文教科学委員会

2007-06-14 参議院 全513発言

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会議録情報#0
平成十九年六月十四日(木曜日)
   午前十一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任
     岸  信夫君     小泉 顕雄君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     野村 哲郎君     北岡 秀二君
     山本 香苗君     福本 潤一君
     鰐淵 洋子君     山本  保君
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     吉村剛太郎君     関谷 勝嗣君
     山本  保君     鰐淵 洋子君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     荻原 健司君     若林 正俊君
     関谷 勝嗣君     吉村剛太郎君
     福本 潤一君     山本 香苗君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     北岡 秀二君     岩城 光英君
     若林 正俊君     荻原 健司君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     小泉 顕雄君     北岡 秀二君
     山本 香苗君     弘友 和夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         狩野  安君
    理 事
                中川 義雄君
                中島 啓雄君
                佐藤 泰介君
                蓮   舫君
    委 員
                岩城 光英君
                荻原 健司君
                神取  忍君
                北岡 秀二君
                小泉 顕雄君
                中曽根弘文君
                水落 敏栄君
                吉村剛太郎君
                鈴木  寛君
                西岡 武夫君
                林 久美子君
                広中和歌子君
                水岡 俊一君
                弘友 和夫君
                鰐淵 洋子君
                井上 哲士君
       発議者      西岡 武夫君
       発議者      鈴木  寛君
   国務大臣
       文部科学大臣   伊吹 文明君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 塩崎 恭久君
   副大臣
       文部科学副大臣  池坊 保子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡井 敏雄君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       杉田 伸樹君
       文部科学大臣官
       房長       玉井日出夫君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       舌津 一良君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   加茂川幸夫君
       文部科学省初等
       中等教育局長   銭谷 眞美君
       文部科学省高等
       教育局長     清水  潔君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  磯田 文雄君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        樋口 修資君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○派遣委員の報告
○学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○日本国教育基本法案(西岡武夫君外四名発議)
○教育職員の資質及び能力の向上のための教育職
 員免許の改革に関する法律案(西岡武夫君外四
 名発議)
○地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律
 案(西岡武夫君外四名発議)
○学校教育の環境の整備の推進による教育の振興
 に関する法律案(西岡武夫君外四名発議)
