小泉純一郎の発言 (予算委員会)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 就任当初は実質経済成長率も名目経済成長率もマイナスでありましたけれども、ようやくここに来て実質、名目ともにプラスに転じました。また、失業率も当初は五・五%ぐらいでしたかね、今四・一%に下がってまいりました。様々な経済指標も当初よりは好転してきておりまして、地域の中にはまだばらつきがありますけれども、だんだんこの都市周辺の好業績が各地域にも浸透していくような努力が必要だと思っております。
 また、働き方の多様化といいますか、非正規社員、正規社員、あるいはフリーターとかニートというそういう言葉が最近はよく見られるように、人々の働き方にもかなり変化が見られております。
 また、当初は不景気でしたから、不景気のときに公共事業をマイナスにするというのは逆に不景気を加速するんじゃないかと、不良債権処理を目標どおりに進めると企業の倒産が増えるのではないか、失業者が増えていくのではないかという御批判をいただきましたけれども、結果を見れば、不良債権処理目標は達成したという中にあって、企業の倒産件数は減っている、そして失業者も減っているし、なおかつ公共事業を前年度マイナスにしたにもかかわらず景気は回復軌道に乗り、なおかつ税収は見積り以上に伸びております。
 これからは一般歳出をプラスにせよ、増やせという声が与党からも最近強く出ておりますが、全体の財政状況を考えますとそのような安易な状況ではないと。というのは、この際、財政再建も大事だけれども経済全体を見なければいかぬということで、私は当初、五十兆円の税収があれば新規の国債発行は三十兆円以下に収めるべきだと申し上げておりました。
 しかし、経済は生き物だから、民主党内からはこれを法律で縛れという話が出てきたときに、私は拒否しました。なぜなら、税収が五十兆円いかなかった場合、国債発行を三十兆円以内に抑えるとしたならば、これは増税を考えなきゃいけない、歳出削減を更に切り込まなきゃならない。実体経済を見るとそういうことは可能かと思ったからこそ、私は、経済は生き物だからこれは法律で縛る必要はないと。現実に五十兆円なかったんです。だから、やむを得ず新規の国債発行を三十兆円以上増やした年度もあります。しかし、最近ようやく、五十兆円の税収がなくても十八年度予算は新規の国債発行を三十兆円以内に抑えることができた。これは、民主党が二年後に三十兆円以下に抑えろという目標を前倒しで実行できたということであります。それだけ、歳出削減も景気もかなり着実な足取りを示していると。
 経済は生き物であると、その時を見て、財政再建を急いで経済全体をおろそかにしてはいけないと。財政再建も大事だけれども、経済全体をよく見ながら時々の財政運営、経済運営をしていかなきゃならないということを踏まえての対応であります。今後、税収が増えたから更にその分を歳出の拡大に持っていけという声がありますが、これをまともに受けますと、そうすると後の財政状況はどうなるかと。
 これからはできるだけ新規の国債発行も減らしていく方向に進まなきゃならない。かといって、すぐ増税するとこれまた景気にマイナスになると。歳出削減努力というのは今後も続けていかなきゃならない。一般歳出を前年度以下に切り詰めていく、なおかつ、一律削減ではないと。増やすべき予算は増やすということになりますと、省によっては一律以上に歳出を削減しなきゃならないと。そうすることによって新規の国債発行額も三十兆円以内に収めることもできるし、なおかつ、今後当分ある程度新規の国債発行はせざるを得ません。急に増税しますとこれまた景気に悪影響を与えますということになりますと、国債の残高は増えていきます。となりますと、金利の利払い費が増えてまいります。そういうことも考えながら、国債残高は増えるんですけれども、この増え方はできるだけ抑制していかなきゃならない。
 そうすることによって、国民に、必要な予算は確保するけれども、財政再建の重要性と、そして、増税ができないから国債発行をもっとするということになりますと、将来世代に過重な負担を残すということもありますし、国債発行を増やすといいことばかりじゃありません。必要な予算は確保することができるかもしれませんけれども、借金のためにまた借金をしなきゃならない悪循環に陥る。
 そういう点を踏まえながら、やはり今のできるだけ歳出を削減する努力というのは今後続けていって、そして見積りよりも多い税収が確保された場合には国債残高を減らすとか、その方に持っていくような努力が更に必要だと思っております。

発言情報

speech_id: 116415261X01820060615_018

発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2006-06-15

院: 参議院

会議名: 予算委員会