中山太郎の発言 (議院運営委員会)

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○中山(太)議員 中山でございます。
 このたびは、小坂委員長初め議院運営委員会委員の先生方の御要請を受ける形で、本院の憲法調査会及び日本国憲法に関する調査特別委員会における調査審議の経緯につきまして、憲法調査会長及び特別委員長を務めさせていただいた立場から、御報告と若干の所感を申し述べさせていただくことになりました。
 お手元のレジュメに沿って、早速、内容に入らせていただきます。
 まず最初に、憲法調査会の調査の概要について御報告申し上げます。
 平成十二年一月二十日に、日本国憲法下で初めて、国会に憲法調査会が設置されました。昭和三十年代に内閣に設置されました憲法調査会とは異なり、この衆参の憲法調査会にはすべての会派が参加し、改憲、護憲、論憲、それぞれの立場を尊重しつつ、前文を含む日本国憲法百三カ条について、広範かつ総合的な調査を行ってまいりました。
 その総調査時間は四百五十一時間に及びました。また、招致した参考人は延べ百九十四人を数えております。さらに、五回に及ぶ海外調査も実施し、超党派議員で構成された調査団により、合計二十五カ国及びヨーロッパ連合の一機関の憲法事情について実地に調査をいたしました。
 そして、平成十七年四月十五日、その成果をまとめた最終報告書を河野議長に提出して、その役割を無事果たしてまいりました。
 調査の特徴といたしまして、この調査を通じて、与野党の幹事、オブザーバーの御理解を得ながら、終始私が心がけましたのは、次の二点でございます。
 一つは、会長が会長代理を指名する、野党第一党の幹事の中から会長代理を選定する、この議院運営委員会理事会での申合せ事項に基づきまして、鹿野道彦、中野寛成、仙谷由人、枝野幸男の四人の歴代会長代理を指名しましたが、これらの先生方とも、まさに二人三脚であらゆる事項を相談しつつ、これを幹事会に諮って進めてまいったところであります。
 もう一つは、御承知のように、議会運営において、質疑時間の割り当て等についてすべての局面で数が基本となるのでございますが、マイノリティーの人権保障という一つの中核とする考え方で、憲法論議の特質にかんがみまして、少数会派に可能な限りの配慮をすることが望ましいとの観点から、幹事会への出席や幹事と同待遇の発言権、自由討議の中での複数回の発言の保障なども行ってまいりました。
 このように、みんなで考え、みんなで議論し、みんなでつくるという姿勢は、憲政記念館の特別会議室で幾日にもわたって開催されました幹事懇談会の場で、最終報告書の一行一行を取りまとめてまいった議論の過程にすべてが凝縮をしていると存じます。
 思えば、四年前の四月上旬、憲政の庭に咲き誇る桜の花を時折眺めながら、一同、憲法漬けの時間を過ごしたことが極めて印象的に残っております。
 次に、日本国憲法に関する調査特別委員会について、概要を御報告させていただきます。
 以上のような調査審議の進め方は、郵政解散・総選挙を挟んで、平成十七年九月二十二日に設置されました日本国憲法に関する調査特別委員会におきましても、そのまま踏襲されてまいりました。
 この憲法調査特別委員会では、いきなり法案審議に入るのではなく、まず与野党共通の認識を醸成するべく、二回合計八カ国の海外調査を含めた、国民投票法制の調査を徹底的に行いました。その結果、幾つかの政策的相違点を残しつつも、その骨格においてはほとんど同一内容の与党案と民主党案とが翌年の五月に提出されることになったのであります。
 両案の提出後も徹底した審議を行い、法制調査を含めた総時間数、百九時間に及び、招致した参考人も延べ五十九人を数えました。
 調査審議の特徴といたしましては、憲法調査特別委員会での議事運営も憲法調査会と同様で、そのほか、法案審議に当たっての与党案、民主党案の相違点を埋めるための修正協議は、枝野筆頭の御提言をそのまま受け入れて、基本的に小委員懇談会の形式で、参考人を交えた自由討議の中で行うなどの工夫もいたしてまいりました。
 憲法調査特別委員会と議院運営委員会との関係について御報告をさせていただきます。
 ところで、憲法調査特別委員会での議論におきましては、議院運営委員会との関係も論点の一つとなりました。すなわち、投票権者の範囲や国民投票運動の規制などのような国民投票制度固有の問題のほかに、個別の改正項目ごとの投票か、それとも改正案全体を一括した投票かといった投票の方式の問題や、国民への周知広報機関を国会に設けるなど、国会法改正に絡む問題も出てきたからであります。
 そこで、議運理事会への報告につきまして御報告いたしますと、当時の佐田議運委員長からの御要請を受ける形で、与野党筆頭理事であった保岡、枝野両先生とともに三人で議運の理事会に二度ほど出席をさせていただき、これら国会法の改正を要する事項につきましても、憲法調査特別委員会での調査審議をすることの御了承をちょうだいしたところでございました。
 なお、憲法審査会規程の事項に関して申し上げるならば、国会法改正に関する議論は、これと不可分一体となっている憲法審査会規程で措置すべき事項の議論にも当然に及ぶこととなりますから、例えば、審査会の原則公開や公聴会開催の義務づけ、定足数や議決要件、事務局の設置などについても議論が行われ、実際の衆参における法案審査の中でも、そのうち幾つかの事項については質疑がなされ、提出者からの答弁もなされております。
 さらに申し添えますと、以上の国会法改正部分に関する与党案及び民主党案の規定内容は一字一句同じものでしたし、また、憲法審査会規程で規定すべき事項の内容につきましても、法案提出会派である自民、公明、民主、三党の間では完全な合意が形成されていたことを申し添えておきます。
 以上、憲法調査会の五年間及び憲法調査特別委員会の二年間の調査審議の経緯についてその概要を述べてまいりましたが、最後に、この七年間を含めまして、憲法調査委員会設置推進議員連盟を立ち上げた平成九年、これは日本国憲法施行五十周年に当たる年でございましたが、そのときから今日までの十二年間、一貫して本院における憲法論議に関与してきた立場から、若干の所感を申し上げさせていただきたいと存じます。
 まず、憲法論議のあるべき姿でございますが、私は、この間、一貫して考えてきましたことは、憲法論議は内閣ではなく国会の責務、権限であるべきこと、それは、政権を争う与野党対峙の論戦とは一線を画した、全国民代表としての論議であるべきこと、そして、憲法論議は、自己の理想の憲法像の主張にとどまるのではなく、最終的に三分の二以上の多数派形成に向けた超党派的論議、いわば偉大なる妥協を目指した論議であるべきということでございます。
 意見陳述を終えるに当たりまして、あえて申し上げさせていただくならば、一刻も早く、改正国会法の定めるところに従って国会に憲法論議の場を発足させていただきたいこと、そして、そのような場である憲法審査会の発足に当たっては、できるだけ広範な会派の御賛同のもとにスタートするように御配慮をいただきたいと念じております。
 この点に関連して、憲法調査特別委員会の大阪地方公聴会で、中野寛成元副議長が意見陳述者として次のような趣旨の御発言をされました。憲法論議は国権の最高機関である国会の場で行うべきであり、その議論に当たっては拙速や党利党略は避けるべきである、そのときに必要なのは与党の度量と野党の良識であると、こう述べられております。
 いずれにいたしましても、私は一議員として、議院運営委員各位の御見識に期待をいたしておりますし、御判断を全面的に受け入れる所存でございます。
 御清聴、まことにありがとうございました。

発言情報

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発言者: 中山太郎

speaker_id: 15557

日付: 2009-04-27

院: 衆議院

会議名: 議院運営委員会