    ─────────────
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狩野安#1
○委員長(狩野安君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、岸信夫君及び野村哲郎君が委員を辞任され、その補欠として小泉顕雄君及び岩城光英君が選任されました。
 また、本日、山本香苗君が委員を辞任され、その補欠として弘友和夫君が選任されました。
    ─────────────
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狩野安#2
○委員長(狩野安君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 学校教育法等の一部を改正する法律案外六案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房審議官杉田伸樹君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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狩野安#3
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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狩野安#4
○委員長(狩野安君) 学校教育法等の一部を改正する法律案、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案、教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案、日本国教育基本法案、教育職員の資質及び能力の向上のための教育職員免許の改革に関する法律案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案、以上七案を一括して議題といたします。
 去る十一日及び十二日、当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。
 まず、第一班の御報告を願います。蓮舫君。
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蓮舫#5
○蓮舫君 第一班につきまして御報告いたします。
 派遣委員は、狩野安委員長、中島啓雄理事、荻原健司委員、水岡俊一委員、鰐淵洋子委員及び私、蓮舫の六名であり、去る十一日及び十二日、水戸市及びいわき市において地方公聴会を開催し、それぞれ三名の公述人から意見を聴取した後、各委員から質疑が行われました。
 まず、水戸市での公述の要旨を御報告申し上げます。
 最初に、水戸市教育委員会教育長鯨岡武君からは、政府提出の三法律案は適切なものだが、教育委員会・学校の創意を生かすような弾力的な運用をしてほしい。道徳教育の充実については現行の副読本としての体制で十分であり、総合的な学習の時間を整理して、時間を確保すべきである。教育予算についてはGDPに占める割合が先進国の中で最下位の状況にあり、聖域なき行財政改革の中でも改善してほしい。保護者が集団生活の中での我が子の実態を理解するため、終日学校奉仕活動に参加できるようボランティア休暇の創設を提案したいなどの意見が述べられました。
 次に、中央大学文学部教授池田賢市君からは、ユニセフの調査によると日本では孤独を感じている子どもの割合が高い。学校教育法改正案については、人格の完成や個人の尊厳より国家・社会への貢献を重視する点などが問題である。各学校が編成してきた教育課程に関する事項を文科大臣が定めるとしたことは、地方分権に逆行し地域ごと学校ごとの改善努力を阻害しかねない。教員養成の現場では、教員免許更新制及びメリハリある給与体系の導入に対する不安が広がっているなどの意見が述べられました。
 最後に、元神栖市立神栖第三中学校校長根本健一郎君からは、学力低下、いじめなど様々な課題に対しては、教員・保護者・地域社会が連携し国を挙げて取り組んでいくことが重要である。副校長等は、学校活動の多様化、連絡調整業務の拡大の中で組織の活性化の点から新設されたものであり、校長の識見が問われることになる。学校評価においては、評価内容の分析等により継続的に教育力を高める努力をすべきである。教育委員会については、体制充実による自主性・主体性の確保が必要であるなどの意見が述べられました。
 公述人の意見に対し、各委員より、学校評価の観点として地域住民の満足度を重視する必要性、子どもたちの孤独感及び不登校の要因、教員の定数改善が伴わない前提での副校長等新設の実効性、教員に優秀な人材を集める方策、学校・家庭・地域が一体となった教育システム構築の具体策、これからの校長に求められる役割など、多岐にわたる質疑が行われました。
 続いて、いわき市での公述の要旨を御報告申し上げます。
