国際問題に関する調査会
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会
会議録情報#0
平成十八年四月十九日(水曜日)
午後一時五分開会
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委員の異動
四月五日
辞任 補欠選任
大久保 勉君 広野ただし君
四月六日
辞任 補欠選任
松岡 徹君 主濱 了君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 西田 吉宏君
理 事
岸 信夫君
山東 昭子君
大塚 耕平君
佐藤 雄平君
澤 雄二君
委 員
末松 信介君
田村耕太郎君
伊達 忠一君
谷川 秀善君
中川 雅治君
二之湯 智君
水落 敏栄君
大石 正光君
工藤堅太郎君
郡司 彰君
主濱 了君
富岡由紀夫君
広野ただし君
前田 武志君
浮島とも子君
加藤 修一君
大門実紀史君
事務局側
第一特別調査室
長 三田 廣行君
─────────────
本日の会議に付した案件
○国際問題に関する調査
(「多極化時代における新たな日本外交」のう
ち、日本のアジア外交、対米外交等を中心に)
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この発言だけを見る →午後一時五分開会
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委員の異動
四月五日
辞任 補欠選任
大久保 勉君 広野ただし君
四月六日
辞任 補欠選任
松岡 徹君 主濱 了君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 西田 吉宏君
理 事
岸 信夫君
山東 昭子君
大塚 耕平君
佐藤 雄平君
澤 雄二君
委 員
末松 信介君
田村耕太郎君
伊達 忠一君
谷川 秀善君
中川 雅治君
二之湯 智君
水落 敏栄君
大石 正光君
工藤堅太郎君
郡司 彰君
主濱 了君
富岡由紀夫君
広野ただし君
前田 武志君
浮島とも子君
加藤 修一君
大門実紀史君
事務局側
第一特別調査室
長 三田 廣行君
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本日の会議に付した案件
○国際問題に関する調査
(「多極化時代における新たな日本外交」のう
ち、日本のアジア外交、対米外交等を中心に)
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西
西田吉宏#1
○会長(西田吉宏君) ただいまから国際問題に関する調査会を開会をいたします。
委員の異動について御報告をいたします。
昨日までに、大久保勉君及び松岡徹君が委員を辞任をされ、その補欠として広野ただし君及び主濱了君が選任をされました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告をいたします。
昨日までに、大久保勉君及び松岡徹君が委員を辞任をされ、その補欠として広野ただし君及び主濱了君が選任をされました。
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西
西田吉宏#2
○会長(西田吉宏君) 国際問題に関する調査を議題といたします。
本調査会では、昨年七月の一年目の中間報告の後、「多極化時代における新たな日本外交」のうち、日本のアジア外交、日本の対米外交及び国際社会の責任ある一員としての日本の対応について、十二名の参考人から意見を伺い、また、対中外交を中心に意見交換を行うなど、重点的かつ多角的な調査を進めてまいりました。
本日は、これまでの調査を踏まえ、日本のアジア外交、対米外交等を中心に、各会派からの意見表明及び委員間の意見交換を行います。
本日の議事の進め方でございますが、まず大会派順に各会派より十分以内で御意見をお述べいただきました後、午後三時ごろまでを目途に自由討議方式により委員間の意見交換を行っていただきます。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、御意見のある方は順次御発言を願います。田村耕太郎君。
この発言だけを見る →本調査会では、昨年七月の一年目の中間報告の後、「多極化時代における新たな日本外交」のうち、日本のアジア外交、日本の対米外交及び国際社会の責任ある一員としての日本の対応について、十二名の参考人から意見を伺い、また、対中外交を中心に意見交換を行うなど、重点的かつ多角的な調査を進めてまいりました。
本日は、これまでの調査を踏まえ、日本のアジア外交、対米外交等を中心に、各会派からの意見表明及び委員間の意見交換を行います。
本日の議事の進め方でございますが、まず大会派順に各会派より十分以内で御意見をお述べいただきました後、午後三時ごろまでを目途に自由討議方式により委員間の意見交換を行っていただきます。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、御意見のある方は順次御発言を願います。田村耕太郎君。
田
田村耕太郎#3
○田村耕太郎君 まず、皆さんに感謝の気持ちを伝えさせていただきたいと思います。
皆様の熱心な、そして積極的で建設的な参考人の皆さんとの意見交換から大変多くのことを学ばせていただきました。今日は、全くつたない私見ですが、少しだけ私の意見を披露させていただきたいと思います。
まず私は、日米関係を中心に、望ましい外交、これつくっていくための考え方について、私の意見と提言を述べさせていただきたいと思います。
もう外交だけに限らず、まあすべてのビジネスでも言えることですが、やはりまず最初には、相手と自分に対してできるだけ正しい認識を持つ、こういうことがなかなか難しいんですが、この原点に立ち返るべきではないかということから申し述べさせていただきたいと思います。
私は、ほぼすべての、まあ日米関係、日中関係、日韓関係に限らず、ほぼすべての外交政策に対する批判、こういうものは、この批判の源泉というのは二つの過剰な期待からくると思っております。
一つは、相手の外交姿勢に対する過剰な期待。日米関係でいえば、アメリカはもっとこうすべきだ、アメリカはこう言えばこうしてくれるだろう、そういうような過剰な期待ですね。もう一つは、自ら、日米関係に例えれば、日本の外交能力、特に交渉力に対する過剰な期待、こういうものが外交政策の批判の源泉にあるのではないかと思います。日本がもっとこう言えばアメリカはもっとこうするんではないか、日本はこういう毅然とした物の言い方をすべきだ、こういうような過剰な期待、この二つについてお話をさせていただきたいと思います。
このお互いの国力、お互いの立場というのをまずしっかり認識すること、そのためには一歩進んで、もし自分が相手の立場だったらどうなのか、自らがアメリカだったらどうなのか、自らがアメリカだった場合、日本はどう見られているのか、こういうものをシミュレーションすべきではないかと思います。
では、まずアメリカの国力に関して、アメリカがどういう立場にあるのかに関してちょっと見ていきたいと思います。
アメリカというのは今の世界人口の五%にすぎない国であります。もちろん二億人を超える人口を抱えていますが、世界全体の人口規模から見るとそれは五%にすぎない。しかし、世界のGDPの合計の三分の一以上を占め、二位の日本から六位の中国までの合計を上回ります。また、世界貿易に占める割合も、輸出で一二・三%、輸入で一九%と、二位のドイツの倍以上にあります。ちなみに、今台頭がよく言われている中国は、世界貿易に占める割合、まだ四%にすぎません。特許件数でも世界の約三割がアメリカのもの、そして世界の売上げ上位五百社のうち百九十二社がアメリカ企業、株式時価総額上位千社のうち四百八十八社がアメリカ企業です。
経済力が非常に優れているわけですが、また国民の活力の源泉という若さ、二〇五〇年の人口の中央値はアメリカが三十六・二歳、ヨーロッパは五十二・七歳になってしまいます。
ハードパワーの源泉であります軍事力、これについて見てみますと、アメリカの軍事費というのは今大体四千三百億ドル、これは世界全体の軍事費の四五%を占めます。これは軍事支出二位から十一位までの合計より巨大な軍事費支出になっています。つまり、ハードパワー、富、こういうもので世界でずば抜けている。
それだけではなくて、よく言われる、最近特に言われますソフトパワーで見てみますと、インターネット情報のうち英語が八五%、ハリウッド映画の割合は世界映画全体の八五%、二〇〇二年度のハリウッド映画の売上げは約五百十億ドルで、延べ観客数は二十六億人と言われます。マクドナルド、アメリカ文化の典型的なものと言われるマクドナルドは世界百か国以上に延べ三万店以上の店舗を抱えています。
先ほどの軍事費なんですが、軍事費が大きなだけではなくて、RMA、軍事技術革命、軍事技術のもう最先端度を示す、そういう研究開発費に至っては英独仏総計の倍以上を掛けています。
これだけずば抜けた大国、まあローマ帝国やモンゴル帝国など、歴史上大きな大国はあったんですが、こういう国と比較するのはなかなか難しいんですが、やはり総合的な国力では人類史上最高の一つに入るんじゃないかと思います。
これだけ世界で突出した力と富と文化的影響力を持つわけです。もし、我々日本が今のアメリカと同じぐらいの国力を持つ立場だったら、よく今アメリカは横暴でわがままで独り善がりと言われるんですが、もし我々がアメリカだった場合、アメリカ並みの国力、力と富と文化的影響力を持ったら、今のアメリカよりも寛大で謙虚で国際協調的と言えるでしょうか。やはり、これだけの国力があれば、ある程度あのように横暴でわがままで独り善がりになるのは仕方がないのではないかと私は思います。もっと言えば、過去の巨大帝国、ローマ帝国やモンゴル帝国などと比べて、もちろん国際情勢や時代の違いがありますが、極端に傲慢で国際協調無視と言えるかどうか、それはちょっとなかなかいかがなものかなと思います。
逆に、我が国の国力を見ていきたいと思います。
日本はどうかといえば、経済力に注目すれば世界で第二位ですし、しかしその人口規模とその若さを失いつつあり、経済規模でも中国やインドに今世紀中に追い越される可能性が高いと言われています。
翻って、ハードパワーと言われる政治力や軍事力について見てみますと、アジアの時代、アジアの盟主候補と言われながら、隣国との関係も行き詰まったままです。また、軍事力に関しましては、軍事支出は確かに多いんですが、ほとんどが人件費などで、軍備に使われるのはそのうちの約三割、アメリカから突出した対潜哨戒能力、防空能力ばかりを求められていますので、そのための高額兵器、イージス艦とか哨戒機とかパトリオット、そのものの購入を求められてきましたので、そのほかの兵器購入に回せるお金がほとんどなく、自立できない軍事力であることは言うまでもありません。
また、一次エネルギーの自給率は二割に満たず、カロリーベースの自給率、食料自給率ですが、これは四割ほど。やはり、アメリカに比べて、悲観するという意味ではないんですが、冷静な現状認識を持てば、アメリカに物を申して、アメリカにこっちの言うことを聞けよという立場ではなかなかないんじゃないかというのが私の認識です。
これぐらいの彼我の国力の差があるわけです。だからといって、指をくわえていればいいとは思いません。これだけの力の差があるんですから、やはりかなりの交渉技術とネットワークづくり、これをやっていかない限り、なかなかアメリカの外交政策に影響を与えるのは難しいと思います。
まず第一に、やはり、この委員会でも指摘されましたが、正確な対米理解が第一だと思います。
アメリカは、さきの選挙で分断されたアメリカとよく言われましたが、元々、歴史的に振り返ってみれば、アメリカの外交戦略は大体四つの歴史的な潮流に分かれていると言われます。時間の関係で詳しくは申し上げませんが、ハミルトニアン、ジェファソニアン、ウィルソニアン、ジャクソニアンほど、この四つぐらいに分断されています。
歴史的に見て、国際情勢によって、この四つがぶつかり合いながらも、国際情勢によって外交政策が振り回されてきた。言わば、一時期はかたくなに見えますが、結構、外交政策は時代によって変わる国であるというように私は思います。実際、イラクの現状などから、国際協調なしにはやっていけないとの反省的な認識も高まりつつあります。チャーチルがこう言っています。アメリカは常に正しいことをする、ただしすべての代案を試みた後にだという名言を残しました。
長い目で見れば、分断された世論や政策がぶつかり合いながら、失敗しながら、最後は世界にとって望ましい政策を取ってくる傾向が今まで強かったわけです。しかしながら、過去に比べて影響力がけた外れに大きなため、試行錯誤の過程で多大な迷惑をたくさんの国に掛けているというのが現状ではないかと思うんです。ただ、アメリカの外交は常に変化するという認識を我々は更に持たなければならないと思います。
それに対応するためには、この調査会でも出たとおり、議員や官僚の間で更なるアメリカ研究、それとアメリカの要人たちとのネットワークづくりが不可欠ではないかと思います。
アメリカの議員たちは、これは私の私見で、私のつたない経験からなんですが、余り他国に関心がないように思います。パスポートを持っていない議員も少なくないと言われます。自分たちが行かなくても、用があればあちらから来るという態度、これがよく見られるように思います。ですから、これから、今偉い人はもちろん大事なんですが、日本の姿勢としては、これから伸びそうな人物に日本とのパイプというカードを渡して持たせるために近づくというやり方も大事になってくるのではないかと思います。
また、この調査会にもアメリカ留学した議員が増えていますし、官僚もアメリカ留学経験者がたくさん出てきています。アメリカは、私は学閥意識は日本以上だと思います。そのネットワークを生かす、こういうことが大切ではないかと思います。
参議院は六年の任期があります。フランスや南米では、議員を議員のステータスのままアメリカの大学院に派遣して滞在させ、そのステータスを利用して人脈づくりをさせている国もあります。より任期が長い参議院こそ、長期的視野が不可欠な外交をやがては担うべきだと私は思っています。超党派でアメリカに一定期間、国としてネットワークづくりのために議員を派遣する、こういうこともいいのではないかと思いますが、皆さん、いかがでしょうか。
どこにどのように働き掛けるかが重要であると思います。そしてまた、交渉技術を使って、アメリカの国益にかなうと相手が納得するように説得しなければならないと思います。また、人脈、ネットワークを使ってアメリカを交渉技術によって説得するだけではなく、日本も国力を更に強めて、もちろん国力の制約も認識しながらですが、やはり物申せる、そういう関係に持っていく必要もあると思います。
まずは、隣国である日中、日韓の課題をできる限りスムーズに解決して、アジア経済のためのFTAや更なる経済統合の中核となって、成長するアジアの利益を代表してアメリカに物申せるようにしていくべきだと思います。
こういうような国力の認識という点から見ると、ハードパワー、経済力、ソフトパワー、この観点から見ますと、対中国、時間の関係で長くは申せませんが、私はまだ日本が優位にあると思います。特に、中国が難題として抱えているその難題を解決するために必要とする技術、農業技術、エネルギー効率の向上のための技術、環境対策の技術、これらは日本が世界で最も優れた能力を持ち、中国のこの難題を救える能力があると思います。カードを持っているわけです。より余裕を持って、中国を助けるぐらいの覚悟で日中関係取り組むべきではないかと思います。
最後に、アメリカとの関係ですが、アメリカから見て、やっぱり強いカードとして使えるのは、日本が戦略的にアメリカの安全保障上の根拠地である、あり続けるであろうという私の見方です。地球の半分、ハワイから喜望峰まで、インド洋のすべてと太平洋の三分の二、この米軍を支えられる戦略的な拠点は地理的にも日本だけだと思います。また現在、アメリカの装備のサポートのためにはアメリカと同等の工業力、技術力がないと無理だと思います。言わば、アメリカの方が日本による同盟解消をずっと恐れてきた、そういう歴史があると思います。アメリカの安全保障戦略上、日本は必要不可欠、こういうカードもうまく使っていくべきだと思います。
最後に、福沢諭吉先生の言葉を使って、これ昔の言い方なんで、なかなか難しいんで、簡単に私が現代風に言い直してみたんですけど、それを紹介して私の意見を締めたいと思います。
外交を論じるときは、自分一人の気持ちではなく、外務大臣になったつもりでいろいろな要素を考えなくてはならない、そうすると、すかっとしたことは言えない、こういう言葉があります。私の意見もすかっとしていませんが、そういうことだとごしんしゃくいただき、私のつたない意見を紹介させていただきたいと思います。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →皆様の熱心な、そして積極的で建設的な参考人の皆さんとの意見交換から大変多くのことを学ばせていただきました。今日は、全くつたない私見ですが、少しだけ私の意見を披露させていただきたいと思います。
まず私は、日米関係を中心に、望ましい外交、これつくっていくための考え方について、私の意見と提言を述べさせていただきたいと思います。
