阿部知子の発言 (本会議)

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○阿部知子君 社会民主党の阿部知子です。
 私は、社会民主党・市民連合を代表して、海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律案の再議決に対して、反対の討論を行います。(拍手)
 一体これで何度目の再議決でしょうか。余りにも乱用され、日常化した衆参の賛否の違いに対する衆議院での三分の二を用いた再議決は、そもそも、この国会自体の賞味期限切れ、熟議の民主主義の否定、そして何よりも、二院制を定めた我が国の議会制民主主義への冒涜にほかなりません。
 こうした状況を打開する真の道は、一日も早い衆議院の解散・総選挙で、主権者である国民の意を問うことであることを、まず冒頭に強く申し上げたいと思います。
 その上で、既に三月十三日に、海上警備行動規定を拡大解釈しての発令のもとにソマリア沖に派遣された海上自衛隊と海上保安庁の皆さんの昼夜を問わない活動には敬意を表しつつも、しかし、事態は、海賊取り締まりの海域をどんどん拡大させるとともに、海賊事案も本年五月末で既に百三十件となり、昨年の百十一件をはるかに上回っていることをまず指摘せねばなりません。
 この間、我が国からも、P3C哨戒機二機が派遣され、陸海空の自衛隊が戦後初めてそろって海外派遣されたわけですが、果たしてその活動の現状がどうなっているのかも、国民からは全く見えません。インド洋でのテロ対策支援のための給油活動との関係、米英中心のCTF151やEUの海賊取り締まり対策との連動も、実態がなし崩し的に先行していきかねません。
 一方、参議院においても、あえて自衛艦を派遣する理由、現実に護衛し得る商船は全体のわずか二五%という事実、P3C派遣の目的、そして、何より重要な破綻国家ソマリア自身への支援の必要性が指摘された上で本法案が否決されたのです。
 加えて、本法案は、特定の国連決議等を根拠としない一般法であり、期限の定めのない恒久法でもあります。これから一体どういう基準で海賊に対処していくのか。海賊行為自体は、古今東西、海のあるところには必ずある一般的な犯罪行為であります。必要最小限の実力組織であるはずの我が国の防衛力でこれから世界の海賊と戦い続けていくつもりなのか、その展望も見えないままのものです。
 日本は、東南アジアにおける海賊問題について、ReCAAP協定に基づく情報共有センターの設立にリーダーシップを発揮し、沿岸諸国の海上法施行能力向上のための人材育成支援、海上保安庁の巡視船を派遣しての訓練などの積極的な貢献を行い、大きな成果を上げてきました。ソマリアの海賊に対しても、こうしたソフトパワーによる粘り強い対処が第一であり、その原点に立ち戻ることを再度強く求めたいと思います。
 何かあればそれを口実に自衛隊の活動領域を広げ、そして安易な自衛隊活用政策に、これ以上頼るべきではありません。自衛隊は専守防衛に徹し、万が一のための必要最小限の実力組織にとどめ、平和国家の名にふさわしい非軍事的な取り組みこそ優先させるべきだということを申し上げて、私からの反対討論といたします。(拍手)

発言情報

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発言者: 阿部知子

speaker_id: 26143

日付: 2009-06-19

院: 衆議院

会議名: 本会議