伊吹文明の発言 (教育基本法に関する特別委員会)

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○伊吹国務大臣 これはもう、坂口先輩がお読みになって的確にわからないなとおっしゃるのは、みんなが持っている共通の感覚だと私は思います。というのは、教育というのは、やはり理想の日本人像とかこういうものは、おのおのの個人の人生観とか価値観によってみんな違いますね。ですから、なかなか一つの的確な答えは出てきにくい分野でございます。
 この場で保利先生に御質問をいただいたときに、現行の教育基本法を廃案にせずに、これを全面改正するということをおっしゃって、私は、なるほどなと思って聞いておりました。それは、戦後、現行の教育基本法というのが日本全体に果たした、また教育的に果たした役割はやはり非常に大きなものがあったと思います。
 教育に限定して言えば、やはり日本の児童の学力基準というのは、OECDの調査を見ても、ほぼベストファイブに入っております。このごろ、やや自国語の理解、表現力の部分が落ちてきているのは残念なことですが。そして、これだけの社会を大きな混乱なく経済成長をさせて、ここまで福祉その他の面で充実ができたのも、やはり日本人の資質があればこそだと思いますから。特に、公平に、親の所得だとか地位と関係なく、学力が比較的平均しているという国は日本しかございません。これは、やはり戦後教育の大きな成果として評価をしなければならないと私は思っております。
 しかし、同時に、それはそれとして、かなり時代の変遷がございまして、国際化が大きく進んだ、長寿化が進んだ、核家族化が進んでいる、少子化が進んでいる、こういう中で、地域社会あるいは家族というものの教育力が非常に低下をしてきている。そしてまた、日本人のアイデンティティーというか、パスポートを持って仕事をしなければならない国際社会の中にいや応なく組み込まれているということを考えますと、現行法案の中に書かれていないことをかなり書き込まなければならない。
 だから、戦後教育が悪いというのじゃなくて、むしろ、戦後教育が時代の変遷に追いつかなくなって、足らざるところを補っていくというふうに私は考えておりまして、保利先生がここで御質問になったのを聞いて、なるほどなと、私は、実はこの法律の成立過程に濃密には関与しておりませんでしたので、保利先生の御質問でいろいろ教えられるところがございました。

発言情報

speech_id: 116504048X00720061106_027

発言者: 伊吹文明

speaker_id: 3636

日付: 2006-11-06

院: 衆議院

会議名: 教育基本法に関する特別委員会