下村恭民の発言 (政府開発援助等に関する特別委員会)
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○参考人(下村恭民君) いろいろ重要な問題を数多く指摘されましたので三点に絞ってちょっとお話ししたいと思いますけれども、一つは戦略ということですけれども、我々どうしてもODAの話をしていると、戦略とか国益とか援助を出す側の視点が非常に濃厚になってしまうわけですけれども、この援助の受け手と出し手というのはあくまでもパートナーなわけですから、やはり両方の視点が同じぐらいのウエートを持って考えられる必要があると。
そういう意味で、最近西欧型のドナーの発想に非常に近づいて、援助を出す側の戦略ということが非常に重視されるようになったのはやや危ないなという感じを持っておりまして、やはり援助を受け入れる側の立場に立って、できるだけその強みを生かすという、あるいは彼らの主体性を生かすということもバランスを取って行われる必要があるかなというふうに思っております。
それから二番目に、格差について触れられたわけですけれども、ASEANの国々ですね、特にタイとかインドネシアとかマレーシアが一九七〇年代、八〇年代に経済発展したころは非常に所得格差、地域格差について気配りをしておりました、指導者が。しかし、中国とインドはそれと全く違うと。まず成長して、それから分配するという感じに非常に近くなっていて、これはさっき三浦さん触れられましたけれども、かなりこれも危ういものを含んでいると思います。これはもう時代の流れではございますが、それだけに今先生が言われたその格差についての補正ということが援助する上での非常に重要なテーマになってくると思います。
それから最後に、地域協力とODAの関係。これは三浦さんが先ほどかなり触れられまして、またそこについて御説明されると思いますので、私一点だけ申し上げますと、やはり国同士のバイの、二国間のFTAのようなものが非常に広がっていくと、そこではじき出されるのが結局、東アジアでいうとラオスとかカンボジアのような国々であって、結局それは魅力がないから二国間の枠内に入ってこないわけですけれども、そういうところにやはり参加資格を与えられるようにするためには結局援助しかないと。そのFTAとかEPAとかいうものについては、ODAよりもむしろ民間の役割の方が圧倒的に大きいわけですけれども、それに参加できるようにすることがODAの役目になるのかなというふうに思っております。