加藤修一の発言 (国際問題に関する調査会)

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○加藤修一君 ありがとうございます。
 公明党の加藤修一でございます。
 私は、環境外交にかかわること、それもかなり限定した形で意見を表明させていただきたいと思います。
 第一に、環境外交については、特にこれ東アジアについてでありますけれども、先進的な地球環境科学インフラ、これを構築し、駆使することでないかと考えております。
 まず、環境外交には環境科学的研究、情報インフラの整備が不可欠であります。
 二十一世紀の課題とされる地球環境問題の大きな特徴の一つは、自然科学の一分野であります地球科学研究と国際政治の枠組みが融合したことにあると言われているわけであります。すなわち、独自に得られる科学的データが長期的な国際交渉あるいは長期的な国際交渉のフレームワーク形成に実に大きな力を持つようになってきているのではないかと考えております。
 これまで自然科学は政治とおよそ関係のないものと思われていたことからしますと、非常に大きな変化ではないかと考えられます。したがって、環境外交における特徴の一つは、外交の自然科学化にあるととらえることもできるんではないかと思ってございます。
 例えば、汚染問題を考えてみますと、外交上の交渉に入る前に各国の責任や被害状況が科学的結果として明確に見える場合も往々にしてあるわけであります。それゆえに、我が国の環境外交のためには、融合を意識して環境科学的情報を作成、収集、蓄積、駆使等に関する先進的なインフラの構築が重要な一つではないかと考えることができると思います。
 次に、環境保全プラットホームの形成に戦略性を欠いてはいけないということでございます。
 東アジアで国際的枠組みを形成するためには、環境保全をプラットホームにして関係国が乗り入れやすくして、日本が国際的な科学インフラの構築に集中的に投資することの意義は非常に大きいと思います。環境外交の成立には、環境や公害防止対策に対する投資価値が高いことや、科学的ポテンシャルが高くなければ合意できない難しさがあるからでございます。東アジアの現実は正にそうでありますが、したがって関係の能力開発も充実させることが必須でございます。
 また、政治、経済の実態が複雑な地域でありますので、環境支援をする場合に、日本の資金と技術があるというだけでは進展しないわけでありまして、複数国の間にあります政治的な構造を考慮することが重要であり、日本は目を閉ざすことなく、環境保全と安全保障がリンクするような、戦略的なフレームワークづくりに十分注意を払う必要があるように思います。
 次に、東アジアにおける気候安定化の戦略的位置付けについてでありますが、日本の学術研究界は政治や外交と距離を取りがちでありますが、環境保全や人類の安全保障のためには敷居を低くして、先ほど述べましたように、融合化することであります。日本は地球環境問題に貢献できると評価されながら、実は非常に重要な戦略の部分での研究が少な過ぎます。
 IPCC第三次報告書によれば、地球の気候安定化は二〇五〇年でぎりぎり二度Cを限界上昇値としております。日本政府は、この環境科学的成果を東アジア共同体の形成に向けた共有情報、すなわち共通の脅威としてとらえ、さらには共通利益にかかわるものとして戦略的に位置付けることが重要でないかと思います。そして、技術論的には、二〇五〇年から現在に至る逆算の戦略的アプローチでありますが、これに関しまして東アジア共同研究枠組みをつくり上げることであります。これも日本の新たな外交上の一つの仕事になると考えております。
 第二に、東アジア共同体への長期的条件整備に、環境金融の拡大に着目することではないかと考えております。
 東アジア共同体への長期的条件整備に関しては、環境金融の拡大に着目することも一つであり、例えばオランダにはGFS、グリーンファンドスキーム等があり、効果的な環境金融の流れができ上がっており、EU全体に拡大しつつあります。日本においても、政府と民間金融機関との間で政策協定を行い、環境金融の拡大に向けた条件整備を進めるとともに、途上国にも環境金融の新たな流れを起こすことであります。
 そのためには、政府開発援助を含めた公的国際金融機関の投融資に関する環境社会配慮ガイドラインの実効性を高め、浸透、拡大させることであります。この流れは、環境保全プラットホームの形成にも寄与するわけであります。
 さらに、民間の国際金融機関の赤道原則の採択や、UNEPが進めておりますUNEP・FIあるいは責任投資原則は、環境金融にとって極めて重要な動きであるわけでございます。緩やかな枠組みがこの分野についても必要かもしれませんが、非常に大切な環境上の戦略についてしっかりと日本は取り組んでいかなければいけない、このようにとらえているわけでございます。
 以上で意見表明を終わります。

発言情報

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発言者: 加藤修一

speaker_id: 23726

日付: 2006-04-19

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会