藤末健三の発言 (本会議)
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○藤末健三君 民主党の藤末健三です。
民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して、平成十九年度決算検査報告について政府に御質問申し上げます。
初めに、最近混迷を招いている麻生総理の今までの六つのぶれている迷走発言について質問します。
一つ、二次補正予算及び関連法案の年内提出、二つ、消費税増税、三つ、定額給付金、四つ、一兆円の地方交付税、五つ、日本郵政株式会社の株式売却、そして六つ目に、地方機関の統廃合について、この参議院本会議で麻生総理が国民の皆様に明確にしていただくよう求めます。
まず、一つ目の二次補正予算案提出について質問します。
麻生総理は十月三十日に政府の追加景気対策を発表されました。このとき総理は、これから年末にかけて中小企業の資金繰りは苦しくなります、第一次補正で緊急信用保証枠を六兆円としましたが、中小企業、小規模企業の資金繰りをより万全なものとするために私の指示で二十兆円までこの枠を拡大しますと、二次補正が年内に中小企業のために必要だとおっしゃられましたが、昨日、記者団に、経済対策はこれで足りるはずだと思いますが、問題は年度末、年末とは違いますからねと発言されました。何を根拠にこのように発言が変わったのでしょうか、麻生総理、明確にお答えください。
また、十一月二十三日の新聞報道によると、財務省幹部が二次補正を今国会中に出せと言われれば出せると発言しているようです。にもかかわらず、麻生総理は、昨日、記者団に二次補正予算については年明け早々に提出するのが適切だと考えておりますと発言されましたが、これは大きな問題です。
我が民主党の小沢代表は、二次補正予算について、十一月十七日に、常識的な予算案が提出されれば審議をし、国会としての結論を得ることを代表の責任を持って約束するとしています。
総理が国民に約束した二次補正予算をなぜ提出しないのか。今からでも遅くありません。今国会に二次補正予算の提出を求めますが、麻生総理、明確に答弁ください。
二つ目に、消費税増税について伺います。
追加景気対策を発表した十月三十日に、総理は、大胆な行政改革を行った後、経済状況を見た上で、三年後に消費税の引上げをお願いしたいと考えておりますと消費税増税に言及されましたが、十一月五日の衆議院財務金融委員会において、少なくとも全治三年と申し上げたが、状況はかなり厳しいと発言を変えられました。どちらが麻生総理の本心なのか、はっきりさせていただけないでしょうか。定額給付金を配っても、結局、消費税を増税するのであれば、国民は給付されたお金を貯蓄してしまい、消費は増えないことになります。総理の消費税についてのお考えを明確にお聞かせいただきたいと思います。
三つ目に定額給付金です。この定額給付金についても疑問があります。
この定額給付金は、景気対策なのか、生活対策なのか、それとも選挙対策なのか、政策としての位置付けが明確ではありません。総理はこの点を明確にしてください。
もし、景気対策だとすると、九年前の定額給付金、地域振興券の経済効果は、ばらまかれた金額の三二%と経済企画庁に分析されています。つまり、今回二兆円をばらまいても、経済効果は六千億円程度、経済をわずか〇・一%底上げするにすぎません。景気対策として優位性があるのかどうか、総理、明確にしてください。
そして、定額給付金の所得制限のやり方については、地方に丸投げになりました。報道によると、総理は、だって地方分権なんだからよろしいんじゃないですかと他人事のようにおっしゃったようですが、国の政策である以上、国がすべて責任を持つべきです。総理は国の責任と地方の困惑をどのように考えているのか、答弁ください。
また、報道によると、全世帯、全国民がもらえることを大原則にしなければならないと発言された鳩山総務大臣、生活支援を必要としないところに給付するのはおかしいと発言された与謝野財政担当大臣、この定額給付金の迷走ぶりについて、それぞれどのようにお考えでしょうか、お答えください。
四つ目に、地方交付税一兆円に移らさせていただきます。
