西村康稔の発言 (本会議)

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○西村康稔君 私は、自由民主党の西村康稔です。
 自民党を代表して、議題となっておりますテロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案に賛成する立場から討論を行います。(拍手)
 平成十三年にアメリカで発生した九・一一同時多発テロは、二千九百七十三人もの犠牲者を出した残酷かつ卑劣な事件であります。その際には、日本国民も二十四名もの方が命を落とされました。テロとの闘いは、まさに我が国自身の安全保障の問題でもあるわけです。
 この九・一一テロ以降、国際社会はテロを根絶するための取り組みを続けてまいりました。今現在も、このテロ攻撃を実行したアルカイダの拠点となっていたアフガニスタンを再びテロの温床としないため、すべてのNATO加盟国を含む四十カ国以上がアフガニスタン本土へ部隊を派遣するなど、国際社会はテロとの闘いに一致団結して取り組んでおります。
 このような中、我が国は、我が国憲法の範囲内でテロとの闘いに主体的に取り組んでいくとの考え方に基づき、直ちに旧テロ対策特措法を制定し、海上自衛隊による補給活動等を実施してまいりました。
 この旧テロ対策特措法に基づく補給活動は、それ自体として武力の行使に当たるものではなく、また、その活動地域がいわゆる非戦闘地域に限定されていることなどから、憲法第九条が禁じる武力の行使に当たるものではなく、憲法の範囲内で、我が国が国際社会における責務を果たすものであります。
 この補給活動については、民主党の小沢代表からは憲法違反であるとの指摘がありますが、旧テロ対策特措法が平成十三年に成立した後、自衛隊の活動に関する国会承認の際には、民主党は、この補給活動も含め、これに賛成をされたということを事実として申し上げたいと思います。
 さて、この旧テロ対策特措法が成立して以来、我が国は、六年間にわたって、インド洋におけるテロリストや武器、麻薬の移動の阻止を目的とする海上阻止活動、いわゆるOEF・MIOへの補給活動を行ってまいりました。そして、これにより、テロの防止、根絶のための国際的な取り組みの一翼を担ってきたわけであります。
 さらに、この活動は、結果として、インド洋における海上交通の安全確保に役立つものとなっており、石油資源の大部分を中東地域からの海上輸送に依存している我が国の国益に大きく貢献するものであることは、明白な事実であります。
 しかし、残念ながら、旧テロ対策特措法は、十一月一日二十四時をもって失効いたしました。このため、我が国の海上自衛隊の部隊は、補給活動を中断し、現在、帰国の途上にあります。日中の気温が五十度にも及び、甲板の温度は七十度を超えるような厳しい勤務環境の中で、整々と任務に従事してこられた自衛隊の皆さんに対して、心より敬意を表したいと思います。
 他方、テロとの闘いがいまだ道半ばである現在、また、他の国々がアフガニスタン本土における活動を忍耐強く実施、協力している中で、我が国だけが脱落するようなことがあってもよいのでしょうか。時折しも、経済力も相対的に低下し、海外から我が国への投資も減少してきている中で、経済的にもそして外交的にも、日本が国際社会の中で存在感を失い、孤立していくことを危惧するものであります。
 もとより、アフガニスタンをテロの温床としないためには、民生面での復興支援を行い、同国の復興を進めることが重要であります。我が国はこれまで、兵士の武装解除と就業支援、学校、病院の復興支援など、人道支援の分野で一千四百億円以上の支援を行っております。しかしながら、これらの支援をもって海上阻止活動に代替できるものではありません。国際社会においては、各国とも、部隊の派遣と復興・民生支援のこの二つを、いわば車の両輪として実施してきているわけであります。
 政府が提出したこの補給支援特措法案は、まさにこうした重要な活動を再開するための法律案であり、テロ対策特別委員会において、これまでに、証人喚問、参考人質疑、そして集中審議も含め、四十時間にも上る審議、議論を行ってまいりました。既に十分に議論を尽くしてきたものと考えております。
 とりわけ、審議、議論の過程においては、自衛隊の海外派遣のためのいわゆる一般法、恒久法の議論が民主党の議員からも積極的に提起されるなど、極めて建設的なものでありました。この一般法の議論については、昨今の国際情勢の変化を受けた国際平和協力のためのさまざまな取り組みに我が国として機動的に対応し、かつ的確に推進する観点から、真剣に検討すべき課題であると考えます。与野党における議論を初め、国民的な議論の深まりを十分に踏まえつつ、重要な課題として引き続きしっかりと、かつ建設的な議論を行っていくべきであると考えます。
 しかしながら、一方で、国際社会から強い要請があり、その再開が喫緊の課題ともなっているこの補給活動を実施するための補給支援特措法案については、最後まで民主党としての正式な対案が法案として示されなかったことは、非常に残念なことであります。政府に対する批判のみで、この最も重要な国家政策である安全保障政策において民主党内の意見の集約がなされなかったことは、小沢代表も認めておられるとおり、民主党は政権担当能力があるのかとの疑問を提起せざるを得ません。
 政府においては、国民の皆様の理解と協力のもとにこの補給活動を実施していくため、テロ対策特別委員会においても議論され、さまざまな指摘を受けた補給活動の透明性の一層の向上を図るとともに、調達のあり方の改善等を行い、シビリアンコントロールが揺るぎのないものであることをしっかりと示し、防衛省に対する信頼回復を図ることが何よりも大切なことであります。
 そして、このような取り組みを推進するのと並行して、我が国として、本法案により補給活動を一日も早く再開することが、我が国の果たすべき国際的責務を全うするものであると考えます。日本国憲法前文にある「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」このことを実現していくものであると考えます。
 以上をもちまして、テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案について、賛成の立場からの討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 西村康稔

speaker_id: 6755

日付: 2007-11-13

院: 衆議院

会議名: 本会議