高野博師の発言 (外交防衛委員会)
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○高野博師君 それでは、外務大臣に何点かお伺いしたいと思います。
自由と繁栄の弧というこの新しい政策について先般講演をされたそうであります。同僚議員からも質問があったようでありますが、いわゆる不安定の弧に倣ったのかどうかは分かりませんが、日米同盟強化とそれから近隣諸国との外交関係強化というのに加えて、新しい基軸として自由と繁栄の弧という政策を打ち出したわけでありますが、民主主義とか自由とか、あるいは人権、法の支配、市場経済、これを普遍的な価値、これを重視する価値の外交だというふうに言っておられますが、ユーラシア大陸の外周に成長している新興の民主主義国、これをつなぐということでありますが、カンボジア、ラオス、ベトナム、一方では中央アジア、そしてウクライナ、アゼルバイジャン等の国々でありますが、私は価値の外交ということについては十分注意する必要があるんではないかというふうに思っておりまして、自由とか民主主義とか市場経済というのは、これは普遍的価値とは言いますが、その制度とか体制、大枠では同じ価値かもしれませんが、しかしその大枠の中でのそれぞれの国の価値観というのは全く違うと思うんですね。その地域によっての歴史的な、あるいは文化的、宗教的な背景というのがありますから、それぞれの国の価値観が違う、歴史観も違う、国家観、社会観も違う、それからもちろん倫理観も違う、あるいはもっと詰めて言うと人生観も全然違うということでありますから、その日本が価値の外交というのを標榜するのは私は若干いかがかという感じがいたします。
そこで、カンボジア、ラオス、ベトナム、これはASEANの枠の中で日本はこの関係を強化していくということを考えた方がいいんではないか、当然考えているとは思うんですが。また中央アジアについては、私も十年前に中央アジアに行きまして、日本のプレゼンスがほとんどないということでこの委員会でも何回か取り上げたことがあります。小泉総理も先般行かれたわけでありますが、この中央アジアに日本が出てくるということについてロシアは相当警戒感を持っているんですね、なぜなんだろうかと。これは、この間我々もロシアへ行ってまいりましたが、ロシアはこの日本のプレゼンスについては相当警戒をしているということもありますし、これはまた中国も上海機構等ありますし、別な枠組みをつくっている中に日本が入っていくと。僕はそれは悪くないと思っているんですよ、もう前からやるべきだと思っていたんですが、日本は遅過ぎたんではないかと思います。もう一方で、ウクライナとかグルジアとかというのも、これまたロシアとの関係からいうと非常に難しい国だと思うんですね。こういう国を弧という形で無理に線で結んで、自由と繁栄の弧という外交政策基軸を打ち出すという必要性が本当にあるのかなということであります。
僕は、価値の外交というのは、まあブッシュも自由と民主主義と市場経済ということで、イラクなんかにも、あるいは中東にそういう価値観というか、広めるということを言っていましたが、これも非常にそういう背景を見ると難しいと思うんですね。ここはどういうふうにお考えでしょうか。