神野直彦の発言 (国民生活・経済に関する調査会)
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○参考人(神野直彦君) それで、水平的な再分配などをやると税負担は非常に高くなるんじゃないか、そのことを国民が納得するかどうかというお話かと思います。
スウェーデン国民も税負担が高いということについては、これは不満を持って嫌だと言います。ただし、個別に聞いていくんですね。あなたは子供たちの育児サービスを充実させていくために増税に応じる用意がありますか、あります。教育を充実させるために増税に応じる意思がありますか、あります。それから、医療を充実させていきますが、これに応じる意思がありますか、あります。ノーというのは二つだけです。日本でいう生活保護ですね。これはノーです。それからもう一つは住宅手当。これはミーンズテストが付いておりまして、貧しい人々にしか手当が給付されないんです。これはノーです。
先ほど言いましたように、医療とかなんとかは現実に今すべての階層に利益を与えているのでイエスなんですね。したがって、水平的再分配の方が合意は取りやすい。そのことは何を意味するかと言えば、例えば子供たちの扶養とかお年寄りの扶養とかということは、社会全体で考えていけば、どういう形にしろ扶養していかざるを得ないわけですよね。だれかが負担して扶養していかざるを得ないわけですよね。そんなうば捨てみたいな、楢山節考みたいなことできませんから。
そうなってくると、どういう形で、これから私たちは多くの高齢者を抱えます。後期高齢者も増えます。そうしたときにどういう形で、つまり社会全体で負担し合っていくんですか、それとも子供たちを産んだ家族だけで子供たちの育児の負担をしていくんでしょうか、それとも後期高齢者を抱えた家族だけで負担していくんでしょうかという、そういう選択の問題だと思います。
私は、これからの後期高齢者が増えていくような少子高齢社会になっていくと、子供を産んだ人、子供を持っている家庭や持っていない家庭、高齢者を抱えている家庭や抱えていない家庭、すべてのことで痛みを分かち合わないと、もうもたないんじゃないかと。今よく現役世代が負担がもたないんじゃないかと言われますけれども、もしも現役世代の負担を低めて、公的な負担ではない方法でやることがどういう方法があるかといったら、家族に押し付けるか自己負担額を増やすしかないですよね。
後期高齢者の人たちの福祉をやるのに、家族でやっても、これは現役世代がやらざるを得ません。それから、自己負担で自分の負担部分をやりなさいといっても、認知症とかそれから終末期医療であえぐ人々は結局自分で負担することできませんから家族がやらざるを得ないわけですね。私は、その場合には激痛が走ってしまって現役世代が負担に耐えられないのではないかというふうに思っています。
よろしいでしょうかね。