櫻井充の発言 (本会議)

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○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。
 私は、民主党・新緑風会、社会民主党・護憲連合、そして国民新党を代表いたしまして、三党共同提案による厚生労働大臣柳澤伯夫君に対する問責決議案に対して、賛成の立場から討論を行います。
 討論に入る前に、昨日、宮澤元総理大臣がお亡くなりになりました。心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 そして、昨日、理事会で合意のないままに、そしてまた野党から理事会協議の申出があったその動議も無視して強行採決が行われたということに対して、強く抗議を申し上げます。
 さて、私が柳澤大臣に初めて質問させていただいたのは、柳澤大臣が金融再生委員会の委員長をなされていたときでございます。その当時から答弁が長く、禅問答のようなことで、金融の素人には、私になかなか分かり難いものもございましたが、様々な点で柳澤大臣から御指導をいただきました。金融のプロはさすがに違うなと感心もさせられました。
 二〇〇一年から金融担当大臣になられまして、その当時、柳澤大臣はアジア・ウイークのアジアのパワフルな政治家の第八位にランクインされました。それだけではございませんで、ビジネス・ウイークではアジアの星にも選出されております。考えてみますと、あのころが柳澤大臣が一番輝いていた時代かもしれません。
 なぜならば、竹中大臣が登場し、残念なことですが論争に敗れて、そして実質上、金融担当大臣から更迭されました。しかし、私は、柳澤大臣がもし金融担当大臣を務められていたら、今のような市場原理絶対主義のような社会ではなくて、もっともっといい社会になっていたのではないのかなと、そうも感じております。
 まあ、昔話はここまでにしまして、ところで、大臣は今回の年金の問題に関して本当に重要な問題だとお考えなんでしょうか。私は、本来であれば、柳澤大臣がリーダーシップを取ってこの問題の解決に当たらなければいけないはずなのに、その対応を見ていると、我々野党がいろんな提案をしてから、それを受けて解決に当たられている。すべてが後手後手に回っているような感じがいたします。
 国民の皆さんが今一番関心を寄せているのは何といっても年金の問題です。それはなぜなのかといえば、将来の自分の人生の設計が懸かっているからです。国民の皆さんはお金が余っていて、余裕があって、そして保険料を支払っているわけでもありません。これだけ景気が悪くなって所得が低くなっていく中で、将来の安定を確保したいからこそ今頑張って年金の保険料を支払っているわけです。しかし、自分たちが支払ったその年金の保険料に見合いの年金が受け取れるかどうか分からなくなっていくわけですから、怒りが出るのは当然のことですし、そして不信感が募ってくるというのは至極当然のことなんだろうと、そういうふうに思います。
 この国民の皆さんの怒りや不信感に拍車を掛けているのは、厚生労働省や社会保険庁の役人の対応です。彼らが今まできちんとした仕事をしてこなかった、帳簿の台帳の整理もちゃんとしてこなかった、だからこういう問題が起こっているにもかかわらず、結果的には、国民の皆さんが年金手帳を持っていないとか領収書を持っていない、そういう国民の皆さんに責任を転嫁して、国民の皆さんの大事な年金そのものが給付されないという、そういった事件が起こってきているわけです。
 今の厚生労働省そして社会保険庁のトップは柳澤大臣であって、その責任は極めて重いと言わざるを得ません。しかし、柳澤大臣はボーナスの一部を返上するというパフォーマンスは取られましたが、私は、そういうことで責任を取るのではなくて、やはり職を辞して責任を取ることが極めて重要だと考えております。
 六月二十一日の委員会で、私は大臣にお辞めになる意思がないかどうか確認をいたしましたが、お辞めにならないということでございました。私は、問責決議案など出したいと正直思っておりません。しかし、御自身がお辞めにならないというのであれば、こういう形でお辞めいただくしかないのかなと、本当に断腸の思いで出させていただきました。私が以下、これからこの問責決議案に賛成する理由を述べさせていただきます。
 第一に、大臣としての政治姿勢でございます。
 大臣は、国民の代表として厚生労働省という役所をコントロールする立場で行政を行うのか、それとも役所の代弁者として、大臣として行動を行うのかによって全然違ってきます。今の大臣の行動を見ていると、例えば津田議員がうそつき官僚とやゆした、そういった部下のしりぬぐいをして、さらに、今までちゃんと働いてこなかった役所の人間に対しても、まあこれからまじめに働くから何とかしてやってくれと。それは、本当にいい人で、優しい上司だと思いますよ。しかし、一方でいうと、そういうことは国民の皆さんから見たら、本当に国民の側に立って行政を行っているのかどうかという点からすると甚だ疑問でなりません。本来、国民の代表者であるとすれば、国家公務員は公僕として働くのが当たり前ですから、問題の本質は一体どこにあるのか、そのことをきちんと分析して責任を取らせる必要性があるんだろうと、私はそう思います。
 第二に、我が党の長妻昭議員始め多くの皆さんからこの問題を指摘しておりましたが、その点について真摯に受け止めていただけなかったことです。
 これは柳澤大臣だけではなくて、実は安倍総理も同じでございます。二月の衆議院の予算委員会の際に、安倍総理は長妻議員からの質問に対して、国民の不安をあおるような発言をするべきではないという趣旨の御答弁をされました。今、この問題の不信感をあおっているのはだれでしょうか。安倍総理でしょう。そして、柳澤大臣そのものじゃないですか。
