白川方明の発言 (議院運営委員会)

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○参考人(白川方明君) 今議員御指摘のとおり、国際金融市場は大変に動揺をしております。元々アメリカにおける問題の出発点は、住宅価格の下落というところから始まりましたけれども、今起きていますことは、住宅バブルの単なる崩壊ということだけではなくて、もう少し広くこの数年間拡大しましたいわゆる信用のあるいはクレジットのバブルの崩壊という現象であるというふうに思います。
 これは、経済の状況が非常に良好な中で非常に低い金利が続く、そういう中で人々のリスクに対する認識が非常に甘くなってきて、結果としていろんな形で過大なリスクを取ってきたということであったと思います。これが最も端的に現れましたのが証券化市場でございまして、現在、証券化市場はほとんど今機能を停止しているという状況であります。
 その結果、今度はもう少し広く企業金融一般にも影響が出ておりまして、社債金利の国債金利に対する上乗せ幅、これはよく信用スプレッドと呼んでおりますけれども、このスプレッドが今拡大をしたり、あるいは銀行の企業に対する与信態度が厳格化するということで、企業金融にも影響が及んできております。さらに、株式市場あるいは為替市場もこのところ非常に値動きの大きい、そういう展開になっています。
 こういうふうに金融市場が十分に機能しなくなってきますと、これは必ず実体経済に影響してくると、そのことがまた金融市場にも影響してくるというふうな状況にあるというふうに思います。
 そういう中で、アメリカの中央銀行でありますFRBは、去年の夏から金利を三%引き下げました。それと同時に、流動性の供給の面で様々な工夫を行っている。特に、流動性の配分という面でいろんな今工夫をしているというふうに思います。
 中央銀行の果たす機能はいろいろございますけれども、私、中央銀行の歴史を見ても、それから今回のこのケースを見ても、中央銀行にとって本質的な機能は、金融市場、金融システムの安定を守っていくと、この一点であるというふうに思っております。その点で今FRBは非常に積極的な対応を取っております。
 これは一方で、先ほど議員から御指摘のあった財務内容を悪化させるという危険性はこれははらんでおります。はらんでおりますけれども、最終的に流動性の危機というものが目前にあった場合に、中央銀行としてなし得る貢献としてやはり流動性の供給というのはあると思います。その際、それが最終的に中央銀行の財務内容に悪影響を与えないように最大限の努力をするということは、同時に今FRBはやっておりますけれども、しかしそのときの決定として流動性の供給はやはり必要であるというふうに思います。
 問題の本質は、これはクレジットバブルが崩壊をした、つまり自己資本が十分にないということでございます。これは、中央銀行によります流動性の供給だけではこれは解決しない問題であります。まずは当該金融機関が損失を十分に確定して、その上で不足する自己資本を調達をするということが大原則になります。まずは民間ベースの努力ですけれども、しかし民間ベースだけの努力で足らない場合には、これは方法はいろいろありますけれども、公的な資本の注入ということも必要になってくるかもしれません。いずれにせよ、出発点はまず現在のロスを正確に認識するという作業であるというふうに思っております。
 私自身は、仮にG7に総裁という立場で出席するということになりました場合には、日本の経験を踏まえまして、アメリカに対して今後なすべきことについて自分なりの意見を申し上げたいというふうに思います。そのときに一番意識したいことは、日本の経験を生かして、世界経済全体の安定のために何をすべきかについて、これは一人の、この問題を早く経験した国の、先輩国として助言をしたいというふうに思っております。

発言情報

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発言者: 白川方明

speaker_id: 24444

日付: 2008-04-08

院: 参議院

会議名: 議院運営委員会