水島朝穂の発言 (外交防衛委員会)

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○参考人(水島朝穂君) シビリアンコントロールにつきましては、例えば理念としてあるいは理論としてと、もう一つは制度としてのシビリアンコントロールというのがあろうかと思います。
 私は、これについては、今おっしゃった点などと重なる点は省略して、あえて日本型シビリアンコントロール、すなわちこの国で現実に理解され、実は運用されているポイントを指摘したいと思います。
 それは、いわゆるシビリアンが文民と訳す場合と、いわゆるシビルスタッフですね、すなわち文官、すなわち文官統制という側面を実はこの国は強く持っております。その点がよく批判の対象になります。文官スタッフ優位制度とも言います。それがシビリアンコントロールとイコールになり、場合によってはデモクラティックコントロール、民主的統制ともごっちゃになって議論されます。しかし、よく問題視されている部分については、いわゆる文官スタッフ優位制度を改めるべきだと、今回の統合幕僚長の仕組みその他も含めて、そういう傾きが大変強いんです。
 しかし、私は保安庁から自衛隊に至る過程の様々な資料、当時の一次資料を読んでおりますと、やはり当時は警察の発想で、警察の言わば官僚たちの統制の論理というのが実は保安庁、自衛隊に色濃く残っておりまして、これが先ほどから申し上げている日本的ないわゆるシビリアンコントロールの理解をつくってきた背景にあろうかと思います。
 これを今急激に変えて、アメリカ型のすっきりとした、文字どおり軍政、軍令の明確な形にすればこれはいいのかどうか。これは私は甚だ疑問に思っていまして、内局のシステムや参事官制度など、これは問題だとするのは、問題の立て方が例えば制服の側から見て問題だというのは、それは制服の立場、軍事的合理性からすればそうでしょう。しかし、今の仕組みをあえて大きく動かすことによって、例えば文官の中に基本的には背広を着た将軍といいましょうか、発想はほとんど現場の軍人よりももっと好戦的だという人が出ないとも限らない。
 考えてみると、制度としては、むしろ私は議会統制、すなわちこの委員会も含めて、私はドイツ連邦議会防衛委員会の持つような機能を国会法その他を改正しながらこの委員会が持っていくこと、すなわちドイツの軍隊は議会の軍隊と言われていますように、非常に議会統制がはっきりしましたし、明確ですし、あるいは海外派遣についても議会の創設的な、過半数の同意を要件とする法律も近年制定しておりまして、その意味では、言うところのアメリカ型のシビリアンコントロールばかりではなくして、むしろこの議会統制の新しい形、すなわち本来の民主的統制、軍、実力組織に対する民主的統制の議論をすべきだ。
 その観点から、例えば、私、今日、ドイツ連邦議会任命の防衛オンブズマン、これは毎年三月に報告書を出しまして、直接本人からこうやって送ってもらっているわけで、歴代防衛オンブズマン、これは連邦議会議長の横に一つだけ座席があって、そこに議会から選ばれ、いつでも部隊を訪問できる一種の水戸黄門のような、言わば議会派遣の、軍隊の内部問題、いじめ問題から様々な軍人からの訴えに耳を傾けてそれを聞いていく調査権を持ったオンブズマンの報告書があります。ここに軍人たちの海外派遣の悩みや様々な問題が報告書として議会に提出されます。
 このような仕組みが日本にはない。自衛隊内部の自殺事件はそのまんま防衛庁の報告で終わる。しかし、議会に強いそういう内部に対するオンブズマンのような議会任命、直接の機能があれば、これもかなり変わってくるでしょう。私は、シビリアンコントロールのアメリカ型のシステムの採用よりも、むしろ検討すべきはこのような現場の自衛隊員の声などを直接議会に届けられるようなシステムの工夫や検討ではないかと考えております。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 水島朝穂

speaker_id: 18911

日付: 2006-12-12

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会