赤嶺政賢の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○赤嶺政賢君 私は、日本共産党を代表して、海賊対処法案に反対の討論を行います。(拍手)
本法案は、国連海洋法条約に則して、海上保安庁が国籍を問わず海賊行為を処罰し対処することを前面に出していますが、その核心は、自衛隊に海賊対処行動という新たな海外任務を与えることにあります。
しかし、軍隊の派遣では、ソマリア沖の海賊問題は解決できません。
昨年から、各国がソマリア沖に軍隊を派遣し、政府も自衛隊を派遣しましたが、海賊事件は減るどころか、逆にふえています。海賊が広域化し、軍隊が活動していない海域に活動拠点を移しているからです。まさにイタチごっこになっているのです。軍隊の活動で問題が解決できないことは、現地の米軍司令官自身が認めています。
ソマリアの内戦と貧困という陸の問題が解決しない限り、海賊という海の問題も解決しないことは、国際社会の共通認識です。
ソマリアでは、一九九一年以降、内戦状態が続き、国連PKO初の平和執行部隊の派遣、対テロ戦争の名による米軍の空爆と軍事介入が行われてきました。外国漁船による違法操業、有毒廃棄物の不法投棄が横行し、これが元漁民を海賊行為に走らせたと言われています。これまでの国際社会の関与のあり方が問われているのであります。
ソマリア暫定連邦政府のアハメド大統領は、ソマリアの治安部隊を確立するための国際援助があれば海賊の攻撃の四分の三は防止できると発言しています。
憲法九条を持つ日本がやるべきは、自衛隊の派遣ではなく、こうした現地ソマリアと周辺国の海上警察力の強化のための技術援助、財政援助であり、根本問題であるソマリアの内戦終結と貧困の解決のための外交努力と民生支援であります。
政府は、自衛隊が行う海賊対処は警察活動だと言いますが、現地では、米軍を初め各国軍隊と協力して任務を遂行するとしています。
米軍は、自衛隊が活動するソマリア沖・アデン湾で海賊対処だけを行っているわけではありません。対テロ戦争やソマリア本土への空爆など、さまざまな軍事作戦を混然一体となって進めています。その米軍に、海上自衛隊のP3C哨戒機や護衛艦が情報提供を行えば、米軍の軍事作戦全体を支援することになるのは明らかです。
しかも、政府が自衛隊派遣の根拠の一つとする国連安保理決議は、アメリカ主導で採択されたものであり、国連憲章第七章に言及し、ソマリア空爆を含むあらゆる必要な措置をとる権限まで与えているのです。現に、アメリカは海賊が陸上の拠点から海に出てきた時点をとって攻撃することを検討していると報じられています。軍隊による海賊対処は、さらなる情勢の悪化を招きかねません。
国際海事局は、軍事介入は海賊の凶暴化を招きかねないと警告を発してきましたが、米軍が人質救出のために海賊三人を射殺したことに対し、海賊が報復を宣言する事態になっています。
さらに、アルカイダ系組織がソマリア沖の各国軍艦に対する攻撃を呼びかけ、アメリカは、ソマリアのイスラム系過激派組織の訓練キャンプに対する軍事攻撃を検討しています。
力でねじ伏せるやり方は事態を悪化させるだけです。自衛隊の派遣は直ちに中止すべきです。
武器使用も重大です。
本法案は、抵抗、逃亡する海賊への危害射撃、海賊行為を制止するための船体射撃を規定しています。しかし、ほとんどの場合、海賊船と漁船は同じに見えると米海軍の専門家も指摘しています。遠く離れたソマリア沖で、自衛隊が戦後初めて人を殺傷しかねないのであります。
以上、海賊対処を口実に、自衛隊の海外での武力行使、海外派兵恒久法に道を開く本法案はきっぱり廃案にするよう求め、討論を終わります。(拍手)