 最初に、前福島県石川郡石川町教育委員会教育長吾妻幹廣君からは、政府提出の三法律案には賛成の立場である。教育委員会に対し厳しい批判はあるが、その機能の充実強化や国の指導性に対する期待、教育委員会を応援する声が圧倒的であると感じている。また、教育委員会に著しい法律違反や怠りがあった場合に最終的な責任は国が担うという立場から、文科大臣が是正要求や指示ができると定めたことは、当を得たものである。副校長などの新設により学校が組織体として有効に機能することが期待できる。新たな職の活用や市町村への指導主事の配置促進については、財政的な裏付けを求めたいなどの意見が述べられました。
 次に、「わたなべ英数塾」塾長渡辺稔君からは、民主党案は、学校の失地回復のための法案として理解できる。学校は、学力の保証を第一義的に目指すべきであり、学力が付けば世間は納得する。新免許法は、修士まで六年間の教員養成により高い専門性を持つことで保護者、社会にアピールでき、保護者の多くが大卒であることと教師の学歴のアンバランスに対応できる。一方、学費負担の増加や処遇面での裏付け等が課題となる。地方教育行政については、校長だけを矢面に立たせるのではなく、教育委員会が前面に出て具体的に説明責任を果たすべきである。学校教育については、小学校教員の指導技術向上の観点から、理系と文系の複数担任制を提案したいなどの意見が述べられました。
 最後に、元公立小学校教員中島啓子君からは、教育委員への保護者の選任を義務付けたことは女性の割合が低い現状を見ても非常に有意義である。副校長の導入は、多忙な校長を助ける意味から賛成だが、一名増員であればスムーズに行くと思う。指導教諭については、管理職以外の道で頑張っているベテランの励みになるものであり、優遇措置について国の配慮をお願いしたい。教員免許更新制については、ペーパーティーチャーが教職に戻りやすい仕組みとし、採用試験においても門を大きく開いてほしいなどの意見が述べられました。
 公述人の意見に対し、各委員より、教育委員会が機能不全に陥る原因と解決策、学力向上のための動機付けの方法、教育実習を長期化することの意味、教育委員会に対するチェックの在り方、近年の学校教育の現場における変化と対応策、教育における国の関与に対する見解など、多岐にわたる質疑が行われました。
 会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。
 以上で第一班の報告を終わります。
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狩野安#6
○委員長(狩野安君) 次に、第二班の御報告を願います。中川義雄君。
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中川義雄#7
○中川義雄君 第二班につきまして御報告いたします。
 派遣委員は、佐藤泰介理事、神取忍委員、林久美子委員、福本潤一委員、井上哲士委員及び団長を務めました私、中川義雄の六名であり、去る十一日及び十二日、横浜市及び名古屋市において地方公聴会を開催し、それぞれ四名の公述人から意見を聴取した後、各委員から質疑が行われました。
 まず、横浜市での公述の要旨を御報告申し上げます。
 最初に、横浜市教育委員会教育委員長今田忠彦君からは、昨年の教育基本法改正の意義は大きく、今後関係法の整備が望まれる。義務教育の目標の設定や新しい職の設置は、学校教育を充実させるため必要である。地教行法改正案による教育委員会の権限拡大の方向性は評価できる。国からの是正の要求は、限定的かつ慎重に行われるべきだが、国が責任を担保する仕組みは必要である。教員免許法改正の意義を前向きに考えることが大切であり、採用前研修の充実が必要などの意見が述べられました。
 次に、横浜国立大学教育人間科学部教授府川源一郎君からは、教員の研修は教育を受ける子どもたちのために教員自身が自主的主体的に取り組むものであり、必要不可欠なものであるが、免許更新制とリンクさせて失職の不安により教員を萎縮させるような政策は採るべきではない。更新制の実施により、事務量の増大や更新講習の主体となる大学側及び現場の教員の多忙化が予想されるが、子どもたちの未来に直接責任を持つ教員の仕事への信頼感を醸成する施策の実現を願うなどの意見が述べられました。
 次に、元公立小学校長加藤澄代君からは、若い教員が研修のため大事な時期に担任の学級を見ることができないなどの実態があり、教員研修の在り方を考える必要がある。免許更新制は意味があるがその方法については形式だけではない実のあるものとなるよう吟味が必要である。定数不足により教員は担任を持ちながら様々な職を兼務するなど多忙であり、まじめないい先生が壊されるような状況には考慮が必要であるなどの意見が述べられました。
 最後に、弁護士阪田勝彦君からは、政府案は、教育課程に関する事項、学校評価の基準、免許状更新講習の手続や内容などを国が定めることとしており、それらの基準を国に白紙委任するかのような法案は危険である。文部科学大臣に是正要求や指示の権限を与えることとしているが、いじめや未履修問題を理由に地方自治法の規定以上に指示権限を強めることは地方分権の趣旨に反することになるなどの意見が述べられました。
