佐々木誠造の発言 (少子高齢社会に関する調査会)

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○参考人(佐々木誠造君) 私は、御紹介いただきました青森市長をしております佐々木でございます。
 お手元に資料を配付をさせていただいていますが、それに沿ってちょっと御報告をさせていただきます。
 青森市は、まず一昨年の四月に市町村合併で新市になりました。そして、昨年十月に中核市に移行させていただいたところでございます。合併によりまして、人口がおよそ三十二万弱、面積が八百二十四平方キロと大変広い市域をいただいておりますが、その七割強が林野、農地面積でありますので、自然、大変豊かでございます。
 青森市の何としてもの特徴は気象の問題でございまして、雪が非常に多く降ります。県庁所在都市として全国ただ一つの行政区域全域が特別豪雪地帯に指定されているという市であります。それがこれからの話に関連してくるわけであります。
 なお、少子高齢化の現状についてでございますが、平成十七年の国勢調査による高齢化率でありますが、全国平均並みの二〇・四%というふうになっておりますが、ごく最近の住民基本台帳ベースでいきますと、それが既に二一%を突破しておるということで、非常に右肩上がりで高齢化が進みつつある都市であります。また、合計特殊出生率が全国平均並みの一・二五ということで、少子化については恐らく全国平均よりも少子化が少し早めに進行しているのではないかというふうに承知しております。そういう中で、六十五歳以上の単独世帯割合が八・一ということで全国平均よりも高いということと、住宅の空き家率も一二・五と、全国平均よりも高い水準になっておるということでございます。
 こういうことから、青森市における少子高齢化の問題は、社会保障とか福祉政策上の問題だけではなくて、地域の空洞化を進行させる深刻なまちづくりの大きな課題であるというふうに私は思っております。
 そういう中で、次の二ページにございますが、コンパクトシティーの問題であります。
 そういうことからコンパクトシティーという発想を私どもはいたしました。特に豪雪になりますと、積雪による家屋の倒壊が多数発生する、この写真にあるとおりでございますし、また交通渋滞が大発生するということでございます。そんなことから防災上も大きな課題でございます。
 また、除排雪経費も、この運営コストの費用、大変な大きな課題でございます。市街地の拡大が道路管理延長の拡大につながりますので、それによって費用も大変増えていくということであります。ちなみに、現在の私ども除排雪する管理延長は一千三百十九キロということでございまして、これは青森市から岡山までの距離に当たる、これを雪が降ったらすべて空けなくてはいけないということでございまして、今年は暖冬少雪と言われた中でも十一億円を費消しております。ちなみに、昨年は二十三億掛かりましたし、一昨年は三十一億掛からざるを得なかったと、こういったようなことでございます。
 こんなことから毎年の降雪に対応した持続可能なまちづくりを進めていくことが正にコンパクトシティー発想の原点でございます。その目標は、自家用車に依存しない、人と環境に優しい歩いて暮らせる快適なまちづくりを実現する。つまり、高齢化社会に対応したまちづくり、こういうことで私どもは取り組んでいるところでございます。
 コンパクトシティーの都市構造の考え方は、その下の写真にありますように、市街地の拡大に伴う新たな行財政需要を抑制し、併せて既存のストックを有効活用した効率的で効果的な都市整備であると。市街地の周辺に広がる自然、農業環境と調和する、こういうことがその目標の一つであります。
 そういうことから、平成十一年に青森市の都市計画マスタープランを作りまして、雪に強い、また高齢・福祉社会に対応した、また環境調和型の都市で災害に強い都市、効率的で快適な都市というものを掲げて、その方向を定めたところであります。そういうことから、それぞれのエリア特性に応じた土地利用の配置方針を定めて、都市マスタープランを活用させていただいておるところでございます。
 次のテーマは中心市街地の活性化であります。
 このコンパクトシティーの方向性は、今申し上げたように、郊外の自然豊かな環境、これを保全、再生するということと同時に、みんなで利用する中心市街地はしっかりと元気なところにしていこう、こういう二つの方向性を持っているものであります。そして、その中心市街地のいわゆる活性化の問題でございますが、ついこの二月八日に、青森市の中心市街地活性化基本計画が内閣総理大臣から第一号として認定をいただいたということでございました。これは、私どもは平成十年ごろから中心市街地活性化計画を作り、そしてこれまでずっと進めてきたわけでありますが、それを更に内容を付けまして認定をいただいたということでございます。