もう外交だけに限らず、まあすべてのビジネスでも言えることですが、やはりまず最初には、相手と自分に対してできるだけ正しい認識を持つ、こういうことがなかなか難しいんですが、この原点に立ち返るべきではないかということから申し述べさせていただきたいと思います。
私は、ほぼすべての、まあ日米関係、日中関係、日韓関係に限らず、ほぼすべての外交政策に対する批判、こういうものは、この批判の源泉というのは二つの過剰な期待からくると思っております。
一つは、相手の外交姿勢に対する過剰な期待。日米関係でいえば、アメリカはもっとこうすべきだ、アメリカはこう言えばこうしてくれるだろう、そういうような過剰な期待ですね。もう一つは、自ら、日米関係に例えれば、日本の外交能力、特に交渉力に対する過剰な期待、こういうものが外交政策の批判の源泉にあるのではないかと思います。日本がもっとこう言えばアメリカはもっとこうするんではないか、日本はこういう毅然とした物の言い方をすべきだ、こういうような過剰な期待、この二つについてお話をさせていただきたいと思います。
このお互いの国力、お互いの立場というのをまずしっかり認識すること、そのためには一歩進んで、もし自分が相手の立場だったらどうなのか、自らがアメリカだったらどうなのか、自らがアメリカだった場合、日本はどう見られているのか、こういうものをシミュレーションすべきではないかと思います。
では、まずアメリカの国力に関して、アメリカがどういう立場にあるのかに関してちょっと見ていきたいと思います。
アメリカというのは今の世界人口の五%にすぎない国であります。もちろん二億人を超える人口を抱えていますが、世界全体の人口規模から見るとそれは五%にすぎない。しかし、世界のGDPの合計の三分の一以上を占め、二位の日本から六位の中国までの合計を上回ります。また、世界貿易に占める割合も、輸出で一二・三%、輸入で一九%と、二位のドイツの倍以上にあります。ちなみに、今台頭がよく言われている中国は、世界貿易に占める割合、まだ四%にすぎません。特許件数でも世界の約三割がアメリカのもの、そして世界の売上げ上位五百社のうち百九十二社がアメリカ企業、株式時価総額上位千社のうち四百八十八社がアメリカ企業です。
経済力が非常に優れているわけですが、また国民の活力の源泉という若さ、二〇五〇年の人口の中央値はアメリカが三十六・二歳、ヨーロッパは五十二・七歳になってしまいます。
ハードパワーの源泉であります軍事力、これについて見てみますと、アメリカの軍事費というのは今大体四千三百億ドル、これは世界全体の軍事費の四五%を占めます。これは軍事支出二位から十一位までの合計より巨大な軍事費支出になっています。つまり、ハードパワー、富、こういうもので世界でずば抜けている。
それだけではなくて、よく言われる、最近特に言われますソフトパワーで見てみますと、インターネット情報のうち英語が八五%、ハリウッド映画の割合は世界映画全体の八五%、二〇〇二年度のハリウッド映画の売上げは約五百十億ドルで、延べ観客数は二十六億人と言われます。マクドナルド、アメリカ文化の典型的なものと言われるマクドナルドは世界百か国以上に延べ三万店以上の店舗を抱えています。
先ほどの軍事費なんですが、軍事費が大きなだけではなくて、RMA、軍事技術革命、軍事技術のもう最先端度を示す、そういう研究開発費に至っては英独仏総計の倍以上を掛けています。
これだけずば抜けた大国、まあローマ帝国やモンゴル帝国など、歴史上大きな大国はあったんですが、こういう国と比較するのはなかなか難しいんですが、やはり総合的な国力では人類史上最高の一つに入るんじゃないかと思います。
これだけ世界で突出した力と富と文化的影響力を持つわけです。もし、我々日本が今のアメリカと同じぐらいの国力を持つ立場だったら、よく今アメリカは横暴でわがままで独り善がりと言われるんですが、もし我々がアメリカだった場合、アメリカ並みの国力、力と富と文化的影響力を持ったら、今のアメリカよりも寛大で謙虚で国際協調的と言えるでしょうか。やはり、これだけの国力があれば、ある程度あのように横暴でわがままで独り善がりになるのは仕方がないのではないかと私は思います。もっと言えば、過去の巨大帝国、ローマ帝国やモンゴル帝国などと比べて、もちろん国際情勢や時代の違いがありますが、極端に傲慢で国際協調無視と言えるかどうか、それはちょっとなかなかいかがなものかなと思います。
逆に、我が国の国力を見ていきたいと思います。
日本はどうかといえば、経済力に注目すれば世界で第二位ですし、しかしその人口規模とその若さを失いつつあり、経済規模でも中国やインドに今世紀中に追い越される可能性が高いと言われています。
翻って、ハードパワーと言われる政治力や軍事力について見てみますと、アジアの時代、アジアの盟主候補と言われながら、隣国との関係も行き詰まったままです。また、軍事力に関しましては、軍事支出は確かに多いんですが、ほとんどが人件費などで、軍備に使われるのはそのうちの約三割、アメリカから突出した対潜哨戒能力、防空能力ばかりを求められていますので、そのための高額兵器、イージス艦とか哨戒機とかパトリオット、そのものの購入を求められてきましたので、そのほかの兵器購入に回せるお金がほとんどなく、自立できない軍事力であることは言うまでもありません。
また、一次エネルギーの自給率は二割に満たず、カロリーベースの自給率、食料自給率ですが、これは四割ほど。やはり、アメリカに比べて、悲観するという意味ではないんですが、冷静な現状認識を持てば、アメリカに物を申して、アメリカにこっちの言うことを聞けよという立場ではなかなかないんじゃないかというのが私の認識です。
これぐらいの彼我の国力の差があるわけです。だからといって、指をくわえていればいいとは思いません。これだけの力の差があるんですから、やはりかなりの交渉技術とネットワークづくり、これをやっていかない限り、なかなかアメリカの外交政策に影響を与えるのは難しいと思います。
まず第一に、やはり、この委員会でも指摘されましたが、正確な対米理解が第一だと思います。
アメリカは、さきの選挙で分断されたアメリカとよく言われましたが、元々、歴史的に振り返ってみれば、アメリカの外交戦略は大体四つの歴史的な潮流に分かれていると言われます。時間の関係で詳しくは申し上げませんが、ハミルトニアン、ジェファソニアン、ウィルソニアン、ジャクソニアンほど、この四つぐらいに分断されています。
歴史的に見て、国際情勢によって、この四つがぶつかり合いながらも、国際情勢によって外交政策が振り回されてきた。言わば、一時期はかたくなに見えますが、結構、外交政策は時代によって変わる国であるというように私は思います。実際、イラクの現状などから、国際協調なしにはやっていけないとの反省的な認識も高まりつつあります。チャーチルがこう言っています。アメリカは常に正しいことをする、ただしすべての代案を試みた後にだという名言を残しました。
長い目で見れば、分断された世論や政策がぶつかり合いながら、失敗しながら、最後は世界にとって望ましい政策を取ってくる傾向が今まで強かったわけです。しかしながら、過去に比べて影響力がけた外れに大きなため、試行錯誤の過程で多大な迷惑をたくさんの国に掛けているというのが現状ではないかと思うんです。ただ、アメリカの外交は常に変化するという認識を我々は更に持たなければならないと思います。
それに対応するためには、この調査会でも出たとおり、議員や官僚の間で更なるアメリカ研究、それとアメリカの要人たちとのネットワークづくりが不可欠ではないかと思います。
アメリカの議員たちは、これは私の私見で、私のつたない経験からなんですが、余り他国に関心がないように思います。パスポートを持っていない議員も少なくないと言われます。自分たちが行かなくても、用があればあちらから来るという態度、これがよく見られるように思います。ですから、これから、今偉い人はもちろん大事なんですが、日本の姿勢としては、これから伸びそうな人物に日本とのパイプというカードを渡して持たせるために近づくというやり方も大事になってくるのではないかと思います。
また、この調査会にもアメリカ留学した議員が増えていますし、官僚もアメリカ留学経験者がたくさん出てきています。アメリカは、私は学閥意識は日本以上だと思います。そのネットワークを生かす、こういうことが大切ではないかと思います。
参議院は六年の任期があります。フランスや南米では、議員を議員のステータスのままアメリカの大学院に派遣して滞在させ、そのステータスを利用して人脈づくりをさせている国もあります。より任期が長い参議院こそ、長期的視野が不可欠な外交をやがては担うべきだと私は思っています。超党派でアメリカに一定期間、国としてネットワークづくりのために議員を派遣する、こういうこともいいのではないかと思いますが、皆さん、いかがでしょうか。
どこにどのように働き掛けるかが重要であると思います。そしてまた、交渉技術を使って、アメリカの国益にかなうと相手が納得するように説得しなければならないと思います。また、人脈、ネットワークを使ってアメリカを交渉技術によって説得するだけではなく、日本も国力を更に強めて、もちろん国力の制約も認識しながらですが、やはり物申せる、そういう関係に持っていく必要もあると思います。
まずは、隣国である日中、日韓の課題をできる限りスムーズに解決して、アジア経済のためのFTAや更なる経済統合の中核となって、成長するアジアの利益を代表してアメリカに物申せるようにしていくべきだと思います。
こういうような国力の認識という点から見ると、ハードパワー、経済力、ソフトパワー、この観点から見ますと、対中国、時間の関係で長くは申せませんが、私はまだ日本が優位にあると思います。特に、中国が難題として抱えているその難題を解決するために必要とする技術、農業技術、エネルギー効率の向上のための技術、環境対策の技術、これらは日本が世界で最も優れた能力を持ち、中国のこの難題を救える能力があると思います。カードを持っているわけです。より余裕を持って、中国を助けるぐらいの覚悟で日中関係取り組むべきではないかと思います。
最後に、アメリカとの関係ですが、アメリカから見て、やっぱり強いカードとして使えるのは、日本が戦略的にアメリカの安全保障上の根拠地である、あり続けるであろうという私の見方です。地球の半分、ハワイから喜望峰まで、インド洋のすべてと太平洋の三分の二、この米軍を支えられる戦略的な拠点は地理的にも日本だけだと思います。また現在、アメリカの装備のサポートのためにはアメリカと同等の工業力、技術力がないと無理だと思います。言わば、アメリカの方が日本による同盟解消をずっと恐れてきた、そういう歴史があると思います。アメリカの安全保障戦略上、日本は必要不可欠、こういうカードもうまく使っていくべきだと思います。
最後に、福沢諭吉先生の言葉を使って、これ昔の言い方なんで、なかなか難しいんで、簡単に私が現代風に言い直してみたんですけど、それを紹介して私の意見を締めたいと思います。
外交を論じるときは、自分一人の気持ちではなく、外務大臣になったつもりでいろいろな要素を考えなくてはならない、そうすると、すかっとしたことは言えない、こういう言葉があります。私の意見もすかっとしていませんが、そういうことだとごしんしゃくいただき、私のつたない意見を紹介させていただきたいと思います。
ありがとうございました。
西
大
大塚耕平#5
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。
今日は、調査会にたくさんの諸先輩がいらっしゃいますが、野党の筆頭理事の立場上、冒頭に問題提起的な発言をさしていただくことをお許しいただきたいと思います。
今、自民党の田村委員からも大変参考になる意見を聞かしていただきましたが、私は、この後の委員の皆様方の御議論のベースになるような基本的な考え方を述べさしていただきたいと思います。
そもそも外交というものには所与の条件といいますか、完全にフリーハンドでは外交を行えないことから、一定の制約があるというふうに私は思っております。日本の外交においては二つの制約があるのではないでしょうか。
第一は、現在の国際情勢等々を考えますと、アメリカとの関係を重視せざるを得ない、これは時代の要請からして避けて通れない所与の条件であるというふうに思っております。その一方、第二に、地理的、地勢的な制約から、日本はアジアに位置するわけでありますので、アジアも重視しなければならない、ないしはアジアの諸国とうまくやっていかなくてはならない、これも避けては通れない所与の条件ではないかというふうに思っております。
そういう制約の中で、どのように長期的、戦略的に一国の外交を行っていくのか、このことが日本の国益にとって最も重要なことでありまして、しからば、次には国益とは何だということも考えなくてはならないと思っております。
国益ということは、これは日本の国が繁栄し、国民の生命と財産の安全を守るということを考えますと、同時に、日本の今申し上げました様々な所与の条件からしますと、国際協調といいますか、平和的な国際情勢が日本の国益に資するということではないかと思いますので、国益というものをそのように定義することも可能ではないかなと思います。
そうした中で、私もこの調査会に参加さしていただいて、あるいはこの五年間の国会活動の中で、一番疑問に思い、かつ、いまだに真実が見えないのは、一体日本国の外交は本当はだれが担って、だれが運営しているのかということではないかと思っております。
この点に関して、一昨年、二〇〇四年に、当時の私どもの岡田代表と一緒に訪米をした際に、ホワイトハウスのある高官から言われたことをちょっと御紹介を申し上げますと、ホワイトハウスの高官はこのように言っておりました。当時、参議院選挙の後でございましたので、私どもの政党がたまたま議席数を伸ばさしていただいたという状況の中で、ホワイトハウスの、当時の高官ですから共和党の方でありますが、アメリカは共和党と民主党、政権交代が起こり得る政治環境の中で外交を行っていると。したがって、仮に政権が替わったとしても、外交の継続性ということを考えると、実は共和党と民主党の外交ブレーンでしっかりとした意見交換等、引継ぎを行っていると。日本においても将来どういう政治環境が起こり得るか分からないけれども、是非ともそういう国づくりをしてほしいと。これは雑談というよりも、そういう要請を受けたというふうに我々は考えております。
日本の今の政治状況をどういうふうに考えるかというのは別問題といたしまして、論理的に理屈の上では日本でも政治の担い手が替わり得る、これは総理大臣が替わるという意味も含めてですね。そのように考えますと、どのように外交の継続性を維持するかということにおいて議会の果たす役割は極めて大きいと思いますが、果たして今の議会がその役割を担い得ているかどうかということは十分に考えていかなくてはならない点ではないかというふうに思っております。
例えば、ここは国際問題調査会ですが、衆議院、参議院とも外交防衛委員会があるわけですから、こういった調査会も含めて、外交関係の本当の日本国の外交方針を決める、あるいは長期的、戦略的な対応を決める、ないしは議会の考え方を官邸に議会の総意として伝えていくというような役割を議会が持ちませんと、これは本当の意味で議会が国権の最高機関として国権の発動たる外交というものに十分にコミットしているという状況をつくり得ないのではないかなというふうに私は感じております。
委員会はメンバーも替わりますし、議員そのものも替わっていきます。官邸の主も替わっていく中で、結果として長期的に外交にコミットし得る外務省なり霞が関というものが実質的な外交を担っているとすると、それは本当に果たしてそれでいいのだろうかということを率直に感じております。
もちろん、外交ですから、議会そして官邸、さらには行政府も含めてオールジャパンで外交政策を行っていくことが必要なんですが、少なくとも長期的、継続的に事実上の方針を決めているのが行政府であるということは、必ずしも適切な状況ではないのではないかなというふうに思っております。国権の最高機関たる議会の外交における権能というものをもう一度考え直す時期に来ているのではないかなという観点から、先ほど田村委員のおっしゃった意見にも極めて共鳴をさせていただくものでございます。
そうした観点から、最後に一点申し上げますのは、もちろん外務省の官僚の皆さんの中にも大変な見識を持っていたり、経験を持っていらっしゃる方々もいるわけですので、そういう皆さんとも協力して日本の外交を行っていかなくてはなりませんが、職業外交官という言葉があります。外交は私は職業ではできないと思っておりますので、その職業外交官という言葉があること自体、明治維新以来、実は職業として外務官僚をやっている人たちが外交を担っていたということを象徴する言葉ではないかなと思っております。
アメリカ始め諸外国では、大使であれ、あるいは大使館の職員であれ、赴任するときには国益のために、場合によっては命を落としてもしようがないという覚悟の上で行かれているそうでありますが、果たして今の日本の在外公館の皆さんがどのくらい深く高い気持ちを持ってその地を訪れる日本国民の利益を守るように活動しているかということについては、幾つかの実例から私は正直に申し上げて疑問を感じているところであります。
以上のように、この後、各委員の皆様方に御議論をいただくに際して、私からは、外交における議会の役割をもう一度再考し、そして再構築する必要があるのではないかということを申し上げまして、私の発言とさせていただきます。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →今日は、調査会にたくさんの諸先輩がいらっしゃいますが、野党の筆頭理事の立場上、冒頭に問題提起的な発言をさしていただくことをお許しいただきたいと思います。
