尾身幸次の発言 (財政金融委員会)

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○国務大臣(尾身幸次君) 沓掛議員の大変にこの今までの日本の、特にここ十年ばかりのバブル崩壊の時期からの政策及び経済の実態について極めて的確な御意見を賜りまして、大変高く評価しているところでございます。
 平成九年の秋に、私が、桜の咲くころは日本景気は良くなるということを経済企画庁長官のときに申し上げました。景気が正にどん底でございまして、言わば末期のがん患者が死の直前にあるというような景気の状況でございました。そのときに、更に景気の悪い状態が続くというようなことを私が責任者として申し上げたならば、いわゆるコンフィデンスといいますか、将来に対する展望が一層悪化して、それが心理的な影響を持って景気の崩壊といいますか、を加速するのではないかという実は心配がございまして、あえて向こう傷を負うのは承知の上で、いずれ良くなると言ったのでは印象が薄いものですから、桜の咲くころ良くなると申しましたら、三月になってもなかなか良くならない。
 東京の桜か北海道の桜かというようなことを国会でも聞かれましたし、そのうちに、まだまだ景気の状態が厳しかったものですから、今年の桜か来年の桜かというようなことも聞かれて大変に苦しい思いをしたのでございますが、つい一、二年前、ある銀行の幹部の方にお目に掛かったら、あのときの発言で実は日本経済が大変助かったというようなお話も伺って、感無量の思いがしております。沓掛議員におかれまして、そのことについて御理解をいただいたことに対して心から感謝を申し上げる次第でございます。
 昨今は、御存じのとおり、経済の状況も全体としては順調な回復基調にあるというわけでございますけれども、財政の状況は国、地方合わした債務の残高が七百七十五兆円、GDP対比で一五〇%を超えるというような状況でございまして、大変に厳しい状況でございます。
 そういう中で、私ども、とにかく来年度予算については厳しい歳出削減をやり抜いていく、それによってプライマリーバランスの回復を目指してやっていくという方向で頑張っているわけでございまして、ただしかし、財政再建だけを至上命令としてやるということではなしに、経済の活性化と財政の再建を両立させていきたい、成長なくして財政再建なしという考え方の下にこの二つを両立させるような方向でこれを実現をしていきたいというふうに考えておりまして、なかなかこれ厳しい道でございますけれども、我が国経済の将来を考えますと、そういう方向で財政再建を実現し、同時に経済の競争力の回復とかあるいは活力とかそういうことも十分頭に入れながらこの両者を両立させていきたいというのが私どもの考えでございます。

発言情報

speech_id: 116514370X00220061031_007

発言者: 尾身幸次

speaker_id: 1221

日付: 2006-10-31

院: 参議院

会議名: 財政金融委員会