谷博之の発言 (総務委員会)

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○委員以外の議員(谷博之君) この点については先ほども若干触れさせていただきましたけれども、平均年齢が八十五歳という大変高齢の当事者の皆様にとってまず何よりも必要なことは、その名誉の回復だというふうに私は思っております。
 衆議院の委員会の中で参考人質疑として、参考人として出席をされた、今日もあの傍聴席にお見えになっておりますが、全国抑留者補償協議会の寺内会長が次のような発言をされております。奴隷労働をしたという記録を作ってあの世に旅立ちたくない、こういうふうな言葉に表れておりますように、これは大変な重みのある言葉だというふうに私は受け止めております。
 私どものこの野党案では、この未払賃金の補償をするという願いに不十分ながらも最低限こたえることのできる内容になっているんではないか、こういうふうに自負をしておりまして、この点につきましては、是非、与党委員の皆さんにもこの点は御理解をいただきたいと、このように考えております。
 そして、重ねてこの場であえて御発言をさせていただきたいわけでありますが、今年の夏、私のところに新潟県の佐渡市の元抑留者の方から電話がございまして、死ぬ前にシベリア抑留当時お世話になった上官に是非一度会いたい、そして一度お礼を言うために今自分は必死になって捜しているけれどもその方が分からない、こういうふうな相談がございました。この方も厚生労働省に相談をしましたところ、個人情報の保護だといって正に一切の情報を出してくれずに壁にぶつかっていたと、こういうふうなケースがございました。
 私どもは、厚生労働省を説得したり、あるいは全国の各地の地元の新聞社を通じてこの内容を実はPRをさせていただきました。そして、その結果、ついに福岡県でお元気で生活をされておられる九十歳の方が分かりまして、この小隊長を通じてこの佐渡の方が面会をし、地元のテレビ、マスコミも全部入って涙の再会をした、こういうふうなこともございました。
 正に、そういうことを考えますと、まだ関係者の方々にとっては戦後は終わっていない、こういうふうな思いだと思っております。そういう中で、与党側の十万円の旅行券という話もございますけれども、私は、このいわゆる世界史上に残るシベリア問題をこういう形で終わらせていいのかな、こういう思いがございまして、野党案のような提出になった次第であります。
 更に申し上げれば、ここでこのような形でこの問題にけりを付けてしまうと、今後、我が国の対ロ外交、ロシアとの外交の中でもどういうことになるんだろうか。決してこれ、プラスにはならないような気がしてなりません。むしろ、野党案であれば、本来、ロシア政府が支払うべき未払賃金相当を日本政府が肩代わりをして支払ったという事実をつくることができると思うんですね。
 そういうふうな中で、いずれにしてもこのシベリア・モンゴル抑留問題に対する国の施策、体制の基本が極めてあいまいで、先ほども出ておりますけれども、総務省と厚生労働省と外務省とそして内閣府のこの四省府にまたがって、平均八十五歳の元抑留者の方々が政府に要請する際にも、先ほど有光参考人からもお話ありましたように、つえをつきながら、大変御不自由をされながら、これら全部の省庁を別々に要請をして歩いているということですね。こういう過酷な状況を考えるときに、法的な枠組みのあいまいさ、こういうものを残さないまま、私たちはしっかりこの体制をもう一回見直していく必要があるだろうというふうに思っております。
 そして、最後になりますけれども、そのしわ寄せを強制抑留の被害者である当事者の方々が受けてきたというのがこのシベリア抑留問題についての日本の戦後の歩みに大きな影を落とし続けてきたと、こういうふうに言わざるを得ません。
 以上、遅きに失しておりますけれども、生存する当事者の方々がおられる間に何とかできるだけのことをきっちりとしよう、そういう意味を込めて本法案を私たちは提出をさせていただきました。
 どうか、長くなりましたが、芝委員の今御質問をいただいた、その御質問の内容を私たちは踏まえながら、この法案を何としても成立をさせるための努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。

発言情報

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発言者: 谷博之

speaker_id: 18165

日付: 2006-12-14

院: 参議院

会議名: 総務委員会