城繁幸の発言 (経済・産業・雇用に関する調査会)

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○参考人(城繁幸君) 年功序列制度と非正規と両立しないのか、できるかどうかという御質問でしたけれども、まず、年功序列制度自体がもはや維持が限界に来ておると、限界を超えておるというのは一つ言えると思います。
 年功序列制度自体は非常に優れた制度であると私も考えております。従業員の勤続年数が長くなる、つまり技術の蓄積が可能なんですね。日本の製造業が世界一になったのはこれが理由です。別に日本人が器用であったとか物づくりに才能があったわけではありません。職人が、欧米では一世紀以上前に姿を消した職人というのが日本企業の製造現場にたくさん残っていらっしゃるんですね。これが理由です。
 ただ、いろんな事情があってこれ維持できなくなってきていまして、まあ業種にもよりますけれども、あらかたの製造業でもう職人が必要なくなってきていると。技術の蓄積より革新の方が必要なんですね。ですから、もう年齢が高いというだけで必ずしもお給料を上げるのは合理的じゃなくなっているというのがまず一点ございます。
 それから二点目は、もう物理的に維持ができないと。年功序列制度の本質は、若いころの稼ぎためた成果に対する報酬というものを将来の出世で受け取るという面があるんですね。将来、例えば四十五歳超えた辺りで部長さんなりのポストに就かれて高い報酬を安定して受け取れると、六十歳まで。そういう形で報酬を受け取るという点があったんです。ですから、若いうちというのは自分の成果に比べると報酬というのは若干少なくなっているんですね。まあトータルのバランスで報酬、プラスになるという面があるんですけれども、これがもう組織の成長がしないと、あるいはもう定期昇給どんどん、人件費上げていくには売上げどんどんプラスしていかなきゃいけないんですね。ただ、これもう今デフレですからそれができないと。こうなってしまうともう制度として維持ができないんですね。じゃどうなるかというと、将来の出世ではなくて、働いた成果に応じてタイムリーにキャッシュで払っていくと、もうこういうシステムにシフトせざるを得ないんですね。これはもう職務給の発想ですけれども。ですので、まあ基本的にはもう維持不可能な方向に来ているというのは一つ言えると思います。
 御質問の、非正規と年功序列は両立する余地はないのかという御指摘ですけれども、基本的には私はこれ両立しないと考えています。
 いったん非正規の道へ進まれた方というのは、年齢が若ければそこは企業努力であるとか行政側の何か努力、採用数に例えば若年層非正規雇用者を含ませるであるとか、そういった形で対策というのはある程度は可能だと思いますけれども、基本的には私は両立しないと思います。三年四年非正規で経験された方、あるいはもう三十を超えられた方を年功序列型の企業が採用する可能性というのは限りなくゼロに近いと、個人的な経験も含めて申し上げますけれども、そういうふうに考えています。
 その理由としては、やはり人の年齢は値段で決まると。そういう文化ですね、年功序列の。その中で、やはり年を取ってしまった人間、それから年齢にふさわしいキャリアを経験していない人間というのは、どうしても排除される傾向というのはあるんですね。ですから、これは私は両立としては非常に難しいものがあるというふうに考えています。
 以上です。

発言情報

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発言者: 城繁幸

speaker_id: 9388

日付: 2006-11-22

院: 参議院

会議名: 経済・産業・雇用に関する調査会