伊吹文明の発言 (文教科学委員会)
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○国務大臣(伊吹文明君) これは、本来、いつの機会か委員会のお定めにより総理が出てまいりましてお答えするのが私は筋だと思いますが、政治家として考えると、これから長寿・少子化社会、国際化社会の中を日本は生き抜いていかねばなりませんので、日本人としてのまずアイデンティティーをしっかり持つと。そして、その中で、大変な国民資源が要る時代になるけれども、その国民資源をつくっていく人が必ずしも十分確保できないという中で、日本が今までどおり国際社会の中で、また国内的にも豊かで認められ得る国家として存在していくための日本人とはどうあるべきなのかということをまずやっぱりしっかりと私は考えるべきだと思います。
やはり、資源がない日本が、物質的な豊かさだけが人間の幸せではありませんが、物質的な豊かさが伴わなければ幸せにならないということを考えれば、やはりここまで来れたのは勤勉な労働力と、そしてしっかりとしたイノベーションを創出できる能力が日本人に私はあったからだと思います。今その二つの力が、残念ながら、いろいろな要素があると思いますが、特にこれはどの国においても豊かになることに伴って生じ得ることなんですが、豊穣の中の精神の貧困のような現象が生じておりますので、それを一つ一つやはり直していくのが教育改革の基本でなければならないと思います。
そういう意味では、やはりとかく経済成長に大切なものとか、あるいはすぐに役立つものとかということに目が移りがちでありますが、そういうことごとをつくり出す能力というのはやはり基礎がしっかりしていなければなりませんし、大学において基礎がしっかりしているというためには、そこへ人材を供給する初等中等教育というものが一番私はやはり基本を成すと思いますので、そのような観点から新しい時代に合った新しい教育の理念を改正教育基本法ということで国会で明確にしていただきましたので、それに従って教える内容、また教えていただく先生の在り方、そしてそれをつかさどっていく教育行政の在り方、そしてなお今回の法律で率直に言って足らざるところ、つまり高等教育、社会教育等の分野の法整備をしていきたいと。
しかし、法律を整備しなければ法治国家ですから物事は改善されませんが、法律を変えただけで物事は改善されるわけではないということは私はよく自覚しておりますので、当然それに伴う人間の在り方、それに携わる人の意識の改革、そして予算の下支えその他のものがすべて一体となって教育改革というものは実現していくべきものだと考えております。