鳩山邦夫の発言 (政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○衆議院議員(鳩山邦夫君) ただいま議題となりました自由民主党並びに公明党共同提案の公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容の概略を御説明申し上げます。
 もとより、選挙権は、国民主権を宣言する日本国憲法において、国民の最も重要な基本的権利の一つであることは言うまでもありません。今国会では、在外投票制度の対象選挙を衆議院小選挙区選挙及び参議院選挙区選挙の在外投票を可能とする公職選挙法の改正を行ったことは各位御高承のことでございます。
 我々は、選挙権が国民にとって重要な参政権の一つであることから、でき得る限り国民すべてが実際に選挙権を行使できる環境を整備する必要があると考えております。
 また、今日、国際化が進み、国外に出国する邦人が、平成十六年は一千六百八十万人を超え、年々増加しております。現在の法体系の中では、国外出張、海外旅行などで一時的に国外に滞在する邦人が国外において投票する方法がなく、選挙権を行使するには一時帰国して投票するしかございません。
 我々は、これら邦人が将来、選挙権を行使できるよう制度を整備することが望ましいと考えております。しかしながら、今直ちにすべての人に選挙権を行使させることは、選挙の公正の確保や国外における不在者投票の現実的な実行可能性を考慮すると、極めて困難であると判断しております。
 我々両党は、このような共通の認識の下、真摯に協議を積み重ねた結果、今回、国外における不在者投票制度の創設等の提案に至ったことをまず申し上げる次第です。
 さて、現行の公職選挙法におきましては、国内に住所を有し、一時的に国外に滞在する有権者が選挙の投票を国外で行う方法は、船員が船舶内で行う不在者投票以外にございません。このため、こうした一時的な国外滞在者のほとんどは事実上選挙権を行使する機会が非常に限られたものとなっております。
 その中でも、法律の規定に基づき、国の任務を担い、国の命令を受けて国外に派遣される者につきましては、一方で日本国憲法及びこれを受けた公職選挙法の規定により選挙権の行使を保障されておきながら、他方で派遣を定めた別の法律をもってその行使の機会が事実上奪われるという状況が生じております。
 そうして、こうした状況を改善すべく、国外において公正、適正な選挙の実施が確保されることを前提に、これらの者の選挙権行使の機会を回復する措置を講ずる必要があります。
 また、南極地域観測隊の問題もございます。南極の厳しい自然環境の下では他の地域への移動もままならないため、南極地域においては、投票用紙の送致を伴う通常の不在者投票の実施は事実上不可能でございます。
 南極地域観測隊は、昭和三十一年以来、四十七次にわたり南極地域に派遣され、大きな学術上の成果を上げてきたものでありますが、その一方で、その隊員の選挙権の行使は閉ざされ続けてきました。
 そこで、こうした南極地域観測隊員につきましても、その選挙権行使の機会を確保するための措置を講ずる必要があります。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容の概略について御説明申し上げます。
 第一に、国外における不在者投票制度の創設であります。
 まず、法律の規定に基づき国外に派遣される組織のうち、その長が当該組織の運営について管理又は調整を行うための法令に基づく権限を有すること、当該組織が国外の特定の施設又は地域に滞在していることという二つの要件を満たす組織であって、当該組織において不在者投票が適正に実施されると認められるものとして政令で定めるものを特定国外派遣組織と定義しております。
 そして、この特定国外派遣組織に属する選挙人で国外に滞在するもののうち職務等のため選挙の当日投票することができないと見込まれるものの投票については、政令で定めるところにより、不在者投票の方法により行わせることができるものといたしております。
 なお、今回の国外における邦人の不在者投票は、国政選挙だけではなく、地方選挙についても対象といたしております。
 第二に、南極地域観測隊の隊員等のファクシミリ装置による投票についてであります。
 南極地域観測隊の隊員等で、南極地域にある科学的調査の業務の用に供される施設又は本邦とその施設との間において南極地域観測隊を輸送する船舶に滞在するもののうち職務等のため選挙の当日投票することができないと見込まれるものの衆議院選挙の総選挙又は参議院選挙の通常選挙における投票については、政令で定めるところにより、ファクシミリ装置を用いて送信する方法により行わせることができるものといたしております。
 第三に、施行期日でありますが、第一の国外における不在者投票制度の創設につきましては、公布の日から起算して九か月を超えない範囲内において政令で定める日から、第二の南極地域観測隊の隊員等のファクシミリ装置による投票につきましては、公布の日から起算して六か月を超えない範囲内において政令で定める日から、それぞれ施行するものとしております。
 以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

発言情報

speech_id: 116414578X00620060614_005

発言者: 鳩山邦夫

speaker_id: 8950

日付: 2006-06-14

院: 参議院

会議名: 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会