 さらに、安倍総理は何とおっしゃったのかというと、平成九年の基礎年金番号を振ったのは菅さんだから、我が党の菅代表代行に責任があるようにおっしゃいますが、自分の責任を棚に上げて菅さんに責任転嫁するなんというのは一国の総理としてふさわしいとはとても思えません。
 第三に、国会軽視です。
 昨日、我が党の足立委員が柳澤大臣に最後に質問いたしました。これで本当に質疑時間は十分なんだろうか。柳澤大臣はそれに対して、時間は十分だと、そしてしかも、法案を早く通してくれという趣旨の御答弁をされましたが、採決するかしないかは、これは国会で決めることであって、大臣がそういうことを言うのは僕は筋が違うと思っております。しかも、国会の審議というのは審議時間で決めることじゃありません。衆議院の何分の一だとか衆議院を超えたとか、そんなことで決められたら参議院の存在価値などなくなります。
 むしろ、大事なことは審議の内容が尽くされたかどうかであって、昨日は我が党の福山哲郎議員が要求して、また新しい資料も出てきたんです。そういう点からいえば、まだまだ審議しなければいけないものに対して、もう審議は十分だと、こういう発言をされる方が私は大臣としてはふさわしいとはとても思えません。
 第四に、答弁にふさわしくないところが幾つか見られたことでございます。
 例を一つだけ挙げさせていただきますが、例えば社会保険審査会とそれから第三者委員会のことに関して、これまで大臣は、社会保険審査会で棄却されたものに関しては諮問することができないというふうにずっと答弁されておりました。昨日、我が党の浅尾慶一郎議員の質問に対して答弁の内容が変わりました。私は答弁の内容が変わったことを問題視するわけではございません。むしろ、問題になるのは第三者委員会というのが一体何のためにできた委員会かということです。
 これまでの国民の皆さんの救済を行うためにこの委員会ができ上がっている。それから、社会保険審査会そのもの自体が機能していないからこの第三者委員会ができたわけですから、そのことを考えれば、社会保険審査会で棄却されたからといって、もうその第三者委員会で諮問できないと、まずそういう答弁をされることそのもの自体が私は大きな問題ではないのかなと、そういうふうに思っております。
 そして第五に、今回の社会保険庁のこの改革案で社会保険庁そのものが変わると考えておられることですね。
 なぜならば、大臣の御答弁をお伺いしていると、社会保険庁の職員が公務員であるから悪いようなこと、そして親方日の丸だから悪いんだというようなことを繰り返しおっしゃっております。大臣は元々公務員じゃないんですか。官僚だって国家公務員じゃないんですか。大臣の論をかりれば、御自身も駄目だったし、官僚組織そのものも駄目だということになります。私はそういうことではないと思いますよ。
 皆さんに厚生年金保険制度回顧録というものを御紹介させていただきましたが、あの中で、昭和十八年の年金課長の花澤さんという方がこうおっしゃっています。どうせ支払は二十年先なんだから、集めた金なんかどんどん使っちまえばいいんだ、使ってしまってお金がなくなったら賦課方式にすればいい。今そうなっていますよ。しかも、これだけのお金があったら天下り先は幾らでも用意できる。確かに、公益法人も百つくりましたから、天下りの役人は幾らでもどこにでも行けるようになってきている。そういうような問題があるわけです。
 つまり、我々が主張しているように、これを抜本的に解決するためには……(発言する者あり)本当にそれで良くなると思っていますか。抜本的に改革するためには、厚生労働省から引き離して、私たちが主張しているように歳入庁をつくっていくしか解決の道はないと思っております。とにかく、厚生労働省に皆さんの大事な年金を預けるということそのもの自体に大きな問題があると思っています。
 第六に、柳澤答弁のもう本当に長いこと、そして禅問答のような答弁、あれは一番の私は問題だと思っています。
 大臣がよく分かっていないことは官僚の紙を見て答弁されますから、理不尽な内容ではありますが内容はよく分かります。しかし一方で、大臣がよく知っておられることは、御丁寧な方ですから、御自分の言葉でしゃべられると長くて何を言っているかよく分かりません。いずれにしても、国民の皆さんに対してきちんとした言葉で伝えるということが私は大臣の役割だと思っております。
 まだまだ本当はあります。昨日原稿を書いたのはもっと一杯あるんです。しかし、時間の制限がございますのでこの程度にしておきますが、聡明な与党の議員の皆さんであれば、今の私の説明を聞いてくださって、柳澤大臣がいかに厚生労働大臣にふさわしくないかということを御理解いただけたのではないかと思います。
 最後に、医者の立場で一言申し上げます。
 柳澤大臣、大分お疲れではないでしょうか。柳澤大臣の同郷の榛葉賀津也議員も、大臣はやせたなと心配されておられました。大臣はこれからもこの国のために一生懸命働いていただかなければいけない大切な方ですから、疲れたときにはお休みされるのが私は一番だと思います。これからも厚生大臣を続けられると激務が続きますから、私はここでお辞めになった方が御自身の健康のためにもいいのではないのかなと、そういうふうに思います。
 どうぞ与党の皆さん、柳澤大臣は本当に責任感の強い方で、御自身でお辞めになりたいなと思ってもなかなかお辞めになれませんから、柳澤大臣の健康のこともお考えいただいて、是非、我々提出の問責決議案に賛成いただき、そしてこの問責決議案、御可決いただきますことをお願い申し上げまして、私の賛成討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 116615254X03920070629_025

発言者: 櫻井充

speaker_id: 7865

日付: 2007-06-29

院: 参議院

会議名: 本会議