保岡興治の発言 (日本国憲法に関する調査特別委員会)
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○衆議院議員(保岡興治君) 山本先生御指摘のとおり、やはりこの憲法の改正手続というものは憲法典に基本的な不可欠な附属法典。どんな立派な憲法であっても、必ず時代の変遷によって、変化によって、その規範性を維持しようとすれば改正を余儀なくされるものであると、人間がつくるもので完璧なものはないと同じように、憲法もまた同じように、社会が変わり、また憲法制定の背景になったいろんな状況が変わる、こういったことがあれば必ず改正ということが起こってくる、そのために憲法典は改正条項を本来その性質上当然持つべきものであると、これはアメリカの大統領であった第三代ジェファーソンがそういう趣旨のことをおっしゃっておられます。
そのように、この我が憲法においても、やはり九十六条はそういった当然の規定として設けられたし、また、当然そういった憲法の重要な附属法典、基本的な不可欠な法典として制定当時にこれは作っておくべきだったということだろうと思います。
しかし、先ほどイタリアの例とか幾つか憲法制定当時と、国民投票法の手続法が遅れて成立された例も葉梨議員から説明がありましたとおり、戦後、自由民主党は、昭和三十年ですか、結党したときに、独立してまだ三年ぐらいしかたってないころで、いろいろ保守の対立というものも非常に激しいものがあったわけですが、とにかく独立国家としての体制を取ろうと、その一番基本は新憲法を制定することであると、我が国国民によってこの憲法というものをしっかり持とうと、自主憲法制定という党是を掲げて、いろいろな対立を乗り越えて保守合同を果たしたと、そういう歴史もありまして、憲法改正並びにその手続法としての国民投票法制に対する努力というものはしようという動きが内閣の調査会ができたり、いろいろ党にもそういった検討の機関を設けるなどして努力はあったと思います。
しかし、政府の方も、国民投票法制について言えば、一時自治省が案を作ったけれども、国会に提出するに至らなかったという背景もあります。それが、イタリアの例にもあったように、戦後の冷戦の構造が与野党の対立を、非常に鋭く対立があって制定が遅れたというお話もありましたが、日本の場合もまた同じように与野党の対立、特に憲法の改正の発言をするだけで大臣の首が飛ぶ、国会が止まると、こういうことは私が五、六年前に法務大臣をやったときですらそういう状況でした。
このところ、憲法調査会が両院に設けられ、これは自公民の超党派の議連の御努力で提案されて国会に設けられたものでございますが、そういう憲法調査会の長年にわたる調査、あるいはその結果を踏まえた議長報告、そして先生のおっしゃる衆議院における国民投票法制について立案、議決できる特別委員会の設置、参議院でも委員会が設置されるなど、本当にこの数年、この十年ぐらい、世界が変わる、そしてアジアの状況も変わる、我が国もバブルの崩壊を経て新しい、西洋に追い付き追い越せの明治以来の国是から新しい国家の目標、理念というものをグランドデザインとしてしっかり持って、新しい時代に、子や孫の時代をつくるために向かわなきゃならぬと。こういう大きな時代の転換期を迎えて、その国の形、姿を決める憲法法典というもの、これをしっかり時代に合うように、未来の国づくりの基本となるような基本法を、憲法を手にしなきゃならぬということがいろいろなところから起こってきた結果が今日のこういった憲法論議、あるいは国民投票法制の制度の議会における法案の提出、審議ということにつながってまいったものと思います。
先生がおっしゃるように、かなり論点も議論し尽くして、そして民主党も提案をしたその提案の相違点もまたいろいろ整理をして、そうしていよいよ衆議院で法案を上げて参議院に今かかっているところでございますので、一日も早くこの法案の成立を、参議院においても慎重に議論をしていただいて、十二分に議論していただいて、成立を図っていただければと期待する次第でございます。
本当に時代が移ってきて、今の憲法では規範性が非常に薄い、事実と憲法とがもう百八十度違ってしまっていると。こういう状況は一日も早く解決して、本当に国の姿、形をしっかり、国民の側から見て国家権力をこうあってほしいと、そしてそれが例えば平和愛好国日本の永久の道を決める憲法、この際きちっと決めようと、そのためにあらゆる議論を尽くして、そして世界が平和に、そして我が国もその中で平和になる憲法を作ろうということであれば、それに沿ったきちっとした議論をして、時代に合う、未来にふさわしい、日本の未来にふさわしい憲法を制定すべきじゃないかと、そう考えているところでございます。