 公述人の意見に対し、各委員より、改正案により期待される教育委員会の意識改革、教員免許更新制導入についての見解と教員の養成・研修の在り方、小学校の学級編制の適正規模についての見解、校長のリーダーシップ発揮と学校の組織運営の在り方など、多岐にわたる質疑が行われました。
 続いて、名古屋市での公述の要旨を御報告申し上げます。
 最初に、前東海市教育委員会教育長深谷孟延君からは、学校教育法改正案について、改正の趣旨が現場に伝わる工夫をしてほしい。新しい職の設置が組織としての学校に生まれ変わる一助となれば良い。地教行法改正案については、国と地方の役割分担・相互協力に関し更に議論を深める必要がある。教育は長いスパンで考える必要があるため首長ではなく教育委員会が担うのが順当である。教員免許更新講習の内容を時代に即したものにすべきであるなどの意見が述べられました。
 次に、愛知教育大学長田原賢一君からは、教員養成の多様化の観点から、本学では教員養成段階に、大学院との連携による六年一貫の教員養成コースと既卒者用の小学校教員免許状取得コースの二つを設けている。大学院レベルの教員養成は、中教審答申でも検討課題とされており、是非必要である。教員免許法改正案による更新講習時間は三十時間では不十分であり、少なくとも六十時間は必要などの意見が述べられました。
 次に、東京福祉大学名誉教授、学校法人中島恒雄学園理事坪田要三君からは、現在の教育論議には人づくりという視点からの検討が欠けている。場当たり的な教育改革では、教育に関する国としての考え方が末端まで浸透しない。米国では教員免許の更新制が導入されており、我が国においても教員免許制度の改革は必要と考えられるなどの意見が述べられました。
 最後に、名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授、名古屋大学教育学部附属中学校高等学校校長植田健男君からは、学校教育法改正案では、小中学校を義務教育としての普通教育、高等学校を高度な普通教育に分け中等教育の概念をあいまいにしている。教育は「異質共同」の体制で仕事を進めるものであり、副校長等の職の創設は教職員を上意下達の構造にはめ込むことにつながる。学校評価に国が画一的な基準を定めたり、評価結果を財源配分の基礎にするようなことはすべきでないなどの意見が述べられました。
 公述人の意見に対し、各委員より、教員免許更新制に係る費用負担及び講習内容の在り方、未来への先行投資としての教育予算に関する見解、学校の自己点検・評価による学校改善の可能性、十年経験者研修の評価など、多岐にわたる質疑が行われました。
 会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。
 以上で第二班の報告を終わります。
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狩野安#8
○委員長(狩野安君) これをもって派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、地方公聴会の速記録につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。
    ─────────────
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狩野安#9
○委員長(狩野安君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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西
西岡武夫#10
○西岡武夫君 西岡武夫でございます。
 実は、官房長官と大臣、文部科学大臣とがおそろいのところで質問申し上げたい点が幾つかございますので、その点は官房長官がお見えになりましてからお話しすることにいたしまして、大臣にまず基本的なことをお尋ねしたいんですけれども、鳴り物入りで今回の教育関係三法を政府はお出しになっておられますけれども、率直に申し上げて中身が全然ないと申し上げざるを得ないんです。と申しますのは、一体、安倍政権が教育を最大の政策課題にするんだとおっしゃっている以上、安倍内閣として、すなわち伊吹大臣として日本の教育改革の全体像というものをまず持っておられるだろうと、その全体像の中で今回国会に提出した法案はこういう位置付けなんだと、その全体像をお示しをいただきたい。
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伊吹文明#11
○国務大臣(伊吹文明君) これは、本来、いつの機会か委員会のお定めにより総理が出てまいりましてお答えするのが私は筋だと思いますが、政治家として考えると、これから長寿・少子化社会、国際化社会の中を日本は生き抜いていかねばなりませんので、日本人としてのまずアイデンティティーをしっかり持つと。そして、その中で、大変な国民資源が要る時代になるけれども、その国民資源をつくっていく人が必ずしも十分確保できないという中で、日本が今までどおり国際社会の中で、また国内的にも豊かで認められ得る国家として存在していくための日本人とはどうあるべきなのかということをまずやっぱりしっかりと私は考えるべきだと思います。
