高野博師の発言 (政府開発援助等に関する特別委員会)

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○高野博師君 下村参考人、三浦参考人に、貴重な御意見をありがとうございます。
 私が質問したかったことはほぼ先生方の意見の陳述の中にありましたのですが、何点かちょっと確認をする意味で質問させていただきたいと思います。
 ODAが日本の外交の唯一の手段だということはもう議論の余地はないと思うんですが、ODAという言葉はかなり手あかが付いている、マイナスのイメージがあるということも事実だろうと思いますが、これ以上ODAを減らすということは、我が国の国際社会におけるプレゼンスを低下を招くという意味でも、もう限界に来ているのではないかなと思います。
 外交力の強化ということも我が党としても一生懸命力を入れてまいりました。したがって、ODAを量と質という点から充実させるということは非常に重要であろうと思っておりますが、人間の安全保障等のきちんとした理念に基づいてやるということも重要でありますし、最近は国益とか戦略というような点にかなり重点が置かれておりますが、国益ばかりではなくて、地球益、人類益という意味での例えば温暖化対策ということも視点として入れる必要があるんではないかなと思います。今日のテーマであります東アジアの発展と日本のODAということでありますが、正に戦略と国益ということを考えると、東アジアに重点的にODAを供与していくということは重要であろうと思います。
 そこで、東アジア共同体、これを形成する方向にありますが、その過程で日本はどんな役割を果たすのか、あるいは、中国との主導権争い等の政治的な側面もありますけれども、その中で、FTAあるいはEPAとODAとの関係、連携、これをどうしたらうまくやれるのかということが質問であります。経済のグローバル化、市場経済化の中で、格差という問題も起きている、あるいはテロというような問題も起きている、そういう中で、東アジアも国の間の格差が大きくなっている、あるいは国内的にも格差というのが大きくなっているという事実があるんだろうと思いますが。
 ちょっとこれは余談になりますが、中国も格差問題を抱えていると、都市部と農村で十倍と言われているんですが、私が最近一番注目しているというか驚いたのは、中国は農民税を廃止したと。これはもう二千六百年前にできた、春秋時代にできた農民税を廃止した、そして農民の子弟の教育費を無償にしたと。これはすごいことをやるなと思ったんですね。これは、歴代の政権の末期には必ず農民の反乱が起きていたというような歴史的な事実も含めますと、農民税に頼らなくても中国はやっていけるだけの経済発展があったということと、もう一方では、胡錦濤国家主席の主導権は、もう完全に権力は掌握したのかなと。そういうことかと思いますが、日中関係も改善された中で、戦略的互恵関係というのが日中関係の今キーワードになっていると思いますが、具体的にそれをどうするのかという中で、環境問題、エネルギー問題、こういうところがこの戦略的互恵の具体化の中身になってくると思いますが、中国に対しては、もうODAではない枠組みで環境協力をやっていこうということになるんだと思います。
 それから、先ほどのEPAとODAの有機的な効果的な連携、活用という点で、じゃ具体的にプロジェクト、案件を発掘するのはどうするのかということでありますが、私も東南アジアの国々へ行きますと、日本のODAに対しては中国カードを結構切ってくるんですね。中国はこういう分野をやってくれているけれども日本はやってくれないのかとか、中国はこういうかなりの量をやるけれども日本はというような比較をしたり、これに対しては、日本と中国は違うんですよと、そもそも先進国と途上国という関係の中でODAの供与できる分野というのは全然違うんですよと、そういう説明をするんですが、なかなかそこは理解されてない。
 そこで、現場のODAが、いろんなODAの理念とかいろいろ議論の中で、実際に現地に行くと、ODAの案件というのは意外と単純なものしか出てこない。そこに戦略性があるかというと、必ずしもそうでもないと私は感じておりまして、それはやるかやらないのかというような感じでありますので、そのプロジェクトの形成、あるいはプロジェクトの創造、発掘、そこはかなり専門性というか、そういう専門的な人材がいないとなかなかいい発掘ができないんではないかなと思うんですね。そういう中での、さっき言いましたようなEPAとかFTAというこの連携の中で、どういう案件を発掘するかということは非常に重要だと思うんですが、そういう分野でかなり限界があるのかなと私は思っております。
 そこで、お二人の先生にその東アジア共同体をつくっていく中でのEPAと、そしてそのODAとの連携、例えば農業協力をある国でやりましたと、相当そこの農業が発展しましたと、しかし、今度はEPAを結ぶ段階になって、今度は農産物が自由に入ってくると日本の農業が影響を受けますということになっているところもあるわけですね。すると、これは全然全く連携が取れていないということになると思うんです。こういう点についてどうお考えか、お伺いしたいと思います。

発言情報

speech_id: 116614580X00320070222_028

発言者: 高野博師

speaker_id: 15245

日付: 2007-02-22

院: 参議院

会議名: 政府開発援助等に関する特別委員会