高野博師の発言 (予算委員会)
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○高野博師君 それでは、今日はロシア関係についてお伺いしたいと思います。
総理が歴史に名を残す仕事をするとすれば、私は、一つは北方領土の問題ではないかというふうに思っております。中国、韓国と並びまして、ロシアは日本の隣国であります。六か国協議の一角を成している。北朝鮮から核実験の通告もされていたようでありますが、この対ロ関係を改善するということは極めて日本の外交にとっては重要ではないかというふうに思っております。美しい国を構築するにはこの領土問題を避けて通れないと私は思います。領土問題解決してないということは、この国の形が定まっていないということであります。
先般の漁船の拿捕の問題、銃撃問題、こういう問題はこれからも起こり得ると思います。したがって、そういう事件が起こるようでは美しい国とは決して言えないと思いますが、去る四月五日にも麻生大臣にもこの北方領土問題について若干お伺いいたしました。今日は是非総理にお伺いしたいと思っております。
御存じのとおり、ロシアの国旗というのは、国の旗は双頭のワシであります。双頭のワシというのは二つ首がありまして、一つはヨーロッパに向いている、もう一つはアジアに向いている。ユーラシア大陸ににらみを利かせる。そのワシが持っている王笏は権力の象徴だと。内には権力を集中する、しかし外には拡大していくというのがロシアの本質かもしれません。
そこで、法治国家とか人治国家というのではなくてロシアは力治国家だと、力こそが正義なりという、そういう国だと、こうも言われておりますが、我が方は戦後一貫して北方領土は不法占拠されているという、そして固有の領土だということを主張しながら何度も交渉を重ねてまいりました。しかし、一向に進展はなされてないという現状であります。四島返還というのが我が国の国民の悲願であるということも私は十分認識をしております。
しかし、領土問題というのは非常に難しい問題であります。例えば、イギリスとスペインというのは人口数万のジブラルタル、この領有をめぐって一七〇二年からもう三百年以上も領有権を争っているのであります。領土問題というのは双方の国民が納得しなければ解決しないと思います。したがって、勝者も敗者もない解決を目指すべきではないか。一方だけが勝ったということは戦争でもなければあり得ないということだろうと思います。
これまでの経緯で言いますと、一九五六年の日ソ共同宣言の中で歯舞、色丹という二島については明記されております。二島返還の意思はあるのではないかと思います。しかし、四島返還には応じないということも向こうの関係要人は明言をしております。
そういう中で、これは私の提案でありますが、交渉の中身について余り具体的に言わない方がいいのかなとも思いますが、しかし、今、外交交渉は秘密裏にやる話でもない。国民の支持がないとなかなかこれはうまくいかないということも現実にありますので、これは是非総理に御検討いただきたいと思いますのは、歯舞、色丹、国後、択捉という四島を返すか二島か、あるいは三島かという数の考え方ではなくて面積割りをしたらどうかと、両方の国民が納得するように。もし面積で半分こするとどうなるかといいますと、歯舞、色丹、国後、そして択捉の四分の一まで行きます。強いて数にすれば三・二五であります。これができれば、漁業問題はほぼ解決するということであります。当然、反対する人もいると思います。しかし、あと何十年、この領土問題について今のままでおいておくのかという問題があろうと思います。
この領土について、面積割りは前例があります。これは、ロシアと中国もウスリーとあるいはアムール川の周辺については、これは面積割りをして国境を画定しました。そしてまた、中国と中央アジア、ウズベキスタン、カザフスタン等も、これも国境画定は面積割りをやりました。中国とベトナムも、トンキン湾を含めて、これは面積といいますか、分割をしております。
そういう前例がありますが、法的な根拠があるわけではないという一つの難点はありますが、しかし、国民を説得すべきであり、私は説得できるんではないかというふうに思っております。政治的なリーダーシップと政治的な決断というのが求められているんではないかなというふうに思っております。是非検討してもらいたいと思いますし、昨年プーチン大統領が訪日したときは何ら見るべき成果が上げられなかったと、上がらなかったということもあります。このアイデアについてロシア側は好意的な反応を示していると私は理解をしております。
ロシアは世界最大の面積を持っておりますし、シベリア、サハリン等には膨大な資源があると。日ロの現在の年間の貿易量は約百三億ドルであります。これは日韓の七百億ドル、あるいは日中の一千九百億ドルと比べても余りにも少ないと思います。ロシアは資源依存型の経済構造でありますから、今景気は大変よろしいようでありますが、いずれ日本の技術とか資本とかを必要にしてくるだろうというふうに思います。この対ロ関係を北方領土問題を解決することによって、より日本のアジア外交というのはダイナミックに力を発揮することができるんではないかというふうに思っております。
アジアにおける戦略的な視点からも、この北方領土問題に政治生命を懸けるぐらいの真剣さで是非取り組んでいただきたいと思いますが、私の提案も含めて総理の御所見をお伺いしたいと思います。