中川義雄の発言 (国民生活・経済に関する調査会)
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○副大臣(中川義雄君) 内閣府で国民生活、少子化対策、男女共同参画を担当しております副大臣の中川義雄です。内閣府の対応状況について御説明申し上げます。
我が国は、一昨年初めて出生数が死亡数を下回り、人口減少社会が到来しました。少子化の進行等に伴う人口減少は、経済産業や社会保障の問題にとどまらず、国や社会の存立基盤にもかかわる大きな問題です。政府としては、平成十五年七月に議員立法により制定された少子化対策基本法に基づき少子化社会対策大綱を策定し、その後、大綱の具体的実施計画でもある子ども・子育て応援プランや、従来の少子化対策を抜本的に拡充した新しい少子化対策についてを策定し、総合的な少子化対策に取り組んできたところです。
しかしながら、我が国の少子化の状況を見ると、本年に入って出生数、婚姻数とも対前年比で減少しており、また昨年末に公表された新人口推計において前回推計よりも出生率が下回り、高齢化率が上回るなど、今後も少子化、高齢化が一層進むとの厳しい見通しが示されました。現在の急速な少子化の原因としては、若年の未婚化、晩婚化の進行や夫婦一組当たりの持つ子供の数が減少していることがありますが、その背景には、結婚したいけれどできない、子供を産みたいけどちゅうちょするといった、結婚や出産に対する国民の希望と実態との乖離の拡大があります。
このような状況の中で、改めて国民の健康や出産に関する希望を実現するには何が必要であるかに焦点を当て、効果的な対策の再構築、実行を図るため、子供と家庭を応援する日本重点戦略の検討を進めております。本年六月の中間報告では、ワーク・ライフ・バランス実現のための働き方の改革は最優先課題である、多様な働き方に対応できるよう子育て支援策を再構築すること、実効ある対策を進めていくための一定規模の財政投入に必要な財源について、税制改革や社会保障制度改革の中で総合的に検討することが示され、現在これらの方向性に基づき具体的な施策について検討が行われているところですが、今後、税制改革等の議論も見極めながら、本年末を目途に子供、家族を応援する日本重点戦略を打って立て、安心して結婚し、子供を産み育てることができる社会の実現を目指します。
また、ワーク・ライフ・バランスの実現については、少子化対策のみならず、男女共同参画や労働力確保等を通じた、我が国が社会経済の長期的安定の実現の観点からも重要であり、これまで経済財政諮問会議の専門調査会を始め、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議、男女共同参画会議の専門調査会など、数々の場でその重要性が指摘されています。
これを受けて、総合的かつ体系的な施策の展開を図るため、経済財政改革の基本方針二〇〇七において、本年内を目途に、ワーク・ライフ・バランスの実現のための憲章及び行動指針を策定することとしています。このため、本年七月に、経済界や労働界のトップ、地方の代表者、関係会議の有識者並びに関係閣僚で構成するワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議を開催し、八月には、その下に「働き方を変える、日本を変える行動指針」作業部会を立ち上げ、検討を進めております。
次に、男女共同参画社会の実現について。
男女共同参画社会基本法に基づき平成十七年十二月に策定された第二次男女共同参画基本計画を総合的かつ計画的に推進しております。本計画では、重点分野の一つとして、男女の職業生活と家庭・地域生活の両立支援を挙げております。具体的な施策の方向性として、仕事と家庭の両立を困難にする職場風土の改革、特に男性が家庭生活に参加することができるような働き方の見直しや、育児休業を取得しやすい職場復帰がしやすい環境の整備を行うなど、仕事と家庭の両立支援と働き方の見直しを推進することとしております。また、多様なライフスタイルに対応した子育て支援策の充実や、家庭生活、地域社会への男女の共同参画の促進を盛り込んでおり、現在、各府省において施策の着実な実施に取り組んでいるところです。
また、意識啓発推進については、企業及び国民各層を対象に、仕事と家庭生活の両立に関する男性も含めた働き方の見直しや性別役割分担意識の見直しなど基本計画に盛り込まれており、様々な団体、関係機関と連携して取り組んでおります。このような中で国民の意識も変化しつつあります。今後とも、男性も含めた男女共同参画に関する広報啓発活動を一層推進してまいります。
