甘利明の発言 (経済産業委員会)
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○国務大臣(甘利明君) 平成十九年度の経済産業省関係予算等について御説明申し上げます。
我が国経済は、総じて見れば、堅調な景気回復を続けている一方、消費に弱さが見られます。企業部門の好調さが家計部門に波及することにより、バランスの良い景気回復が実現されることが必要です。また、我が国は、人口の減少、巨額の財政赤字、国際競争の激化など、構造的な対応が迫られる課題を数多く抱えております。
こうした状況の中、昨年七月に取りまとめた経済成長戦略大綱の施策を一層充実強化し、その実行と新しい政策の実現に向けて全力で取り組むべく、以下の六つの柱を中心にめり張りのある予算編成を行っております。
第一の柱は、新たな市場を開拓するイノベーションの創出であります。
科学技術の振興によるイノベーションの創出は、豊かで強く魅力ある日本経済の実現に向け不可欠な取組であります。このため、次世代知能ロボットやがん対策等先進医療技術の開発など、成長の起爆剤となるようなテーマを中心に革新的な研究開発を重点的に推進します。また、研究開発プロジェクトの実践と併せて、国際標準化の推進や、イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン二〇〇七に基づく特許審査の迅速化、効率化、一つの発明が世界じゅうで円滑に保護される世界特許の実現といった、イノベーションを加速化させる研究開発活動の環境整備等にも積極的に取り組み、研究と市場との間に好循環を構築するイノベーション・スーパーハイウェイ構想を推進してまいります。
第二の柱は、アジアとの共生、発展であります。
アジア等の成長や活力を我が国経済に取り込むことは、将来の持続的な成長にとって不可欠であります。そのため、戦略的な経済連携交渉の強化、東アジアEPAの構築に向けた研究を進めるとともに、アジアの頭脳を集めた国際研究機関を創設し、その域内格差の是正に向けた協調を進め、東アジア経済統合の推進力とします。また、アジアとの協働を支える人材の育成、アジア域内の物流コストの半減を目指す国際物流競争力パートナーシップの推進など東アジア共通の産業基盤整備に取り組んでまいります。
また、コンテンツ産業の競争力強化を図るため、映画、アニメ、ゲームなど多様なコンテンツを取り扱う国際的なフェスティバルの創設等に取り組んでまいります。
第三の柱は、IT革新及びサービス産業の生産性向上であります。
IT革新による我が国経済全体の生産性向上とその産業基盤の強化を図るため、IT関連の研究開発に取り組むとともに、ソフトウエアの共通化や中小企業のIT活用の促進を支援してまいります。あわせて、情報セキュリティー対策の強化に取り組み、安全、安心なIT利用環境の構築を進めてまいります。
また、日本経済の約七割を占めながら、欧米に比べて低いサービス産業の生産性を向上させるため、産学官によるサービス産業生産性協議会の創設や民間の実践的な取組等を支援してまいります。
第四の柱は、地域中小企業の活性化であります。
地方の活力や中小企業の技術力は、我が国経済の基盤であり、産業競争力の源泉でもあります。地域固有の技術、農林水産品、観光資源を活用して、創意工夫あふれる商品、サービスの開発や販売等を行う中小企業の取組を支援するための中小企業地域資源活用促進法案、地域が主体的に描く戦略的なグランドデザインに基づく企業立地を促進するための地域産業活性化法案を提出し、予算、法律、税制によって、中小企業の新たなビジネスづくりや地域産業の活性化を支援してまいります。
そのほか、高度部材・基盤産業を支える物づくり中小企業への支援、コンパクトでにぎわいあふれる町づくりのための中心市街地活性化の支援等を通じ、地域中小企業の活性化に取り組んでまいります。
だれでも再チャレンジ可能な社会を実現することも大きな課題です。予算面からは、再生局面にある中小企業者や再起業を目指す方々への資金供給の円滑化を図るとともに、在庫等の流動資産を活用し、不動産担保や個人保証に過度に依存しない融資を推進してまいります。
また、成長戦略の一環として、中小企業の生産性向上等を通じて、成長力底上げ戦略を推進してまいります。
第五の柱は、人財立国の実現であります。
成長力の強化には、それを担う産業人材の育成が不可欠であります。そのため、アジア等からの優秀な留学生の日本企業での活躍を促進するアジア人財資金構想の推進、大学等を活用した産学連携による実践的教育や地域産業の協力によるキャリア教育、理科授業づくり等に取り組みます。
第六の柱は、資源・エネルギー政策の戦略的展開であります。
世界的にエネルギーの需給が逼迫している中、天然資源の少ない我が国としては、エネルギー・環境問題は極めて重要な課題です。省エネルギー、新エネルギーの推進、バイオエタノールの導入促進を含む次世代自動車燃料イニシアティブの推進、安全確保を大前提とした核燃料サイクルを含む原子力発電の推進を図るとともに、石油自主開発の推進等による資源の安定供給確保や、我が国の優れたエネルギー・環境技術の活用によるアジアへのエネルギー・環境協力を進めるなど、総合的なエネルギー政策に取り組んでまいります。また、京都議定書の目標達成に向けて最大限努力し、地球規模での温暖化防止に積極的に貢献するとともに、循環型社会の構築に取り組みます。
以上の施策を中心に、平成十九年度の経済産業政策の実施に向け、当省予算として、一般会計で総額一兆二百七十三億円を計上しております。このうち、中小企業対策費は対前年三・四%増となる千二百四十五億円、科学技術振興費は対前年一・四%増となる千四百六十一億円を計上しております。また、平成十九年度予算概算要求において新たに設けられた経済成長戦略推進要望を活用し、三百六十一億円を計上しております。
特別会計につきましては、エネルギー対策特別会計に七千六百二十一億円、特許特別会計に千百九十億円、貿易再保険特別会計に二千百三十一億円を計上しております。
なお、一昨年に閣議決定した行政改革の重要方針に従い、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計と電源開発促進対策特別会計を統合したエネルギー対策特別会計の創設を含む特別会計に関する法律案を提出し、あわせて、歳出全体を大幅に削減するなど特別会計改革を行っております。
なお、経済産業省の平成十九年度予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますので、説明を省略させていただきたいと存じます。
何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
以上です。