有賀俊文の発言 (少子高齢社会に関する調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(有賀俊文君) ただいま御紹介いただきましたエトワール海渡の有賀と申します。よろしくお願い申し上げます。何分不慣れなものですから、少しげたを履かして聞いていただければ有り難いと思いますので、よろしくお願いします。
 まず一番最初に、エトワール海渡というのはそれほど知られている会社ではないので、どういう会社かというのを少し御説明さしていただいて、その後で私どもの取組というのを御説明するような形を取らしていただきます。
 エトワール海渡というのは、実は日本橋の馬喰町という、古くからの問屋街と言われているところにございます会社でございます。今も百年ぐらい続いている卸売業というところでございます。卸売業というのはメーカーから物を調達して小売業の皆さんに仕入れていただいて、それを小売業の方たちが消費者に買っていただくと、そういう中での中間流通という役割を果たしているというふうに思っております。
 どちらかというと、いろいろな商品を扱っているんですが、考え方としてやはり、格好いい言い方をさしていただければ、なくても困らないけどあれば楽しいものを提供していこうというような考え方でございます。ですから、生活必需品というよりは、あると面白いよねっていうような、決して高いものという意味ではなくて、少し部屋に置いたら部屋が明るくなるねとかというような、そういう部分、品物を通して、ありきたりな言葉ですけど、気持ちの満足を消費者の方が感じてくれたらいいなというふうな形をさしていただいております。
 その中で、普通卸売業と申しますと、各小売店の店頭に出向いて、営業の人間が出向いていって、セールスして、新商品を紹介したり御注文を承ったりっていうふうにして、日本全国の小売業の方に行く費用、時間、そういうものを卸側が負担していく場合が多いんですが、私どもの場合は逆でございまして、日本橋の馬喰町に幾つかの建物がございまして、そこに日本全国から自分のお店で売るものを仕入れに来てくださいという形を取らしていただいています。ですから、逆に言うとちょっと生意気な会社でございまして、費用と時間はお客さん、小売屋さんが負担してくださいという形でございます。ですから、逆に、何か魅力がないと、わざわざ北海道から、九州から、沖縄からというふうにいらしていただけないものですから、そこの部分が一番、私どもが生き残っていくためでは肝要な部分だと思っております。
 そんな中で、取引先は北海道から沖縄まで約二万五千店ぐらいございますけれども、その中で、いらっしゃる方は本当に、北海道からというと月に一遍とかそういう形に、近いと毎日来る方というのがいらっしゃいますけれども、定期を持ってうちの会社に通ってくるという方がいてびっくりしたことがあるんですけれども、そういうように、地域によってはそういう形でございます。
 そういうような中で、扱っているものというのは、日本の中でいえば百貨店、小売屋さんで売っているような消費財だったら大体のものが置いてあるということになります。ですから、私どもでは、その中でどういう売り方をするかというと、あの建物の中を、倉庫じゃなくて売場を構成しております。売場を構成して商品をディスプレーして現物も置いてある。その中に入れる方が、消費者ではなくて小売業の経営者ないしは従業員だということになります。そこで自分の店に向いているものを仕入れていただくと。そこでお客様に情報を与えたり、情報をいただいたり、商品をお勧めしたりするという役割が営業部の人間ということになります。
 もう一つの両輪はバイヤーでございまして、メーカーから物を買わしていただいている、いい商品を仕入れさしていただくという意味ではメーカーと相対するバイヤーというのが大きな柱だというふうに考えております。
 その中で、私どもでは社員というのは約九百名強おるんですが、約七割弱が女性という会社でございます。三割が男性ということでございます。これは実は私が入った三十年近く前から同じような社員構成でございまして、それが当たり前で来ておるものですから、私自身は別に女性が多い会社でというのは余り抵抗はなかったんですけれども、人事に来てみて、いろいろな企業の方に会うと、やはり非常に異常な会社なんだというのがちょっとよく分かったというのが実際のところでございますけれども。
 実は、私が入ったころの営業本部長というのは女性でございまして、もう昭和二十何年にお入りになった方だったんで、その方には僕徹底的に怒られたことがございまして、もう実は、こんな場で言っていいのかどうか分かりません、上司に怒られたことがございまして、何くそと思ったこともございますけれども。やはり女性でも、やっぱり自分より能力上だ、経験も上だというふうに納得できてしまいますと、それは余り抵抗がないというのが私の経験上のことでございます。そういうような全体的な構成の会社だということを御認識の上で、私どもの取組というのを申し上げたいと思います。
 私どもでよく、こういう場にお呼びいただいたのも恐らくということなんですけれども、表彰の中で、東京都の労働局長賞をいただいたファミリー・フレンドリー企業という両立支援をやっている企業という表彰がございまして、それで数年前に私どももそれをいただかしていただいたんですけれども、それが、一つはやはり、企業の中に社内保育園を持っているということが一つの要因だろうと思います。社内保育園、そのままエトワール保育園と言っているんですけれども、社内保育園、じゃどんな保育園だということを少し御説明と取組を話さしていただきます。