 青森市の中心市街地というのは港から発した町でありまして、正に都市のかなめ、また青森市の顔ということでございます。本市の発祥の地であります。県庁とか青森駅とか公共施設、中心商店街、これが集積しております。およそ百十六・七ヘクタールということでございます。これは正に、これまでつくられてきた歴史的なストック、あるいはまたインフラストック、あるいはコミュニティーストックというものがありますので、これを活用していくことがコンパクトシティーの大きなかぎであるというふうに考えておりまして、活性化によって目指す中心市街地の姿は、快適な町歩きを楽しむことができる新しい歩行者空間、また回遊動線の整備、交流機能の強化、そして公共交通の利便性の向上や定住人口の増加を図ることで、歩いて暮らすことのできる質の高い生活空間を目指そうとするものであります。一言で言えば、ウオーカブルタウンの創造でございます。
 この中心市街地の活性化基本計画では三つの目標を定めております。町の楽しみづくり、交流まちづくり、町暮らしという方針を掲げて、現在この事業を展開中でございます。
 特に、平成二十二年の東北新幹線青森駅開業、これが控えておりまして、これまで不足しておりました都市観光交流拠点としての文化観光交流施設とか、あるいは青森駅前広場の総合交通ターミナル化とか、あるいはまた新幹線効果を最大限享受できる環境整備と街なか居住推進のための住み替え支援事業など、これを活性化計画の中に盛り込ませていただいているところであります。
 その中心市街地で歩いて快適に暮らせる環境の実現のところについては、その先導的な事業として図書館等の公共施設との複合型商業施設、写真にありますようなアウガ、また四季を通じて快適な歩道環境を整備する冬期バリアフリー計画、中心市街地内の居住、人口増加を促進する街なか居住の推進、こういったようなことの整備に合わせて、医療機関、商業施設、鉄道や路線バスの公共交通機関の充実などの既存社会ストックによって中心市街地は生活に必要な衣食住環境が整って、歩いて快適に暮らすことができる質の高い生活空間へと転換しよう、こういうことで今準備し、また進んでおるところでございます。
 時間があれば、アウガとかそのことについては申し上げる機会があったら報告させていただきます。
 次は、街なか居住の問題に入らせていただきますが、街なか居住は特に青森市の貴重な、環境負荷であります雪への対応がほとんど必要なく、生活に必要な多くの都市機能が今申し上げたように集積しておりますことから、コンパクトシティーの象徴でございます。
 平成十七年には、郊外の老朽化した公営住宅の建て替え事業として、中心市街地に民間事業者による借り上げ型のシルバーハウジング機能付市営住宅を整備をしました。これまでもこの中心市街地の近隣に市営住宅を開発し、三百五十戸ほどの市営住宅を配置をし終わったところでございますが、現在はこの中心市街地に民間の施工のマンションが今林立し始めておるところでございます。平成十九年度まで、この数年間で九百十四戸のマンションが中心市街地に整備されることで今進んでおりまして、既にその八百五十戸ほどはでき上がって生活が始まっておるところでございます。このことによって、商店の様々なイベントと相まって、結果として中心市街地地区の人口が徐々に回復しまして、昭和六十年以前の水準に現在では回復したところでございます。
 ここまで参りまして、今度の、今問題は、これからの問題でございます。街なか住み替え支援事業であります。これは、単独高齢者世帯数あるいは空き家家屋の増加など、少子高齢化の影響での住宅環境変化に対応した住宅施策が必要というふうに考えております。そこで、青森市では、高齢者世帯と子育て世帯との交流によってこれらの課題解決に取り組もうとしておるところであります。
