条件からしますと、国際協調といいますか、平和的な国際情勢が日本の国益に資するということではないかと思いますので、国益というものをそのように定義することも可能ではないかなと思います。
 そうした中で、私もこの調査会に参加さしていただいて、あるいはこの五年間の国会活動の中で、一番疑問に思い、かつ、いまだに真実が見えないのは、一体日本国の外交は本当はだれが担って、だれが運営しているのかということではないかと思っております。
 この点に関して、一昨年、二〇〇四年に、当時の私どもの岡田代表と一緒に訪米をした際に、ホワイトハウスのある高官から言われたことをちょっと御紹介を申し上げますと、ホワイトハウスの高官はこのように言っておりました。当時、参議院選挙の後でございましたので、私どもの政党がたまたま議席数を伸ばさしていただいたという状況の中で、ホワイトハウスの、当時の高官ですから共和党の方でありますが、アメリカは共和党と民主党、政権交代が起こり得る政治環境の中で外交を行っていると。したがって、仮に政権が替わったとしても、外交の継続性ということを考えると、実は共和党と民主党の外交ブレーンでしっかりとした意見交換等、引継ぎを行っていると。日本においても将来どういう政治環境が起こり得るか分からないけれども、是非ともそういう国づくりをしてほしいと。これは雑談というよりも、そういう要請を受けたというふうに我々は考えております。
 日本の今の政治状況をどういうふうに考えるかというのは別問題といたしまして、論理的に理屈の上では日本でも政治の担い手が替わり得る、これは総理大臣が替わるという意味も含めてですね。そのように考えますと、どのように外交の継続性を維持するかということにおいて議会の果たす役割は極めて大きいと思いますが、果たして今の議会がその役割を担い得ているかどうかということは十分に考えていかなくてはならない点ではないかというふうに思っております。
 例えば、ここは国際問題調査会ですが、衆議院、参議院とも外交防衛委員会があるわけですから、こういった調査会も含めて、外交関係の本当の日本国の外交方針を決める、あるいは長期的、戦略的な対応を決める、ないしは議会の考え方を官邸に議会の総意として伝えていくというような役割を議会が持ちませんと、これは本当の意味で議会が国権の最高機関として国権の発動たる外交というものに十分にコミットしているという状況をつくり得ないのではないかなというふうに私は感じております。
 委員会はメンバーも替わりますし、議員そのものも替わっていきます。官邸の主も替わっていく中で、結果として長期的に外交にコミットし得る外務省なり霞が関というものが実質的な外交を担っているとすると、それは本当に果たしてそれでいいのだろうかということを率直に感じております。
 もちろん、外交ですから、議会そして官邸、さらには行政府も含めてオールジャパンで外交政策を行っていくことが必要なんですが、少なくとも長期的、継続的に事実上の方針を決めているのが行政府であるということは、必ずしも適切な状況ではないのではないかなというふうに思っております。国権の最高機関たる議会の外交における権能というものをもう一度考え直す時期に来ているのではないかなという観点から、先ほど田村委員のおっしゃった意見にも極めて共鳴をさせていただくものでございます。
 そうした観点から、最後に一点申し上げますのは、もちろん外務省の官僚の皆さんの中にも大変な見識を持っていたり、経験を持っていらっしゃる方々もいるわけですので、そういう皆さんとも協力して日本の外交を行っていかなくてはなりませんが、職業外交官という言葉があります。外交は私は職業ではできないと思っておりますので、その職業外交官という言葉があること自体、明治維新以来、実は職業として外務官僚をやっている人たちが外交を担っていたということを象徴する言葉ではないかなと思っております。
 アメリカ始め諸外国では、大使であれ、あるいは大使館の職員であれ、赴任するときには国益のために、場合によっては命を落としてもしようがないという覚悟の上で行かれているそうでありますが、果たして今の日本の在外公館の皆さんがどのくらい深く高い気持ちを持ってその地を訪れる日本国民の利益を守るように活動しているかということについては、幾つかの実例から私は正直に申し上げて疑問を感じているところであります。
 以上のように、この後、各委員の皆様方に御議論をいただくに際して、私からは、外交における議会の役割をもう一度再考し、そして再構築する必要があるのではないかということを申し上げまして、私の発言とさせていただきます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 大塚耕平

speaker_id: 4047

日付: 2006-04-19

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会