平岡秀夫の発言 (本会議)

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○平岡秀夫君 民主党の平岡秀夫でございます。
 民主党・無所属クラブを代表いたしまして、いわゆる海賊対処法案を再議決すべしとの動議に対し、反対の立場から討論を行います。(拍手)
 海賊行為は犯罪行為であり、国連海洋法条約においても、旗国主義の例外としてすべての国に取り締まりの権限が与えられていることから、民主党としても、各国が連携して対策を講じる必要があると強く認識しています。特に、ソマリア沖・アデン湾の海賊対策は、累次、国連安保理決議も発出されており、我が国としても我が国にふさわしい取り組みを行っていくことが必要であると考えます。
 しかしながら、本来、犯罪行為への対処であるべき海賊対策についての政府の対応は、初めに自衛隊の派遣ありきであったと言わざるを得ません。そのため、多くの国民の皆さんは、大きな不安を感じているのです。
 その不安は、大きく分けて三つあります。
 その第一点は、今回の政府の対応が、安易な自衛隊の海外派遣への道を開くことにならないかという点です。
 麻生総理は、二年前の著書で、ネイビーを五年半の長い間遠方に展開したことは我が国の歴史始まって以来のことですと誇らしげに書いています。
 民主党は、法案修正で示したとおり、海賊対策は第一義的に海上保安庁の責務と考えていますが、麻生政権は、本法案提出前に、海上保安庁では対応ができないのかという検討を先送りにしたまま、海上警備行動として、遠方での終わりなき任務に海上自衛隊を泥縄式に派遣いたしました。海上警備行動は、本来、我が国周辺海域を想定し、かつ恒常的活動とは考えられていない活動です。極めて遺憾なことです。
 不安の第二は、ソマリア沖で自衛隊が武力抗争に巻き込まれることはないのかという点です。
 我が国が今回自衛隊を派遣している海域近くのソマリアは、内戦状態にあり、昨日も自爆テロで治安大臣を含む二十五人が死亡しています。既に、米軍は、一昨年、昨年と、ソマリア領内で軍事攻撃を行っており、国連の安保理決議千八百五十一号では、ソマリアにおける必要なすべての手段をとることができるとされています。米軍のソマリアでの軍事行動など、ソマリアでの武力抗争に自衛隊が巻き込まれるおそれが懸念されます。
 不安の第三点は、自衛隊を海賊対策として海外派遣することにシビリアンコントロールが確保されているのかという点です。
 ことし三月から始まった海上警備行動が、海上自衛隊の艦船の派遣に加えて、今や、国会関与が全くないまま、海上哨戒機P3Cの派遣や陸上自衛隊の派遣へと拡大しています。本法案が成立すれば、海賊対策という名目のもとで、単に国会報告だけで、ソマリア沖・アデン湾近くでの自衛隊の活動が拡大されていきます。我々が法案修正を求めた国会の事前承認は、自衛隊に対するシビリアンコントロールの確保から不可欠のものです。
 このような不安を残したまま、本法案の成立を認めることはできません。また、本来であれば国会の衆参両院での議決による承認に基づいて行われるべき自衛隊の海外派遣について、とにかく自衛隊を派遣すればいいんだという法案を再議決すべしとして、憲法第五十九条第二項の規定を軽々に使うことは、参議院の意思を踏みにじることとなります。再議決を求める本動議には、到底賛成することはできません。
 民主党は、海洋国家日本の姿勢として、海賊がいない平和な海をもたらすための根源的な対策に努力すべきと考えます。その意味で、海賊行為への対処にとどまらず、海賊発生の原因の一つであるソマリアの混乱や貧困を克服するための努力こそ我が国が行うべきことです。
 ソマリアのいわゆる海賊ビジネスでの収入は年間約三十億円、これに対し、自衛隊の派遣にかかる費用は平成二十一年度で約百四十五億円計上されているにもかかわらず、今の自公政権には、平和な海をもたらすための根源的な努力をしようとする姿勢はうかがえません。
 速やかに解散・総選挙を行って国民の信を問い、国民が望んでいる海賊対策を図るべきであり、その任にこたえられるのは我々民主党であることを申し上げまして、私の反対討論といたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 117105254X04120090619_004

発言者: 平岡秀夫

speaker_id: 19347

日付: 2009-06-19

院: 衆議院

会議名: 本会議