池尾和人の発言 (議院運営委員会)

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○参考人(池尾和人君) 委員御指摘になりましたように、生活者、消費者に身近な財・サービスの価格につきましては明らかに上昇傾向が見られるわけです。そういう意味で、消費者、生活者の立場からはインフレの懸念を抱かざるを得ないような局面になっていると思います。
 しかしながら、これも委員御指摘になりましたように、名目GDPは伸びていないということに示されておりますように、全体としての物価を何で測るかという問題がありますが、いわゆるGDPデフレーターというような形で一番幅広い物価指標を取りますと、むしろ今でも下がっているという状況にありまして、相対価格という言い方をしていますが、いろんなものの値段の割合ですね、それが大きく変わっているという状況があります。それが問題を非常に難しくしているというふうに考えます。
 つまり、すべての財・サービスの価格が同じように動いているのであればこれは対処は比較的簡単なわけですが、ところが、繰り返しになりますが、生活に身近なものの値段は非常に上昇しつつあるんだけれども、全体としてはむしろまだまだ物価がデフレ基調が抜け切らないような動きになっているというところでどういう政策を取るかというのは非常に難しい局面を迎えているというふうに思います。
 それで、一部で見られる価格上昇の原因が需要サイドにあるのならば、これは金融政策として対応しやすい問題になるわけですが、御指摘になりましたように、むしろコストプッシュ型の価格上昇の場合に金融政策で抑え込もうとすると、失敗した場合、スタグフレーション的な状況を招きかねないという極めて困難な局面にあると思います。こういう局面において、やっぱり最終的に経済を決めるのは、実体経済の強さとか生産性の改善ということが、生産性の向上ということがどれだけ実現していけるかということにやはり懸かっていると思います。
 そういう意味で、民間企業部門、民間経済部門の力というのがやはり最大限生かされなければいけない。そういう民間経済部門の働きを、何というんですかね、支えるようななるたけ良好な経済環境を提供するというふうな形の経済政策運営というものが考えられるある意味で最善な政策運営ではないかというふうに思っております。

発言情報

speech_id: 116914024X02820080603_010

発言者: 池尾和人

speaker_id: 12787

日付: 2008-06-03

院: 参議院

会議名: 議院運営委員会