 やはり、資源がない日本が、物質的な豊かさだけが人間の幸せではありませんが、物質的な豊かさが伴わなければ幸せにならないということを考えれば、やはりここまで来れたのは勤勉な労働力と、そしてしっかりとしたイノベーションを創出できる能力が日本人に私はあったからだと思います。今その二つの力が、残念ながら、いろいろな要素があると思いますが、特にこれはどの国においても豊かになることに伴って生じ得ることなんですが、豊穣の中の精神の貧困のような現象が生じておりますので、それを一つ一つやはり直していくのが教育改革の基本でなければならないと思います。
 そういう意味では、やはりとかく経済成長に大切なものとか、あるいはすぐに役立つものとかということに目が移りがちでありますが、そういうことごとをつくり出す能力というのはやはり基礎がしっかりしていなければなりませんし、大学において基礎がしっかりしているというためには、そこへ人材を供給する初等中等教育というものが一番私はやはり基本を成すと思いますので、そのような観点から新しい時代に合った新しい教育の理念を改正教育基本法ということで国会で明確にしていただきましたので、それに従って教える内容、また教えていただく先生の在り方、そしてそれをつかさどっていく教育行政の在り方、そしてなお今回の法律で率直に言って足らざるところ、つまり高等教育、社会教育等の分野の法整備をしていきたいと。
 しかし、法律を整備しなければ法治国家ですから物事は改善されませんが、法律を変えただけで物事は改善されるわけではないということは私はよく自覚しておりますので、当然それに伴う人間の在り方、それに携わる人の意識の改革、そして予算の下支えその他のものがすべて一体となって教育改革というものは実現していくべきものだと考えております。
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西
西岡武夫#12
○西岡武夫君 私がお尋ねしているのは、教育の問題というのは、国民全体、親たる者はみんなそれぞれの教育論を持っているわけですね。それで教育問題というのは、非常に専門的であるようですけれども、極めて一般的な議論ができるわけですね。それだけになかなか焦点が定まらないという難点がございます。
 しかし、少なくとも安倍政権が教育を最大の政策課題にするんだとおっしゃっているならば、やっぱり政治がやれることというのは私はある程度限られていると思うんですよ、国民の心の中にまで踏み込むことはできないわけですから。しかし、その教育の環境、条件をどうやって整備するかということがやはり私どもの責任であり政府の責任だと。
 このように考えますと、少なくとも安倍政権が教育を最大の政策課題だとおっしゃっていたんですから、学校教育法の改正をお出しになる以上は、現在の六三三四という学校制度をこのままでいいのかどうかという御議論が十分された上で、された上でお出しになってくるだろうと私どもは思っていたわけです。
 私ども民主党としても、実はこれ大変な、六三三四という区切り方というのは、子供たちの発達段階に応じてどういう学校の体系がいいかというのは非常に難しい、専門的なやはり検討も必要な分野でありますから、民主党としても今国会に学校教育法の改正、実は出したいと思っていたんです。しかし、そこまでは残念ながら力が及ばなかったんです、大変な大きな問題がございますから。
 しかし、政府が出してくる以上は、この問題に触れられなかったということは一体どういうことなのか、今後どうされようとしているのか、その具体的なお考え方をお聞きしたいんです。
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伊吹文明#13
○国務大臣(伊吹文明君) 西岡先輩がおっしゃるとおり、教育というのは、率直に言って各々の人の価値観、それから政党のしたがって理念の在り方によって理想の日本人像というのは違ってまいりますから、すべての人が一応のことは議論できる分野だと思います。それはお説のとおりです。そして、西岡先輩のかねてからの六三三四の切り方についての御意見も、西岡先生の御意見としては私は承知はいたしております。
 しかし、今回の改正教育基本法でも、例えば義務教育の年限というものを必ずしも法律の中で明示はしておりませんですよね。それは、今後いろいろ議論があることも当然想定をいたしておりますし、同時に、子供の発達段階が極めてスピーディー、スピードが上がってきておりますから、六年という切り方がいいのか、あるいはその前の何年かを使うのか、あるいは義務教育ということになると高等学校の問題をどうするのか。高等学校というのは、実は、御承知のように今回の教育基本法の中にも高等学校という項目をあえて設けていないのは、ある意味では御批判があるかも分かりませんが、我々も我々なりにいろいろなことを考えているということです。
 そこで、今回学校教育法を出すときに、六三三四というものを考えて出してこなかったじゃないかという御批判については、これは、今それは確かに大切なことではあるんですけれども、緊急にやらねばならないことを我々はお願いしているんで、そのことを決して検討していないとか、ほうっておいていいというふうに思っているわけではありません。
