野田彰彦の発言 (少子高齢社会に関する調査会)

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○参考人(野田彰彦君) どうもありがとうございます。
 まず、一つ目の御質問、不動産価格が長期的に下落する趨勢にあるんじゃないかという御見解には私も正直同感でございまして、そういう意味も含めると、なかなか、マーケットでこのリスクというのをどうヘッジしていくのかというのは、実は私、レポートの中で二つぐらい可能性があるということで検討しまして、まず一つは、アメリカにおいて、つい最近なんですけれども、住宅価格指数というのがシカゴの取引所で上場したんですけれども、これは要はマーケットで取引される指標になるので、一つこういうものがあり得るんじゃないかなというふうにしてちょっと検討してみたんですけれども、このアメリカの市場に上場されたものをよく見ると、やっぱり数年程度の中期的な価格下落リスクをヘッジするための手段、まあ投資にかかわる住宅価格の下落リスクをヘッジする手段としてこういう指標が作られて上場したというのが実態らしくて、リバースモーゲージというのは契約期間が長ければ二十年とか三十年掛かるわけですよね。その三十年間の住宅の価格、これがどう変動するかということについてヘッジするほどのものにはちょっとなり得ないんじゃないかなというのが私のレポートの中での結論でした。
 もう一つ、これもアメリカの事例なんですけれども、アメリカのニューヨーク州の中にシラキューズという割と小さな町がありまして、そこで住宅価格保証保険というのを、これはパイロットプロジェクトとして、たしか二〇〇一年ぐらいから始めていたと思うんですけれども。こちらには連邦政府が一定のファンドを拠出して、保険という仕組みでシラキューズという町に限定して何年間かにわたる住宅価格の下落リスクをヘッジすると。利用者は家を買ったりしたときにその保険に入る、保険料を払うわけですね。それがコストになるんですけれども、それで例えば五年後に売却したときに実際に損が出たら、実際に損が出たらじゃないですね、そのシラキューズ市の住宅価格指数というのがあって、それの下落率というのが実額で補てんされるわけなんですね。
 そうすると、実際の売却損とは乖離が出てくるんですけれども、ここに何かみそがあって、その住宅を買った人がメンテナンスをできるだけ力を入れてやって、で、市場の実勢、実際にはそのシラキューズの町全体としては例えば不動産価格が二〇%下落していたという状況の中で、でもその人の家はメンテナンスをちゃんと行っていたので一〇%の下落にとどまったというときには、その保険金がもらえる金額というのは二〇%の下落分丸々もらえるわけで、すなわち一〇%得をするわけなんですよね、損をした人にとっては。これが要は住宅のメンテナンスを契約者に促すインセンティブになるんじゃないかということで、非常にこの住宅価格保証保険というのは高く評価された仕組みなんですけれども、ただこの仕組みも、先ほど言いましたけども、連邦政府が基金を拠出しているという意味で、公的な仕組みなんですね。
 ですから、翻ってみると、日本ではこういう仕組みの検討自体がまだほとんどなされてないですし、よしんばやるとしても、なかなか民間の自助努力で保険会社が、損害保険会社がどこまでこういうものを引き受けるかというと、ややちょっと限界があるんじゃないかなというのが個人的な見解で、この住宅価格の下落リスクをヘッジするためには、先ほどの繰り返しですが、何らかの公的な関与が必要なんじゃないかというのが、先ほど言ったその二つの可能性ですね、を検討した結果の結論でございます。
 アメリカとイギリスの、もう一つの御質問で克服すべき問題点ということなんですけれども、アメリカの場合はここ数年件数が非常に伸びていて、私の知る限りそんなに大きな問題というのは見聞きしていないんですけれども、イギリスにおいては二つの大きな仕組み、ホームリバージョンとライフタイムモーゲージ、この二つがあるという御紹介申し上げましたけれども、政府の規制が後追いになっていまして、今現在、イギリスのFSAという金融当局なんですけれども、そこが規制しているのはライフタイムモーゲージだけでして、このホームリバージョンについては今その規制の在り方を検討しているということで、ちょっと民間の創意工夫で市場が先に動き出していて、それに適切な規制というのがややちょっと後れているという問題がよく指摘されてはいます。イギリスの場合ですね。

発言情報

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発言者: 野田彰彦

speaker_id: 33214

日付: 2007-02-14

院: 参議院

会議名: 少子高齢社会に関する調査会