伊吹文明の発言 (教育基本法に関する特別委員会)
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○伊吹国務大臣 現行の教育基本法が改正になりましてから、これはもうだれが見てもわかることですが、大きく状況が変わってきております。まず、冷戦構造は崩壊をいたしましたし、日本社会は、抽象的な言葉になりますが、経済成長を達成した中で、豊穣の中の精神の貧困という状態であろうと思います。それを反映して社会的にもいろいろな残念な事柄が起こっておりますし、学校現場でも、現在、未履修あるいはいじめというような残念な現象が起こっております。
これらを総括して、日本がこれだけ大きな国際社会の中の存在にもなってきているわけですから、まず、現行教育基本法は、これは私は大変立派な法律だと思います。これは、世界どこへ持っていっても立派な法律として通ると思います。しかし、日本にはやはり日本の祖先が営々として築き上げた法に書かれざる暗黙の申し合わせというか伝統というか社会規範というか、こういうものがございますから、まず、これをはっきりと再認識する教育を取り戻さないと、現在の豊穣の中の精神の貧困という状態からなかなか抜けられない。同時にまた、大学教育の必要性、今後の経済成長その他のことを考えると、これもまた大切だ、あるいはまた私学の役割が非常に大きくなってきている、同時にまた家庭での教育というもの、あるいはしつけと言った方がいいかもわかりませんが、これもやはり教育の大きな要素である。
こういうことが現行の教育基本法に抜けておりますので、教育の包括法としての理念法をこの時点で変えさせていただいて、むしろもっと早く私はやるべきであったのではないかと思いますが、この時点で変えさせていただいて、そしてその理念のもとで教育に関する三十数本の法律を総点検して、新しい日本人像をつくり上げて未来に備えていきたい、これが私の思いでございます。