下村博文の発言 (本会議)
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○下村博文君 自由民主党の下村博文でございます。
本日は、午後三時三十分より、ノーベル化学賞受賞者下村脩さんを本院にお迎えし、表祝行事がございました。同名のよしみとして、心よりお祝い申し上げます。
さて、私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました、憲法第五十九条第二項に基づき、本院議決案を議題とし、直ちに再議決すべしとの動議について、断固賛成の立場から討論を行います。(拍手)
本年二月二十七日に衆議院本会議で可決し、参議院に送付されました国税関連の二法律案は、本日、参議院において否決され、本院に返付されてきました。
まず、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案について申し上げます。
昨年九月以来の金融資本市場の混乱は、信用収縮から実体経済に悪影響を及ぼし、世界的な景気後退を招いております。我が国もその余波を受けて、輸出や生産の減少、消費の停滞による雇用情勢の急速な悪化などから、景気は厳しさを増すばかりでありました。
昨年以来のこうした経済情勢を受けて、三年以内の景気回復実現を掲げる麻生内閣は、安心実現のための緊急総合対策、そして生活対策として、第一次及び第二次補正予算とその関連法案を次々と成立させて、景気回復を図ってまいりました。
さらに、生活防衛のための緊急対策等を踏まえ策定された平成二十一年度当初予算には、国民生活を守るための雇用対策、出産・子育て支援、医師確保・緊急医療対策、日本経済を守るためのセーフティーネットや将来の成長の芽を育てるための施策が盛り込まれております。
本法律案は、平成二十一年度における特例公債の発行を定めるとともに、平成二十一、二十二年度において、生活防衛のための緊急対策等の実施と、基礎年金の二分の一を国庫が負担するために必要となる財源を確保するため、財投特会から一般会計への繰り入れの特例を定めるものであります。
具体的な数字で申し上げますと、二十一年度予算においては、本法律案で定められた特例公債の発行により二十五・七兆円、財政投融資特別会計からの繰り入れにより四・二兆円の財源を確保しております。これが、二十一年度歳入予算の実に三分の一を占めていることにかんがみても、二十一年度予算と本法律案は一体不可分であります。
現下の厳しい経済情勢に対処するためには、二十一年度予算と同時に本法律案も成立させ、年度当初から予算を速やかに執行していくことが景気回復のために求められていることであり、本法律案の一日も早い成立を強く主張いたします。
次に、所得税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
本法律案は、地方税と合わせて総額一兆円を上回る規模の大胆な減税を行うものであり、厳しい経済金融情勢のもとで国民の暮らしや企業活動を幅広い分野で支える観点から必要不可欠なものと考えます。
具体的には、住宅ローン減税の大幅な拡充、延長、環境対応車への自動車重量税の減免、中小企業の法人軽減税率の引き下げ、中小企業の雇用を維持し事業を承継した場合における相続税や贈与税の猶予などを盛り込んでおります。
一方で、このような減税措置を含む大胆な財政出動を行うからには、中期の財政責任を明確にしておかなければなりません。
我が国財政は危機的状況にあり、とりわけ、社会保障制度の財源のうち公費負担については、その三分の一程度を将来世代へのツケ回しに依存しながら賄っている状況です。将来に対する国民の不安を払拭し、子や孫に負担を先送りしないために、安定財源確保に向けた道筋を国民の皆さんに明示する必要があります。
このため、附則第百四条において、消費税を含む税制抜本改革の道筋と基本的方向性を盛り込んでおります。
この規定は、消費税を含む税制抜本改革の前提条件やスケジュールに加え、所得課税、資産課税、消費課税等の税体系全般にわたって今後の見直しの基本的方向性を明確に法制化するものであり、極めて画期的な規定であります。すなわち、国家としての責任を内外に示すものであり、高く評価すべきことであります。
なお、本法律案が仮に年度内に成立しなければ、住宅用家屋や土地の売買等に係る登録免許税の軽減措置を初め、各種の軽減措置等が失効することになります。これにより、さまざまな取引等の当事者にとって想定外の負担増が発生するなど、国民生活、経済活動の全般にわたって大きな悪影響が生じることは確実であります。こうした点も考慮し、本法律案の年度内成立を強く訴えるところであります。
参議院では、多数を占める野党に両法律案について御賛同いただけず、返付されてまいりましたが、現下の経済情勢にかんがみ、さきの景気回復策と切れ目ない形でさまざまな施策を連続的に実施して、より効果を発揮するためには、両法律案の成立は必須であるとともに、今を生きる国民には安心を、将来を担う子供たちには明るい未来をもたらすための施策の実施に向けた財源を確保するという点でも、その成立は必要不可欠であると考えます。
以上の理由から、憲法第五十九条第二項に基づき、粛々と二法案の成立を図り、国会の意思を明らかにする必要があると考えます。
国民の負託を受けた議員各位の良識に基づき、圧倒的多数をもって御賛同いただきますようお願いして、賛成の立場からの討論を終わります。
ありがとうございました。(拍手)