今、自民党の田村委員からも大変参考になる意見を聞かしていただきましたが、私は、この後の委員の皆様方の御議論のベースになるような基本的な考え方を述べさしていただきたいと思います。
そもそも外交というものには所与の条件といいますか、完全にフリーハンドでは外交を行えないことから、一定の制約があるというふうに私は思っております。日本の外交においては二つの制約があるのではないでしょうか。
第一は、現在の国際情勢等々を考えますと、アメリカとの関係を重視せざるを得ない、これは時代の要請からして避けて通れない所与の条件であるというふうに思っております。その一方、第二に、地理的、地勢的な制約から、日本はアジアに位置するわけでありますので、アジアも重視しなければならない、ないしはアジアの諸国とうまくやっていかなくてはならない、これも避けては通れない所与の条件ではないかというふうに思っております。
そういう制約の中で、どのように長期的、戦略的に一国の外交を行っていくのか、このことが日本の国益にとって最も重要なことでありまして、しからば、次には国益とは何だということも考えなくてはならないと思っております。
国益ということは、これは日本の国が繁栄し、国民の生命と財産の安全を守るということを考えますと、同時に、日本の今申し上げました様々な所与の条件からしますと、国際協調といいますか、平和的な国際情勢が日本の国益に資するということではないかと思いますので、国益というものをそのように定義することも可能ではないかなと思います。
そうした中で、私もこの調査会に参加さしていただいて、あるいはこの五年間の国会活動の中で、一番疑問に思い、かつ、いまだに真実が見えないのは、一体日本国の外交は本当はだれが担って、だれが運営しているのかということではないかと思っております。
この点に関して、一昨年、二〇〇四年に、当時の私どもの岡田代表と一緒に訪米をした際に、ホワイトハウスのある高官から言われたことをちょっと御紹介を申し上げますと、ホワイトハウスの高官はこのように言っておりました。当時、参議院選挙の後でございましたので、私どもの政党がたまたま議席数を伸ばさしていただいたという状況の中で、ホワイトハウスの、当時の高官ですから共和党の方でありますが、アメリカは共和党と民主党、政権交代が起こり得る政治環境の中で外交を行っていると。したがって、仮に政権が替わったとしても、外交の継続性ということを考えると、実は共和党と民主党の外交ブレーンでしっかりとした意見交換等、引継ぎを行っていると。日本においても将来どういう政治環境が起こり得るか分からないけれども、是非ともそういう国づくりをしてほしいと。これは雑談というよりも、そういう要請を受けたというふうに我々は考えております。
日本の今の政治状況をどういうふうに考えるかというのは別問題といたしまして、論理的に理屈の上では日本でも政治の担い手が替わり得る、これは総理大臣が替わるという意味も含めてですね。そのように考えますと、どのように外交の継続性を維持するかということにおいて議会の果たす役割は極めて大きいと思いますが、果たして今の議会がその役割を担い得ているかどうかということは十分に考えていかなくてはならない点ではないかというふうに思っております。
例えば、ここは国際問題調査会ですが、衆議院、参議院とも外交防衛委員会があるわけですから、こういった調査会も含めて、外交関係の本当の日本国の外交方針を決める、あるいは長期的、戦略的な対応を決める、ないしは議会の考え方を官邸に議会の総意として伝えていくというような役割を議会が持ちませんと、これは本当の意味で議会が国権の最高機関として国権の発動たる外交というものに十分にコミットしているという状況をつくり得ないのではないかなというふうに私は感じております。
委員会はメンバーも替わりますし、議員そのものも替わっていきます。官邸の主も替わっていく中で、結果として長期的に外交にコミットし得る外務省なり霞が関というものが実質的な外交を担っているとすると、それは本当に果たしてそれでいいのだろうかということを率直に感じております。
もちろん、外交ですから、議会そして官邸、さらには行政府も含めてオールジャパンで外交政策を行っていくことが必要なんですが、少なくとも長期的、継続的に事実上の方針を決めているのが行政府であるということは、必ずしも適切な状況ではないのではないかなというふうに思っております。国権の最高機関たる議会の外交における権能というものをもう一度考え直す時期に来ているのではないかなという観点から、先ほど田村委員のおっしゃった意見にも極めて共鳴をさせていただくものでございます。
そうした観点から、最後に一点申し上げますのは、もちろん外務省の官僚の皆さんの中にも大変な見識を持っていたり、経験を持っていらっしゃる方々もいるわけですので、そういう皆さんとも協力して日本の外交を行っていかなくてはなりませんが、職業外交官という言葉があります。外交は私は職業ではできないと思っておりますので、その職業外交官という言葉があること自体、明治維新以来、実は職業として外務官僚をやっている人たちが外交を担っていたということを象徴する言葉ではないかなと思っております。
アメリカ始め諸外国では、大使であれ、あるいは大使館の職員であれ、赴任するときには国益のために、場合によっては命を落としてもしようがないという覚悟の上で行かれているそうでありますが、果たして今の日本の在外公館の皆さんがどのくらい深く高い気持ちを持ってその地を訪れる日本国民の利益を守るように活動しているかということについては、幾つかの実例から私は正直に申し上げて疑問を感じているところであります。
以上のように、この後、各委員の皆様方に御議論をいただくに際して、私からは、外交における議会の役割をもう一度再考し、そして再構築する必要があるのではないかということを申し上げまして、私の発言とさせていただきます。
ありがとうございました。
西
澤
澤雄二#7
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。
この国際問題調査会で一年半にわたって質疑、討議をさせていただきまして、そのことを踏まえまして、自分の今考えておりますことの一端を述べさせていただきたいと思います。
今のアジアでの日本の外交・安全保障政策を一言で言うならば、日米同盟は強化されたけれどもアジアでの日本の影響力は低下をし続けています。そうした中で、日米同盟を基軸にしつつ東アジア政策でバランスを取っていく、その具体的方法として東アジア共同体構想が浮上して、その是非を問うのが当調査会の目的の一つでもあります。
今日、東アジア地域で客観的情勢を眺めてみますと、経済的側面が顕著でございます。東アジア域内の貿易額は五〇%を超えました。EUに次ぐ数字です。もちろん国別の格差はあります。これは、東アジア各国が投資先を北米やEUから域内へシフトしつつあるからであります。経済の側面では、東アジアでは既に現実的に経済統合が進んでいます。EUが政治主導で進んだのに対して、東アジア地域では民間企業の自由な統合が今進んでいます。
東アジア共同体の構想については、疑問、疑念の声ももちろんあります。今、日本には共同体構想にちゅうちょする理由は私はないと考えます。積極的にこの構築に取り組み、日本外交の幅を広げ、この地域の平和と繁栄に寄与すべきであると考えます。
東アジア共同体構想を考える場合に、その性格をどうするかというのは大きなテーマの一つです。目指すべき目標として、平和や民主主義や人権などの価値を掲げる価値共同体を目指すのか、そのような価値を掲げずに、市場経済や自由貿易というルールの中で経済的利益を追求する機能共同体を目指すのか、又は集団的安全保障などを目的とするのかなどに分かれます。
アジア各国の政治・経済体制は非常に多様でございます。共産主義国家もあれば全体主義国家もある、分断国家もあります。文化、宗教も多様です。宗教は、EUではキリスト教に統一されていますが、東アジアでは仏教、儒教、イスラム教、キリスト教等々であります。このように多様性に富む東アジアでは各国がビジョンと価値を共有することは容易ではありません。ゆえに、民主主義や平和、人権という共通の価値に基づく共同体を目指すのは今は現実的ではないと言えます。まず、貿易やエネルギー、金融、経済協力といった地域の発展に必要な機能を中心とした経済共同体を目指すべきです。
次に、共同体の範囲ですが、基本的にはASEANプラス3が中心となりますが、EUが六か国から二十五か国体制に拡大したように、また、キリスト教国家でないトルコの加盟についても交渉を始めたように、東アジア共同体も、地域的枠組みが重層的に機能することの方が望ましいとも言えるので、インドや豪州その他の加盟なども柔軟に対応すべきと考えます。
経済を基盤とする機能共同体を目指すといっても、この東アジア地域は多様性の克服や不安定な安全保障関係、中国の台頭や高い対米依存度、さらに環境汚染、テロ、感染症など国境を越えた問題、格差の拡大、雇用、貧困、非民主的制度など課題はたくさんあります。
一九二三年にクーデンホーフ・カレルギーがパン・ヨーロッパを提案してからEU発足まで七十年掛かっています。第二次大戦後、欧州石炭鉄鋼共同体、ECSCが発足してからEU誕生まで四十二年間掛かっています。
東アジア共同体構築への阻害要因は多くあります。EUが政治主導であったとはいえ第二次大戦も乗り越えました。障害を一つ一つ克服していく過程にも将来の共同体の結び付きを強くしていく要因が生まれます。参加しようとする各国がすべて納得できるルールとビジョンを明確に示すこと、そしてその共同体意識を醸成していく強い意思を持つことができるかどうか、その方法を見付けることができるかどうか、それが共同体構築で重要な要素となります。
次に、この東アジア共同体の構築を考える上で日本の外交政策で重要な問題があります。それは、日本と中国、アメリカの三か国の関係の問題です。特に大事なことは、東アジア共同体が現実のものとなってきたときに、アメリカが志向する懸念の問題です。いわく、この地域には米国の優位が揺らぐことはないのか、この地域における米国の優位が揺らぐことはないのか、そのことによってアメリカは政策の柔軟性を奪われるのではないか、また、アメリカが目指す民主主義への転換や人権の尊重が進展しなくなるのではないか等々であります。
日本の外交・安全保障政策の基軸はもちろん日米同盟であります。とすると、東アジア共同体の構築を進める前にこのアメリカの懸念を取り除いておく必要があります。このアメリカの懸念の源は、源流はどこにあるかを考える場合、私はよくアメリカの外交の国家利益を考えます。
アメリカの東アジアでの国家利益の第一優先順位は何か、ファーストプライオリティーであります。それは伝統的に不変であります。今も変わりません。それは、一国若しくは複数国によるこの地域の支配を認めないというものがアメリカの東アジアでの国家利益の第一優先順位であります。日本若しくは中国が東アジアを支配することは認めませんし、日本と中国が手を結んで支配することも認められないのであります。
このことを理解する最も分かりやすい例えが、一九七一年に発覚しましたアメリカのキッシンジャー補佐官の日本の頭越しに行われた中国接近の忍者外交又は隠密外交であります。アメリカは、一九六九年の十一月から七〇年の三月にかけて中国接近の小さなカードを毎日送り続けます。例えば、アメリカへ入国する中国の卓球選手が今回は特別にビザは要らないよと言ったりとか、中国への輸出を禁止されていた商品、例えば化粧品であるとか、そういうものの輸出を認めるとか、本当に小さなカードでありますが、連日、中国へ向かって送り続けたことがあります。これが実は忍者外交の端緒だったのであります。
このときアメリカのニクソン大統領は、ベトナムを停戦させること、アジアからの撤退を考えていました。これを実現するためにどうしても必要だったのが、北ベトナムの背後にいた中国の脅威を取り除いておくことでありました。
一方で、アメリカは中国と日本が手を結ぶことも警戒する必要がありました。それは、複数国の連合による東アジア支配もアメリカは国益から認めるわけにいかなかったからであります。
一九六九年、ワシントンでの日米首脳会談後の共同声明とその後の記者会見で、当時の佐藤総理は中国批判の会見をします。当然のように、中国は厳しい日本批判をその後連日繰り広げました。日本と中国の対立であります。アメリカの対中国接近のカードは、実にこの会見直後から開始されたのです。そして、その後間もなく、当時のキッシンジャー補佐官が中国に飛んだのであります。
日本が東アジア共同体を進めるときに、このことが実は最も重要だとも言えると思います。アメリカに対して一〇〇%隷属はあり得ません。東アジア共同体や中国との接近によってアメリカに対してバーゲニングパワーを得ようとするときに、必ずアメリカの国益を念頭に置いて微妙なバランスを日本は見失わないようにする必要があるのです。東アジア共同体を論ずるときに、必ずアメリカにも門戸を開くべきだとの論があるのはこのことを意味しています。
最後にもう一つ、東アジアの共同体の構築では大事なことがあります。それは、日本がリーダーシップを発揮してイニシアチブを取っていくことであります。もはや、ODAだけでは日本はイニシアチブを取ることはできません。もっと根源的な方法はないか。私は、それを平和と安心、安全の確立とその方法だと思います。
EUは、人々の不戦への強い願いが不戦共同体としてのEUをつくり上げていきました。アジアにもその平和への思いは強いものがあります。また、貧富の格差、テロ、麻薬、人身売買、海賊、環境汚染等々多くの問題を、先ほども言いましたが、抱えています。
日本の強力なリーダーシップによってこの地域に平和と安心、安全を確立するための方法として、最後に一つの提案をしたいと思います。
それは、国連の新たな地域拠点として国連アジア太平洋本部を東京若しくは沖縄に設置してはどうかという提案であります。この本部の目的は、人間の安全保障政策として脅威が生じにくい世界の構築を目指す活動の拠点であります。脅威とは正に平和そして安心と安全を脅かすすべてのことが対象となります。
今、国連はジュネーブとウィーンに事務局が、ナイロビに事務所が置かれています。ジュネーブでは人権や軍縮、ウィーンでは犯罪防止や国際貿易、ナイロビでは環境や居住問題というように分野を分けて国連活動の拠点となってきました。また、間もなくソウルに国連のITセンターが設置をされます。これは韓国がスポンサーになるものでございます。
日本外交の中心の一つは日米同盟、そしてもう一つは国際協調です。国際協調の中心政策が人間の安全保障ですから、日本の外交方針としてふさわしいとも言えます。アジアだけではなく太平洋地域に広げたのは、カナダは人間の安全保障を政策として積極的に取り入れてきました。オーストラリアも国連の活動に積極的だからです。日本がイニシアチブを取るのですから、本部はもちろん日本です。
そのほかにも理由があります。それは、国連のシンクタンクの機能を担う国連大学の本部が東京にあります。近年は、平和とガバナンス、環境と持続可能な開発の二つに集約した研究がここで行われています。地理的にも人材的にも、資本もインフラも、そしてシンクタンクも備えているわけであります。国連中心の有機的な活動を推進するのには最適の場所とも言えます。
自国及び地域の平和と繁栄を実現したいと、その意思があれば、その意思が共同体づくりへの強い動機付けになります。国連アジア太平洋本部の実現へ向けて、政治家として今後とも活動を進めたいと考えています。
以上でございます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →この国際問題調査会で一年半にわたって質疑、討議をさせていただきまして、そのことを踏まえまして、自分の今考えておりますことの一端を述べさせていただきたいと思います。
今のアジアでの日本の外交・安全保障政策を一言で言うならば、日米同盟は強化されたけれどもアジアでの日本の影響力は低下をし続けています。そうした中で、日米同盟を基軸にしつつ東アジア政策でバランスを取っていく、その具体的方法として東アジア共同体構想が浮上して、その是非を問うのが当調査会の目的の一つでもあります。
今日、東アジア地域で客観的情勢を眺めてみますと、経済的側面が顕著でございます。東アジア域内の貿易額は五〇%を超えました。EUに次ぐ数字です。もちろん国別の格差はあります。これは、東アジア各国が投資先を北米やEUから域内へシフトしつつあるからであります。経済の側面では、東アジアでは既に現実的に経済統合が進んでいます。EUが政治主導で進んだのに対して、東アジア地域では民間企業の自由な統合が今進んでいます。
東アジア共同体の構想については、疑問、疑念の声ももちろんあります。今、日本には共同体構想にちゅうちょする理由は私はないと考えます。積極的にこの構築に取り組み、日本外交の幅を広げ、この地域の平和と繁栄に寄与すべきであると考えます。
東アジア共同体構想を考える場合に、その性格をどうするかというのは大きなテーマの一つです。目指すべき目標として、平和や民主主義や人権などの価値を掲げる価値共同体を目指すのか、そのような価値を掲げずに、市場経済や自由貿易というルールの中で経済的利益を追求する機能共同体を目指すのか、又は集団的安全保障などを目的とするのかなどに分かれます。