 ただ、これは何度も申し上げているように、ある程度六三三四というものが定着をしているだけに、これを動かすにはかなり国民的な合意も要るでしょうし、また、義務教育化していく場合は財源の問題も必要になるでしょうから、これは、だけれども、必要なことがあれば、学校教育法というのは別に、教える内容だとかなんかはともかく、制度的な問題については国民的な合意ができ上がれば来年またもう一度やったって構わないわけでして、国会はそれぐらいのやはり国民に対する責任と自信を私は持っていただいたらいいんで、今回出したのに入っていなかったからどうだということは、これは先輩に対して大変失礼なことかも分かりませんが、私はそうこだわっていただかなくてもいいんじゃないかと思います。
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西
西岡武夫#14
○西岡武夫君 いや、私がそういうことを申し上げているんじゃなくて、安倍政権の文部大臣として教育を最大の政策課題に掲げておられる以上、学制の、学校制度の問題は避けて通れないだろうと、しからば、どう具体的にお考えなのかと。先ほど申し上げたように、私ども民主党としてもこれの検討に入り掛けているんですよ。ただ、答えが出てないんです、正直に申し上げて。
 私は個人的な考えがございます。しかし、民主党として国会に提案するまでには至っていない。しかし、変えなきゃいけないと思っているわけですね。
 今大臣もお認めになったように、子供たちの発達段階、心身ともに発達段階が大きく変わってきている。このことは今始まったわけじゃないんです。これまでも申し上げてきたことでございますけれども、私が文部省の政務次官をやりましたのが昭和四十五年から六年にかけての一年半でございますけれども、その間にあの有名な四六答申と言われている、森戸辰男先生が中教審の会長であられて、第三の教育改革と称した答申を出されたわけですね。そのときから学制改革の問題は提起されているわけです。長い歴史があるわけです。
 そして、これもこの前どこかの委員会で、何日かの委員会で申し上げたんですけれども、昨年だったと思いますけれども、文部省は、当時の文部省、その後の文部省も研究指定校というのを設けて、特に私学の場合には、御承知のとおりに幼稚園から大学まで持っている私学がたくさんありますから、私学の場合には中高一貫の実験といいますか、研究をやるということは非常に簡単なんですね。
 したがって、私学に対しても研究指定校としていろんなデータを集めて、文部科学省には膨大な私はデータがあると思うんです。その上に立って、学制改革をどうお考えなんですかと申し上げているんです。あるいは、お考えがないのかどうか。それを国会に振ってこられていますけれども、それは私どもが近く考えまとめますけれども、政府はどうなんですかと申し上げているんです。
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伊吹文明#15
○国務大臣(伊吹文明君) 政府としては、今回は現在の六三三四を前提にお願いをしているわけですから、当面これで行くということです。そして、しかし将来についてどうするかということはいずれ検討しなければなりませんが、先生も文部大臣をおやりになり、政権与党の中においでになったから、これは私がこういうことを申し上げるまでもないことですけれども、時間との闘い、予算の制約の中でどれにプライオリティーを置いて政策を提言していくかということですから、当面は政府としては六三三四という前提で今お願いをしている。しかし、その中で緊急にやらねばならないことを取りあえず三法案としてお願いしたということです。
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西
西岡武夫#16
○西岡武夫君 いや、私が申し上げているのは、今国会にお出しになっていないということはもう明らかですから、そのとおりなんですけど、将来は分からないとおっしゃったですね。将来といっても、安倍政権が教育改革を最大の政策課題にしておられるんですから、学制改革は避けて通れないと思うんです。避けて通れないと思うんです。
 じゃ、避けてお通りになるんですか。
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伊吹文明#17
○国務大臣(伊吹文明君) これはちょっと西岡先生のホームグラウンドに引っ張り込まれちゃ困るんですが、六三三四という制度を変えるのが教育改革であるとは私は思いません。それも重要な一つかも分かりませんが、安倍総理が考えているのは緊急にやらねばならない今の三法案を取りあえずお願いしていることで、教育再生を言う限りは、あるいは最優先課題としている限りは、六三三四の制度を変えて持ってこなければ教育改革にならないとは私は思いません。
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西
西岡武夫#18
○西岡武夫君 じゃ、それでは申し上げますけれども、この教員免許の更新制も、大臣、本来なら、本来なら教員養成のところをしっかりすべきだと。これには、大臣、賛成されますか。