十月三十日に総理は、道路特定財源の一般財源化に際しましては、一兆円を地方に移しますと発言されました。その後、十一月十九日には、交付金は何でも使えそうに見えるけど、うそだから、地方が使いやすい交付税として一兆円と僕は言ったと記者の方々に発言されながら、翌二十日には、自由に使えるなら何でもいい、交付税でなくても別に構わない、今だって交付金と書いてあると発言は後退しました。総理が発言された一兆円が従来の地方道路整備臨時交付金約七千億円と別枠なのか、それとも合計で一兆円なのか、そして、その予算は交付金なのか、交付税なのか、総理はここでどちらか明確に答弁ください。
また、国土交通大臣と総務大臣は、総理の発言に対してどのようにお考えですか。お答えください。
五つ目が、日本郵政株式会社の株式売却です。
報道によると、十一月十九日に、株価が下落している現状を踏まえ、日本郵政株式会社の株式について、高くなってから売るのが当たり前、凍結した方がいいと総理は記者団に明言されました。そして翌日、今一番安くなっているのに何で売るのという話をした、それだけ、と発言を全く変えておられます。総理と郵政民営化に反対された野田消費者行政担当大臣は、日本郵政株式会社の株式売却凍結に反対なのか賛成なのか、方向性も含めて明確に示してください。
六つ目、最後の迷走は地方機関の統廃合です。
年間五兆円以上もの税金が公務員の方々の人件費に使われています。組織の統廃合や業務の地方への移管などにより、大幅に人件費を削減できます。報道によると、総理は、十一月六日、国土交通省の地方整備局八局と農林水産省地方農政局七局の統廃合、地方移管を地方分権改革推進委員会の丹羽氏に対し、廃止する方向で進めていただきたいと指示され、丹羽氏も基本的に廃止の方向で同意をいただいたと発言されておりました。しかし、それもまたすぐに総理は、統廃合と指示したと変わりました。どちらの発言が総理の真意か、明確に答弁ください。
一方、会計検査院が行った平成十九年度決算検査報告で見付かった税金の無駄遣いは九百八十一件、金額は千二百五十三億六千十一万円にもなります。これは前年比で、件数で二倍以上、金額で四倍以上になります。そのような大幅な増額の理由をお聞かせください。もっと早くから対策を講じていれば更に税金の無駄遣いが見付かったのではないでしょうか。総理、答弁ください。
なお、会計検査院の検査は、国の会計経理や契約等の検査を行うものです。本年度の検査では、全三万四千三百三十六か所中、三千三百三十三か所、全体の九・七%、一割を検査しただけで一千億円以上の無駄遣いを見付けています。しかし、これはほんの一部の検査にすぎません。
一方で、十二道府県では預けと呼ばれる裏金づくりのほか、架空発注等が横行する実態も明らかになりました。今回は国の補助金が使える事業だったため、会計検査院が立入りし発覚する事態となりましたが、これは氷山の一角と言わざるを得ません。
一千億円以上の無駄遣い、そして地方の補助金不正経理の横行に対して、総理はどのようにお考えでしょうか。また、今後、どのように対処していくつもりか、併せてお答えください。
国、地方とも、この会計検査院の検査体制をより強化すべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。
また、いまだに決算検査報告にも天下り機関への随意契約の比率が高いことが指摘されていますが、政府はどのような対応を取るのか、麻生総理、明確にしてください。
さらに、予算書と決算書との項目が違い、予算に従い決算がどう使われているか追跡分析できないことが大きな問題です。例えば、予算書は決算報告書の五、六倍の厚さがあります。つまり、予算書は詳細まで金額が書かれていますが、決算書はそれを一くくりにした金額しか示されていません。今の決算書のままでは予算書との対比がしにくく、改善を求めますが、総理、いかがお考えでしょうか。
例えば、年間十二兆六千億円もの税金が四千七百の天下り機関に流れ、そこで二万七千人の官僚OBが養われていることを明らかにしたのも民主党です。また、民主党が要請した天下り先法人に関する予備的調査によって、平成十八年度に政府から発注された事業のうち、競争入札によらない随意契約が約五兆七千億円に達し、契約全体の九八%も占めたことも明らかになりました。
なぜ無駄遣いの指摘が増えたのか。その原因の一つとして、昨年、参議院で我が民主党が第一党にならせていただいたことが挙げられます。つまり、参議院で法案審議の主導権を我々が取ったことにより、今まで政府が出さなかった契約書や資料を民主党に提出され、数多くの税金の無駄遣いを見付けることが可能となったからです。