アジア各国の政治・経済体制は非常に多様でございます。共産主義国家もあれば全体主義国家もある、分断国家もあります。文化、宗教も多様です。宗教は、EUではキリスト教に統一されていますが、東アジアでは仏教、儒教、イスラム教、キリスト教等々であります。このように多様性に富む東アジアでは各国がビジョンと価値を共有することは容易ではありません。ゆえに、民主主義や平和、人権という共通の価値に基づく共同体を目指すのは今は現実的ではないと言えます。まず、貿易やエネルギー、金融、経済協力といった地域の発展に必要な機能を中心とした経済共同体を目指すべきです。
次に、共同体の範囲ですが、基本的にはASEANプラス3が中心となりますが、EUが六か国から二十五か国体制に拡大したように、また、キリスト教国家でないトルコの加盟についても交渉を始めたように、東アジア共同体も、地域的枠組みが重層的に機能することの方が望ましいとも言えるので、インドや豪州その他の加盟なども柔軟に対応すべきと考えます。
経済を基盤とする機能共同体を目指すといっても、この東アジア地域は多様性の克服や不安定な安全保障関係、中国の台頭や高い対米依存度、さらに環境汚染、テロ、感染症など国境を越えた問題、格差の拡大、雇用、貧困、非民主的制度など課題はたくさんあります。
一九二三年にクーデンホーフ・カレルギーがパン・ヨーロッパを提案してからEU発足まで七十年掛かっています。第二次大戦後、欧州石炭鉄鋼共同体、ECSCが発足してからEU誕生まで四十二年間掛かっています。
東アジア共同体構築への阻害要因は多くあります。EUが政治主導であったとはいえ第二次大戦も乗り越えました。障害を一つ一つ克服していく過程にも将来の共同体の結び付きを強くしていく要因が生まれます。参加しようとする各国がすべて納得できるルールとビジョンを明確に示すこと、そしてその共同体意識を醸成していく強い意思を持つことができるかどうか、その方法を見付けることができるかどうか、それが共同体構築で重要な要素となります。
次に、この東アジア共同体の構築を考える上で日本の外交政策で重要な問題があります。それは、日本と中国、アメリカの三か国の関係の問題です。特に大事なことは、東アジア共同体が現実のものとなってきたときに、アメリカが志向する懸念の問題です。いわく、この地域には米国の優位が揺らぐことはないのか、この地域における米国の優位が揺らぐことはないのか、そのことによってアメリカは政策の柔軟性を奪われるのではないか、また、アメリカが目指す民主主義への転換や人権の尊重が進展しなくなるのではないか等々であります。
日本の外交・安全保障政策の基軸はもちろん日米同盟であります。とすると、東アジア共同体の構築を進める前にこのアメリカの懸念を取り除いておく必要があります。このアメリカの懸念の源は、源流はどこにあるかを考える場合、私はよくアメリカの外交の国家利益を考えます。
アメリカの東アジアでの国家利益の第一優先順位は何か、ファーストプライオリティーであります。それは伝統的に不変であります。今も変わりません。それは、一国若しくは複数国によるこの地域の支配を認めないというものがアメリカの東アジアでの国家利益の第一優先順位であります。日本若しくは中国が東アジアを支配することは認めませんし、日本と中国が手を結んで支配することも認められないのであります。
このことを理解する最も分かりやすい例えが、一九七一年に発覚しましたアメリカのキッシンジャー補佐官の日本の頭越しに行われた中国接近の忍者外交又は隠密外交であります。アメリカは、一九六九年の十一月から七〇年の三月にかけて中国接近の小さなカードを毎日送り続けます。例えば、アメリカへ入国する中国の卓球選手が今回は特別にビザは要らないよと言ったりとか、中国への輸出を禁止されていた商品、例えば化粧品であるとか、そういうものの輸出を認めるとか、本当に小さなカードでありますが、連日、中国へ向かって送り続けたことがあります。これが実は忍者外交の端緒だったのであります。
このときアメリカのニクソン大統領は、ベトナムを停戦させること、アジアからの撤退を考えていました。これを実現するためにどうしても必要だったのが、北ベトナムの背後にいた中国の脅威を取り除いておくことでありました。
一方で、アメリカは中国と日本が手を結ぶことも警戒する必要がありました。それは、複数国の連合による東アジア支配もアメリカは国益から認めるわけにいかなかったからであります。
一九六九年、ワシントンでの日米首脳会談後の共同声明とその後の記者会見で、当時の佐藤総理は中国批判の会見をします。当然のように、中国は厳しい日本批判をその後連日繰り広げました。日本と中国の対立であります。アメリカの対中国接近のカードは、実にこの会見直後から開始されたのです。そして、その後間もなく、当時のキッシンジャー補佐官が中国に飛んだのであります。
日本が東アジア共同体を進めるときに、このことが実は最も重要だとも言えると思います。アメリカに対して一〇〇%隷属はあり得ません。東アジア共同体や中国との接近によってアメリカに対してバーゲニングパワーを得ようとするときに、必ずアメリカの国益を念頭に置いて微妙なバランスを日本は見失わないようにする必要があるのです。東アジア共同体を論ずるときに、必ずアメリカにも門戸を開くべきだとの論があるのはこのことを意味しています。
最後にもう一つ、東アジアの共同体の構築では大事なことがあります。それは、日本がリーダーシップを発揮してイニシアチブを取っていくことであります。もはや、ODAだけでは日本はイニシアチブを取ることはできません。もっと根源的な方法はないか。私は、それを平和と安心、安全の確立とその方法だと思います。
EUは、人々の不戦への強い願いが不戦共同体としてのEUをつくり上げていきました。アジアにもその平和への思いは強いものがあります。また、貧富の格差、テロ、麻薬、人身売買、海賊、環境汚染等々多くの問題を、先ほども言いましたが、抱えています。
日本の強力なリーダーシップによってこの地域に平和と安心、安全を確立するための方法として、最後に一つの提案をしたいと思います。
それは、国連の新たな地域拠点として国連アジア太平洋本部を東京若しくは沖縄に設置してはどうかという提案であります。この本部の目的は、人間の安全保障政策として脅威が生じにくい世界の構築を目指す活動の拠点であります。脅威とは正に平和そして安心と安全を脅かすすべてのことが対象となります。
今、国連はジュネーブとウィーンに事務局が、ナイロビに事務所が置かれています。ジュネーブでは人権や軍縮、ウィーンでは犯罪防止や国際貿易、ナイロビでは環境や居住問題というように分野を分けて国連活動の拠点となってきました。また、間もなくソウルに国連のITセンターが設置をされます。これは韓国がスポンサーになるものでございます。
日本外交の中心の一つは日米同盟、そしてもう一つは国際協調です。国際協調の中心政策が人間の安全保障ですから、日本の外交方針としてふさわしいとも言えます。アジアだけではなく太平洋地域に広げたのは、カナダは人間の安全保障を政策として積極的に取り入れてきました。オーストラリアも国連の活動に積極的だからです。日本がイニシアチブを取るのですから、本部はもちろん日本です。
そのほかにも理由があります。それは、国連のシンクタンクの機能を担う国連大学の本部が東京にあります。近年は、平和とガバナンス、環境と持続可能な開発の二つに集約した研究がここで行われています。地理的にも人材的にも、資本もインフラも、そしてシンクタンクも備えているわけであります。国連中心の有機的な活動を推進するのには最適の場所とも言えます。
自国及び地域の平和と繁栄を実現したいと、その意思があれば、その意思が共同体づくりへの強い動機付けになります。国連アジア太平洋本部の実現へ向けて、政治家として今後とも活動を進めたいと考えています。
以上でございます。ありがとうございました。
西
大
大門実紀史#9
○大門実紀史君 今までの参考人質疑踏まえて、私も東アジア共同体のこれからの方向について絞って意見を述べたいと思います。
東アジア共同体はこの調査会で二年にわたり議論がされてまいりましたけども、いろんな議論がありまして、APECだけでいいんじゃないかと、東アジア共同体そのものが必要なのかという議論から、いろいろ出ましたけども、私、必要だという立場ではおりますが、そうはいっても議論百出のテーマでございました。それが緩やかなものなのか、EU型を目指すのか、あるいは経済協力に絞るのか、安全保障も含めるのか、あるいはアメリカを入れるのか、アメリカ抜きなのか等々、いろいろ、さらに日中間の歴史認識問題も議論されて、大変混沌とした議論になっているような気がいたしますけども、余り考え過ぎちゃうと、いろんなことを考え過ぎると、といいますか、先にビジョンを考え過ぎるとこういうものは余り進まないんじゃないかというふうに私は現実的にとらえておりまして、お互い利益になることを進めていけば、なるようになるといいますか、自然に形はつくられるんではないかと思います。
そういう点では、経済面での共同体に行く前の連携というものが、実際にも進んでいるわけですが、よりどころで物を考えていけばどうかと思いますが、ただ、FTAとかEPAを幾ら重層的に結んでも、それが共同体につながるとは限りません。私は、むしろ通貨、金融面での今進み始めている協力を拡大すべきではないかというふうに思っているところでございます。
そもそも、東アジア共同体みたいな構想が出たのは、九七年のアジア通貨危機が発端でございます。あのときにASEANの国は、アメリカのファンドを含めたアメリカマネーに、ドルペックを取っていたということもありまして、やられたと、アメリカにやられたと。それがあってアメリカから相対的な自立を確保したいと。ですから、APECではなくてというところから出発したのがそもそもこの東アジア共同体の議論でございました。その後、もちろんIMFが入って、IMFプログラムに対する反発、つまりそこでもアメリカに対する反発とかがあって、東アジアの国だけでという流れが始まったわけでございます。ですから、APECでということにはそもそも議論からならないスタートだろうというふうに思っています。
で、その中で日本は特別な協力をしてきたわけです、この通貨協力面ではですね。アジア通貨基金構想が出ましたけども、これはアメリカとIMFの反対でつぶれました。九八年には新宮澤構想を打ち出して、三百億ドルの資金供与をアジア通貨危機下でやったと。二〇〇〇年にはチェンマイ・イニシアチブですね、これはいざというときの為替資金をスワップで準備すると。これにも協力、日本が大変イニシア取ってお金も出していると。あと、アジア債券市場の育成ですね、これはアジアの貯蓄をアジアの投資に使おうという構想ですが、これも日本が非常に、日本の財務省が頑張っているわけです。
こういう金融通貨協力を更に進める、これは正に共同体的な枠組みですから、これを進めることが今後の共同体の礎を固めて広げていくことになるだろうと思います。で、これは二つの日本の国にとって有効な面があると思っております。
一つは円の国際化。つまり、これからは世界の通貨というのはドルとユーロとアジア通貨に収れんしていくんではないかと言われています。恐らくその方向になると思いますが、そのアジア通貨の中で日本の円がどういう影響力を持つかと。円の国際化まで行くかどうかは別として、円の影響力をそこで高めておくというのは、これは経済的な意味の国益には間違いなく沿うわけでございます。そういう点で、この通貨金融協力、特にチェンマイ・イニシアチブとアジア債券市場の育成に日本が更に力を入れていくということは、その円の国際化、円の影響力をアジアの通貨の中で、結果的には通貨バスケットになるか何か分かりませんが、とにかく円の影響力を強めるという点では非常に国益にもつながると思います。
もう一つは、アメリカがアジア共同体を非常に嫌がっている理由は、結局、日本と中国がドルをたくさん買っておりますけども、ドルから相対的にアジアマネーが自立をしていくと、これを一番嫌がっているわけでございます。したがって、アメリカはドルを垂れ流しする、赤字を垂れ流しするというところで自国の経済を回しておりますから、ドルを買ってくれなければ、ドルから離れられると非常に困るわけです。しかし、それは一方、ドルがいつ暴落するか分からない、いつ下落するか分からないという危ないものを含んでおります。いわゆるドルリスクでございますけども、それを中国も日本も今抱えているわけです。そういうドルリスクから相対的に自立していくという点でもこのアジアの通貨協力、アジア内での、域内での通貨協力というのがドルリスク回避という点からも国益に沿うというふうに思います。
そういう点で、あれこれの議論ありますが、FTA、EPAの議論が先行しておりますけども、余り取り上げられておりませんが、通貨金融協力に力を入れることが一番現実的な共同体をつくっていく方向になるんではないかという意見だけ表明しておきます。
以上です。
この発言だけを見る →東アジア共同体はこの調査会で二年にわたり議論がされてまいりましたけども、いろんな議論がありまして、APECだけでいいんじゃないかと、東アジア共同体そのものが必要なのかという議論から、いろいろ出ましたけども、私、必要だという立場ではおりますが、そうはいっても議論百出のテーマでございました。それが緩やかなものなのか、EU型を目指すのか、あるいは経済協力に絞るのか、安全保障も含めるのか、あるいはアメリカを入れるのか、アメリカ抜きなのか等々、いろいろ、さらに日中間の歴史認識問題も議論されて、大変混沌とした議論になっているような気がいたしますけども、余り考え過ぎちゃうと、いろんなことを考え過ぎると、といいますか、先にビジョンを考え過ぎるとこういうものは余り進まないんじゃないかというふうに私は現実的にとらえておりまして、お互い利益になることを進めていけば、なるようになるといいますか、自然に形はつくられるんではないかと思います。
そういう点では、経済面での共同体に行く前の連携というものが、実際にも進んでいるわけですが、よりどころで物を考えていけばどうかと思いますが、ただ、FTAとかEPAを幾ら重層的に結んでも、それが共同体につながるとは限りません。私は、むしろ通貨、金融面での今進み始めている協力を拡大すべきではないかというふうに思っているところでございます。
そもそも、東アジア共同体みたいな構想が出たのは、九七年のアジア通貨危機が発端でございます。あのときにASEANの国は、アメリカのファンドを含めたアメリカマネーに、ドルペックを取っていたということもありまして、やられたと、アメリカにやられたと。それがあってアメリカから相対的な自立を確保したいと。ですから、APECではなくてというところから出発したのがそもそもこの東アジア共同体の議論でございました。その後、もちろんIMFが入って、IMFプログラムに対する反発、つまりそこでもアメリカに対する反発とかがあって、東アジアの国だけでという流れが始まったわけでございます。ですから、APECでということにはそもそも議論からならないスタートだろうというふうに思っています。
で、その中で日本は特別な協力をしてきたわけです、この通貨協力面ではですね。アジア通貨基金構想が出ましたけども、これはアメリカとIMFの反対でつぶれました。九八年には新宮澤構想を打ち出して、三百億ドルの資金供与をアジア通貨危機下でやったと。二〇〇〇年にはチェンマイ・イニシアチブですね、これはいざというときの為替資金をスワップで準備すると。これにも協力、日本が大変イニシア取ってお金も出していると。あと、アジア債券市場の育成ですね、これはアジアの貯蓄をアジアの投資に使おうという構想ですが、これも日本が非常に、日本の財務省が頑張っているわけです。
こういう金融通貨協力を更に進める、これは正に共同体的な枠組みですから、これを進めることが今後の共同体の礎を固めて広げていくことになるだろうと思います。で、これは二つの日本の国にとって有効な面があると思っております。
一つは円の国際化。つまり、これからは世界の通貨というのはドルとユーロとアジア通貨に収れんしていくんではないかと言われています。恐らくその方向になると思いますが、そのアジア通貨の中で日本の円がどういう影響力を持つかと。円の国際化まで行くかどうかは別として、円の影響力をそこで高めておくというのは、これは経済的な意味の国益には間違いなく沿うわけでございます。そういう点で、この通貨金融協力、特にチェンマイ・イニシアチブとアジア債券市場の育成に日本が更に力を入れていくということは、その円の国際化、円の影響力をアジアの通貨の中で、結果的には通貨バスケットになるか何か分かりませんが、とにかく円の影響力を強めるという点では非常に国益にもつながると思います。
もう一つは、アメリカがアジア共同体を非常に嫌がっている理由は、結局、日本と中国がドルをたくさん買っておりますけども、ドルから相対的にアジアマネーが自立をしていくと、これを一番嫌がっているわけでございます。したがって、アメリカはドルを垂れ流しする、赤字を垂れ流しするというところで自国の経済を回しておりますから、ドルを買ってくれなければ、ドルから離れられると非常に困るわけです。しかし、それは一方、ドルがいつ暴落するか分からない、いつ下落するか分からないという危ないものを含んでおります。いわゆるドルリスクでございますけども、それを中国も日本も今抱えているわけです。そういうドルリスクから相対的に自立していくという点でもこのアジアの通貨協力、アジア内での、域内での通貨協力というのがドルリスク回避という点からも国益に沿うというふうに思います。