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伊吹文明#19
○国務大臣(伊吹文明君) それは賛成いたします。それは再三答弁を申し上げているとおりです。
 ただ、それをどういう形でやるかというのは、これはいろいろな制約の中でやるわけですから、今回の例えば出した法律の中にそれが書かれていないからけしからぬというお話では私はないと思いますよ。教員養成についてどうするかということについては、中教審のいろいろな御提言を受けて我々は我々なりに一応、中教審の御提言の中で準備をしていることについて必要であれば参考人から答弁をさせますが。
 例えば、民主党さんの御提言のように修士、つまり六年制にしなければ教員養成に手を付けてないんじゃないかということにはならない。それは、六三三四に何らかの手を付けて出してこない限り最優先課題であると言っているのに手を付けてないじゃないかという論理と一緒で、私は必ずしもそうとは考えておりません。
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西
西岡武夫#20
○西岡武夫君 大臣、私が先ほど冒頭に申し上げたように、安倍政権の教育改革の全体像はどうなっているのかと申し上げているわけですね。場当たり的にやれるところからやっていこうということじゃ本格的な改革とは言えないと思うんです。
 教員養成の問題というのは、これは私は教育の基本的なところだと思うんですね。それは大変だから、予算とかいろんな制約があるからとおっしゃっているけれども、だからこそ安倍総理は教育を内閣の最大の政策課題とおっしゃっているこのときにやらないで、いつやるんですか。
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伊吹文明#21
○国務大臣(伊吹文明君) 例えば、西岡先生が考えておられるのは、それで私は何らそのことに反論はいたしませんよ。しかし、考えておられるとおり安倍さんが出してこなければ教育再生の熱意がないじゃないかとおっしゃるのは、少し違うんじゃないですか。
 例えば、昨年七月の中教審の答申はどういうことを言っているかといえば、教職の意義や生徒の理解、教科指導力等教員に必要とされる基礎的な資質について最終的に確認するため、教職課程の総仕上げの科目として教職実践演習を必修化する。教員養成を行う大学に対する是正勧告や認定の取消しの制度化をする。大学と教育委員会の連絡協議会の設置等により、教育実習の改善充実を図る。新たな教員養成の一形態として平成二十年度より教職大学院を開設すべく既に必要な措置を実施すると。こういうことを重ねているわけですよ。
 ですから、我々は何も教員養成が不必要だとかやらなくてもいいなんて言っているわけじゃないんです。それは先生がおっしゃっているとおり、教員というのはやっぱり一番教育の中のコアの部分ですからね、それは同じ気持ちを持っております。そして、いずれ、来週になると思いますが、いわゆる骨太の方針というものを政府が発表をするでしょう、安倍内閣としてですね、閣議決定をして。その中にも、今回はやはり安倍総理の考え、内閣としての考えがにじみ出るように教育再生という大きな項目を立てて、かなりやれることを私は書き込んだつもりでおります。
 ですから、民主党さんの案は案として今後も我々も参考にさせていただきますけれども、今申し上げたようなことじゃなくて、予算をきちっとまず確保して、そして六年制にしてということは、それはそれで一つ大切な御提言だと思いますよ。しかし、そういうことをすべてセットにしないと教育再生のスタートができないような話になっちゃうと、とても、時間との闘いで、そこまでの余裕はないということを申し上げているわけです。
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西
西岡武夫#22
○西岡武夫君 それでは、安倍政権は教育改革の全体像はお持ちなんですね。
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伊吹文明#23
○国務大臣(伊吹文明君) それはもちろん持っているわけですよ。いるけれども、西岡先生が考えておられるようなプレゼンテーションをしなければ持っていないということにはならないでしょう。
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西
西岡武夫#24
○西岡武夫君 しかし、全体像を国民の前に示すのが当然なんじゃないですか。
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伊吹文明#25
○国務大臣(伊吹文明君) いや、簡単に言えば、それは安倍首相が施政方針演説や所信表明で申し上げている、基礎的な学力と、そして規範意識を十分身に付けた日本人を育て上げるというための教育の諸改革を行っていくということに尽きるわけです。