 実は平成十七年度に都市再生モデル調査というものを行わせていただきました。青森市の郊外の戸建て住宅所有者の意識として、将来的に条件が整えば街なかへ転居したいという意識が高い、これは下の図にあるとおりでありますが、しかし転居のための資金難等が大きな課題である、こういうことが調査結果で出ておりまして、具体的に街なかへ転居できる人はなかなかすぐには出てこない。一方、貸家に居住する子育て世帯の約六〇%は現在の住宅より広い住宅に転居したいという意向もお持ちであると。そこで、街なかへ転居したい郊外戸建て住宅所有者、そして広い住宅へ転居したい子育て世帯、このような潜在的需要に対して、さらには中心市街地の活性化と単独高齢世帯・空き家対策として、仮称でありますが、住替えバンクの設置と公営住宅制度等を活用した住み替え支援制度の充実など、これまでに行政ができる住宅施策を再検討し、今年度実験的に住み替え支援を実施しようとしているところでございます。
 この住替えバンクをもう少し具体的に申し上げますと、いわゆる中古住宅の情報ネットワークの整備、それから中古住宅市場の活性化のための支援制度、これを構築しようと。一つは、リフォームに関する相談需要が非常に多く、安心、信頼できる相談窓口が求められていること、それから福祉対応型集合住宅や高齢者向けの賃貸住宅情報のデータバンク機能が必要なこと、それから現在の住宅の処分に関する悩みへの対応ができること、こういったような機能を持つもの、これを住替えバンクとして設置をすべきではないかと、こう考えているところでございます。
 そんなことで、最後のこの写真にありますけれども、これは参考に付けたんでありますが、かつて、昭和三十年代に合併した村落がぐっと取り巻いておりまして、そこにはそこなりのコミュニティーを持たなければいけないということで、そこには市民センターとかあるいは市役所の支所とか置いて、徒歩圏内で生活に必要なサービスを受け取ることができる都市構造を形成してまいったところでありますが、一方で、今申し上げた医療機関、百貨店等の商業施設、また県庁、裁判所、高度な都市機能は中心市街地に集約されておりますので、そういうことを、この都市サービスを受ける場合、郊外部から中心市街地へ路線バスでアクセスできる公共交通体系、これも持っておりますが、そのバスが大変これは今経営に難渋しておりまして、これをこれからどうするかということによってどの地区にいても住みやすい町をつくらなければいけない、これが私どもの大きなテーマであります。
 いずれにしましても、循環、持続、協働、自立というためには、身の丈に合った都市構造を形成することで、市民が安全、安心、快適に歩いて暮らすことができる持続可能なまちづくりを目指したいと考えております。
 その中で三点だけ、私どもはこれをチャレンジする上でどうしてもこれは必要だなと思っている問題点を言わせていただきますと、高齢者、子育て世帯という特定世帯に公的な補助等の支援策、これをやはり持つべきではないかということであります。幸いにして高齢者についてはそれなりのものが準備されておりますけれども、子育て世帯への、いわゆる特定世帯への公的補助等は非常に今盛られておりません。
 それからもう一つは、先ほど申し上げた交通の足の確保、高齢者の交通を確保するための公共交通機関の役割、これが重要でありますので、その運営に関するやはり国の支援が何としても必要になるのではないかと、これが一点です。
 それからもう一つは、空き家等の住宅ストックが増加傾向にある中で、新たな公営住宅に関する支援事業は充実しておりますけれども、空き家等の中古住宅市場を活性化するための支援制度は不十分であります。したがって、街なか居住を促進するためには、住み替えを促進するための既存の住宅ストックの活用制度の構築、また中古の市場を活性化するための情報提供に関する行政の支援、これは欠かせないものでございます。
 特に、今までは子育て世帯に対する優遇措置制度、これは非常に少なかった。これからはあるものを有効に使うということで、いわゆる住宅をリフォームして、それを、郊外の住宅をリフォームしたものを子育て世帯に提供する、こういったような住宅バンクの構想をしておりますので、そのリフォーム助成とかそういったような制度を住宅政策の中でいかに付けるかということが大変大きなテーマだというふうに考えておりまして、そういったようなことができれば、今申し上げたこの循環がうまくいけるんではないかと。
 したがって、高齢者にとっても子育てにとっても、両方にとってメリットがあるというシステムが組めるであろうと、こう考えているところでございます。
 一応私の報告はこれまでとさせていただきます。

発言情報

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発言者: 佐々木誠造

speaker_id: 1940

日付: 2007-04-25

院: 参議院

会議名: 少子高齢社会に関する調査会