福島豊の発言 (決算行政監視委員会)
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○福島委員 大臣には、国民の期待におこたえいただけるようぜひ頑張っていただきたい、そのようにお願いを申し上げる次第でございます。
また、さきの通常国会におきましては、最低賃金の引き上げを図るための最低賃金法の改正案、また、残業手当の引き上げを図るための時間外労働の賃金割り増し率を引き上げる労働基準法改正案等が提出をされ、そして継続審議となっております。民主党からも対案が提出をされているわけでありますけれども、働く者の生活の安定を図るために、与野党間の協議を進め、早期に成立を図るべきである、このように考える次第でございます。
労働市場改革、近年進められてまいりましたが、それ以外にもさまざまな分野での規制改革、規制緩和が進められてまいりました。労働市場改革と同様に、改革の影が生じている、このことを率直に認識すべき時期に来ているのではないか、私はそのように考えております。
本年五月に取りまとめられました規制改革推進のための第一次答申におきましては、規制の横断的評価、見直しを進めることが盛り込まれております。また、需要拡大効果、生産性向上効果、雇用創出効果、物価引き下げ効果等の経済効果について効果分析を行うこと、こういったことも盛り込まれておりますけれども、同時にまた、改革の影の部分について、これも横断的に適切な評価を行うべきではないか、そのように私は考えております。
本日は、規制改革の影という問題で、具体的にはタクシーの問題を取り上げさせていただきたいと思っております。
先日の朝日新聞、十月十日付の朝日新聞でございますけれども、このような記事が載せられておりました。「規制緩和で新規参入やタクシーの増車が容易になり、多様なサービスや料金体系が生まれた一方で、安全面のひずみも生まれている」、このように指摘されております。「〇二年二月のタクシーの規制緩和以降、タクシーが人身事故を起こす割合が首都圏より宮城、福岡といった地方の大都市でより増える傾向にある」と。
その要因を朝日新聞は分析しております。規制緩和後のタクシーの人身事故と実車率の関係、二〇〇一年と二〇〇五年を比較しております。
例えば、宮城県におきますタクシー、ハイヤーの事故件数は、二〇〇五年では四百八件、走行距離当たりの事故件数の増加率、三二%にも上ります。そして、それと相関するように、実車率は三五・九%と、二〇〇一年度と比較すると三%、これは決して小さな数字ではありません、減少している。福岡県においても同様の事例が指摘されております。事故件数は二千百十八件で一八%増、実車率は二・四%減の三七%。
こうした数字からうかがえることは、規制緩和によって新規参入、増車が行われ、競争が激化をいたしました。そして、競争の激化とともに売り上げの大幅な減少を来す。そして、売り上げを維持するためには長時間労働をせざるを得ない。あるタクシー運転手の発言が紹介されておりました。無理してでも出勤回数をふやさないと食べていけないんだと。月三百五十時間の勤務をしている。大変な勤務時間であります。
これは、私の地元の大阪におきましても、つとに指摘されているところであります。タクシーの運転手をしていても飯を食べていくことはできないんだ、こういう指摘があります。大阪におきましても、新規参入の増加や増車に加えて、また、自動認可運賃を下回る運賃、下限割れ運賃による低賃金競争が激化をし、安全を初め乗務員の労働条件に悪影響をもたらしている、これは事実でございます。
タクシー事業者の増加は、大阪におきましては、平成十三年の百五十一社から平成十七年には二百三社、三三・六%もふえました。台数につきましても、一万五千百十二台から一万八千三百五十七台、二一・五%もふえたわけであります。こうした増加によりまして、タクシー運転者の賃金というものは下がってきております。
タクシー運転者と全産業男性労働者の賃金格差、平成七年、これはまだ日本の経済がよかったころと言っていいのかもしれませんが、長期不況に突入した最初のころであります。そのころには、格差は百七十五万五千八百円でありました。これが、平成十七年、十年たった今では、二百七十七万六千五百円の格差にまで拡大をいたしております。平成十三年は二百五十三万九千四百円、そこから規制緩和が行われましたけれども、さらに拡大をするということになったわけであります。
本年の通常国会におきましては、タクシー業務適正化特別措置法が改正をされまして、タクシー事業者、運転手に対して、輸送の安全及び利用者の利便の向上という観点から規制強化が行われました。しかし、過当競争、低賃金による長時間労働がひずみをもたらしているという現実を直視して対応すべきではないか、そのように考えるわけであります。
平成十二年四月の道路運送法の改正に当たっての附帯決議、衆議院におきましては、「需給調整規制の廃止後においても、公正競争確保及び道路運送に関する秩序確立のため、輸送の安全等確保命令、事業改善命令、許可取消処分等について、基準を明示し、行政処分の点数制を導入する等、厳正かつ機動的に行うこと。」また、「輸送の安全確保と適正労働条件の確立を図るため、自動車運転者の労働時間等改善基準の遵守について、指導監督を徹底」する。また、「人件費等費用について適正な水準を反映させるとともに、他の事業者との間で不当競争を引き起こす恐れのある運賃を排除するため、具体的基準を設け、厳正に運用すること。」
道路運送法の改正当時にも、こうした事態に対しての危惧があり、さまざまな附帯決議がなされている。これは、衆参両院におきましてそうでございます。
こうしたことを踏まえて、具体的には、タクシーが公共交通機関として利用者に安全と良質なサービスを提供するため、また公正な競争を構築していくためにも、国土交通省が規定している自動認可運賃に下限割れ運賃を収れんさせる措置が必要である、このような指摘があるわけでありますけれども、国土交通大臣の御見解をお聞きしたいと思います。