鈴木克昌の発言 (本会議)
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○鈴木克昌君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案、以上二案を議題とし、直ちに採決すべしとの動議に対し、断固反対の立場で討論を行います。(拍手)
自民党が参議院で大敗をしてまだ二年とたちませんが、これで実に八度目の再議決となります。両院の可決をもって法律とするのが常道であり、両院の意思が異なる場合にあっても、話し合いによって解決を模索することが当然であります。ましてや、直近の民意は参議院にあるのであります。最初から話し合いを拒絶し、四年前のあの郵政解散によって得た衆議院での多数を濫用して再議決を繰り返す自民党は、もはや権力に取りつかれた亡者のようであります。
さて、麻生政権発足以来、未曾有の危機、百年に一度の危機という言葉を何度となく総理の口からも伺ってまいりました。しかし、昨年秋に対策を打ち出してから第二次補正の提出まで、二カ月余りの時間を空費し、この間に我が国経済が一気に悪化したことは歴然としており、その責任は、ひとえに適切な対応をとらなかった政府・与党にあることをまず申し上げておきます。
しかも、対策と予算の中身は選挙向けのばらまきでしかない状況で、これでは危機感ゼロと疑わざるを得ません。いたずらにばらまきを行っても、国民は、将来に不安を感じて、将来の増税を予想し、財布のひもをますます締めることになります。そのことは、バブル崩壊後のばらまき政策の失敗で経験済みのはずであります。
今必要なことは、予算の構造を根本から転換し、資源配分を大胆に改めることであります。
歳入については、為政者の立場ではなく納税者の立場に立ち、公平で、仕組みが透明でわかりやすく、だれもが納得できる税制に大胆に改めることを示し、将来を見通せるようにすべきであります。
しかし、今回の税制改正の内容を見ると、余りにも小粒であり、しかも、将来の税制改正の方向性を示すものとして盛り込まれた附則は、総花的、抽象的で、全く不透明であります。これでは、経済への危機感がないという疑いは確信に変わらざるを得ないのであります。
例えば、消費税については、「消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成二十三年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。」と記されております。「含む」「必要な法制上の措置」の意味は不明であります。しかも、自民党には、事あるごとに税制の抜本改革を行うと公約をしてはほごにしてきた前歴があります。
安倍政権下で決定された骨太方針には、「平成十九年度を目途に」「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく、取り組む。」と記されました。福田政権下でも、抜本改革の早期実現を図ることが記されました。
しかし、今日に至るまで税制の抜本改革が行われてこなかったことは周知の事実であります。また、税制の抜本的見直しまで継続をするとした定率減税をいきなり廃止したこともあります。このたびの附則は、不安や憶測をあおるだけで、有害無益であります。
次に、租税特別措置についてであります。
特定の企業や団体が払うはずの税金を納めなくてよくなるという点では、租特は実質的に補助金と同様の性格を持つものであり、隠れ補助金と言っても過言ではありません。この租特による減収額は、公表されているだけで五・二兆円にも達しております。
民主党は、一昨年来、租特の延長、新設を要求している関係各省庁に具体的な資料の提出を求め、ヒアリングを行い、また、国会でも議論してまいりました。結果、特定の業界や一部の企業のみが恩恵に浴していると思われる租特や、官僚の特権や仕事を保持するため、あるいは組織の維持存続を図るためとしか思えない租特が数多くあることが明らかになりました。しかも、関係省庁は、多くの租特について増減収の積算を適正に行っておらず、利用実績も把握しておりません。
このように、租特については国民への説明責任が全く果たされていません。これは、政府・自民党が納税者の側に立った税制改革を行ってこなかったことの証左であります。
次に、道路特定財源についてであります。
民主党は、道路特定財源の一般財源化をかねてから主張してまいりました。道路特定財源制度は、五十四年前、道路が未整備で、緊急に道路をつくるためにできた制度であります。現在は、社会保障や環境問題など喫緊の課題が山積しており、道路だけを聖域化し、特定財源として存続させる理由は全く見当たりません。
自民党も、世論の高まりに抗し切れず、福田政権下で、暫定税率の検討と一般財源化を決定いたしました。しかし、麻生総理は、道路族の圧力に屈し、道路予算の歳出構造にはほとんど手をつけることができず、歳入の一般財源化という奇妙な論理を持ち出して、一般財源化を果たしたと強弁されております。暫定税率に至っては検討すらしませんでした。
このように、簡単に公約をほごにしてしまう麻生政権、自民党政権を多くの国民が信頼しないのは当然であります。
最後に、公債特例法についてであります。
これまで、民主党は、特別会計の余剰金、積立金は過大であり、埋蔵金が眠っていると指摘をしてまいりました。特に、財政投融資特別会計の金利変動準備金について、総資産の一千分の五十という目標も過大であると指摘をしてまいりました。しかし、政府・自民党は、民主党の主張に対し、目標は適正であり、使うことはできない、埋蔵金のたぐいは存在しないと繰り返し答弁をしてまいりました。
しかし、二十年度補正予算の財源として多額の金利変動準備金を取り崩して使ったばかりか、二十一年度でも、税制抜本改革をできないと見るや否や、経済危機を理由に方針を百八十度転換し、基礎年金国庫負担金引き上げの財源等に充てることとしているのであります。まさに、ぶれ続ける麻生内閣を象徴した法案と言わざるを得ません。
以上のように、このたびこの二法案が、再可決という異常な手段を使ってまで成立させなければいけない法案でないことは明白であります。自民党の諸君は、再可決を繰り返すうちに良心が麻痺してしまっているのではありませんか。