 それをどういう形でやっていくかというのは、毎年毎年の予算、今までの法律、国民の理解、こういうものを考えながらやっていくわけで、私が野党なら、それは西岡先輩がおっしゃったのと同じような攻め口をしますよ、それは。しかし、それをすべてそろわなければ教育再生にならないんじゃないかということは、それはちょっと私は違うと思いますね。
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西
西岡武夫#26
○西岡武夫君 いや、私は野党だから、別に責めているんじゃなくて、聞いているだけなんですね。
 私はこの前の委員会でも申し上げたんですけれども、そうおっしゃいますけど、自民党政権の中で中曽根政権のときにやはり教育改革というものを大きく打ち出されたときがあったわけですね。そのときには全体像をお示しになったんですよ、総選挙を前にして。だから、示せないというはずはないんですよ。お持ちならお示しになるべきじゃないですか。持たないなら持たないとおっしゃったらいい。
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伊吹文明#27
○国務大臣(伊吹文明君) 再三申し上げているとおり、それは総理が先ほど申し上げたような日本人をつくっていく上で今の教育の在り方は必ずしも適切じゃないと考えたから、まず教育基本法を改正をし、何を教え、新しい時代の教育の理念は何かということをまず明確に政府としては国民の代表にお示しをして、国民の代表がそれを認めていただいたんじゃないんですか。ですから、教育基本法に従って私たちは必要な法律の整備をし、予算を整備をし。
 それなら私、逆に非常に疑問に思うのは、中曽根内閣のときは全体像を示したとおっしゃいましたけれども、そのときは教育基本法は変わっておりませんね。教育基本法を変えたという国権の最高機関の意思そのものがこれからの教育にどう取り組んでいくかという一番大きな意思表示の具体像じゃないんですか。
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西
西岡武夫#28
○西岡武夫君 今回改正されました、全面改正というふうにおっしゃっていますけれども、教育基本法は、そういう具体的な教育改革の中身については触れていないわけですね、理念だけですから。ですから、それを受けて、少なくとも内閣は教育改革の全体像をまずお示しになる必要があったと思うんです。それを持っておられるからこそ、教育改革、教育基本法の改正ということに乗り出されたんだと私は思っているわけですね。そこのところがちょっと私には理解できない。
 しかし、大臣のお立場でこれ以上おっしゃれないんでしょうけれども、一つはっきりさせておきたいことは、先ほど私が森戸辰男先生の中教審の会長のときの答申、四六答申のことを申し上げたんですけれども、私は、元々、審議会であるとか教育再生会議だとか諮問会議だとか、こういうやり方は私は間違っていると思っているんです。
 と申しますのは、政府がこういう考えを持っていると。ついては、それこそ専門家の皆さん方に、例えば学校制度を変える場合でも、教育学から児童心理学から、あらゆる専門の分野の方々にお集まりをいただいて、学校の区切り方をどうしたらいいのかということは検討していただくと。しかし、基本的な方針は政府が示して、こうやりたい、これを具体化するためのどういうやり方があるかということを検討してもらいたいと。テーマは、問題点は明確に政府が、政治が示して、そして専門家の皆さん方の意見を聴くと。ところが、今は逆転しているじゃありませんか。このやり方は、官房長官、どうお考えですか。
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塩崎恭久#29
○国務大臣(塩崎恭久君) 教育再生会議につきましてはもう何度か申し上げたところでございますけれども、安倍総理の教育改革に懸ける、あるいは教育再生に懸ける思いを持ってこの十七名の方々と一緒に議論をしようということで、閣議決定によって設けられたものでございます。
 様々な立場の方々が構成員としておられて、その中で様々な議論が行われ、当然、文科大臣そして私も入り、当然総理も入って自由な議論を行っているわけであります。
 報告書が二回提出をされておりますけれども、これに基づいて文科省において法律改正が必要なもの等々については正式な審議会である中教審、ここで御議論を改めてまたいただいて、そこで再生会議で示された問題点は問題点として正面から受け止めていただきながら、また中教審としての検討を加えていただいて、今回、三法案として法律を御審議をお願いする形になって、内閣の責任においてこれを閣議決定して提出をさせていただいたと、こういうプロセスであるわけでございます。
 したがって、教育再生会議の位置付けというのは、今申し上げたように、自由な意見を幅広く行っていただき、それを参考にしながら、また文科省において文科省の範囲の法律改正についてはその中の意見も取り入れながら、あるいは参考にしながら、文科省なりの考え方、そして内閣としての考えで最終的には法律としているという、そういうプロセスではないかというふうに考えておるところでございます。
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