西島英利の発言 (本会議)

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○西島英利君 私は、自由民主党並びに公明党を代表して、ただいま議題となりましたいわゆるパートタイム労働法改正案について、総理及び厚労大臣に対し質問をいたします。
 本論に入ります前に、冒頭、総理に初訪米を含むこのたびの歴訪についてお伺いをいたします。
 総理は、先月下旬の訪米に続き中東五か国を大変過密な日程で歴訪され、三日帰国されました。本当にお疲れさまでございました。
 この一連の外国訪問を通じて、総理は改めて日米関係が我が国外交の基軸であることを示すとともに、日本が中東との関係を一層強化する姿勢を鮮明にされたと受け止めております。特に中東では、総理は困難な状況下で活躍する自衛隊員諸君を激励されました。これは、我が国として中東地域の安定化とテロとの戦いに継続して取り組む意思の表れであると評価をいたしております。
 日米首脳会談におきましては、日米両国が北朝鮮の拉致、核問題などにおいて今後とも完全に一致した対応をしていくという、北朝鮮に対して強いメッセージを発することに成功いたしました。また、両首脳同士において、安全保障問題から環境問題など幅広い分野に至るまで率直な意見交換が行われ、地球温暖化に関しては共同声明を発表するなど、様々な合意を得ることができました。私は、この訪米を通じて、掛け替えのない日米同盟を相互に強く確認し合うことにつながったと考えております。
 そこで、まず改めて安倍総理から、このたびの歴訪の成果についてどのようにお考えになっておられるかお聞かせください。
 次に、本論のパートタイム労働法改正案について伺ってまいります。
 パートタイム労働者は、昭和五十五年は三百九十万人でありましたが、平成二年には七百二十二万人、そして平成十二年では一千五十三万人と増加の一途をたどってきました。そして、平成十三年以降は一千二百万人台で推移しており、今や雇用者全体に占める割合は二二・五%に達しております。
 この増加の要因としては、労使双方のニーズに基づくものであるという見方もありますが、やはりバブル崩壊後、企業は生き残りを図らなければならず、厳しい人件費カットの一環で正規社員から非正規社員へのシフト化を大幅に進めたことが大きいのではないかと認識をいたしております。
 昔はパート労働者といえば補助的な労働者であるというイメージでしたが、今や基幹的な役割を担うパート労働者も増加しており、日本経済を支える労働力として欠かせない存在となっているとの指摘があります。正社員的な働きをしているパート労働者の中には、必ずしも自らの待遇は働きに見合っておらず、働きに見合った待遇を強く求めるという声があります。
 パートタイム労働法は平成五年に制定されましたが、正社員とパート労働者の均衡待遇の問題に関しては、労使間において激しい対立が続き、指針の改定等はあったものの、今まで法制化にはつながりませんでした。
 安倍内閣は、昨年十二月、再チャレンジ支援総合プランにおいて、具体的な再チャレンジ支援策としてパートタイム労働法の改正を打ち出しました。総理がこの再チャレンジの大きな柱の一つとして正規・非正規労働者間の均衡処遇を目指すという強い姿勢を示されたことが、十四年ぶりとなる抜本的な改正案の提出につながったと理解をいたします。
 そこで、安倍内閣として、再チャレンジ支援策の大きな柱として、何ゆえにパートタイム労働法の改正を打ち出したのか、併せて本法案の意義について総理にお伺いをいたします。
 次に、均衡待遇について伺います。
 先ほども少し触れましたとおり、パートタイム労働法制定以来、労使間において大きな課題となっておりましたのが正社員とパート労働者間との均衡待遇の問題でございます。
 本法案においては、事業主はすべてのパート労働者について正社員との均衡の取れた待遇に努める旨の規定が盛り込まれました。また、正社員と職務、転勤の有無等の人材活用の仕組み、契約期間が同じと見ることができるパート労働者には、賃金、教育訓練、福利厚生の待遇面において差別的な取扱いが禁止となりました。パートタイム労働は多様な働き方であるため、一律の雇用管理や処遇は困難であることから、働きに見合った公正なルールを設けることが必要であります。
 本法案では、パート労働者を正社員との態様の違いに応じて、同じと見ることができる者、職務と人材活用の仕組みが同じ者、職務が同じ者、職務も異なる者という四類型に分け、賃金、教育訓練、福利厚生の待遇面において法的な取扱いがそれぞれ異なっております。このように、法律上きめ細かい規定となっていることは妥当であると考えます。しかし、非常に分かりにくいという面もあります。また、パートの二極分化が進み、差別禁止の対象とならない多くのパート労働者の処遇が悪化するのではという懸念もあります。政府には、こうした声にこたえ、しっかりと丁寧に説明責任を果たすべきだと考えます。
 そこで、正社員と同じと見ることができるパート労働者の定義を伺うとともに、それ以外のパート労働者の態様ごとの待遇面の違いについて、柳澤厚生労働大臣に分かりやすく御説明をお願いいたします。
 次に、正社員への転換の推進についてお伺いいたします。
 十五歳から二十四歳の若年層の約四割はパート労働者であり、男性のパートも全体の約三割を占めております。就職氷河期においては、新規採用の抑制を図ったために、正社員になりたくても非正規社員にとどまらざるを得ない者も多くおりました。最近、一部の企業では非正規労働者の正社員への登用をするといった明るい動きも見られるようになりました。しかし、まだまだ、一度パートになると、正社員への意欲があってもそこから脱することができず、格差の固定につながっていることが多いのが現状ではないかと思います。安倍内閣の目指す再チャレンジ社会を築いていくためにも、正社員に移行したいという意欲のあるパート労働者に対しては、企業を含めて社会全体で応援をしていくべきだと考えます。
 そこで、本法案では、正社員への転換の推進のために企業に対してどのような取組を求めているのか、厚労大臣にお伺いをいたします。
 次に、事業主への支援について伺います。
 日本の景気全体が回復しているとはいえ、多くの中小企業者や零細企業はまだまだ厳しい状況が続いております。現に、今回の法改正による均衡のための負担に耐えられないという不安の声も聞こえてまいります。しかし、我々政権与党は、こうした現状を格差ととらえて批判するだけでなく、こうした厳しい状況の中、均衡処遇を推進するために積極的に取り組む事業主などに対しては、国からの支援をしっかりと行い、十分な配慮をしていかねばなりません。そうしなければ、むしろ雇用の受皿の消失やパート労働者の待遇の低下にもつながりかねないのではないかと考えます。
 そこで、国として事業主に対してどのような支援策を講じていかれるのか、厚労大臣にお伺いをいたします。
 最後に、企業の活力を高め、我が国経済が発展するためにも、パート労働者が意欲を持って働くことが可能となる環境整備が急務であることを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 116615254X02220070509_005

発言者: 西島英利

speaker_id: 15730

日付: 2007-05-09

院: 参議院

会議名: 本会議