保母武彦の発言 (少子高齢社会に関する調査会)

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○参考人(保母武彦君) 保母です。二点プラス一ですか、質問がございました点についてですけれども、一つは集落がこのようになってきた背景の問題です。
 これについては、特に農村の非常に困難な状況、人口減少地域のところ、過疎地域ですね、ここに対する対策が昭和四十五年から行われました。先ほど匹見町の例を言いましたけれども、ここの大谷町長は過疎町長として非常に有名な方でして、今九十三歳でまだ御健在なんですけれども、是非参考人に呼んでくださいという話ではないんですけれども、その方がこの国会でも参考人として話されたりという形でこれは過疎対策がつくられていった地域です、この地域はね。
 そのころ既に大幅に減少しておりまして、私たち、今から三十年近く前からこの農村問題を調査していまして、過疎対策がもう始まったときには手遅れではなかったかという当時から見解を持っておりました。実際に、いったん下り坂になって底まで行きますとなかなか戻らないと、戻るのが難しいという条件があるんですね。過疎対策が遅過ぎたというのが一つの問題と、今、正直なところ、こういう過疎地域、私がここへ出てきて質問してはいけないんですけれども、国の政治の中でこういう地域はどのように位置付けされているのか。様々な過疎対策はあるでしょうけれども、恐らく、正直言って蚊帳の外に置かれてきたんじゃないかという感じが地方におるといたします。
 これはなぜかというと、これは農村というのはやはり食料生産で重要な地域でもあるわけですけれども、ただ日本の食料供給の問題でいきますと、外国から食料を買ってくればいいということも供給の手段の一つとしてあります。そのために、国内で大量の補助金あるいはその他を使って国内生産をしなくてもいいんじゃないかという考えがあるのかもしれません。そのために、こういう集落あるいは農村地帯についての十分な位置付けがなされていないんじゃないだろうかと、いろいろ見る限りでは私はそういうふうには思っております。それが一つの点です。
 したがって、政治の中でこういう地域を今後どうするのか。そこに人が住んでいるから最後までまあ何とか見てやろうという話なのか、あくまで今後の国土計画の中で農村地域は重要だと位置付けるのか。それを明確にするのが国会の重要な役割だろうというふうに思います。それが一つの点と、今後の打開策、決め手、これは非常に難しいと思います。あえて言っておけば、農村をどう位置付けるかということを是非真っ正面から議論していただきたいと思います。
 これは、九州の宮崎県の寒川という集落が、それが消滅していった記録が農文協という出版社の「ふるさとを忘れた都市への手紙」という本の中で出ておりますけれども、これを同時にNHKの福岡が放映しておりまして、それを私、かつてもらったことがあるんですけれども。
 その中で、諸塚村、東諸塚村、どちらでしたかね、その村長さんが言っておりましたけれども、山の中に一軒の家があって、そこはおばあさんから孫までいるわけですよね。その家に道路を引くために一億円掛かったと。それを村としてはやったけれども、そういうことを国は望んでいるのか望んでいないのか、これをはっきりさせろと、村長だから私はやったんだけれどもという話があるんですよね。それからもう十年以上、もっとたっておりますか、二十年。まだそこらがはっきりしていないということを地方におっては思います。
 それからもう一つ、今回いろいろ、この住生活環境の問題で聞いてきた中では、農村を生産の場として国は位置付けてきたであろうと、食料でありあるいは林産物であり、しかし生活の場としてどう位置付けるかと、この観点で一回農村を見直す必要があるという話を役場といいましょうか支所の方が言っておりました。これも伝えておきます。
 以上です。
 もう一つありましたね、福祉の経済効果。
 これは、公共事業の様々な問題の中でシミュレーションされたのがありまして、どれが一番効果的かという問題で、日本全国から見たら、公共事業、様々違いはないかもしれません。
 地方の一定の限られた地域経済に対する効果となりますと、巨大なダムだとか、あるいは私が島根県におって、これは今やめになりましたけれども、例えば中海・宍道湖のあの淡水化事業ですね。水門を造るだけで百億円。今はもうあれやめましたので、撤去にまた百億円掛けています。そうすると、これは経済効果が高いといえば高いですけれども。ただ、建設などは石川島播磨重工ですから、地元には金落ちません、巨大なのは。
 そうではなしに、もう少し、高齢者などあるいは子供たちが暮らす生活圏というのは非常に狭いですので、その中での環境整備などは地元の土建業者がやれますし建設業者ができますという点では地元にお金が落ちますし、それがまた商業に回ってという循環をしますので、そういった点での、先ほどの経済効果という場合には、日本全体の中ではどうかという問題と、同時にもう一つは、そこでの町なり村の中でどうかと、この両方があって、その町村のところでいえば小さい方が確かに小さな建設会社等もそれを受けることができるというようなことはあるかと思います。
 以上です。

発言情報

speech_id: 116614534X00420070425_014

発言者: 保母武彦

speaker_id: 23220

日付: 2007-04-25

院: 参議院

会議名: 少子高齢社会に関する調査会