そういう点で、あれこれの議論ありますが、FTA、EPAの議論が先行しておりますけども、余り取り上げられておりませんが、通貨金融協力に力を入れることが一番現実的な共同体をつくっていく方向になるんではないかという意見だけ表明しておきます。
以上です。
西
西田吉宏#10
○会長(西田吉宏君) ありがとうございました。
以上で意見の表明は終わりました。
これより委員間で自由に意見交換を行っていただきます。
発言を希望される方は、挙手の上、私の指名を待って御発言をいただきたいと存じます。
できるだけ多くの委員の方々が発言できますように、委員の一回の発言時間は五分以内でお願いをいたします。
また、発言は着席のままで結構でございます。
それでは、発言を希望される方は挙手をお願いをいたします。
それでは、水落君。
この発言だけを見る →以上で意見の表明は終わりました。
これより委員間で自由に意見交換を行っていただきます。
発言を希望される方は、挙手の上、私の指名を待って御発言をいただきたいと存じます。
できるだけ多くの委員の方々が発言できますように、委員の一回の発言時間は五分以内でお願いをいたします。
また、発言は着席のままで結構でございます。
それでは、発言を希望される方は挙手をお願いをいたします。
それでは、水落君。
水
水落敏栄#11
○水落敏栄君 ありがとうございます。
自由民主党の水落でございます。
先ほど、澤委員から、東アジア共同体構築はちゅうちょなく進めなくちゃいけぬと、こういう御意見もございましたし、大門委員からも、東アジア共同体は必要なんだと、こうした御意見がございました。もちろん、私も、この東アジア共同体構想については、これは進めていかなくちゃいけないと、こう思っておりましたけれども、ただ、私の危惧するところが二、三あるものですから、その辺を申し上げさせていただいて、それに対して委員の皆さんからも御助言いただければ有り難いな、このように思っております。
昨年の十二月にマレーシアで開かれた第一回の東アジア首脳会議では、この地域における共同体の建設を促進すると、こういうふうに宣言をしております。そして、共同体の主たる目的は私は経済の相互依存にあると思いますけれども、しかしながら私は、共同体という概念の弱点が幾つかあるように思うわけです。
弱点ですけれども、その一つが政治体制の問題であると思います。この共同体の域内には、民主化を果たした国から共産党や軍部による独裁国家まで、各国の政治体制には著しい違いがあるということがございます。
その二つ目は、経済の問題であります。経済の発展度合いも、日本やあるいはシンガポールといった先進国と、ミャンマーとかラオスとかいったそうした途上国とは雲泥の差があるわけであります。こうした経済格差をどのように解決していくかということが第二点であります。
その三は、宗教上の問題であります。EUのほとんどの国はキリスト教でありますけれども、ASEANプラス3の域内ではいろいろあって、世界人口の第四位を占める人口二億二千万のインドネシアはイスラム教でありますし、タイ、ミャンマーは仏教、フィリピンはキリスト教等々であります。中国は余り特定した宗教はございません。したがいまして、そこから、宗教上の問題から、インドネシア国においては一部の州の独立紛争の問題もございますし、フィリピンのモロ・イスラム解放戦線、それらに伴うテロの問題は深刻であります。
第四は、どこの国が主導するかということであります。形式上ASEAN主導ということであると思いますけれども、大変失礼ながら、ASEANのどの国を見ても、果たして指導力を発揮できる国があるかどうか疑問であります。EU統合ではドイツ、フランスが先導しましたけれども、それに倣って日中というわけにもいかないんだろうと現時点では思います。
さらに、安全保障の問題につきましても、台湾海峡の問題、北朝鮮問題など、域内の重要な安全保障問題は、これは米国を抜きにしては語れないと思っておりますし、日本の安全も米国あっての安全だというふうに私は思っています。
そうしたことで、共同体構想の弱点ばかり申し上げましたけれども、これからの共同体構想を進めるについて我が国の立場からどのような方策取っていったらよいのか、大変大ざっぱな私の意見でありますけれども、委員の皆様の共同体に対する御意見があれば是非お聞かせいただきたいな、このように思います。
終わります。
この発言だけを見る →自由民主党の水落でございます。
先ほど、澤委員から、東アジア共同体構築はちゅうちょなく進めなくちゃいけぬと、こういう御意見もございましたし、大門委員からも、東アジア共同体は必要なんだと、こうした御意見がございました。もちろん、私も、この東アジア共同体構想については、これは進めていかなくちゃいけないと、こう思っておりましたけれども、ただ、私の危惧するところが二、三あるものですから、その辺を申し上げさせていただいて、それに対して委員の皆さんからも御助言いただければ有り難いな、このように思っております。
昨年の十二月にマレーシアで開かれた第一回の東アジア首脳会議では、この地域における共同体の建設を促進すると、こういうふうに宣言をしております。そして、共同体の主たる目的は私は経済の相互依存にあると思いますけれども、しかしながら私は、共同体という概念の弱点が幾つかあるように思うわけです。
弱点ですけれども、その一つが政治体制の問題であると思います。この共同体の域内には、民主化を果たした国から共産党や軍部による独裁国家まで、各国の政治体制には著しい違いがあるということがございます。
その二つ目は、経済の問題であります。経済の発展度合いも、日本やあるいはシンガポールといった先進国と、ミャンマーとかラオスとかいったそうした途上国とは雲泥の差があるわけであります。こうした経済格差をどのように解決していくかということが第二点であります。
その三は、宗教上の問題であります。EUのほとんどの国はキリスト教でありますけれども、ASEANプラス3の域内ではいろいろあって、世界人口の第四位を占める人口二億二千万のインドネシアはイスラム教でありますし、タイ、ミャンマーは仏教、フィリピンはキリスト教等々であります。中国は余り特定した宗教はございません。したがいまして、そこから、宗教上の問題から、インドネシア国においては一部の州の独立紛争の問題もございますし、フィリピンのモロ・イスラム解放戦線、それらに伴うテロの問題は深刻であります。
第四は、どこの国が主導するかということであります。形式上ASEAN主導ということであると思いますけれども、大変失礼ながら、ASEANのどの国を見ても、果たして指導力を発揮できる国があるかどうか疑問であります。EU統合ではドイツ、フランスが先導しましたけれども、それに倣って日中というわけにもいかないんだろうと現時点では思います。
さらに、安全保障の問題につきましても、台湾海峡の問題、北朝鮮問題など、域内の重要な安全保障問題は、これは米国を抜きにしては語れないと思っておりますし、日本の安全も米国あっての安全だというふうに私は思っています。
そうしたことで、共同体構想の弱点ばかり申し上げましたけれども、これからの共同体構想を進めるについて我が国の立場からどのような方策取っていったらよいのか、大変大ざっぱな私の意見でありますけれども、委員の皆様の共同体に対する御意見があれば是非お聞かせいただきたいな、このように思います。
終わります。
西
佐
佐藤雄平#13
○佐藤雄平君 民主党の佐藤雄平でございます。
まず、それぞれ皆さんの今御意見を聞かせていただきまして、本当に感銘しております。今のそれぞれのお話は、私はもう極めてフォーマルな外交の一環の中であろうと。そういうふうな中で、この調査会で私も一度申し上げさせていただきましたけれども、外交というのは国益と国益がある意味ではぶつかる、場合によっては犬猿な感じになる。そういうふうなときに、文化、芸術、この外交というのも極めて大事であろうなと、そんな思いをしております。
今日、公明党の浮島先生おられますけれども、この八年の中で私もモスクワと北京に行ってまいりました。いかに文化、芸術が大事であるかなということをまざまざと実は見せ付けられてきました。
四年前、モスクワに行って、たまたまボリショイ劇場で、あそこでオペラを観劇する機会があったんです。ずっとあそこ、もう三百年も前の大変な劇場の中、これ三千人ぐらい入るんですけれども、ずっと見回したらば、もうほとんどの人が実はヨーロッパからいわゆる宿泊しながらオペラを聴きに来ている、見に来ている。その状況を見ると、やっぱり思想、主義以上に、芸術文化というのは正に超越しているなと。あそこに来てオペラ、バレエを見ていくと、やっぱり一つの気持ちになって、それがそれぞれ国と国の大きなきずなになっていくんだろうと、そんな思いをしました。
その直後、また中国に行く機会があったんですけれども、あのときはそれこそ外務省が機能を果たしていないときでございまして、北京に行きましたら、実は宇多田ヒカルのCDが三千枚売れていると。これはもう大変な、宇多田ヒカルさんがあのときの外務大臣よりもはるかに外務大臣の役割を果たしているかなと思ったぐらい、これはやっぱり日本の歌を中国の人民が歌ってくれるというのは、いつの間にか体の中で日本を理解していることになるんであろうかなと、そんなことを思いながら、フォーマルな外交と同時に人民外交の重要性を改めて感じてまいりました。
そしてもう一つは、ロシアとのいわゆる北方四島との問題でありますけれども、委員長をさせていただいて、これは五年前ですかね、国後、択捉に行かせていただきました。あのとき、なかなかやっぱりこれ日本に帰属するというのは大変だなと思うのは幾つかあったんですけれども、択捉島に行って択捉島を一周したんです。そうしたら、あそこには河川が全部で七つ河川がありまして、その河口のところを視察をするとゲートがあるんです、門があるんです。何でここにゲートがあるんですかと聞いたら、サケとマスが遡上し過ぎて滞積して腐ってしまうんだね、ですから入口規制をしているんです。
そういうふうな中で、あそこに行っている人たちはみんなロシアの東側の人が出稼ぎで、ウクライナからも行っていると言っていましたけれども、要するにロシアの東側の正にドル箱になっている。これはなかなか、我が外交で頑張っても帰属するには大変なことだなと思いながら、子供たちといろんな交歓会を実はしたんです。そうしたら、子供たちにその話をすると、子供たちはみんなじいちゃんの時代からもう住んでいると言うんですね。じいちゃんの時代から住んでいる。場合によっては三世の方がもういるんです。ですから、これが返ってきたとき、これはもうその子供たちはどういうふうな日本に対する印象になるかというふうなことになったら、もう我が国が取られたということになってしまうのかなと、その今の択捉島にいる、四島にいる子供たちからすれば。
それで、その子供たちのどういうふうな教育をしているかということで歴史の話をずっと聞いたんです。そうしたら、その子供たちは、クリル諸島というのはもう昔からロシアの領土であると、我が国であるというふうな認識、歴史で教えてもらっていると。
そんなとき、先進国首脳会議があって、その次の年でしたかね、これがロシアが初めて参加をしたんです。あのとき、私はやっぱり日本の外務省として最も大事なことは、先進国であるんであれば歴史の共有が必要であろうと。歴史をきちっとお互いに理解しなかったら、これはもう四島なんて返ってくるはずもありませんし、またある意味では、中国と韓国の問題についても歴史のお互いの理解の違いがある。そんなことを考えると、やっぱり教育の中での一つの統一した見解というのが外交の中でこれから必要であろうなと。
そういうふうな意味でも、私は、国連の役割というのはそれぞれ通商外交とかいろいろ軍事的なことはあるでしょうけれども、しかしながら文化、芸術、それから歴史の共有、こういうふうなことがこれからの外交のある意味では前提となる、共有しなければならない、そんな基礎になるかなと思うところであります。
以上。
この発言だけを見る →まず、それぞれ皆さんの今御意見を聞かせていただきまして、本当に感銘しております。今のそれぞれのお話は、私はもう極めてフォーマルな外交の一環の中であろうと。そういうふうな中で、この調査会で私も一度申し上げさせていただきましたけれども、外交というのは国益と国益がある意味ではぶつかる、場合によっては犬猿な感じになる。そういうふうなときに、文化、芸術、この外交というのも極めて大事であろうなと、そんな思いをしております。
今日、公明党の浮島先生おられますけれども、この八年の中で私もモスクワと北京に行ってまいりました。いかに文化、芸術が大事であるかなということをまざまざと実は見せ付けられてきました。
四年前、モスクワに行って、たまたまボリショイ劇場で、あそこでオペラを観劇する機会があったんです。ずっとあそこ、もう三百年も前の大変な劇場の中、これ三千人ぐらい入るんですけれども、ずっと見回したらば、もうほとんどの人が実はヨーロッパからいわゆる宿泊しながらオペラを聴きに来ている、見に来ている。その状況を見ると、やっぱり思想、主義以上に、芸術文化というのは正に超越しているなと。あそこに来てオペラ、バレエを見ていくと、やっぱり一つの気持ちになって、それがそれぞれ国と国の大きなきずなになっていくんだろうと、そんな思いをしました。
その直後、また中国に行く機会があったんですけれども、あのときはそれこそ外務省が機能を果たしていないときでございまして、北京に行きましたら、実は宇多田ヒカルのCDが三千枚売れていると。これはもう大変な、宇多田ヒカルさんがあのときの外務大臣よりもはるかに外務大臣の役割を果たしているかなと思ったぐらい、これはやっぱり日本の歌を中国の人民が歌ってくれるというのは、いつの間にか体の中で日本を理解していることになるんであろうかなと、そんなことを思いながら、フォーマルな外交と同時に人民外交の重要性を改めて感じてまいりました。
そしてもう一つは、ロシアとのいわゆる北方四島との問題でありますけれども、委員長をさせていただいて、これは五年前ですかね、国後、択捉に行かせていただきました。あのとき、なかなかやっぱりこれ日本に帰属するというのは大変だなと思うのは幾つかあったんですけれども、択捉島に行って択捉島を一周したんです。そうしたら、あそこには河川が全部で七つ河川がありまして、その河口のところを視察をするとゲートがあるんです、門があるんです。何でここにゲートがあるんですかと聞いたら、サケとマスが遡上し過ぎて滞積して腐ってしまうんだね、ですから入口規制をしているんです。
そういうふうな中で、あそこに行っている人たちはみんなロシアの東側の人が出稼ぎで、ウクライナからも行っていると言っていましたけれども、要するにロシアの東側の正にドル箱になっている。これはなかなか、我が外交で頑張っても帰属するには大変なことだなと思いながら、子供たちといろんな交歓会を実はしたんです。そうしたら、子供たちにその話をすると、子供たちはみんなじいちゃんの時代からもう住んでいると言うんですね。じいちゃんの時代から住んでいる。場合によっては三世の方がもういるんです。ですから、これが返ってきたとき、これはもうその子供たちはどういうふうな日本に対する印象になるかというふうなことになったら、もう我が国が取られたということになってしまうのかなと、その今の択捉島にいる、四島にいる子供たちからすれば。
それで、その子供たちのどういうふうな教育をしているかということで歴史の話をずっと聞いたんです。そうしたら、その子供たちは、クリル諸島というのはもう昔からロシアの領土であると、我が国であるというふうな認識、歴史で教えてもらっていると。
そんなとき、先進国首脳会議があって、その次の年でしたかね、これがロシアが初めて参加をしたんです。あのとき、私はやっぱり日本の外務省として最も大事なことは、先進国であるんであれば歴史の共有が必要であろうと。歴史をきちっとお互いに理解しなかったら、これはもう四島なんて返ってくるはずもありませんし、またある意味では、中国と韓国の問題についても歴史のお互いの理解の違いがある。そんなことを考えると、やっぱり教育の中での一つの統一した見解というのが外交の中でこれから必要であろうなと。
そういうふうな意味でも、私は、国連の役割というのはそれぞれ通商外交とかいろいろ軍事的なことはあるでしょうけれども、しかしながら文化、芸術、それから歴史の共有、こういうふうなことがこれからの外交のある意味では前提となる、共有しなければならない、そんな基礎になるかなと思うところであります。
以上。
西
中
中川雅治#15
○中川雅治君 私は、日米関係について、主として経済の面から見て所感を申し上げたいと思います。
現在の日米経済関係は、過去の日米摩擦の時代と比べて大変静かであります。かつての日米摩擦の関係のような状況にあるのが米国と中国との関係だと思います。
米国の経常赤字は八千億ドルにもなっておりまして、GDP比で六%を超えております。中国が日本の外貨準備をしのいだと報道されていましたが、米国の貿易赤字に占める中国の寄与度が突出してきているようであります。例えば、一九九三年の米国の貿易赤字の内訳を見ますと、日本が五一・四%、中国は一九・七%であったものが、二〇〇五年には、日本は一〇・八%、中国が二六・三%となってきています。中国は人民元を切り上げたといっても余り動かしておらず、米国は中国との関係に神経をとがらせていると思います。日本はアメリカとの関係において波静かであるといっても、日本の米国に対する輸出が次第に中国の米国に対する輸出に取って代わられていくということを意味しているわけでありますから、喜んでばかりいるわけにはいかないと思います。
