田村哲夫の発言 (教育再生に関する特別委員会)
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○田村参考人 ありがとうございます。
そもそも論で申し上げますと、キリスト教社会で学校という制度が生まれました。キリスト教社会は現在でも、子供の教育については家庭が第一責任を持つ、これが常識になっております。それを疑う者はだれもいない、これが典型的なキリスト教社会、それを前提としてつくられた仕組みが学校という制度なんですね。
ところが、今は時代が変わりまして、特に我が国では、教育はすべて、かかわることもすべて学校が面倒を見ろと。うちの子が朝起きないから、先生、朝電話してきてくれとか、給食費を教員が取りに行くと税金の取り立て人が来たような扱いを親がする。これは全く理解をすることが難しいような社会状況になっているわけですね。先生方はそれで非常に苦労をされているわけです。
ですから、もう議論の余地なく、経営学的には、マネジメントの一番効率的な仕組みというのはなべぶた形なんですね。ITの発展によって、なべぶた形が多くの組織で活用されているし、それで十分機能するわけなんですが、しかし、社会の変化に対応するということを考えると、なべぶた形ではもう対応し切れない状況になっている。したがって、階層をつくって、職務が過重になる場合には給与を少しその部分で考える、普通の先生よりは高くなるとか、そういうような仕組みもある程度導入しなきゃいけない。
そんなことをしないで、とにかく先生をふやせばいいじゃないか、こういう議論もあることはよく存じ上げておりますけれども、現在の日本の状況の中で、定数改善、これは公務員である必要があるかどうか私はよくわからないんですけれども、しかし、現実は公務員ですから、したがって、公務員であるとすれば、定数増はそう簡単にはいかないわけですね。
そうすると、ほかの知恵を使わなきゃならない。そうなると、組織をそういうふうに変える。あるいは、この仕事はどうも教員がしなくてもいいんではないかという部分はアウトソーシングするとかあるいはボランティアに任せるとか、そういう知恵を働かせないと、先生方が望んでいる一番やりたいこと、それは子供に接する時間なんですね。これさえちゃんと持てれば先生方は満足して現場で働くわけです。その結果は子供に必ず返ってくるわけです。だから、その知恵を出したいということが実はワーキンググループの目標でございました。
結果、出てきましたのが、今答申として出ているような形でございまして、これはなかなかに簡単にはいかない難しい問題でございます。そういう意味で、現場の理解を得ながら、職務についての階層化ということを給与の表、つまり、現在は百万近い人がただ一つの給与表で働いているわけです。これが現実です。それでいいのかという問題もございます。
したがって、いろいろなことを考えると、答申でお示ししたような形でいくのが現状では一番いいのかな。今までやってきたことを相似形で全体の規模をふやすということでは、解決できると思いますけれども、それは現実にはお金の問題でできないわけですね。とすれば、財政が改善するまで待つわけにいきませんから、今のようなやり方を考えるよりほかにしようがないんじゃないかということで、お願いをしているという形で答申を出させていただきました。
ありがとうございました。