江畑謙介の発言 (安全保障委員会)

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○江畑参考人 お答えいたします。
 歴史を見ますと、たしか近代国家、それはいつかという定義が難しいところですが、例えば十九世紀後半から現在に至るまでも、外国の領土の中に、グアム島はアメリカの準州ですから、その中に、その国の、つまりアメリカの軍隊のための施設を建設するというときに、その当事者の、つまりアメリカ以外の国、この場合は日本、これが資金を出したという例は、私の知っている限りはございません。
 考え方からしてもおかしいのです。つまり、そこに何らかのある半恒久的な施設をつくるという場合には、例えば日本の国内でつくるなら、それが返還された時点においてはもう使い物にならないものになって老朽化しているというようなこともあるにせよ、一応国内ですから日本の財産という形になりますけれども、そうじゃなくて、全く外国の領土にそれをつくるということは、考え方としてみれば確かに例を見ないものだろうと思います。
 ただ、このような例はございます。冷戦が終わったときに、東ヨーロッパの諸国に駐留していた旧ソ連軍、その後、九一年の末にはソ連邦が崩壊いたしましてロシアになりましたけれども、ロシア軍が本国に引き揚げるに当たって、当時の東ドイツ、それからポーランド、チェコなどに長期駐留していたために、それが一気にロシア共和国の本土に戻ると、それを収容するだけの施設がないとロシアが言いまして、実態はどうだったかは我々にはわかりませんが、それで、東西融合を果たしたドイツが、引き揚げたロシア軍の兵士とその家族のための住宅をロシアの国内につくる資金を提供したという例はございます。
 それが今回の日本のグアム島における米軍施設の移転ということに直接関連する、または比較できるようなものかどうかということに関しては、個々の人によって解釈は分かれるところだと思いますが、一応それは御参考までに申しておきます。
 では、笹木議員が御指摘になられた、上限あるいは家族の人数がはっきりしないというものに対して、簡単に言えば、積算根拠がわからないのに資金や何かを出せるかという問題でございますけれども、まず、アメリカの海兵隊の場合は、実戦部隊、例えば第三一海兵遠征部隊、通称MEUと呼んでいますが、31MEUの場合、こういう戦闘部隊に所属する海兵隊員は家族は連れてきておりません、実戦部隊ですから。ただ、司令部要員や航空要員の幹部や何かは家族がおります。そして、これは常に移動しています。
 沖縄にいる海兵隊員というのは常に一定ではありません。逆に言えば、出入りが非常に激しいということです。その第31MEUが第七艦隊の揚陸艦か何かに乗ってペルシャ湾方面に行った場合には、当然そこの部分の二千から三千人近い人間がいなくなります。ですから、ある一定の瞬間をとって幾らと言うことはできても、平均してどうかというとなると、必ずこの人間がいるということは言いにくいところがあります。
 この実態を、アメリカのまさに部隊の運用にかかわることなので、普通はなかなか、今現在はどうなっているんだといっても、アメリカは教えてはくれません。ですから、これを把握するのはなかなか難しいところがあります。簡単に言うならば、アメリカを信じるしかないというのが現状だろうと思います。
 それから、どれだけのお金がかかるかということに関しても、これも、何せ、ここが難しいんですが、日本の国内に日本側でつくるということだったら大体積算はできるんです。ところが、別の国ですから、その地域の状況、それからコンストラクター、つまり建設会社にどこを選ぶのか、どのような構造のものにするのか、そして、例えば天候の条件、気象条件なんかも日本とはかなり違うところがある。そうすると、日本のスタンダード、基準ではできないようなものがある。そうすると、これを正確に把握するというのは現実においては非常に難しい。だからいいのかということになりますけれども、やはりある一定の額を見込んでおかないことにはどうしようもない。
 これは、日本の場合はちょっと例外的なんですが、ほかの国で、兵器開発、武器の開発や何かでいうと、一応このくらいでできますよという会社からの応募があって、契約を結ぶわけですね。契約を結んだ後、どんどん上がっていくというようなことが結構ございます。それが非常に問題にはなりますけれども、あるめどをつけてあっても、必ずしもそれよりも上に行くとは限りませんが、うまくすれば下に下がる場合もあるんですが、一応の目安というものはつけておく必要がある。それは、アメリカが言うんだったらこうで、そこでスタートして、我々日本が何をすべきかといえば、できるだけ安くということを常に考えて今後の細部の交渉に当たるということではなかろうかと思います。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 江畑謙介

speaker_id: 21263

日付: 2007-04-10

院: 衆議院

会議名: 安全保障委員会