井田良の発言 (厚生労働委員会臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案審査小委員会)

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○井田参考人 必ずしも私は諸外国の状況に詳しいわけではありませんけれども、ヨーロッパの国について見ますと、我々は反対意思表示方式という言い方をしているんですけれども、生前、自分は嫌だという意思を積極的に表示している場合を除いては、基本的に臓器摘出はしてよい、近親者の同意を要件としないという考え方。いわば、本人が何も言っていないときには摘出を認める、そういうやり方をとっている国もある。
 それから他方、さっき私が申し上げたように、近親者の同意によって、本人の承諾がなくても、その分ちょっと拡大した形で、拡大された承諾意思表示方式と言われることもありますけれども、少し広げた形で近親者の同意というものを考慮するという立法形式もある。
 私の調べたところでは、六、四ぐらいで、拡大されたA案というような方式をとっている国が多くて、しかし、四割ぐらいの国ではなお反対意思の方をとっている。ある意味で言うと、本人意思というのを比較的強く考えて、本人意思とつなげる形で近親者が意思表示をするという、ドイツみたいな、どちらかというと哲学的な国では比較的A案のような方式をとっていて、大ざっぱに言うとラテン系の国では、反対意思を表示していない限りは摘出を認めてしまうという考え方をとっているんじゃないか、そういう感じがある。
 現に、ドイツという国は比較的A案のような考え方をとっておりますけれども、しかし、周辺の国と比べて若干提供数が少ないということで、他の国との関係で若干あつれきに近いものを起こしているということは聞いたことがございます。といいますのは、ドイツの周辺のオーストリアとかフランスではそういう反対意思表示方式をとっている、少し緩やかな方式をとっているということで、若干提供数に違いがあるんだということは聞いたことがあります。ただし、厳密な比較ではありません。
 それからスイスについて言うと、去年法改正がある前は、スイスは二十六のカントーンで、いわば一つの地方でもっていろいろな……(石崎小委員「スイスの何」と呼ぶ)二十六のカントーンといいますのは、州というんでしょうか、スイスというのは連邦共和国になっていまして、二十六のカントーンがあって、その上に連邦、国が乗っかっているという国なんですけれども、それぞれの州が異なった臓器移植法を持っています。
 その中にはいろいろな方式をとっているカントーンがあったわけなんですが、そこでの提供者数については、反対意思表示方式をとっているからといって提供が多くて、そして本人の意思を絶対にするところだから提供が少ないということでは必ずしもないという統計はどうもあるようですので、基本的に、どういう方式をとったから、直ちにそれが提供数にダイレクトに影響するということでは必ずしもない。
 けれども、大ざっぱに言うと、やはりA案のような考え方をとった方が、現行法よりは可能性はかなり広がってくるということは言えるんだろうと思います。

発言情報

speech_id: 116904263X00120080603_024

発言者: 井田良

speaker_id: 17612

日付: 2008-06-03

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案審査小委員会