白川方明の発言 (議院運営委員会)

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○参考人(白川方明君) まず、本でございますけれども、私、日本銀行を辞める数年前から一冊だけ本を書きたいなという思いにだんだんなってまいりました。と申しますのは、当時いろんな金融政策をめぐって議論がございましたけれども、やっぱり金融政策が非常に大事な政策ですから、このことがもっともっと国民の間で広く議論される、そういうふうなささやかな土壌をつくりたいなという思いがありまして、大学に行きましたら本を書きたいなというふうに思っておりました。そういう思いで去年の二月から十二月の初めぐらいまでずっと書いておりましたけれども、書いていますうちにだんだん自分自身のいろんな細部にわたる思いも含めて書きたいなということになりまして、随分大部な本になってしまいました。この本に書いていますことは、その当時私が考えたことをできるだけ教科書として分かりやすく書きたいという思いで書いてまいりました。
 私、いつも感じましたことは、学者あるいは大学の教師という立場と、それから政策当局者の立場の違いを考えました。学者というのは、これは新しい考えを提起していくということに学者のやっぱり存在意義があるというふうに思います。一方、政策当局者は、既存の理論がこれは必ずしも満足すべき理論があるわけではございません。そういう中で、しかし、日々これは答えを出していかないといけない、その中で結論を出さないといけないということでございます。そういう意味で、学者とあるいは研究者と、それから政策当局者の行動原理は、似ている部分もありますけれども、しかし大きく違っている部分がございます。
 私は、学者、教師としてこの本を一生懸命書きました。そこに書いていること自体は私の正直な気持ちでございますけれども、しかし、今度、日本銀行の今副総裁を拝命し、仮に総裁ということになりました場合に、そのときに、自分がかつて書いたことにこだわって、今度は逆に現実に起きている変化を見落とすということにはなりたくないなと。そこは常に謙虚でありたいというふうに思っております。ただ、繰り返しになりますけれども、この本に書いた気持ちは、そのときの私の教師、研究者としての気持ちでございます。
 それから、財政、金融でございますけれども、金融政策は最終的に物価安定の下での持続的な経済成長の実現でございます。したがって、経済全体の需要動向を常に注意深く見ていくわけですけれども、その際、財政だけじゃなくて民間の需要、民間の需要もいろんな需要があるわけでございます。したがって、機械的に財政が出るから金融は引っ込むとか、財政が出ないから金融が出るじゃなくて、最終的にトータルとしての経済の需要動向がどうかということを中心に判断しないといけないと。その点を間違えますと経済が混乱をしてしまうということでございます。それが基本的に財政と金融を分離するといいますか、中央銀行に独立性を与えて物価安定を実現させるということの基本的な思想であるというふうに理解しております。

発言情報

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発言者: 白川方明

speaker_id: 24444

日付: 2008-04-08

院: 参議院

会議名: 議院運営委員会