松田茂樹の発言 (経済・産業・雇用に関する調査会)
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○参考人(松田茂樹君) 御質問ありがとうございました。
そうしましたら、二点についてお答えいたします。
まず一点目は、そもそも私が所属している会社の両立支援がどうなっているかという話と、二点目は延長保育の問題でございます。
まず一点目ですが、私が所属しています第一生命経済研究所というところは、第一生命の子会社でございます。調査研究を専門にしております。収入面での待遇は平均的なのですけれども、ワーク・ライフ・バランスという面での待遇は極めていいところです。
具体的に申しますと、育休制度、もちろん短時間、そして短時間勤務も選択できます。そして、フレックスタイムを導入しているということが大きいです。コアタイムは十時から三時になっております。ですから、三時に仕事を終えて子供を迎えに行く社員もありますし、もちろん私も行っています。
ただし、ただ、何よりワーク・ライフ・バランスに当社、利いていますというのは、労働時間が実は短いんですよ。九時—五時とは申しませんけれども、余り残業をよしとしない会社といいますか、でありますので、そこが最もワーク・ライフ・バランスに寄与していると思います。先ほどの私の話にも通じます、これは。
なぜそれが可能となっているかということですが、一点目は、やはり調査研究という特殊な環境であると思います。これは何時から何時まで働けばアウトプットが出るという性格のものではないですので、やはり時間のやりくりが利くということですね。
二点目は、やはり経営的な体力の問題があります。やはり、バックに付いています企業は第一生命ですので、そこの理解を得て、体力という面では強いです。
三点目は、やはり上司の理解ということが大きいと思います。これは、お二方の別の先生も触れられておりましたが、やはり上司の理解なくしてワーク・ライフ・バランスは進まないと。
当社は、加藤寛先生ですか、が会長を務めておりまして、今名誉会長ですけれども務めておりまして、また社長も、歴代の社長もこうしたものに理解があったということです。これがまず第一点目の答えになります。
二点目は、延長保育の問題です。これは極めて私も悩ましい問題であると思います。
実は、短期的な問題と中長期的な問題に分けて申し上げたいと思いますが、短期的には延長保育をどんどん増やすべきだと私は思います。なぜかといいますと、現状において労働時間が極めて長い、これは男性はもちろんのこと、女性の正社員もどんどん延びています。となりますと、延長保育がここで利用することができなければ、恐らく仕事と子育ての両立はできなくなり、仕事を断念するか若しくは子育てを断念する、つまり子供を産まないという選択ですね、産めないという選択になると思います。ですから、短期的には延長保育をそれこそすべての保育園に義務付けるぐらいのことが必要ではないかと思います。
しかしながら、中長期的に見るとどうかといいますと、やはり延長保育をどんどん延ばしている国というのは、実はそんなにあるようには思えません。といいますのは、労働時間、特に欧州の労働時間もっと短いですので。ですから、延長保育をどんどん延ばしてどんどん働けるようにしましょうという方向での両立支援は、実は間違っていると思います、世界的に見ると。このままいくと二十四時間保育になってしまいますので。それで、これは冗談ではない方向に行っていると思いますが。
なぜ延長保育が問題かといいますと、一点目はやはり子供の問題です。これは保育関係者の話としてはよく言われることです。子供への悪影響があるんではないかと。実は、私も全国私立保育園連盟の調査に私委員長としてかかわりまして、延長保育をしていることと子供の発達度を分析したのですが、どうも自己主張ばかり強いのだけれども自己を抑制できない、それはストレスが恐らくたまっているんですね、延長保育等をしている子供の場合です。ですから、これは子供の発達環境としてやはり望ましくないのではないかと見られます。
二点目は、二十四時間とは言いませんけれども、それだけ長時間子供を預けて働くことをそもそも普通の人が望んでいるかと。そうであれば、やはり子供を産まないという選択を多分すると思います。ですから、我が国の少子化傾向を止めるためには、やはり延長保育をこのまま延ばしていくという方向はまずいと思います。
何をしたらいいかということは、やはり企業が育児期の社員の労働時間を短くする、それを義務付けるですとか、何時間と制限すると。そうなりますと、延長保育もいずれなくなるはずですので、そうした方向に誘導していく必要があるのではないかと見られます。
以上です。