そして、我々は、政府の無駄遣いの現場に赴き、社会保険庁のゴルフ練習場、マッサージチェアなどへの無駄遣い、道路財源から巨額のタクシー代や高額な慰安旅行に支出されたことなど、様々な無駄遣いを見付けてきました。私自身も社会保険庁の事務センターに直接赴き、年間一兆円近いコンピューターシステムの支払が契約書もなく行われてきた事実、百二十人しかいない地方の河川国道事務所に車が百台あり、そのうち十九台に運転手が付き、そのうち一人の運転手は月に二十キロしか運転しなかったという事実を現場で見付けてきました。このように、議員が自ら現場に乗り込んでチェックするだけでも相当の税金の無駄遣いを見付けることができます。
私は確信します。我々民主党が政権を獲得させていただいて初めて、官僚による支配としがらみにまみれた惰性の政治に終止符を打ち、政府の大掃除、つまり税金の無駄遣いの一掃を行うことができることを。
さて、税金の無駄遣いを抑えるとともに大切なことは、景気を良くして税収を増やすことです。しかしながら、現在、百年に一度と言われる金融危機が我が国経済にも大きな影響を与え、税収が落ち込むことは確実となっています。
特に、中小企業の現状は非常に苦しいものです。本当に年を越せるかどうかという企業経営者に私は数多くお会いしました。十月の倒産件数は今年最多になり、十月の景気判断指数は二〇〇一年以降最悪となっています。十月に行われた横浜市の調査によると、七一・一%の中小企業は年内の資金繰りが厳しくなると回答しています。今、中小企業への融資を保証する信用保証協会は資金繰りの方々でいっぱいです。大阪の信用保証協会は審査に六時間も待たなければいけない状況です。長時間待って、結局は保証を得られない方々がたくさんおられます。
報道によると、総理は昨日、一次の景気対策というものは、補正予算も成立し執行に入っておる段階であります、順調に執行がされていると聞いておりますと発言されていますが、このような中小企業の極めて厳しい現状をどう認識しているか、企業経営者であられた総理に是非お答えいただきたいと思います。
政府の中小企業対策の遅れにより、我が国の経済が失速し、会社が倒産し、失業者が増えたとき、その責任を総理が取る覚悟があるのか、明確な答弁を求めます。
先日、会社を経営する知人と会いました。彼から、経営不振から三十人のうち半分の社員に辞めてもらった、しかし経営状況を知っている社員はだれも文句を言わなかったと聞きました。本当につらそうに語るその知人の顔を私は忘れることができません。多くの中小企業で同じようなことが起きているはずです。
一方、株価の下落と円高は、我が国の雇用に大きな影響を与えています。先日公表された自動車メーカーの派遣社員の解雇数は、五社だけで何と一万人近くになります。また、電機メーカーも一工場当たり数百人規模の派遣社員の削減を次々と公表しています。多くの方々が年を越せるかどうかという状況です。特に、十代後半の若者は七二%が派遣社員など非正規雇用です。多くの若者が仕事を失う不安に駆られています。このことを麻生総理はきちんと認識されておられますでしょうか、お答えください。
また、この日曜日、私は中小企業の従業員の方から、会社の経営不振からまじめに働いている同僚が解雇されたという話をお聞きしました。辞めさせられた方が、ありがとうございました、頑張って仕事を探しますという手紙を残されたと聞いて、私は本当に胸が痛くなりました。
多くの中小企業、そしてそこで働かれている方々は、本当に年を越せるかどうかという状況にあります。私は、それぞれの人々が与えられた場所で安心して精いっぱい頑張れるようにするのが政治の役割だと考えます。
我々民主党の景気対策は一時しのぎの選挙対策ではありません。一般会計と特別会計を合わせて年間二百十二兆円もの政府支出があります。この二百十二兆円から無駄遣いをなくし、医療、介護、子育てなどの福祉、また教育、雇用といった生活に予算を手当てするのが我が民主党の景気対策です。
百年に一度の危機であるからこそ、たらい回しの政権ではなく、選挙で国民の信任を得た政権でなければこの危機に対応することはできません。一日も早い解散・総選挙を求めますが、総理、いかがでしょうか。
最後に、国民の皆様に申し上げます。
是非とも皆様の声で総選挙を行わせ、官僚依存で何も変えられない自民党か、それとも生活第一で抜本的に予算の配分を変える民主党かを選んでください。そして、我々民主党にこの経済的に政治的に危機的な状況の立て直しをさせていただきたいと思います。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇、拍手〕