 実は、この社内保育園ができたのは昭和五十二年、一九七七年でございますから、今年でちょうど二十九年目ということでずっと続けさしていただいております。何でつくったんだと申しますと、そのころというのは私まだぺいぺいだったんで全然分からないんですけれども、聞いた話でございますけれども、簡単に申し上げますと、そのころから先ほど申し上げたように女性社員が多かった。やはりそのころはどうしても女性社員が結婚で退職をする、ましてや残っても出産だったらまず退職をすると、そういう時代であったみたいでございます。その中でやはり優秀な社員が、優秀な女性社員が実はいまして、そういう人をどうにか人事の方としても残す手だてはないかという話を聞いたときに、御本人に聞いたときに、どうして辞めなきゃいけないのと聞いたときに、まあ一言、保育園ないからというふうに言われてしまったんですね。
 それを人事の方で聞きまして、今私どもの会長をやっておりますけれども、そのとき常務だったんですけど、常務に報告をしたら、じゃ、つくればいいじゃないかって、すごい簡単に言われちゃったみたいなんですね。じゃ、つくればいいんだったらつくってみようよということで、つくるのには実は一年近く要したんですね、いろいろな公立の保育園に見学に行ったり、全く知識がなかったんで、そういうところを調べて。そして、実は馬喰町に幾つか建物がございまして、その中で旧売場として使っていたところがございまして、ちょうどいいからそこを使っちゃおうよということでつくったのが始まりでございます。ですから、一番最初にできたときは預かった園児は二人だったそうです。もう本当にちっちゃいながらも徐々に徐々にやっていったということでございます。
 後年今の、そのつくった常務、今の会長に聞きましたところ、そういうのってどういう秘訣ですかって聞いたら、こう申しておりました。やっぱり大物ねらいしないことだよって、できることからちょっとずつやればいいんだよっていうふうに言っていました。現実に見て、私どもの保育園というのは、まあ昔使っていた建物ですから、そんなに真新しいビルではございませんけれども、その中に本当に一つの部屋をつくって、その中に園児を全部お預かりしているというような形でございます。
 現在はと申しますと、現在はどうしても保育園というのは面積で定員が決まりますものですから、私どもでは十八名というのが限界でございますので、十八名ということでお預かりさしていただきます。もちろん入る資格は私どもの社員の子供であることということでございますが、その中で保育士は実は今六名おります。ちょっと異様に多いじゃないかって言われる場合があるんですね、一人三名という計算で我々はやっているんですけれども、実はやっぱりちっちゃい子なので、やっぱり両手でつなげたり目で見える範囲だけでしか預からないと。預からないというか、それだけの保育士が絶対必要だということがございましたんで保育士が六名、それに給食制度を取っておりますんで調理師を一名ということで運営をさせていただいております。
 お預かりさせていただいているのは、実際には十か月児以降ということで、十か月児以降から三歳までということでございます。通常、今までですと、六歳までというような就学をする前までというのがあるんですが、逆に十八名という定員で考えますと、実は六で割ってしまいますと一学年三人しかお預かりできないと。これは逆に不公平になりますもんですから、逆に三歳までということでさせていただいています。
 もう一方で、三歳までにさせていただいている理由がもう一つございまして、実は六歳までお預かりして小学校に、地元の小学校に入るというのは友達もできないだろうと。要するに、四歳以降であれば、地元の保育園等に通っていただいてやっぱり友達もつくったりお母さん同士のコミュニケーションもしていただいて、そして小学校に通う方がベストではないだろうかというふうに我々としては考えたものですから、三歳までというような限界点を設けさせていただいております。
 ただ、非常に難しい問題として今ございますのは、どうしても六人ずつというんで、最初は預かったのは二名だと申し上げましたけれども、だんだんだんだんやはり増えてまいりまして、結局六名以上の実は入りたいという申込みが来るように近年なっております。その場合の問題がすごくございまして、どうしても六名ですから、これはもう本当に申し訳ないんですが抽せんをさせていただいているというような形になるわけですけれども。ですから、私の今一番つらい仕事は抽せんに漏れたよと言うことでございます。入れる方はそのままそれでよろしいんでございますけれども、入れない方というのは、そうすると第二段階として地元の公立保育園を探す、それで駄目であれば私立の保育園ないしは無認可の保育園を探すというようなことになってまいります。そうすると、もちろん費用負担の問題であるとか、そういうところでやはりいろいろな問題が出てくるだろうというふうに考えております。
 ですから、その辺のところは私どもとしてはこれからどうしていくかという課題でございます。今までみたいに定員以上にならなければもうみんなオッケーですよというふうにできたんですけれども、今は申し訳ございませんというふうな状態が少しございます。