次に、ユニバーサル社会の実現について。
ユニバーサル社会の形成促進に関する決議においても指摘されており、急速な少子高齢化が進む我が国において、活力と魅力に満ちた国づくりを進めるためには、障害の有無、年齢等にかかわりなく、国民一人一人が社会の活動に参画し、社会の担い手として役割と責任を果たすことができる社会を目指していくことが必要であると認識しております。
障害者施策については、障害者基本法に基づき、平成十五年度から二十四年度までの十年間に講ずべき障害者施策の基本的方向を定めた障害者基本計画を取りまとめ、障害者施策を総合的に推進しております。本計画の前期五年間において重点的に実施する施策及びその達成目標を定めた重点施策実施五か年計画は本年度で最終年度を迎えるため、本年中をめどに新たな重点施策実施五か年計画を策定します。また、先月末には障害者の権利に関する条約が署名されましたので、今後、条約の早期締結を目指して、関係省庁とともに検討を進めてまいります。
高齢社会対策については、高齢社会対策基本法に基づく高齢社会対策大綱を取りまとめ、就業、所得、健康、福祉などの各分野における施策を総合的に推進しております。特に、高齢者の地域活動については、高齢社会対策大綱において、政府が積極的に取り組む課題の一つとして地域社会への参画促進を掲げ、高齢者の地域社会への参画を促進することとしております。現行の高齢社会対策大綱は策定から五年が経過しており、その後の経済社会情勢の変化を踏まえ、世界で最も高齢化が進んだ我が国における今後の中長期的な課題と高齢社会対策の方向性等について検討を進め、必要な見直しを行ってまいります。
バリアフリー化の推進については、政府が一体となって社会のバリアフリー化を推進するための具体的指針として、バリアフリーに関する関係閣僚会議において、バリアフリー化推進要綱を平成十六年六月に決定しており、内閣府としては同要綱に基づきバリアフリー化推進功労者表彰を実施しております。
次に、ボランティアに関して。
ボランティアの活動の中心的役割を担っている特定非営利活動法人については、制度発足後約八年間でその数が三万件を超え、福祉、教育、文化、町づくり、環境、国際協力など様々な分野で活動が広がっています。特定非営利活動法人は、行政でも企業でもない新たな社会づくりの担い手として、多様化する社会のニーズや課題にきめ細かく機動的に対応するものとして今後も大きな役割を果たすことが期待されています。
こうしたことから、内閣府においては、ボランティア活動を始めとする市民が行う自由な社会貢献活動が活発化するための環境整備に努めています。そのため、市民活動情報の提供として、ホームページで内閣総理大臣認証の特定非営利活動法人に関する閲覧書類等の公開や、都道府県知事認証の法人も含めた全国の特定非営利活動法人の基本情報を一元的に入手できるNPOポータルサイトの運営等を行っています。さらに、市民活動の担い手育成のため、特定非営利活動法人と多様な主体との協働事業への支援等を実施してきたところです。また、特定非営利活動促進法は、市民活動を行う非営利団体に対し、簡易な手続による法人格付与と、市民への情報公開に関する仕組みを導入することで市民活動が我が国に根付き、人々にとって身近なものとなることに貢献してまいりました。
しかしながら、特定非営利活動法人の組織運営や情報公開などの課題が残されていることから、平成十七年十一月以降、国民生活審議会総合企画部会の下にNPO法人制度検討委員会が設置され、同委員会で特定非営利活動促進法の見直しに向けての審議が行われ、本年六月に報告が取りまとめられたところであります。本報告では、特定非営利活動法人制度が市民の自由な社会貢献活動を推進するという基本的な考え方に基づいている点を再確認しつつ、広範な情報公開によって特定非営利活動法人が幅広い信頼を得ながら活動していくための制度上の規則やその運用、さらには環境整備の在り方について整理されています。
内閣府としては、特定非営利活動促進法の見直しに向けて、本報告が関係者の幅広い議論の材料として活用されるよう努めるとともに、市民活動の促進に向けて特定非営利活動法人が十分に活躍できるための環境整備に引き続き取り組んでまいります。
以上、内閣府の取組状況について説明いたしました。