今、日米関係はBSE問題や在日米軍の再編問題など、安心、安全の問題をめぐって懸案事項はあるわけですけれども、経済関係は平穏であります。それでも私は幾つかのリスクを内包していると思っております。
一つは、これは原油価格の動向であります。
十八日のニューヨーク原油は一バレル七十・八八ドルを付けた。ロンドンでは七十二ドル台を突破しました。この水準を更に超えていくこととなりますと、エネルギーの石油依存度の高い米国経済はやはり打撃を受けることと思います。日本経済にも当然影響を及ぼすことになるわけでありますが、米国経済に対する影響が更に日本経済に跳ね返ってくることになることに留意しなければならないと思います。
それから二番目は、金利が上がってきているということであります。
アメリカの短期金利は今まで徐々に引き上げられてきましたが、ここに来てそろそろ打ち止めかなと思われていたところ、利上げはもっと続きそうだと思われてきておりまして、そういった状況を反映して米国の長期金利も五%を超える水準まで上がってきております。
日本の長期金利も十年国債の金利が二%に達しました。日銀が量的緩和政策を解除し、その後のゼロ金利の解除も比較的早いのではないかという観測が市場に流れておりまして、これが長期金利の上昇につながっていると思います。アメリカやEU諸国などの長期金利も上がってきておりまして、こうしたグローバルな金利情勢が更に日本の長期金利にも波及してくることが懸念されます。
我が国の景気回復基調がしっかりしてきたこの時点で長期金利が急上昇することになれば、既発の長期国債の価格が下落し、金融機関等が大きな損失を被り、再び金融危機が訪れるおそれもあります。また、回復してきた設備投資にも水を差すことになり、さらに利払い費の上昇により財政状況が更に悪化し、国債を増発せざるを得なくなり、また更なる金利上昇を招くといった悪循環が生じ、日本経済に大きな打撃を与えかねません。
私は、日本銀行に対して、アメリカを始め諸外国の長期金利の動向にもよく目配りしながら、ここは慎重な金融政策の運営をするように注文したいと思います。
三番目は、アメリカの双子の赤字の問題であります。
先ほど申し上げましたように、アメリカの経常赤字は八千億ドルに達し、GDP比で六%を超えています。予算教書によりますと、二〇〇六年の財政赤字の見通しはGDP比で三・二%となっています。去年は二・六%でした。ブッシュ大統領は、一般の支出は抑えているものの、イラクはまだ終わっておらず、国防や国土安全保障に関する支出は伸びております。財政赤字はなかなか減っていきません。
また、米国の貯蓄率は二〇〇五年は何と三角〇・四%とマイナスになってきております。言ってみれば、米国は政府も国民も消費し過ぎている状況にあります。こうした状況がいつまでもつのかということが危惧されます。今は中国がドルを持ってバランスしているわけですが、米中関係は次第に深刻な状況となってきています。
日米関係は今は平穏だといっても、米国が大幅な経常赤字を持ち、更なるドル安、金利高につながるリスクは依然あるわけであります。いつ日本にどのような影響を与えるのか心配であります。こうした状況が日米経済関係の現状であると思います。
そこで、日本といたしましては、日米経済関係が平穏な今こそ、先ほど申し上げましたように、金融政策のかじ取りをしっかりして景気回復基調を確かなものにしていかなければならないということが一つ。それから、外圧がさほどない今の静かな状況は、率先して構造改革に取り組み、また財政再建に取り組んでいく好機ととらえるべきではないかということを申し上げたいと思います。
そうしたことに道筋を付けていくことがまた日米の良好な経済関係につながっていくという好循環を生んでいくことになるものと思っております。
そのためには、原油価格の動向や金利の動向、為替の動向などについてグローバルな視点で目配りをしながら、先進諸国が常に協調していく体制をより強固なものにしていくということが重要であると思います。そういう意味で、私は今週末開かれるG7に注目しております。
以上でございます。
この発言だけを見る →現在の日米経済関係は、過去の日米摩擦の時代と比べて大変静かであります。かつての日米摩擦の関係のような状況にあるのが米国と中国との関係だと思います。
米国の経常赤字は八千億ドルにもなっておりまして、GDP比で六%を超えております。中国が日本の外貨準備をしのいだと報道されていましたが、米国の貿易赤字に占める中国の寄与度が突出してきているようであります。例えば、一九九三年の米国の貿易赤字の内訳を見ますと、日本が五一・四%、中国は一九・七%であったものが、二〇〇五年には、日本は一〇・八%、中国が二六・三%となってきています。中国は人民元を切り上げたといっても余り動かしておらず、米国は中国との関係に神経をとがらせていると思います。日本はアメリカとの関係において波静かであるといっても、日本の米国に対する輸出が次第に中国の米国に対する輸出に取って代わられていくということを意味しているわけでありますから、喜んでばかりいるわけにはいかないと思います。
今、日米関係はBSE問題や在日米軍の再編問題など、安心、安全の問題をめぐって懸案事項はあるわけですけれども、経済関係は平穏であります。それでも私は幾つかのリスクを内包していると思っております。
一つは、これは原油価格の動向であります。
十八日のニューヨーク原油は一バレル七十・八八ドルを付けた。ロンドンでは七十二ドル台を突破しました。この水準を更に超えていくこととなりますと、エネルギーの石油依存度の高い米国経済はやはり打撃を受けることと思います。日本経済にも当然影響を及ぼすことになるわけでありますが、米国経済に対する影響が更に日本経済に跳ね返ってくることになることに留意しなければならないと思います。
それから二番目は、金利が上がってきているということであります。
アメリカの短期金利は今まで徐々に引き上げられてきましたが、ここに来てそろそろ打ち止めかなと思われていたところ、利上げはもっと続きそうだと思われてきておりまして、そういった状況を反映して米国の長期金利も五%を超える水準まで上がってきております。
日本の長期金利も十年国債の金利が二%に達しました。日銀が量的緩和政策を解除し、その後のゼロ金利の解除も比較的早いのではないかという観測が市場に流れておりまして、これが長期金利の上昇につながっていると思います。アメリカやEU諸国などの長期金利も上がってきておりまして、こうしたグローバルな金利情勢が更に日本の長期金利にも波及してくることが懸念されます。
我が国の景気回復基調がしっかりしてきたこの時点で長期金利が急上昇することになれば、既発の長期国債の価格が下落し、金融機関等が大きな損失を被り、再び金融危機が訪れるおそれもあります。また、回復してきた設備投資にも水を差すことになり、さらに利払い費の上昇により財政状況が更に悪化し、国債を増発せざるを得なくなり、また更なる金利上昇を招くといった悪循環が生じ、日本経済に大きな打撃を与えかねません。
私は、日本銀行に対して、アメリカを始め諸外国の長期金利の動向にもよく目配りしながら、ここは慎重な金融政策の運営をするように注文したいと思います。
三番目は、アメリカの双子の赤字の問題であります。
先ほど申し上げましたように、アメリカの経常赤字は八千億ドルに達し、GDP比で六%を超えています。予算教書によりますと、二〇〇六年の財政赤字の見通しはGDP比で三・二%となっています。去年は二・六%でした。ブッシュ大統領は、一般の支出は抑えているものの、イラクはまだ終わっておらず、国防や国土安全保障に関する支出は伸びております。財政赤字はなかなか減っていきません。
また、米国の貯蓄率は二〇〇五年は何と三角〇・四%とマイナスになってきております。言ってみれば、米国は政府も国民も消費し過ぎている状況にあります。こうした状況がいつまでもつのかということが危惧されます。今は中国がドルを持ってバランスしているわけですが、米中関係は次第に深刻な状況となってきています。
日米関係は今は平穏だといっても、米国が大幅な経常赤字を持ち、更なるドル安、金利高につながるリスクは依然あるわけであります。いつ日本にどのような影響を与えるのか心配であります。こうした状況が日米経済関係の現状であると思います。
そこで、日本といたしましては、日米経済関係が平穏な今こそ、先ほど申し上げましたように、金融政策のかじ取りをしっかりして景気回復基調を確かなものにしていかなければならないということが一つ。それから、外圧がさほどない今の静かな状況は、率先して構造改革に取り組み、また財政再建に取り組んでいく好機ととらえるべきではないかということを申し上げたいと思います。
そうしたことに道筋を付けていくことがまた日米の良好な経済関係につながっていくという好循環を生んでいくことになるものと思っております。
そのためには、原油価格の動向や金利の動向、為替の動向などについてグローバルな視点で目配りをしながら、先進諸国が常に協調していく体制をより強固なものにしていくということが重要であると思います。そういう意味で、私は今週末開かれるG7に注目しております。
以上でございます。
西
加
加藤修一#17
○加藤修一君 ありがとうございます。
公明党の加藤修一でございます。
私は、環境外交にかかわること、それもかなり限定した形で意見を表明させていただきたいと思います。
第一に、環境外交については、特にこれ東アジアについてでありますけれども、先進的な地球環境科学インフラ、これを構築し、駆使することでないかと考えております。
まず、環境外交には環境科学的研究、情報インフラの整備が不可欠であります。
二十一世紀の課題とされる地球環境問題の大きな特徴の一つは、自然科学の一分野であります地球科学研究と国際政治の枠組みが融合したことにあると言われているわけであります。すなわち、独自に得られる科学的データが長期的な国際交渉あるいは長期的な国際交渉のフレームワーク形成に実に大きな力を持つようになってきているのではないかと考えております。
これまで自然科学は政治とおよそ関係のないものと思われていたことからしますと、非常に大きな変化ではないかと考えられます。したがって、環境外交における特徴の一つは、外交の自然科学化にあるととらえることもできるんではないかと思ってございます。
例えば、汚染問題を考えてみますと、外交上の交渉に入る前に各国の責任や被害状況が科学的結果として明確に見える場合も往々にしてあるわけであります。それゆえに、我が国の環境外交のためには、融合を意識して環境科学的情報を作成、収集、蓄積、駆使等に関する先進的なインフラの構築が重要な一つではないかと考えることができると思います。
次に、環境保全プラットホームの形成に戦略性を欠いてはいけないということでございます。
東アジアで国際的枠組みを形成するためには、環境保全をプラットホームにして関係国が乗り入れやすくして、日本が国際的な科学インフラの構築に集中的に投資することの意義は非常に大きいと思います。環境外交の成立には、環境や公害防止対策に対する投資価値が高いことや、科学的ポテンシャルが高くなければ合意できない難しさがあるからでございます。東アジアの現実は正にそうでありますが、したがって関係の能力開発も充実させることが必須でございます。
また、政治、経済の実態が複雑な地域でありますので、環境支援をする場合に、日本の資金と技術があるというだけでは進展しないわけでありまして、複数国の間にあります政治的な構造を考慮することが重要であり、日本は目を閉ざすことなく、環境保全と安全保障がリンクするような、戦略的なフレームワークづくりに十分注意を払う必要があるように思います。
次に、東アジアにおける気候安定化の戦略的位置付けについてでありますが、日本の学術研究界は政治や外交と距離を取りがちでありますが、環境保全や人類の安全保障のためには敷居を低くして、先ほど述べましたように、融合化することであります。日本は地球環境問題に貢献できると評価されながら、実は非常に重要な戦略の部分での研究が少な過ぎます。
IPCC第三次報告書によれば、地球の気候安定化は二〇五〇年でぎりぎり二度Cを限界上昇値としております。日本政府は、この環境科学的成果を東アジア共同体の形成に向けた共有情報、すなわち共通の脅威としてとらえ、さらには共通利益にかかわるものとして戦略的に位置付けることが重要でないかと思います。そして、技術論的には、二〇五〇年から現在に至る逆算の戦略的アプローチでありますが、これに関しまして東アジア共同研究枠組みをつくり上げることであります。これも日本の新たな外交上の一つの仕事になると考えております。
第二に、東アジア共同体への長期的条件整備に、環境金融の拡大に着目することではないかと考えております。
東アジア共同体への長期的条件整備に関しては、環境金融の拡大に着目することも一つであり、例えばオランダにはGFS、グリーンファンドスキーム等があり、効果的な環境金融の流れができ上がっており、EU全体に拡大しつつあります。日本においても、政府と民間金融機関との間で政策協定を行い、環境金融の拡大に向けた条件整備を進めるとともに、途上国にも環境金融の新たな流れを起こすことであります。
そのためには、政府開発援助を含めた公的国際金融機関の投融資に関する環境社会配慮ガイドラインの実効性を高め、浸透、拡大させることであります。この流れは、環境保全プラットホームの形成にも寄与するわけであります。
さらに、民間の国際金融機関の赤道原則の採択や、UNEPが進めておりますUNEP・FIあるいは責任投資原則は、環境金融にとって極めて重要な動きであるわけでございます。緩やかな枠組みがこの分野についても必要かもしれませんが、非常に大切な環境上の戦略についてしっかりと日本は取り組んでいかなければいけない、このようにとらえているわけでございます。
以上で意見表明を終わります。
この発言だけを見る →公明党の加藤修一でございます。
私は、環境外交にかかわること、それもかなり限定した形で意見を表明させていただきたいと思います。
第一に、環境外交については、特にこれ東アジアについてでありますけれども、先進的な地球環境科学インフラ、これを構築し、駆使することでないかと考えております。
まず、環境外交には環境科学的研究、情報インフラの整備が不可欠であります。
二十一世紀の課題とされる地球環境問題の大きな特徴の一つは、自然科学の一分野であります地球科学研究と国際政治の枠組みが融合したことにあると言われているわけであります。すなわち、独自に得られる科学的データが長期的な国際交渉あるいは長期的な国際交渉のフレームワーク形成に実に大きな力を持つようになってきているのではないかと考えております。
これまで自然科学は政治とおよそ関係のないものと思われていたことからしますと、非常に大きな変化ではないかと考えられます。したがって、環境外交における特徴の一つは、外交の自然科学化にあるととらえることもできるんではないかと思ってございます。
例えば、汚染問題を考えてみますと、外交上の交渉に入る前に各国の責任や被害状況が科学的結果として明確に見える場合も往々にしてあるわけであります。それゆえに、我が国の環境外交のためには、融合を意識して環境科学的情報を作成、収集、蓄積、駆使等に関する先進的なインフラの構築が重要な一つではないかと考えることができると思います。
次に、環境保全プラットホームの形成に戦略性を欠いてはいけないということでございます。
東アジアで国際的枠組みを形成するためには、環境保全をプラットホームにして関係国が乗り入れやすくして、日本が国際的な科学インフラの構築に集中的に投資することの意義は非常に大きいと思います。環境外交の成立には、環境や公害防止対策に対する投資価値が高いことや、科学的ポテンシャルが高くなければ合意できない難しさがあるからでございます。東アジアの現実は正にそうでありますが、したがって関係の能力開発も充実させることが必須でございます。
また、政治、経済の実態が複雑な地域でありますので、環境支援をする場合に、日本の資金と技術があるというだけでは進展しないわけでありまして、複数国の間にあります政治的な構造を考慮することが重要であり、日本は目を閉ざすことなく、環境保全と安全保障がリンクするような、戦略的なフレームワークづくりに十分注意を払う必要があるように思います。
次に、東アジアにおける気候安定化の戦略的位置付けについてでありますが、日本の学術研究界は政治や外交と距離を取りがちでありますが、環境保全や人類の安全保障のためには敷居を低くして、先ほど述べましたように、融合化することであります。日本は地球環境問題に貢献できると評価されながら、実は非常に重要な戦略の部分での研究が少な過ぎます。
IPCC第三次報告書によれば、地球の気候安定化は二〇五〇年でぎりぎり二度Cを限界上昇値としております。日本政府は、この環境科学的成果を東アジア共同体の形成に向けた共有情報、すなわち共通の脅威としてとらえ、さらには共通利益にかかわるものとして戦略的に位置付けることが重要でないかと思います。そして、技術論的には、二〇五〇年から現在に至る逆算の戦略的アプローチでありますが、これに関しまして東アジア共同研究枠組みをつくり上げることであります。これも日本の新たな外交上の一つの仕事になると考えております。
第二に、東アジア共同体への長期的条件整備に、環境金融の拡大に着目することではないかと考えております。
東アジア共同体への長期的条件整備に関しては、環境金融の拡大に着目することも一つであり、例えばオランダにはGFS、グリーンファンドスキーム等があり、効果的な環境金融の流れができ上がっており、EU全体に拡大しつつあります。日本においても、政府と民間金融機関との間で政策協定を行い、環境金融の拡大に向けた条件整備を進めるとともに、途上国にも環境金融の新たな流れを起こすことであります。