 現実に今、保育園で預かっているお子さんが今十八名と申しましたけれども、それ以外に私どもでは産休、育休、出産休暇、育児休暇という方が、女性社員が七割と申しましたけれども、常に大体十五人から二十人ですか、一人出てくると一人産休に入るという。えっ、またできちゃったのという、本当にそのくらいで、そういうくらい、もしかすると頻繁にということでは出ています。
 この辺に関して申し上げれば、やはり会社がやはりそういうのが当たり前の形に今なって、結婚して子どもができたときは出産してまた復帰するんだよというのがエトワール海渡の場合には多分当たり前の姿で、前例者がいるんで気軽にそれができるというんですか、私もそうしようというような形にはなりつつあるのかなというふうに考えています。
 次に、時間短縮制度という、今の短縮勤務制度と全く同じでございますけれども、時間短縮制度というのを設けてあります。私どもの場合には、コア時間として、勤務時間というのは実働八時間、休憩、昼休み休憩一時間で九時間拘束ということで週四十時間という一般的な形なんでございますが、その中で、通常ですと九時から六時ぐらいまでが勤務時間になるんでございますけれども、時間短縮制度を利用させていただきますと、十時から四時までというのをコアタイムにさせていただいています。ですから、十時から四時までは必ず来てください、それが自分の都合でもし都合が良ければ、九時半からであるとか、又は四時ではなく四時半までとかというような形は、そこに関しては三十分単位でその方たちの判断にお任せをして取っていただいております。大体は復帰されたときは、一番最初は一年間は十時から四時が多いです。そして、子供が少し慣れてきたなと、保育園にも慣れてきたなというふうになるとお母様方も落ち着かれるんでしょうか、少し勤務時間を延ばしていただくというような形を取っていただいているというふうに思います。
 現実に申し上げますと、私どもで今、全社員に占める時間短縮勤務制度を利用している割合というのは、全社員の場合には約八%弱になりつつあります。八%と申しますと千人いると八十人ということになりますんで、だんだんだんだんちょっと大きな数字になりつつあるというのもあります。会社というのは、もちろんそういう人たちを優遇していかなきゃいけないという部分もありますが、もう一方で、それをすること、十時から四時までの勤務時間ですと、九時の始まりにはいない、六時の終わりにはいない。私どもみたいに、営業行為をやっておりますから、お客様相手ということになってきます。そうなった場合に、逆にその部分がフルタイム社員に来るという部分も少なからずあると思います。
 ですから、逆に今私自身としても気を使っているのは、その時短者又は育休を利用して復帰してきた人、そういう方たちも大切にしなければいけないんですけれども、もう一方で、そういう人たちを支えている人たち、それはもちろんフルタイムでも女性たくさんおります。そういう人たちに対しても、男性に対してもそうですけれども、やはり公平性のある、やはりお互いに痛いところはカバーし合うというようなことがやはりこれからとっても必要になってくるんだろうというふうに私自身は思っております。
 最後になりますけれども、こんな話をさせていただいていて本当に生意気でございますけれども、もう一つ保育園のことに関して言わせていただければ、調べてみますと、保育園で私どもの保育園に預ける方というのはどうしても通勤時間が一時間以内が多いです。というのは、逆に言えば、子供を満員電車に乗せて一時間半も通って社内保育園にというのはやはりどうしても、それがいいことか、子供のことを考えると、ということを考えると、やはり遠い人というのは地元の保育園。逆に言えば、地元の保育園も先ほどのお話にありましたようになかなかないので、下手をすると、やっと見付けたところが会社と反対方向の一駅先に行ってまず預けて、そしてまた電車で会社の方に向かう、また帰りも、お子さんを引取りに行くときに一駅先までというようなこともあり得ているというようなことはお聞きしております。
 そんなこんなでございますけれども、やはりこういうことを私どもでもやっていてすごく思いますのは、国とか公共の方のバックアップ、もちろん金銭的な部分、経済的な部分、とっても必要だとは私も思います。ただ、それだけで成るだろうかというと、それだけではなくて、一つは、やはりそういうふうに育児休暇を取りやすいというような一つの会社の、言葉では難しいですけれども、雰囲気であるとかそういうものをどうやって醸成していくかということ。そしてもう一つは、やはり育休後に働く方の、育休取得後に復帰される方のやはり仕事をやってやるぞというんですか、という意識というんですか、私どもでよく言うんですけれども、復帰いたしました、これから仕事でいろいろと迷惑掛けると思いますけれども、よろしくお願いしますって復帰するのは禁句なんです。これを言うと怒られるんですね。何て言いますかというと、これからそんな迷惑掛けるなと言われるんですね。そうじゃなくて、逆に、意気込みですよ、意気込みですけど、今まで以上に中身の濃い仕事しますからよろしくお願いしますと、そういう気持ちでやっぱり復帰をしてほしいということで、やはり国とそして会社、それからもう一つは夫であるだんなさんの理解、そして御本人の意気込み、これが全部一緒にならないとというような感じが実感としてわいております。
 以上でございます。どうも失礼いたしました。

発言情報

speech_id: 116414534X00320060222_004

発言者: 有賀俊文

speaker_id: 2747

日付: 2006-02-22

院: 参議院

会議名: 少子高齢社会に関する調査会