池尾和人の発言 (議院運営委員会)
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○参考人(池尾和人君) 一番最初の榛葉先生の御質問にお答えした中でも触れましたけれども、やはり社会の構造が変化していることを反映いたしまして、それと、要するに、技術革新であるとか資源価格の上昇であるとか、様々な要因を受けて社会の構造が変化しておりますから、あらゆる財・サービスの価格が同じように動いているわけではなくて、大きく上昇しているものもあれば、むしろ今も下落を続けているものもあるというふうな形で、相対価格が大きく変化しているというのが今の特徴だと思います。
そのために、消費者、生活者にとって身近なものについては非常に物価の上昇ということが見られるわけですね。ところが、より川上といいますか、の部分のところの価格では依然として下落を続けているものがあったりして、要するに、非常に、まだら模様と言うとちょっと表現があれかもしれませんが、非常に一律な動きをしていないんですね。
こういうときに特定の局面だけを強調するのも間違いだし、逆に様々な局面が併存しているということを無視するのも間違いだというふうに思っておりまして、中央銀行、金融政策というのはどちらかというと全体に対して影響を与える政策しか打てないわけですね。
しかしながら、そういう全体に影響を与える政策を打つ場合にも、それぞれの局面といいますか、それぞれの主体だとか地域だとか部門についてどういうことが起こっているかということは十分に、何というんですか、見守った上で取り組まなければいけないと思いますが、とにかく簡単ではないといいますか、全部が同じように動いてくれているんであれば、ブレーキを掛けるときはブレーキを掛ければいいわけですし、アクセルを踏むときはアクセルを踏めばいいわけですけれども、一部の動きについてはブレーキを踏む必要があると。例えば、一部の資産価格の上昇に関しては明らかに行き過ぎであるというときにブレーキを踏まなきゃいけないと。ところが、おっしゃったように、生活者は決して、何というんですか、極めてまだまだ好況を実感できないような状況にあると。その中でブレーキを踏むことはできない、むしろアクセルを踏むべきじゃないかと。
そういう経済が跛行的に動いている中で、経済全体に一律の影響を与えるような金融政策、金利操作をするというのは、従来よりももう数段困難な仕事になってきているというのが正直なところだというふうに思っております。