そのためには、政府開発援助を含めた公的国際金融機関の投融資に関する環境社会配慮ガイドラインの実効性を高め、浸透、拡大させることであります。この流れは、環境保全プラットホームの形成にも寄与するわけであります。
さらに、民間の国際金融機関の赤道原則の採択や、UNEPが進めておりますUNEP・FIあるいは責任投資原則は、環境金融にとって極めて重要な動きであるわけでございます。緩やかな枠組みがこの分野についても必要かもしれませんが、非常に大切な環境上の戦略についてしっかりと日本は取り組んでいかなければいけない、このようにとらえているわけでございます。
以上で意見表明を終わります。
西
末
末松信介#19
○末松信介君 失礼いたします。
私は、対アジア外交の中で中国のことについて触れておきたいと思うんですけれども、今、澤先生からも話がありましたし、大門先生も、共産党でなければ、いい、大変いい話でなかったかなと思うんですけれど。
いや、実はその東アジア共同体はこの調査会でも随分取り上げてきたんですけれども、私は、一番問題はやはり、中国の今の経済成長、年率九%とか言われていますけれども、これがずっとこのまま続いていくのかどうかということについて、非常に冷静な目、冷徹な目で日本は見ておかなきゃいけないと思うんですよ。中国は続くということで予算を組み立てておるんですけれども、あの国、どうも出てくる数字というのがやっぱり二重の数字が多いという。
例えば開発についても、一度申し上げましたけれども、首長にその開発権をゆだねて、そしてこれだけの数字を上げていきますと、業績を上げますという数字を述べさして、党中央にいい顔をできるようなチャンスを与えておると。で、積み上げた数字と北京政府の発表とでは数字がやっぱり合っていないと。二重予算のような一部側面があると思うんですよ。そういう点を私たちはどのように考えるのかということは、今なしておかなきゃならない問題だと思うんですよ。
税体系についても改革途上でありまして、例えば外資の導入によって取れるところから取ればいいということでありますから、地方ごとに極めてあいまいな徴収の仕方をしているという実態もあろうかと思います。
二つ目は、不良債権問題で一三%ぐらいまでこれどうも下がってきたというんですけれども、その実、内情は分からないと。二〇〇三年のこの国有商業銀行の不良債権比率は一七%というのが公式の数字でありますけれども、これもはっきりしないということであります。
三つ目は、中国が輸出しているIT関連の八割がこれ外資系企業が実はかかわっておる。外資系企業によるものでありますから、外資を導入して合弁企業を設立して、結局、技術がある面盗まれていくと、また別会社をつくっていく、合弁会社もつぶしていくという、そういった流れができていると。それを支えてきたのが安い労働賃金であるということがあります。
四つ目は、加藤先生から話ありましたけれども、環境の問題も出てきておると。アムール川の汚染の問題もあります。同時に、最近はノリの輸入というのをIQで我々日本は受けなきゃならなくなってきたんですけれども、重金属がやっぱり相当含まれておるということでありますから、これもやはり沿海州、いろんな問題抱えてきております。
そうして五つ目は、三農問題と言われる農業、農村、農民問題、都市と農村との格差の問題というのがよく言われますけれども、実際農村から都市への人口流入というのは相当な数になっています。都市と農村との格差は三倍に広がったということが言われるわけでありまして、これ一九七九年農村の非農業労働力人口が二千八百二十七万人が二〇〇〇年には一億七千七十八万人に膨らんでいるということでありますから、こうしたいろんな大きな矛盾を抱えてきているわけなんですね。
私は、経済がこのままずっと伸びていくという前提で我々ちょっと考えがちなんですけれども、この前、我が党の外交調査会で大変著名な先生と話をしておりまして、一つだけ断言できることは社会主義市場経済は崩壊するということを前提に考えなさいということを明確におっしゃっておられるんですよ。ソビエトがペレストロイカにゴルバチョフが失敗したと。あのときは企業独立採算制と自己資金調達制というのを、これ機能していないのに結局その中で計画経済に引導を渡してしまったということもございます。こういった中で、我々、この社会主義市場経済が崩壊する、そうした場合、そのときに共産党というのが一体どういうような形に性格が変わっていくのかということ、このことに非常に冷静な目を向けておかなきゃならないということ、このことを、まず東アジア共同体ということを考えていくならば大切な問題になってこようかと思います。
私、大門先生が以前APECでいいじゃないかと言ったんですけれども、まあいろいろと考えていって、東アジア共同体というのはやはり経済の問題ある、環境の問題ある、安全保障の問題ある、もちろん食料の問題とかいろんな問題もありますので、それぞれ分野別でやっぱり語っていく上ではこれはいいことかもしれないと。ただ、APECとの違いというのが、アメリカを入れるか入れないかというところにやっぱり一番の違いが出てくると。だから、アメリカを入れない東アジア共同体というものが好ましいと、私はそう思います。その点でどうかというところから今後検討を重ねていきたいと思います。
最後になりましたけれども、靖国の問題なんですけれども、いろいろと先生方御意見ありますけれども、靖国問題は今のところはやっぱり僕は中国問題であり、中国国内向けのこれは一つの言動だなということを思うんですけれども、ただ、そうこう言っていてもこれ切りがない話であります。
東京裁判というのはやっぱり軍事裁判でありますから、あそこで裁かれた方というのは結局、処刑、裁かれて死刑宣告を受けて処刑された方は戦死された方と同じという、そういう考え方は私にあるんですけれども、しかしながら一度、韓国とか中国という批判というものをもう全部一遍除いて、日本独自で靖国神社というのは一体どうなのかということはきちっと考えなきゃいけないと思うんです。
で、敗戦、戦争の責任は一体どこにあったのかということをどこかの場所でやっぱりきちっと話をしなきゃいけないと。できれば中国とは歴史のことについては共同認識を持つべく、その作業を行うべきじゃないかなと思うんです。そうでないと、せっかくあれだけの留学生が来られて帰って、何のために来られたかということで、残念で、無駄な投資に終わってしまうし、無駄な親切に終わってしまうような気がします。
その上で、あの南京の虐殺記念館というのは、昨日も調査室の方と話していたんですけれども、あれはどう考えても、やはり平和の大切さを訴えてというよりも、抗日分子をつくっていく、排日分子をつくる製造機関、記念館になっちゃってしまっていると。日本の広島の原爆記念館というのは反米じゃないですよ、やっぱり。反核兵器、反原爆という、そういうもので造られていますので、その大きな違いというものをきちっと中国に説明して、あれをなくしていってもらうように活動すべきであると。
そういうことで、これからこういった調査会でいろいろ学びたいと思います。
以上です。
この発言だけを見る →私は、対アジア外交の中で中国のことについて触れておきたいと思うんですけれども、今、澤先生からも話がありましたし、大門先生も、共産党でなければ、いい、大変いい話でなかったかなと思うんですけれど。
いや、実はその東アジア共同体はこの調査会でも随分取り上げてきたんですけれども、私は、一番問題はやはり、中国の今の経済成長、年率九%とか言われていますけれども、これがずっとこのまま続いていくのかどうかということについて、非常に冷静な目、冷徹な目で日本は見ておかなきゃいけないと思うんですよ。中国は続くということで予算を組み立てておるんですけれども、あの国、どうも出てくる数字というのがやっぱり二重の数字が多いという。
例えば開発についても、一度申し上げましたけれども、首長にその開発権をゆだねて、そしてこれだけの数字を上げていきますと、業績を上げますという数字を述べさして、党中央にいい顔をできるようなチャンスを与えておると。で、積み上げた数字と北京政府の発表とでは数字がやっぱり合っていないと。二重予算のような一部側面があると思うんですよ。そういう点を私たちはどのように考えるのかということは、今なしておかなきゃならない問題だと思うんですよ。
税体系についても改革途上でありまして、例えば外資の導入によって取れるところから取ればいいということでありますから、地方ごとに極めてあいまいな徴収の仕方をしているという実態もあろうかと思います。
二つ目は、不良債権問題で一三%ぐらいまでこれどうも下がってきたというんですけれども、その実、内情は分からないと。二〇〇三年のこの国有商業銀行の不良債権比率は一七%というのが公式の数字でありますけれども、これもはっきりしないということであります。
三つ目は、中国が輸出しているIT関連の八割がこれ外資系企業が実はかかわっておる。外資系企業によるものでありますから、外資を導入して合弁企業を設立して、結局、技術がある面盗まれていくと、また別会社をつくっていく、合弁会社もつぶしていくという、そういった流れができていると。それを支えてきたのが安い労働賃金であるということがあります。
四つ目は、加藤先生から話ありましたけれども、環境の問題も出てきておると。アムール川の汚染の問題もあります。同時に、最近はノリの輸入というのをIQで我々日本は受けなきゃならなくなってきたんですけれども、重金属がやっぱり相当含まれておるということでありますから、これもやはり沿海州、いろんな問題抱えてきております。
そうして五つ目は、三農問題と言われる農業、農村、農民問題、都市と農村との格差の問題というのがよく言われますけれども、実際農村から都市への人口流入というのは相当な数になっています。都市と農村との格差は三倍に広がったということが言われるわけでありまして、これ一九七九年農村の非農業労働力人口が二千八百二十七万人が二〇〇〇年には一億七千七十八万人に膨らんでいるということでありますから、こうしたいろんな大きな矛盾を抱えてきているわけなんですね。
私は、経済がこのままずっと伸びていくという前提で我々ちょっと考えがちなんですけれども、この前、我が党の外交調査会で大変著名な先生と話をしておりまして、一つだけ断言できることは社会主義市場経済は崩壊するということを前提に考えなさいということを明確におっしゃっておられるんですよ。ソビエトがペレストロイカにゴルバチョフが失敗したと。あのときは企業独立採算制と自己資金調達制というのを、これ機能していないのに結局その中で計画経済に引導を渡してしまったということもございます。こういった中で、我々、この社会主義市場経済が崩壊する、そうした場合、そのときに共産党というのが一体どういうような形に性格が変わっていくのかということ、このことに非常に冷静な目を向けておかなきゃならないということ、このことを、まず東アジア共同体ということを考えていくならば大切な問題になってこようかと思います。
私、大門先生が以前APECでいいじゃないかと言ったんですけれども、まあいろいろと考えていって、東アジア共同体というのはやはり経済の問題ある、環境の問題ある、安全保障の問題ある、もちろん食料の問題とかいろんな問題もありますので、それぞれ分野別でやっぱり語っていく上ではこれはいいことかもしれないと。ただ、APECとの違いというのが、アメリカを入れるか入れないかというところにやっぱり一番の違いが出てくると。だから、アメリカを入れない東アジア共同体というものが好ましいと、私はそう思います。その点でどうかというところから今後検討を重ねていきたいと思います。
最後になりましたけれども、靖国の問題なんですけれども、いろいろと先生方御意見ありますけれども、靖国問題は今のところはやっぱり僕は中国問題であり、中国国内向けのこれは一つの言動だなということを思うんですけれども、ただ、そうこう言っていてもこれ切りがない話であります。
東京裁判というのはやっぱり軍事裁判でありますから、あそこで裁かれた方というのは結局、処刑、裁かれて死刑宣告を受けて処刑された方は戦死された方と同じという、そういう考え方は私にあるんですけれども、しかしながら一度、韓国とか中国という批判というものをもう全部一遍除いて、日本独自で靖国神社というのは一体どうなのかということはきちっと考えなきゃいけないと思うんです。
で、敗戦、戦争の責任は一体どこにあったのかということをどこかの場所でやっぱりきちっと話をしなきゃいけないと。できれば中国とは歴史のことについては共同認識を持つべく、その作業を行うべきじゃないかなと思うんです。そうでないと、せっかくあれだけの留学生が来られて帰って、何のために来られたかということで、残念で、無駄な投資に終わってしまうし、無駄な親切に終わってしまうような気がします。
その上で、あの南京の虐殺記念館というのは、昨日も調査室の方と話していたんですけれども、あれはどう考えても、やはり平和の大切さを訴えてというよりも、抗日分子をつくっていく、排日分子をつくる製造機関、記念館になっちゃってしまっていると。日本の広島の原爆記念館というのは反米じゃないですよ、やっぱり。反核兵器、反原爆という、そういうもので造られていますので、その大きな違いというものをきちっと中国に説明して、あれをなくしていってもらうように活動すべきであると。
そういうことで、これからこういった調査会でいろいろ学びたいと思います。
以上です。
西
山
山東昭子#21
○山東昭子君 世界へ目を向けた場合、アメリカは除きまして、やはりEUも、それぞれ国によってのばらばらの状態はありますけれども、一応大きく固まっている。そうした中で、やはりアジアの中で日本が取り残されないために、リーダーシップを握っていくためにやはりこれから考えていく部分は、もちろんハードな面で、自衛隊の災害援助であるとか、あるいは選挙体制の協力であるとか、そうしたハードなことだけではなしに、ソフトな面で、環境問題ももちろんでございますけれども、それと同時に、私は医療のネットワークというものを充実させるということも必要ではないかなと思っております。
いろんな分野でそれぞれの団体がもちろんサポートしていることは現実でございますけれども、もっと総合的に統合して、例えば非常に情報が不足しているアジアの中でこういう患者がいる、その患者にはやっぱり、日本の医者のレベルで解決できる問題もありますけれども、やはりアメリカの、この治療に関してはこの医者が一番適切であるというような情報を、やっぱり日本が中心となってこのインターネットの時代にそのネットワークを構築させるということが必要じゃないかなと思うんです。
そういう意味で、治療費が御承知のようにアメリカは特に高くてなかなか難しいとは思いますけれども、そういう点でアメリカも少しは協力をしてもらって、やはり途上国であるとかアジアの貧しい国に関してはそういうものもバックアップをしていくというような体制、そして日本もできる限りの協力体制というものを敷きながら、お互いにやっぱり平和というもの、そして治療体制というもの、衛生状態の悪さ、そして貧困、薬品不足であるとかいろんなことが問題になっておりますけれども、そういう点から是非ともソフトな体制づくりというものもこれから充実させていくことが必要であろうと思っておりますので、皆様方の御意見もお聞かせ願えればと思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →いろんな分野でそれぞれの団体がもちろんサポートしていることは現実でございますけれども、もっと総合的に統合して、例えば非常に情報が不足しているアジアの中でこういう患者がいる、その患者にはやっぱり、日本の医者のレベルで解決できる問題もありますけれども、やはりアメリカの、この治療に関してはこの医者が一番適切であるというような情報を、やっぱり日本が中心となってこのインターネットの時代にそのネットワークを構築させるということが必要じゃないかなと思うんです。
そういう意味で、治療費が御承知のようにアメリカは特に高くてなかなか難しいとは思いますけれども、そういう点でアメリカも少しは協力をしてもらって、やはり途上国であるとかアジアの貧しい国に関してはそういうものもバックアップをしていくというような体制、そして日本もできる限りの協力体制というものを敷きながら、お互いにやっぱり平和というもの、そして治療体制というもの、衛生状態の悪さ、そして貧困、薬品不足であるとかいろんなことが問題になっておりますけれども、そういう点から是非ともソフトな体制づくりというものもこれから充実させていくことが必要であろうと思っておりますので、皆様方の御意見もお聞かせ願えればと思っております。
以上でございます。
西
大
大石正光#23
○大石正光君 いろいろ、国際の調査会でいろいろ勉強させていただきましたけれども、一つは、前に申し上げましたように、委員会の在り方、各党十分ずつしゃべるということでありましたけれども、一人四つも五つも項目を並べて学者の方から話を聞いている。要するに、できれば一つか二つに最低絞ってやっていかないと、やはりそれぞれきちっと時間的なルールが守っていけないんじゃないかなという感じが率直にしてまいりました。
実は、私、個人的にいつも思っているのですが、外交というものはそれぞれ自分の国の意見を代表して国際的にいろいろ主張し合っていく。それぞれ主張し合うわけですが、当然その外交官の中では妥協しながらやっていくわけです。となってくると、自分の国の政策というものがどういうものであるか、それをきちっとまず把握してから外交をしなきゃならないと思うと私は思うわけであります。
実は、先ほど中国の問題をお話ししましたけれども、私は中国と日本の違いというのは尺度が違うと、私はそう思っていつも考えてまいりました。すなわち、千人の会社を持つ経営者と一万人を持つ会社の経営者の経営、やり方はまるっきり違います。ですから、一億二千万の国民をやっぱりリーダーとして引っ張っていくトップと十三億の国民を引っ張っていくトップは全然物の考えが違う。それと同時に、ヨーロッパやアメリカのような先進地域の国の物の考え方と、やはりアジアのようなまだ発展途上国でありながらやっている国、そういう考え方ではまるっきり違うわけでありますから、我々日本人が中国を見るときには、日本の尺度で物を考えたら駄目だということがまず一つあるんですね。
それと同時に、戦争というものは、ドイツとフランスやあらゆる国々は、もう市街戦をやって完全に何年間という国は外国に占領されてきた。日本の戦争とまるっきり違う悲惨なことが一杯あるんです。ところが、日本の国は占領された部分というのはほとんどない。沖縄戦で一時地上戦があっただけで、結局は空爆されただけなんですね。それを、戦争の被害というか悲惨さをいつまでもヨーロッパと違って持ち続けているということ。それはやはりヨーロッパの人々たちの方がいかに、何回となく戦争を繰り返しながら、やっぱり戦争というものと民族というものに対する意識が非常に大人であるということを考えたときに、日本は相変わらず幼稚であるなという正直言って感じがしてならないわけであります。その違いが結局、フランスとドイツの和解と、日本と中国の和解の部分の中でお互いにそれだけ何か相寄れないものというか、そういう部分があって様々な課題があったんじゃないかと私は正直言って感じました。
それで、中国がこれから変動して、多分ロシアのように国が分裂するだろうと私は正直言って見ています。なぜならば、中国共産党は古い中国の儒教を打破していくために共産党を使って中国を打破しました。一方、台湾に逃げた南京政府は儒教を引きずりながら台湾に行って、結局、台湾はかなり経済発展をしました。一方、中華人民共和国は共産党を盾にしてやりながら、結局最終的に儒教思想がまたはびこってきて、結局は中国の国家統一は共産党という党の組織があるからこそ国民が利益を得ているんだと、生活できるんだという以外に何もなかった、私はそう見てきました。
ですから、香港が中国に吸収されたときには、香港を中国が吸収したんではなくて、香港が中国を必ず吸収するんだと。すなわち、社会主義システムから資本主義システムに切り替わって、中国もいずれ資本主義システムになって、黙っていても結局は香港スタイルにならざるを得なくなってくる。共産党というものをあくまで盾にやっていけばどこか行き詰まりが来てしまって、結局は自由主義体制、ソ連が崩壊したような形でかなりの分散をしていくだろうと。だから、変に焦って中国共産党のシステムを攻撃をする必要は私はないと思う。
ただ、中国に絶えず主張することは、やはり自分たちが間違っていないと思ったことはいつまでも主張していかなければ結局は中国に利用されていってしまうという、その強さをやっぱり日本人が外交として持って絶えずいかなければ私は日本の国が存在していかないんじゃないかと、そんなことを思いながら外交の勉強をさせていただいているわけであります。
以上でございます。
この発言だけを見る →実は、私、個人的にいつも思っているのですが、外交というものはそれぞれ自分の国の意見を代表して国際的にいろいろ主張し合っていく。それぞれ主張し合うわけですが、当然その外交官の中では妥協しながらやっていくわけです。となってくると、自分の国の政策というものがどういうものであるか、それをきちっとまず把握してから外交をしなきゃならないと思うと私は思うわけであります。
実は、先ほど中国の問題をお話ししましたけれども、私は中国と日本の違いというのは尺度が違うと、私はそう思っていつも考えてまいりました。すなわち、千人の会社を持つ経営者と一万人を持つ会社の経営者の経営、やり方はまるっきり違います。ですから、一億二千万の国民をやっぱりリーダーとして引っ張っていくトップと十三億の国民を引っ張っていくトップは全然物の考えが違う。それと同時に、ヨーロッパやアメリカのような先進地域の国の物の考え方と、やはりアジアのようなまだ発展途上国でありながらやっている国、そういう考え方ではまるっきり違うわけでありますから、我々日本人が中国を見るときには、日本の尺度で物を考えたら駄目だということがまず一つあるんですね。
それと同時に、戦争というものは、ドイツとフランスやあらゆる国々は、もう市街戦をやって完全に何年間という国は外国に占領されてきた。日本の戦争とまるっきり違う悲惨なことが一杯あるんです。ところが、日本の国は占領された部分というのはほとんどない。沖縄戦で一時地上戦があっただけで、結局は空爆されただけなんですね。それを、戦争の被害というか悲惨さをいつまでもヨーロッパと違って持ち続けているということ。それはやはりヨーロッパの人々たちの方がいかに、何回となく戦争を繰り返しながら、やっぱり戦争というものと民族というものに対する意識が非常に大人であるということを考えたときに、日本は相変わらず幼稚であるなという正直言って感じがしてならないわけであります。その違いが結局、フランスとドイツの和解と、日本と中国の和解の部分の中でお互いにそれだけ何か相寄れないものというか、そういう部分があって様々な課題があったんじゃないかと私は正直言って感じました。
それで、中国がこれから変動して、多分ロシアのように国が分裂するだろうと私は正直言って見ています。なぜならば、中国共産党は古い中国の儒教を打破していくために共産党を使って中国を打破しました。一方、台湾に逃げた南京政府は儒教を引きずりながら台湾に行って、結局、台湾はかなり経済発展をしました。一方、中華人民共和国は共産党を盾にしてやりながら、結局最終的に儒教思想がまたはびこってきて、結局は中国の国家統一は共産党という党の組織があるからこそ国民が利益を得ているんだと、生活できるんだという以外に何もなかった、私はそう見てきました。
ですから、香港が中国に吸収されたときには、香港を中国が吸収したんではなくて、香港が中国を必ず吸収するんだと。すなわち、社会主義システムから資本主義システムに切り替わって、中国もいずれ資本主義システムになって、黙っていても結局は香港スタイルにならざるを得なくなってくる。共産党というものをあくまで盾にやっていけばどこか行き詰まりが来てしまって、結局は自由主義体制、ソ連が崩壊したような形でかなりの分散をしていくだろうと。だから、変に焦って中国共産党のシステムを攻撃をする必要は私はないと思う。
ただ、中国に絶えず主張することは、やはり自分たちが間違っていないと思ったことはいつまでも主張していかなければ結局は中国に利用されていってしまうという、その強さをやっぱり日本人が外交として持って絶えずいかなければ私は日本の国が存在していかないんじゃないかと、そんなことを思いながら外交の勉強をさせていただいているわけであります。
以上でございます。
西
浮
浮島とも子#25
○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。
私は、日本の持つべき平和をかち取る戦略について発言をさせていただきたいと思います。
日本の持つべき平和をかち取る戦略の一つには、現在ある日米同盟に加えて、東アジアの地域安全保障の枠組み構築のためにイニシアティブを取ることが必要だと思います。
日本はこれまで、ARF、ASEAN地域フォーラム、六か国協議、さらにアジア安全保障会議といった政府レベルの協議だけではなくて、大学など民間レベルでの協議にも積極的に参加をしてまいりました。日本にはアジアの安全保障問題に関する十分な経験と知見の蓄積があると考えております。こうしたことから、日本が地域安全保障の枠組み構築のイニシアティブを取ることは十分に可能だと思います。
そして、第二番目ですけれども、日本が持つべき平和をかち取るための二つ目は、先ほども民主党の佐藤委員がおっしゃっていました、まさしく文化、芸術、日本の持つソフトパワーということでないかと私は考えております。
すなわち、日本が持つ魅力を有効に利用していくことが必要ではないか。長い歴史と伝統があり、独自の文化をはぐくんできた日本の持つソフトパワーには様々あると思います。例えば、中国や韓国を始め東アジアの国々に対し、文化、教育、科学技術などの分野における様々な協力を行ったり、こうした国々から国の将来を担う若い世代の人たちをできるだけ多く日本に招き、日本人の青少年たちとともに一緒に勉強したり、日本の青少年たちと交流をしてもらうことが最も大切ではないかと考えております。
こうした日本のソフトパワーが十分に発揮されるためには、それらが諸外国で日本の優れた点として広く知らされていかなければならない。そのためにも、社会、歴史、文化、芸術や生活スタイルなど、様々な日本の生の情報をもっと発信して諸外国の多くの人々に日本に興味を持ってもらう。と同時に、真の日本の姿について理解をしてもらうための工夫が必要ではないかと思います。
こうした日本からの積極的な情報の発信は、台頭する中国やインドなどの、今、陰に隠れておりますけれども、その陰に隠れて、国際社会、とりわけ東アジアで次第に存在感を失いつつある日本を再度アピールすることにもつながるんではないかと考えております。
以上です。
この発言だけを見る →私は、日本の持つべき平和をかち取る戦略について発言をさせていただきたいと思います。
日本の持つべき平和をかち取る戦略の一つには、現在ある日米同盟に加えて、東アジアの地域安全保障の枠組み構築のためにイニシアティブを取ることが必要だと思います。
日本はこれまで、ARF、ASEAN地域フォーラム、六か国協議、さらにアジア安全保障会議といった政府レベルの協議だけではなくて、大学など民間レベルでの協議にも積極的に参加をしてまいりました。日本にはアジアの安全保障問題に関する十分な経験と知見の蓄積があると考えております。こうしたことから、日本が地域安全保障の枠組み構築のイニシアティブを取ることは十分に可能だと思います。
そして、第二番目ですけれども、日本が持つべき平和をかち取るための二つ目は、先ほども民主党の佐藤委員がおっしゃっていました、まさしく文化、芸術、日本の持つソフトパワーということでないかと私は考えております。
すなわち、日本が持つ魅力を有効に利用していくことが必要ではないか。長い歴史と伝統があり、独自の文化をはぐくんできた日本の持つソフトパワーには様々あると思います。例えば、中国や韓国を始め東アジアの国々に対し、文化、教育、科学技術などの分野における様々な協力を行ったり、こうした国々から国の将来を担う若い世代の人たちをできるだけ多く日本に招き、日本人の青少年たちとともに一緒に勉強したり、日本の青少年たちと交流をしてもらうことが最も大切ではないかと考えております。
こうした日本のソフトパワーが十分に発揮されるためには、それらが諸外国で日本の優れた点として広く知らされていかなければならない。そのためにも、社会、歴史、文化、芸術や生活スタイルなど、様々な日本の生の情報をもっと発信して諸外国の多くの人々に日本に興味を持ってもらう。と同時に、真の日本の姿について理解をしてもらうための工夫が必要ではないかと思います。
こうした日本からの積極的な情報の発信は、台頭する中国やインドなどの、今、陰に隠れておりますけれども、その陰に隠れて、国際社会、とりわけ東アジアで次第に存在感を失いつつある日本を再度アピールすることにもつながるんではないかと考えております。
以上です。
西
西田吉宏#26
○会長(西田吉宏君) どうもありがとうございます。
私の方で、発言をされる方は、記憶にとどめておりました方々には御指名をしたはずでありますが、漏れてありましたら、更にまだ御発言がありましたら、どうぞ挙手を願いたいと思いますが。
それでは、大塚耕平君。
この発言だけを見る →私の方で、発言をされる方は、記憶にとどめておりました方々には御指名をしたはずでありますが、漏れてありましたら、更にまだ御発言がありましたら、どうぞ挙手を願いたいと思いますが。
それでは、大塚耕平君。
大
大塚耕平#27
○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。
二度目の発言をお許しいただきましてありがとうございます。
先生方の多様な御意見、本当に私も参考に拝聴させていただきましたが、冒頭、私なりの問題提起をさせていただいた観点から、二点だけ申し上げて終わりにさせていただきますが。
これは理事会マターかもしれませんが、この国際問題調査会、国際問題を調査する会でありますので、これだけ先生方が御見識を持っておられるわけですので、この調査会のアウトプットをどのように国政に反映していくのかということを考えませんと、本当にその先生方のマンパワー、それからスタッフの皆さんのマンパワーも含めて、資源を無駄にしているというふうに思わざるを得ないわけであります。
例えば、今、末松先生が中国のことを大分御指摘をいただきましたが、中国に関する認識は多くの先生方、これは会派を問わず、同じような認識を持っているやに聞かせていただいておりますので、とすれば、例えば政府としての官邸、あるいは公党としてのそれぞれの党が言いにくいことであっても、議会は国民の代表ですから、参議院の国際問題調査会として、例えば中国について、今の日本の政策についてこのような点が問題あると思うとか、あるいは見直す点があるというような一つの見識を示していくということをやりませんと、本当に一体何のために議会で外交の議論をしているのか分からないというような印象を持ちますので、今後、会長始め理事の先生方あるいは委員の先生方の御方針も拝聴しながら、しかしこの調査会として、日本国の中でどのような役割をこの調査会が担うのか、ある一つの言いにくいことを常に発信していくような会にすることも可能なわけですので、その辺を是非率直に各会派の先生方と意見調整をさせていただければ幸いに存じます。
以上です。
この発言だけを見る →二度目の発言をお許しいただきましてありがとうございます。
先生方の多様な御意見、本当に私も参考に拝聴させていただきましたが、冒頭、私なりの問題提起をさせていただいた観点から、二点だけ申し上げて終わりにさせていただきますが。
これは理事会マターかもしれませんが、この国際問題調査会、国際問題を調査する会でありますので、これだけ先生方が御見識を持っておられるわけですので、この調査会のアウトプットをどのように国政に反映していくのかということを考えませんと、本当にその先生方のマンパワー、それからスタッフの皆さんのマンパワーも含めて、資源を無駄にしているというふうに思わざるを得ないわけであります。
例えば、今、末松先生が中国のことを大分御指摘をいただきましたが、中国に関する認識は多くの先生方、これは会派を問わず、同じような認識を持っているやに聞かせていただいておりますので、とすれば、例えば政府としての官邸、あるいは公党としてのそれぞれの党が言いにくいことであっても、議会は国民の代表ですから、参議院の国際問題調査会として、例えば中国について、今の日本の政策についてこのような点が問題あると思うとか、あるいは見直す点があるというような一つの見識を示していくということをやりませんと、本当に一体何のために議会で外交の議論をしているのか分からないというような印象を持ちますので、今後、会長始め理事の先生方あるいは委員の先生方の御方針も拝聴しながら、しかしこの調査会として、日本国の中でどのような役割をこの調査会が担うのか、ある一つの言いにくいことを常に発信していくような会にすることも可能なわけですので、その辺を是非率直に各会派の先生方と意見調整をさせていただければ幸いに存じます。
以上です。
西
西田吉宏#28
○会長(西田吉宏君) この調査会についての御提言まで御発言をいただいたわけでありますが、この点につきましては、調査会の今後の運営については理事会等でも更に議論を深めてまいりたいと、このように思います。
御高承のように、調査会はこの参議院のみに置かれておる貴重な重要な調査会だと、このように位置付けながら今後も運営してまいりたいと、このように思いますことを申し述べて、皆さん方、今日は大変貴重な御意見を熱心にお述べをいただきまして誠にありがとうございました。時間がまだ少々ありまするけれど、本日はこの程度にとどめたいと、このように思う次第であります。大変御苦労さんでございます。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時三十五分散会
この発言だけを見る →御高承のように、調査会はこの参議院のみに置かれておる貴重な重要な調査会だと、このように位置付けながら今後も運営してまいりたいと、このように思いますことを申し述べて、皆さん方、今日は大変貴重な御意見を熱心にお述べをいただきまして誠にありがとうございました。時間がまだ少々ありまするけれど、本日はこの程度にとどめたいと、このように思う次第であります。大変御苦労さんでございます。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時三十五分散会
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